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お金を生む土地活用の経営方法は?内容ごとのメリット・デメリット

 

「土地活用」とは未利用、低利用の土地を効果的に活用することで、土地の資産価値を高め、お金を生むアイテムに変化させることです。

お金を生み出すための活用方法はたくさんあります。

土地活用をお考えなら、まずはそれら数ある方法について知り、その特徴を把握することから始めましょう。

目次

土地活用の運用方法

土地活用の運用方法は多種多様!

「土地活用」とひとくちにいっても、運用する方法はさまざまです。

選んだ方法によって、必要資金、ターゲット、メリット・デメリットなどが大きく異なります。

ここでは

  • 土地そのものでお金を生む土地活用法
  • 土地に住まいを建てて運用する土地活用法
  • 土地に商業用施設を建てて運用する土地活用法

と3つのカテゴリに分けて、運用方法とそれらのメリット・デメリットをご紹介したいと思います。

土地そのものでお金を生む土地活用法

土地を売却する

土地活用というと、土地を所有したままお金を生み出す方法と捉えられがちですが、売却するのもひとつの選択肢です。

メリット

1.別の資産に変換できる

不動産を売却して得たお金で別の資産を購入することができます。

株式や外貨取引などで上手く運用できれば、何倍ものお金を生み出すことになるかもしれません。

2.固定資産税、都市計画税から開放される

毎年の固定資産税、都市計画税を支払う必要がなくなります。

(他に土地を所有していたり、売却益で不動産を購入した場合は別ですが…。)

3.管理の必要がない

土地を所有していれば、近隣の方に迷惑をかけないためにも、土地を荒れ放題にしておくわけにはいきません。

定期的に掃除、除草、除雪などの管理が必要ですが、手放してしまえばそのための費用も時間も体力も必要ありません。

デメリット

1.譲渡費用が発生する

一般的に土地を売るためには仲介業者に購入者を探してもらうよう依頼します。

売買が成立すれば成功報酬として、仲介業者に仲介手数料を支払う必要があります。

また売却で利益が出れば譲渡所得税もかかります。

土地を定期借地として貸し出す

定期借地とは、所有者自身が経営するのではなく、土地を事業者に貸して地代収入を得るという方法です。

一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権の3種類があります。

よく知られている方法では、土地をディベロッパーに貸し、ディベロッパーがそこに分譲マンションを建て販売、契約期間満了後、土地が更地で返還されるというやり方があります。

メリット

1.頭金や借入れの必要がない

自ら建物を建てたり運用したりするものではないので、そのために必要な資金を準備する必要がありません。

2.収入が安定している

一度契約すると長期に渡り、地代として安定した収入が得られます。

3.節税効果が期待できる

固定資産税や相続税が減税されるケースがあります。

例)借地人が住居用の建物を建てた場合、固定資産税が軽減されます。

デメリット

1.貸し出し期間が長い

一般定期借地権で50年以上、事業用定期借地権で10年以上50年未満、建物譲渡特約付借地権で30年以上の契約期間が義務付けられています。

短期・中期で土地活用を検討している場合には向いていません。

2.建物譲渡特約付借地権は建物買取が必要

建物譲渡特約付借地権は、契約期間満了時に土地所有者が建設された建物を買い取らなくてはなりません。

ほかの定期借地権は更地で返還されます。

3.事業用定期借地権は利用者限定

事業用定期借地権は、建設される建物の用途を事業用に限っているので、貸し出す対象が限られてしまいます。

山林地をもとに経営をする

先祖代々の土地として山林地を相続された方も多いのではないでしょうか?

相続は一部だけを選んでというができないので、放棄するわけにもいかず、有効な活用方法がわからないまま所有しているケースが多いのが実情です。

メリット

1.税金が安い

相続税、固定資産税がほとんどかかりません。

2.再生可能エネルギー発電で環境保護

近年、環境負荷の少ない再生可能エネルギーへの注目が集まってきてます。その中の一つバイオマスエネルギーの開発を行うには、山林地は打って付けです。

再生可能エネルギーといえば太陽光発電をイメージされる方も多いと思いますが、バイオマス発電も再生可能エネルギーのひとつです。

特に間伐材などの未利用木材を利用した木質バイオマス発電は太陽光発電より、買取価格が高く設定されています。

間伐材を利用することで山の整備、治山治水、CO2の削減が期待できます。

デメリット

1.土地活用が難しい

山林と言えば林業ですが、日本の林業は輸入木材の影響で、低迷を続けています。

手間と時間がかかるわりには、収益性が低い商売です。

また山奥であれば交通の便も生活インフラもないようなところもありますから、土地活用が困難なケースが多いです。

そのため、全体的に資産価値が低く、売買も活発に行われていません。

土地に住まいを建てて運用する土地活用法

土地活用に住宅用地としての利用を選んだ場合、共通して得られるメリットに、節税効果があります。

固定資産税・都市計画税では住宅用地の課税標準の特例措置を適用できれば、1戸当たりの敷地面積が200㎡以下の場合、固定資産税の課税標準額が6分の1、都市計画税の課税標準額が3分の1に軽減されます。

相続税についても小規模宅地等の特例が適用できれば、評価額が80%減額されます。

その他のメリット・デメリットについては個別にみていきましょう。

戸建住宅を建てて運用する

戸建賃貸はあまり馴染みがない方もいらっしゃるかもしれません。

家主が転勤などで土地を離れざる負えない場合に、その間だけ貸し出すことはあるかもしれないけれど、あえて賃貸用に戸建住宅を建てるの?

土地の大きさや立地条件によっては、戸建賃貸という選択もありなんです。

メリット

1.狭い土地でも対応可能

アパートやマンションなどの集合住宅を建てるには広さが足りない土地でも活用できます。

2.全室埋まらないという不安がない

駅からちょっと遠いなどの立地条件によっては、集合住宅では全室埋まらないかもという不安があります。

戸建であれば、1契約結ぶことに注力すれば良いです。

3.空室率が少なく長い入居期間が望める

需要に比べ供給数が少なく、比較的早く借主が見つかる傾向があります。

また、家族で住む場合、特にお子さんのいらっしゃる家庭では、転園・転校といった環境の変化を好まないことも多いものです。

そのため、一度契約すると長い間住む可能性が高く、安定して家賃収入を得ることができます。

デメリット

1.空室のリスク分散ができない

アパートやマンションの場合は、たとえ空室があっても他の部屋が埋まっていれば家賃は入ってきます。

戸建の場合は空いてしまえば、その間は家賃収入がゼロになってしまいます。

集合住宅を建てて運用する

土地活用といえば、アパートやマンションなどの集合賃貸住宅がもっとも認知度が高いかもしれませんね。

いわば、土地活用の王道ともいえる方法です。

メリット

1.継続的に家賃収入が得られる/空室リスクの分散

たとえ空室があっても他の部屋が埋まっていれば家賃収入は入ってきます。

戸建賃貸のように0か100というリスクはありません。

2.収益性が高い

単純に土地のみを貸すよりも、複数戸から家賃を得られますので収益性が高くなります。

土地を所有していた場合、初期費用は建物分だけになりますから、さらに収益性が高まります。

3.インフレに強い

インフレにより物価が上昇しても家賃をアップすることで物価変動の影響を受けづらいです。

デメリット

1.多額の費用がかかる

特に1棟運営ともなると、建築費などの初期費用だけでなく、管理費・修繕費なども多額になります。

それらが継続的に発生しますし、将来的には老朽化対策も必要です。

2.空室リスク

空室リスクは分散できるといえども、空室の割合が増えれば赤字経営になる可能性があります。

3.転用がしづらい

ほとんどの場合、多額の借入れをして建物を建てていますから、それが完済できるまでの間、長きに渡り転用ができません。

賃貸併用住宅を建てて運用する

賃貸併用住宅とはひとつの住居の中にオーナーの住まいと賃貸用の住まいを共存させているものです。

メリット

1.住宅ローンが利用できる

基本は自分が住む住まいを建てるわけですから、住宅ローンを借りて建てることができます。

2.住宅ローンの支払いを軽減できる

借り手が付けばその家賃を住宅ローンの返済に充てることができます。

デメリット

1.空室リスク

賃貸併用住宅で住宅ローンを組む場合は、一般のマイホーム建築時より多めに借り入れることがあります。

家賃収入を前提にしているからですが、空室が続けば自身の収入からの返済率を高くせざるを得ません。

高齢者住宅を建てて運用する

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)といわれるものです。

バリアフリー賃貸住宅で自立または軽度の要介護老人が入居可能、生活相談員が常駐して、入居者の安否確認や生活支援サービスを行います。

メリット

1.市場拡大分野である

超高齢化社会を迎え、今後ますます需要が拡大される分野ですので、安定した収入が見込めます。

2.空室リスクが少ない

一般の賃貸住宅より入居者の年齢層がかなり上になりますから、転勤・転職での転居の可能性は少ないです。

3.補助金が受けられる

国土交通省から住宅施設の建設工事費に係る補助金を受けることができます。

デメリット

1.介護・福祉事業の影響が大きく左右する

賃貸住宅としてよりも、介護・福祉事業としてそのサービス内容が経営の要になります。

サービス事業者の一括借上げ(サブリース)になりますので、そのサービス業者のレベルに大きく影響されます。

2.多額の費用がかかる

サービス提供を行う分、一般的な集合住宅よりも土地面積が必要になり、その分建設費も大きくなります。

200坪〜500坪ほどの敷地を要するので、その建設費用がかなりかかります。

5億〜10億弱になることも少なくありません。

店舗併用住宅を建てて運用する

店舗併用住宅とは家の一部が店舗になっている住宅のことです。

1階が店舗、2、3階が住居というお宅をよく見かけますね。

メリット

1.住宅ローンが利用できる

店舗面積や経営状況によりますが、金融機関によっては住宅ローンを店舗部分にも含めることができます。

2.店舗のテナント料が必要ない

店舗のテナント料を支払っている場合に比べると負担が少なくてすみます。

その分をローンの返済に充てることができます。

3.通勤が便利

自宅と店舗が同じ場所にあるなら、通勤時間は必要ありませんね。

デメリット

1.立地条件が悩ましい

商売の種類によっては、店舗に適している立地と住宅に適している立地が異なる場合があります。

繁華街向きの商売であれば、家族の生活環境としては悩ましいこともあるかもしれません。

2.転用が難しい

もしもお店が上手くいかなかった場合、転用が難しい物件もあります。

土地に商業用施設を建てて運用する土地活用法

事業用賃貸物件を建てて運用する

オフィスビル、商業ビルや店舗などを建てて事業者に貸す方法です。

メリット

1.家賃を高くできる

住宅用賃貸に比べると家賃を高く設定できるので、高い収益が見込めます。

2.立地条件の制約が少ない

事業用ビルの場合、アパート・マンションに比べると建築基準法の規制が緩いので建設しやすいです。

デメリット

1.テナント次第

立地の問題もありますが、商業ビルであれば入っているテナントの人気に経営状態が大きく影響を受けます。

2.景気に左右されやすい

景気が悪化するとより賃料が安いビルヘ引っ越したり、事務所を閉じる会社が出てくるため、景気悪化による空室リスクが高いです。

3.節税効果が低い

節税対策に不向きというわけではありませんが、アパート・マンションといった住宅用地に比べると節税効果が低くなります。

駐車場を作り運用する

賃貸住宅と並んでポピュラーな土地活用方法です。

メリット

1.初期費用・ランニングコストが安い

他の土地活用方法に比べると、初期費用もランニングコストも安くすみます。

2.用地転用が容易

建物を建てずに運用できるので、金融機関からの借入れが少なくて済みます。

そのため土地の転用が容易にできます。

借地借家法の影響も受けませんので、借主の退去も契約書に明記しておけば、1~3ヶ月前の事前通知で対応できます。

デメリット

1.収益性が低い

ローリスク、ローリターンの土地活用方法です。

2.節税効果が低い

アパート・マンションなどの住宅用賃貸に比べると、節税効果は低いです。

トランクルームを建てて運用する

トランクルームとは、所有地にコンテナを置く、または建物のなかを仕切るなどして収納スペースとして貸し出すものです。

メリット

1.初期費用・ランニングコストが安い

駐車場経営と同様、初期費用もランニングコストも安くすみます。

2.土地の形状や場所を選ばない

駐車場にするには形がいびつな土地でも、トランクルームなら対応可能です。

少々不便なところにあっても、クルマで来て荷物を出し入れする限りは問題ありません。

3.需要拡大

近年、駐車場事業の市場の急速な拡大が続いています。

毎年10%以上の成長を続けている分野で、今後も市場の拡大が期待できます。

これだけの成長分野であるだけに、注目が集まっています。

デメリット

1.税制優遇がない

更地扱いになりますから、税制面でのメリットはほとんどありません。

2.集客が難しい

メジャーな分野とはいい難いところがありますので、宣伝・広告の仕方に工夫をして、より多くのひとに存在を知ってもらう必要があります。

太陽光発電設備を建てて運用する

再生可能エネルギーとして認知度も高い太陽光発電。

遊休地では大量に太陽光発電パネルを敷き詰めて、発電された電力を売る「野立て太陽光発電」がおこなわれています。

メリット

1.原材料の調達コストがない

発電に要するのは太陽光です。

火力や原子力発電のように、発電するための原材料を調達してくる必要がありません。

2.田舎でも大丈夫

第三者に売ったり、貸したりする方法では人口が少ない土地では不利ですが、太陽光発電は太陽の光が十分に当たる土地であれば問題ありません。

3.買取制度がある

国によって定められた固定買取制度があります。

この制度が太陽光発電がもたらす収益の根源になっています。

4.補助金制度がある

各自治体によっては、太陽光発電設備設置に関して補助金制度を設けているところがあります。

デメリット

1.天候に大きく左右される 当然ですが、雨や曇天では発電ができませんね。

当然ですが、雨や曇天では発電ができませんね。

2.買取金額が下がっている

太陽光発電の買取金額が年々下がっています。

これからの固定買取制度の動向に注視する必要があります。

まとめ

いろいろな方法があって、多少混乱されたかもしれませんね。

ひとつとして同じ条件の土地はありませんし、個人の事情もそれぞれです。

空き家問題もクローズアップされてきましたから、今後さらに土地活用ビジネスは注目され、新たな方法も出てくると思われます。

これを機に、自分に合った活用方法を腰をすえてじっくり検討されてみてはいかがでしょうか?