フレッツ光とIIJmioひかりの違いは?料金・速度や各メリットを比較!
光コラボの登場で、ユーザーはさまざまな通信会社から契約相手を選ぶことができるようになりました。
利用する根本的なサービス内容は同じであっても、通信会社ごとに独自の割引サービスなどを盛り込んでいるため、条件次第ではフレッツ光時代よりもかなりお得な条件で光回線を利用できます。
しかし、だからと言って光コラボ各社がフレッツ光の単純な上位互換とうわけではありません。
フレッツ光には固有のメリットが有り、その恩恵の大きかった人にとっては転用によって後悔する未来もあり得るのです。
重要なのは「比較する」ことです。
そこで今回は、「フレッツ光」と「IIJmioひかり」の違いについて解説していきます。
目次
まずは「フレッツ光」と「IIJmioひかり」について解説
まず、本題に入る前に、この記事を読んでもらう上で知っていてもらいたい知識について簡単に説明しておきます。
フレッツ光→「NTT東日本・西日本」が提供するサービス(プロバイダがつなげる役目)
フレッツ光は、NTT東日本およびNTT西日本が提供する光インターネットサービスです。
NTT東西で料金等細かい部分は異なりますが、共通する特徴として「プロバイダが別」という点が挙げられます。
これは、NTTとの契約とは別に、プロバイダとも契約しなければならないという特徴があります。
加えて、契約が別ということで、料金の請求もNTTとプロバイダで別々になっています。
請求が別であるということにより、同じ「インターネットの利用料金の支払い」でありながらも、請求と引き落としのタイミングがずれてしまいます。
場合によっては、口座残高の管理や通信費の把握が複雑化してしまう可能性があります。
IIJmioひかり→NTTの回線を借りて「IIJmio」が提供するサービス
次に、IIJmioひかりの説明を行います。
どちらかと言えば「スマホの会社じゃないの?」と思われるかもしれません。
実際、格安SIMを提供するMVNOの一つとして高い知名度を持つ「IIJmio」が提供している「フレッツ光コラボレーション」の一つが、IIJmioひかりです。
光コラボは、このIIJmioひかりを始めとして運営会社(この場合はIIJmio)が、全ての業務を担っているという特徴があります。
これは、ネット回線(NTTから回線をレンタル)、プロバイダ業務、販売管理、サポートの全てを行うということです。
つまり、フレッツ光とは異なりプロバイダが別ではないので、料金もひとまとめになっています。
フレッツ光からIIJmioひかりへの転用を考えている方はぜひ参考に!
光コラボは、本家であるフレッツ光には無いさまざまなサービスが用意されています。
しかし、単純に光コラボのほうが全てにおいて勝っているということではありません。
一部、フレッツ光のほうが有利な部分もあり、その部分に魅力を感じる人の場合は乗り換えによってサービスの満足度が低下してしまう恐れがあります。
もし、フレッツ光を利用中で、IIJmioひかりへの転用をお考えの場合は、安易な理由で転用しないことをお勧めします。
もちろん、転用することでメリットが大きい人も多いのですが、中にはそうではない、逆にデメリットが大きくなる人もいらっしゃいます。
人によって基準は異なりますので、この記事でそれぞれの回線契約の特徴を把握して、きちんと比較してから転用の是非をお考えください。
フレッツ光とIIJmioひかりの料金比較
次に、フレッツ光とIIJmioひかりに関して、料金面での違いについて解説します。
なお、比較するのは最大通信速度1Gbpsのプランです。
それ未満の速度のプランを利用する場合は、公式サイトで料金を確認してください。
戸建てプランの場合
内容(戸建) |
フレッツ(東) |
フレッツ(西) |
IIJmio光 |
ネット料金 |
4,600円 |
3,810円 |
4,960円 |
プロバイダ料 |
500円~1,200円 |
500円~1,200円 |
上記に含む |
合計 |
5,100円~5,800円 |
4,310円~5,010円 |
4,960円 |
フレッツ光は、選択するプロバイダによって料金が異なります。
戸建てプランの場合、プロバイダ料は最大1,200円になります。
なお、フレッツ光は一般的な割引を適用したものであり、契約期間なしのプランを選択する場合は大幅に月額料金が増額されます。
IIJmioひかりの方は、基本料金だけで見ると他社光コラボよりも若干安い程度の料金であるといえます。
実際には、後述する割引サービスによって料金が少なくなりますので、往々にしてフレッツ光よりも安い料金で利用できるでしょう。
マンション(集合住宅)プランの場合
内容(マンション) |
フレッツ(東) |
フレッツ(西) |
IIJmio光 |
ネット料金 |
2,950円 |
2,930円 |
3,960円 |
プロバイダ料 |
500円~950円 |
500円~950円 |
上記に含む |
合計 |
3,450円~3,900円 |
3,430円~3,880円 |
3,960円 |
マンションタイプの契約も、戸建てと同様に割引サービスを利用すればフレッツ光よりも安い料金で利用できるケースが多いです。
また、割引の条件が「格安SIM」である以上、通信費がかなり節約できることは間違いありません。
フレッツ光とIIJmioひかりの速度比較
次に、フレッツ光とIIJmioひかりの「通信速度」の違いについて解説します。
回線速度自体は、どちらも最大1G(1000Mbps)
比較と言っても、実は両者にカタログスペックでの違いは存在しません。
IIJmioひかりは光コラボの一つであり、つまり使用している回線はフレッツ光と同じものです。
つまり、回線品質の違いによって生じる通信速度の違いは存在しないということになります。
もちろん、契約するプランの通信速度が最大1Gbosであればの話です。
もし、「インターネットはネットサーフィンとメールしか使わない」という場合であれば、最大通信速度が遅いプランでも問題ないことも多いです。
ですが、動画の視聴やファイルのダウンロードの機会が多いネットの使い方をする場合は、1Gbpsのプランを選ぶことをお勧めします。
ただし、1Gは当然ベストエフォートであって、どちらの回線もそこまでは出ない
ただし、実際に1Gbpsの通信速度でインターネットを利用できることは極めて稀であると言えます。
なぜなら、1Gbpsという通信速度は「ベストエフォート」であり、実際には使用するパソコンのスペックや周辺機器の規格などに依存するので、もっと遅い速度での利用が中心となります。
ですが、これはフレッツ光であってもIIJmioひかりであっても同じことです。
というよりも、全ての通信サービスにおいて同じことが言えます。
そこで、大事になってくるのが「回線への繋がりやすさ」
そこで重要になるのが「回線への繋がりやすさ」です。
通信サービスの通信速度を決める要因は、デバイスや周辺機器のスペックだけでなく、ユーザーの集中による回線の混雑がどれだけ頻繁に起こるか、つまり一定のエリアにおいてユーザー数が集中しているかどうかが問題になります。
これに関しては、最大通信速度など公式サイトで掲載されている数値データでは計れません。
参考にできる情報としては、ネットで最近の口コミを見つけるか、近所に住む知り合いに聞いてみることをお勧めします。
IIJmioひかりのメリット
次に、IIJmioひかりのメリットについて解説します。
「ネット回線+格安SIM」がセットでお得→「mio割」
まず、IIJmioひかりを利用するにあたってMVNO「IIJmio」を利用している場合は「mio割」を適用できるというポイントです。
これは、IIJmioひかりと、格安SIM「IIJmio」をセットで利用することで、月額料金を600円引きしてもらうことができるサービスです。
IIJmioは人気の格安SIMの一つで、他社と同様に格安の料金でスマートフォンを利用できます。
IIJmioひかりとセットで利用することで、固定回線の月額料金も安くできるので、ご家庭の通信費を節約する方法として優れています。
通信費の支払いがIIJmio一つにまとまる
また、フレッツ光からIIJmioひかりに乗換えると、通信費の支払いがIIJmioにまとめられるというメリットもあります。
フレッツ光ではNTTからの請求とプロバイダからの請求が別になるため、引き落としのタイミングなどで困る場面も出てくる可能性があります。
光コラボは、通信会社がプロバイダ業務についても管理し、料金もプロバイダ料込みです。
そのため、請求はひとまとめになり、口座残高の管理や家計管理における通信費の把握も簡単になります。
フレッツ光のメリット
次に、フレッツ光のメリットについて解説します。
プロバイダの選択肢が多い
まずは、プロバイダを複数の選択肢から選べるというポイントです。
プロバイダごとにサービス内容や月額料金が異なり、気に入ったプロバイダがある場合はそれを選べる可能性が高くなります。
光コラボは、一部の回線契約を除きプロバイダを選べないものが多いです。
そのため、回線契約とそのサービス自体は気に入っているのに、お気に入りのプロバイダを選べないという点がネックになります。
サポート体制が安定している
次に、サポート体制が安定しているというポイントです。
御存知の通り、フレッツ光はインターネットサービスの老舗であり、長年運営してきた経験からサポート体制にもそれが反映されています。
光コラボは、提供開始からすでに2年以上が経過しています。
そのため、サポート体制のアドバンテージも日に日に弱まっていますが、今でも最も安定したサポートを受けられるのは本家であるフレッツ光であると言えます。
インターネットに詳しくない、手厚いサポートを受けたいユーザーにとっては、特に重宝するメリットであると言えます。
法人・店舗・個人事業主の方限定で、お得なキャッシュバックキャンペーンを開催している
最後に、フレッツ光は「法人契約」を対象としたキャンペーンが利用できるというポイントです。
フレッツ光はh仮コラボの登場以降、新規契約者を対象にしたキャンペーンが下火になっています。
ですが、それはあくまでも個人契約を対象とした場合です。
フレッツ光の代理店の中には、法人契約を対象としたキャンペーンを実施しているところがあります。
法人契約ということは、仕事関係でインターネットを必要とする場合がほとんどだと思われます。
手厚いサポートは、いざという時に仕事への悪影響を最小限にできるという観点からもメリットが有り、その上キャンペーンも利用できるとあればいい事尽くしです。
IIJmioひかりへ乗り換えるデメリットはあるの?
最後に、IIJmioひかりに乗り換えるに当たってのデメリット(になる可能性があるポイント)について解説しておきます。
フレッツ光からIIJmioひかりに乗り換えたら、もうフレッツ光には戻せない!?
一番気をつけなければならないポイントは「乗り換え後」の話です。
フレッツ光からIIJmioひかりへは、光コラボへの乗り換えということで「転用」というシステムを利用できます。
しかし、逆の方法は無理なのです。
要するに、IIJmioからフレッツ光に転用することはできないのです。
そもそも「転用というシステム」が何であるか簡単に解説しますと、フレッツ光から光コラボへの乗り換えを、最小限の手間とコストで実行できる方法です。
通常、回線契約の乗り換えに際しては「利用中の通信サービスの解約続きおよび(必要に応じて)違約金の支払い」と「乗り換え先の通信サービスの申込手続きおよび初期工事並びにその費用の支払い」という手間とコストがかかります。
特に、違約金の支払と工事費用の支払いは、合計すると短期間で相当な費用負担を強いられることになります。
工事費用は割引してもらえる可能性もありますが、違約金の支払いは特定のタイミングでの解約以外は支払いを免れられません。
転用は、フレッツ光への違約金の支払いおよび乗り換え先の初期工事という大きな負担を無しに乗り換えができるのです。
もちろん、これらの負担を受け入れるのであれば、フレッツ光に戻すことはできます。
しかし、短期間でフレッツ光に戻すことを考えると、違約金支払いなどの負担が重くのしかかることになります。
つまり、転用は手軽な乗換方法である反面、フレッツ光に戻そうと思うと負担が大きくなるということです。
なので、転用して何か不都合があった場合に、転用時と同じ負担でフレッツ光には戻せないということを理解した上で、そのリスクを背負う覚悟で転用しなければならないということになります。
現在IIJmio以外のプロバイダでメールアドレスを利用している場合、使えなくなる!?
また、転用の際には回線契約だけでなく、ほとんどのケースでは「プロバイダ」についても乗換えることになります。
その際、今までフレッツ光で利用していたプロバイダから提供されていたサービスは終了になります。
プロバイダから提供されるサービスの代表的なものとしては「プロバイダメール」があります。
無料で(複数個所持する場合は有料になることも)提供されているメールアドレスは、そのプロバイダを利用していることを条件に使用できます。
つまり、プロバイダを乗換える、言い換えればプロバイダを解約することになりますので、そのサービスは利用できなくなり、メールアドレスも廃止になります。
もし、プロバイダから提供されたメールアドレスを重要な連絡手段として利用していた場合、これが利用できなくなることで大きなデメリットになりかねません。
代替手段に切り替えるという方法が一般的ですが、それを回避できる方法が2つあります。
まずは「プラン変更」です。
これは、プロバイダを解約するのではなく、提供しているプランを変更することでメールアドレスを残すという方法です。
今までは「ネット利用+んメールアドレス等のサービス」だったのを「メール等のサービスのみ利用可能」な安い月額料金のプランに変更することで、メールアドレス等のサービスを乗り換え後も継続して利用するという方法です。
ただし、月額料金が200円前後かかりますので、通信費が底上げされてしまいます。
もう一つの方法は「利用中のプロバイダを利用できる光回線に乗換える」という方法です。
例えば、フレッツ光でプロバイダ「So-net」を利用している場合、So-net光に乗換えるという方法です。
これなら、プロバイダを変更しなくて良いので、メールアドレス等のサービスも継続利用できます。
また、月額料金が底上げされることもなく、光コラボへの乗り換えによる通信費削減の恩恵を十分に受けられます。
ただし、乗り換え先の回線契約が限定されてしまうため、考え方によっては本末転倒なことになりかねません。
さいごに
IIJmioひかりは、他の光コラボと比較して割引サービスが少し弱めであると言えます。
しかし、格安SIM「IIJmio」とのセット割は、携帯電話契約の月額料金の安さも考慮すれば通信費節約に大いに貢献してくれることでしょう。
すでにIIJmioを利用している人だけでなく。転用を機にIIJmioに乗換えるという選択肢もありです。
ただし、契約中のプロバイダの兼ね合いもありますから、無条件にIIJmioひかりのほうがお得であるとも言い切れない点は十分に考慮しなければなりません。
スマートフォンとプロバイダ、そして本命の回線契約の品質も踏まえた上で、フレッツ光のままのほうが良いか、IIJmioひかりに転用すべきであるか十分な検討をした上で決断してください。