MENU

光回線のプロバイダーを乗り換える上での疑問点・方法・注意点を解説

 

固定式のインターネット回線は、引っ越しでもしない限りそのままで、業者の変更などはすべきではない、と思ってはいないでしょうか。

光回線においては少し前まで「乗り換え」は当たり前でした。

形は変わりましたが、今でも有利な乗り換え案件は存在します。

これを期に考えてみてはいかがでしょう。

目次

フレッツ光のプロバイダーを乗り換えたい場合は?

「どうしてプロバイダーを乗り換えないの?」と聞かれませんか

光回線のインターネット接続を利用していると、時々「どうしてプロバイダーを乗り換えないの?」と聞かれることはないでしょうか。

これは、NTTの「フレッツ光」系のサービスを利用している際に特によく聞かれることです。

「フレッツ光」は回線契約とプロバイダー契約が個別になっています。

このため、回線契約はそのままで、プロバイダー契約だけ他の会社にする、ということができるのです。

「フレッツ光」は初の本格的な一般ユーザー向け光回線サービスとして登場しました。

メタル線の電話回線に代わる次世代の通信インフラなので、NTT側では「まず普及させること」に重点を置いていたのです。

その結果、代理店やプロバイダーに多額のキャッシュバックを伴うキャンペーンを行わせ、多くのユーザーを集めました。

契約が回線・プロバイダーと個別になっており、なおかつプロバイダーが契約時に盛んにキャッシュバックを行っていたため、「基本契約期間の2年が終わったらプロバイダーだけ乗り換えてキャッシュバックのおかわりをしよう」というのが一種のブームとなったのです。

「どうして乗り換えないの?」と言われるようになったのは、このような理由に基づきます。

「フレッツ光のプロバイダー乗り換え」は従来のモデル

フレッツ光の契約スタイルは、回線・プロバイダー個別でしたが、次第に「それは不便じゃないか?」と言われるようになります。

最初通話専用だった携帯電話はスマホ化とともにデータ通信も行なうようになりましたが、通信量は通話料と一緒に携帯電話キャリアに支払う形になっています。

携帯電話によるインターネット接続が一般化するに従い、「携帯電話は一箇所に払えばそれでいいのに、どうして光回線は2箇所に払わなければならないの?」という疑問の声が増えるのは自然なことでした。

また、フレッツ光ではサポートも回線・プロバイダーで別々です。こちらについても「不便だ」という意見が増えました。

そこでNTTでは、フレッツ光の回線を使用するけれど、営業と料金徴収・サポートの窓口をプロバイダーに一本化する新しいサービスを始めました。

これが「光コラボレーション」です。

この背景には、これまではとにかく光回線を普及させるために、営業の窓口を増やせるだけ増やそう、としていたけれど、普及も一段落したので営業窓口を合理化し、NTTは人手をかけずに回線料だけをもらうようにしよう、とした営業方針の変更があるとも推測できます。

現在のモデルは「フレッツ光の光コラボレーション」

光コラボレーションの登場により、従来のフレッツ光は、自営業者や小規模業者用のサービスと位置づけられるようになりました。

個人向けは、光コラボレーションモデルに譲った形になります。

それとともに、代理店を使った派手な営業スタイルも改められます。

これまでは、代理店を通して契約を行い、回線業者・プロバイダー・代理店のそれぞれのキャンペーンを総取りするのが最も賢いやり方だと考えられていました。

しかし光コラボレーションモデルの場合、回線業者であるNTTが直接営業の窓口となることはありません。

代理店による派手なキャンペーンも大幅に減少しました。

このため、フレッツ光のままでプロバイダー乗り換えをしても、あまりおいしい思いができなくなってきたのです。

「フレッツ光のプロバイダー乗り換え」=転用

フレッツ光でのプロバイダー乗り換えの場合、回線契約はそのままです。

乗り換えをしたからといって、新規に工事が必要になることはありません。

このため、厳密には「乗り換え」という言葉ではなく、「転用」という言葉で表現されていました。

フレッツ光から光コラボへの「乗り換え」も「転用」と表現され、他社からの乗り換えとは区別されています。

フレッツ光から光コラボへの転用方法

フレッツ光から光コラボモデルに転用したい場合は、まずNTTに連絡して「転用番号」を発行してもらいます。

その後新規に契約したいプロバイダーに連絡し、転用番号を示し、手続きを行います。

契約が終了すると、プロバイダーからID・パスワード等が発行され、こちらを使って接続設定をやり直します。

新しいプロバイダーでインターネット接続ができるようになったら、旧プロバイダーとの契約を終了します。

通常、これは電話一本で済みます。

ネット回線(auひかりやJ:COM等)ごと乗り換えたい場合は?

他社からだと工事が必要

フレッツ光から光コラボレーションへの乗り換えの場合は、回線工事は必要ありません。

ただし、他社回線からの乗り換えの場合、旧回線の撤去工事と、新回線の導入工事が原則的に必要です。

手順も複雑になり、費用も単なる転用の場合よりもかさみますから、乗り換えをする場合にはよく考慮をする必要があります。

ただし、他社への乗り換えが転用よりも割高になるということは、回線業者の方でも理解しており、「違約金還元」「工事費無料」などのキャンペーンを展開していることがあります。

ネット回線ごと乗り換えるパターンを見てみよう!

①フレッツ光→auひかり

auひかりはフレッツ光とは別の回線網を利用しているので、まずはauひかりに新規に申し込みを行なうことになります。

そのまま工事予約を行い、工事をしてもらうところまでは、auひかりを新規に導入する場合と同じです。

auひかりは複数のプロバイダーに対応しているので、プロバイダの選択も契約時に行います。

フレッツ光時代に使っていたプロバイダがーがauひかりもサポートしていた場合、そちらの業者を継続して使うこともできます。

各種乗り換え手続きは、こちらの方がスムーズに行えることもあるでしょう。

auひかりの導入工事をしてもらってから、フレッツ光の撤去工事をしてもらうことになります。

なお、契約時に、これまでフレッツ回線を導入していたということをプロバイダー側に申し出れば、工事費還元等のキャンペーンの適用を受けられます。

②フレッツ光→NURO光

基本的な流れはauひかりへの乗り換えと同様です。

ただし、NURO光のプロバイダーはso-netだけなので、フレッツ光でso-netを利用していなかった場合は、プロバイダー側の契約変更が必須になります。

NURO光は申し込みから工事まで長い時間がかかることがありますから、乗り換えを考える場合はスケジュールをよく聞いて、インターネットが使用できない期間が生じないように気をつけましょう。

②auひかり→光コラボ

前の回線がauひかりで、光コラボ系に乗り換える場合も、フレッツから他社回線に乗り換える場合と基本的には同じ流れになります。

新回線の申し込みを行って工事の日程を決め、開通してから旧回線の廃止・撤去作業を行なうことになります。

フレッツの提供エリアでも、auひかりには対応していないところは結構ありますが、その逆はほぼありません。

また、フレッツの場合工事日までの間隔は、auひかりよりも短めになることが多いので、auひかりへの乗り換えよりは日程的に楽になるでしょう。

③J:COM→光コラボ

J:COMの回線のメインはケーブルテレビ網利用なので、この乗り換えが可能なパターンは集合住宅であることが大部分でしょう。

このため、乗り換え先はマンションタイプの光コラボが有力になります。

居住しているマンションに光ファイバーケーブルが導入されていた場合、工事はMDF室内部での配線と、加入社宅での導通試験のみになり、非常に短時間で済みます。

導入されていない場合は、光ファイバーを導入するために管理組合の承認を得るなど、かなり大事になります。

マンションタイプのフレッツがすでに建物レベルで導入されていなかった場合は、J:COMを使い続けた方が無難かも知れません。

光回線を乗り換える上での注意点は?

①乗り換え前の回線業者・プロバイダの契約解除料(違約金)

フレッツ光回線では、近年一定期間継続して使用することを前提に、月額料金を引き下げる料金プランを採用しているケースが目立ちます。

こうした回線の場合、更新月以外に解約すると、違約金を取られます。

更新月に解約すれば問題はないわけですが、乗り換えの場合解約日は新回線の開通以後でないと何かと不便になり、ユーザーが自由にコントロールできないことがあります。

しかし、他社回線からの乗り換え時に違約金を負担してくれるキャンペーンを実施している業者が増えてきているので、こうしたプロバイダーを利用して、違約金を抑えることが可能です。

②以前よりも通信速度が遅くなる場合がある

フレッツ光から光コラボへの乗り換えの場合、それまでと同じ光ファイバーを使用しているので、原理的に速度は同じです。

ただし、プロバイダーが変わる場合、プロバイダー側の設備の対応状況、同一エリア内で同じプロバイダーを利用しているユーザーの数や利用状況などによって、渋滞が発生して速度が低下する可能性があります。

とはいえこれは一時的なものですし、必ず遅くなるというわけでもありません。

中長期的にはプロバイダー側も設備を増強して対応すると思わるので、あまり神経質になる必要はないでしょう。

③変更前のメールアドレスをどうするのか

変更前のプロバイダーメールアドレスを使い続けたい場合は、完全に解約せず最も料金が安くなるプラン(多くの場合ダイヤルアッププラン)に変更し、メールアドレスを維持するという方法が使えます。

アドレスは消えてもいいが、メールの内容は残したい、というケースもあると思いますが、一般的なパソコン用のメールソフトを使っていた場合、プロバイダーの契約を打ち切ってもメールボックスの中身はそのまま維持されるので、気にする必要はありません。

また、乗り換えを機会にGmailなどのプロバイダーに依存しないメールサービスに切り替え、以後の乗り換えの手間を省いていしまうというのもひとつの手です。

フレッツ光から光コラボへの乗り換え(転用)による注意点

①月額料金が高くなる場合がある

基本的に光コラボレーションの場合、フレッツ光よりも料金は安くなります。

ただし、乗り換えの際にマンションタイプからホームタイプに切り替えた場合などは、料金が高くなることがあります。

とはいえ、この場合通信速度が最大で10倍になるので、料金が上がっても納得はできることでしょう。

②固定電話を持っている方は電話番号の持ち運びに注意!?

フレッツ光の光電話は、一般加入電話からの番号の引き継ぎができます。

フレッツ光の光電話から、光コラボの光電話に番号を引き継ぐこともできます。

ただし、光コラボ同士の番号引き継ぎはできません。

番号を引き継ぎたい場合は、光電話を一度一般加入電話に戻し、乗り換え後に改めて光コラボの光電話に引き継がせる必要があります。

③転用承諾番号の取得をしなければいけない

転用承諾番号を取得しなければ、そもそも転用の処理ができません。

面倒ですが、お得に手続きを進めるためには必須なので、忘れないように申請しましょう。

④プロバイダの解約金がかかる場合がある

期間の定めのある契約をしていた場合は、解約と同時に違約金が課せられます。

しかし、これは乗り換え先のプロバイダーのキャンペーン等を利用して実質ゼロにすることが可能なことがあります。

⑤フレッツ光のポイントが無くなる

フレッツ光のポイントは、転用時になくなってしまうので、解約する前に使い切ってしまいましょう。

プロバイダのポイントも同様です。

終わりに

「フレッツ光」同士の乗り換えは、今ではあまりお得なものとは言えなくなりました。

しかし、個人ユーザーなら、フレッツから光コラボへの乗り換えで、お得な思いをすることが可能です。

原則的に月額負担料金は低くなるので、機会を見て乗り換えておくべきでしょう。