1966年の発売から11代目まで代を重ねているカローラは、様々な変遷を続けながら分岐し、ワゴン、トールワゴン、ハッチバックと派生しています。
そのベーシックモデルであるセダンの直系の子孫が、カローラアクシオです。
日本の交通事情に合った5ナンバーサイズを堅持した取り回しの良さは秀逸で、運転のしやすさはトップレベルと言えます。
そんな、日本にあったベーシックセダン「カローラアクシオ」について、特徴や歴史を見ていきましょう。
1966年の発売から11代目まで代を重ねているカローラは、様々な変遷を続けながら分岐し、ワゴン、トールワゴン、ハッチバックと派生しています。
そのベーシックモデルであるセダンの直系の子孫が、カローラアクシオです。
日本の交通事情に合った5ナンバーサイズを堅持した取り回しの良さは秀逸で、運転のしやすさはトップレベルと言えます。
そんな、日本にあったベーシックセダン「カローラアクシオ」について、特徴や歴史を見ていきましょう。
続々とサイズアップしている他車を横目に、カローラアクシオは5ナンバーサイズのまま変わることなく、その取り回しの良さを保っています。
これは、ベーシックセダンとして、スタンダードを守っていくトヨタの意気込みと言えるものでしょう。
そんな、日本車の基本とも言える、「カローラアクシオ」の基本的な情報をおさらいしておきましょう。
カローラアクシオには、残念ながら高級感は期待できません。
もちろん、装備を選べは一定のレベルにはなりますが、それでも、あくまでもスタンダードモデルの域を出ることはないでしょう。
そのため、価格についてもそれなりの価格帯と言えます。
カローラアクシオの型式は、以下の5つに分かれています。
特徴的なのは、MTモデルが揃えられていることです。「万人向けのスタンダードモデル」だからこその選択肢の広さかもしれません。
型式のところで説明したように、カローラアクシオには3種類のエンジンがあります。
エントリーモデルと言うべき1.3L、ベーシックモデルとしての1.5L、そしてようやく投入されたハイブリッドモデルです。
ハイブリッドモデルはアクアと同じものが搭載されていますので、世界トップレベルの低燃費になっています。
2013年にはハイブリッドモデルが投入されており、グレードは以下の5種類になっています。
グレード | 排気量 | 駆動方式 |
HYBRID G | ハイブリッド | FF |
HYBRID | ||
1.5G | 1.5L | FF |
4WD | ||
1.5X | FF | |
4WD | ||
1.3X | 1.3L | FF |
1.5Xをベースモデルとして、廉価モデルの1.3X、高級モデルの1.5G、ハイブリッドモデルとなっています。
セダンの標準機とも呼べるカローラですので、駆動方式はFFがベースなのはうなずけます。
FFにする利点はいくつかありますが、なによりFRに比べるとコストダウンを計れると言うことでしょう。また、その構造的な特徴として、車内を広くとることができるのも、大きな利点です。
1.5L、1.3Lと小さめのエンジンを搭載していることもあり、ガソリン車でも燃費性能には期待できます。
もちろん、ハイブリッド車は世界トップレベルの低燃費を誇るアクアと同じシステムですので、文句ない性能を発揮してくれることでしょう。
具体的な燃費性能は、カタログ上で以下のようになっています。
1.5Lの4WD車は16.4kmとなっており見劣りしますが、他のグレードはガソリン車としてもまずまずの燃費性能ではないでしょうか?
2013年に投入されたカローラアクシオのハイブリッドモデルは、当時、ハッチバックに圧されていたセダンの起爆剤として投入されました。
しかし、プリウスやアクアなどのコンパクトハイブリッドカーが先行投入されていたこともあり、新たな購買層ではなく既存のセダンオーナーの買い替え需要を掘り起こそうとしているようにも見えます。
それは、メーター類にも表れています。カローラアクシオのハイブリッドモデルでは、プリウスなどに取り入れられたデジタルではなく、ガソリン車と同じようなタコメーター付きのアナログになっているのです。
カローラアクシオのハイブリッドモデルと1.5LのFF(CVT)タイプについては、エコカー減税対象になっています。
残念ながらそれ以外はエコカー減税の対象外になっていますので、総支払金額には注意しなければいけないでしょう。
減税額は、それぞれ以下のようになっています。
・エコカー減税(自動車重量税免税 + 自動車取得税免税)+自動車グリーン税制(約75%減税)
※重量税は22,500円程度、自動車税は25,500円程度として減税額合計を算出しています。
グレード | 取得税 | 減税額合計 |
HYBRID G | 55,100円~59,500円程度 | 103,100円~107,500円程度 |
HYBRID | 50,700円程度 | 98,700円程度 |
・エコカー減税(自動車重量税50% + 自動車取得税20%)
※重量税は11,300円程度として減税額合計を算出しています。
グレード | 駆動
方式 |
取得税 | 減税額
合計 |
1.5G | 2WD・CVT | 9,100円~10,000円程度 | 20,400円~21,300円程度 |
1.5X | 2WD・CVT | 8,000円程度 | 19,300円程度 |
コンパクトセダンのスタンダードである「カローラアクシオ」の定員は5名です。
5ナンバーサイズですのであまり期待できないかもしれませんが、大人4人程度であれば十分にくつろげる広さが確保されています。
カローラアクシオには、以下の9色のボディカラーが用意されています。
もちろん、グレードによって選択できるカラーが違っていますので、確認しておきましょう。
(※)特別仕様車のみ
やはり、スタンダードセダンとして考えると、ホワイト系やブラック系、シルバー系が手堅いところでしょう。
室内の豪華さや特殊装備などはないですが、操作性と走りやすさについて優秀なのが、カローラアクシオの特徴と言えます。
では、高速走行に必要な最高出力はどの程度なのか、確認しておきましょう。
ハイブリッドモデルはエンジンとモーターを合わせたシステム全体として100馬力程度になります。
1.3Lは高速走行時に少し頑張る必要があるかもしれませんが、車体重量1t程度ですので、そこそこのパワーと言えるでしょう。
運動性能のポイントして、加速に関わるトルクも重要です。
1.5L車はバランスの良い数値です。急な加速でシートに押しつけられる感覚も少なく、女性でも安心して運転することができます。しかしその分、高速道路での追い越しなどでは、多少物足りないかもしれません。
カローラアクシオは、1966年に販売開始したカローラの正統な後継車とも言える車種ですので、カローラ50年の歴史を背負うモデルです。
そんなカローラの50年の歴史を簡単に振り返ってみましょう。
1966年の高度成長の波に乗って、高速道路網を走れる高級感のある大衆車として、カローラはデビューしました。
そんなカローラは技術で100点を目指していた時代に、実用性に高級志向をプラスして、トータルとしての完成度を上げるトヨタの基本思想で展開された初めての車種と言えます。
この基本思想が、今にまで至るカローラの人気の秘密なのかもしれません。
1969年に東名高速道路が全面開通したことを受け、日本でのハイウェイ時代が幕を開けました。
1970年に登場した2代目のカローラは、そんな「ハイウェイ時代」に通用する巡航距離を目指して開発さたのです。
そのため、2代目のカローラは初代に比べて燃料タンクなどが大きくなっています。
高度経済成長の中、日本全体で水質汚染や光化学スモッグなどが問題となりつつあった1974年、トヨタはいち早く排気ガスに着目して、その規制に力を入れました。
結果、カローラの低排出ガス性能はヒットし、海外輸出も本格的になりました。
そのため、この世代は歴代で最多の生産台数を誇っています。
この時期はカローラのデザインや駆動方式などが変更され、スタンダートとして着実に進化した時代です。
走りに結びつく部分としては、空力特性を取り入れた直線的なデザインや新開発のエンジン、ディスクブレーキの標準装備など走りに直結する部分が改善されています。
また、デザインとしては丸形のヘッドランプが角形に変更され、ドアミラーも採用されています。
バブル景気の影響もあり、カローラの装備も高級なものになっていき、パワーウィンドウ、電動格納式ドアミラーなどが搭載されるグレードも登場しています。
上級車種にも迫る勢いの品質が好評になり、この世代が達成した最多の新車販売台数は2010年のプリウスが登場するまで誰にも抜かれることのなかった記録となっています。
バブル崩壊で日本全体が落ち込みを見せる中、バブル景気中に設計されたカローラは、異彩を放つ高品質な内外装や装備を持っていました。
基本構造の改造で耐久性の向上を行っていますが、バブル崩壊でのコストダウンの影響で内外装のレベルダウンを免れませんでした。
具体的には、一部のバンパーが無塗装であったり、目立たない場所の鉄部品がむき出しのままになっていたりしています。
9台目のカローラは、今までのカローラと大きくデザインを一新させました。
外観のデザインはトヨタの欧州デザインスタジオが行っており、全体的に大きな塊で膨らんだ印象が強いものになっています。
また、ガソリンエンジンはすべて新開発エンジンが搭載され、まさにこの代からカローラが生まれ変わったと言えるでしょう。
先代まで「カローラ」という名称だった日本国内向けモデルは先代で幕を下ろし、後継車種「カローラアクシオ」が登場しました。
9代目以降、他のカローラシリーズが大型化を進める中、カローラアクシオはあくまでも5ナンバーにこだわっています。
これは、「カローラ」として日本のスタンダードセダンの地位を堅持していると言えるでしょう。
2013年にフルモデルチェンジを行ったカローラアクシオは、他車の常識である大型化とは全く逆に全長を短縮させて、最小回転半径を4.9mとした取り回しの良さを実現させました。
つまり、より日本の交通事情に即した、より日本らしく使いやすい車としての歩みを始めたのです。
5ナンバーサイズで、先代よりも短い全長ということで、とても取り回しがしやすく運転しやすい車です。セダンですが、女性でも扱いやすいサイズに収まっていると思います。
車体価格だけ見れば、最近の軽自動車+α程度の価格ですので、ゆったりとした後部座席を必要としている人であれば、検討すべき車種だと思います。
コンパクトカーの後部座席は狭い印象がありますが、カローラアクシオは違います。
比較的ゆったりとしていて、大人4人で長距離ドライブしてもそれほど疲れません。
まさにカローラといった外観で、極々普通で安心感があります。
奇抜なデザインだと飽きることもありますので、長く乗るにはこれくらいが最適です。
1.3Lとしては思ったよりも走ると思います。しかし、大人4人が乗った状態では辛いです。1.5L車も同様で、どうしても物足りなさを感じてしまいます。
全体的にふわふわとした乗り心地ですので、路面が凸凹していてもある程度吸収してくれます。しかし柔らかすぎる感じがあって、車酔いする人には厳しいと思います。
※オークション相場についての注意点とお願い
以下の相場価格は買取業者が実際のオークションで落札した過去の買取落札額です。
2017年1月にオークションサイトで調べて算出したものであり、現在の査定価格と完全一致するものではございません。
車を売ろうと考えている方、購入しようとしている方は、あくまで相場価格の目安としてご参照ください。
54~147万円
34~139万円
25~69万円
11~36万円
生誕50周年を迎えたカローラの正統な後継車であるカローラアクシオは、まさに日本のセダンとしての地位を確立している車です。
小型で小回りが利く操作性の良さは、細くて狭い脇道の多い日本の交通事情に合わせて進化した車と言って良いでしょう。
もちろん、あまりにスタンダードとなりすぎていることと、エンジン性能が高速走行や長距離走行にはもう一歩不足している点は、マイナスの評価になっているところではあります。
しかし、普段使いの道具としての性能は十分にあり、そこで重要な操作性に対してはピカイチのものを持っており、初めての人でも素直に運転することができます。
そのため、最初の1台目はカローラという人も多いことでしょう。そして、そんな人たちの多くはまず、中古車を探すことが多いです。
つまり、中古車市場ではカローラに一定の需要があるということになります。
需要があれば、それなりの値段が付くのが市場ですので、カローラアクシオを売るのも悪くない選択でしょう。