トヨタの大型ミニバン「アルファード」の兄弟車として生まれた「ヴェルファイア」は、アルファードの上品さや洗練さでは満足できない若い層から絶大な人気を博しています。
アルファードとは違った力強さや精悍さに加えて、アルファードから引き継いだ快適な室内空間を持つヴェルファイアについて、詳しく解説していきます。
トヨタの大型ミニバン「アルファード」の兄弟車として生まれた「ヴェルファイア」は、アルファードの上品さや洗練さでは満足できない若い層から絶大な人気を博しています。
アルファードとは違った力強さや精悍さに加えて、アルファードから引き継いだ快適な室内空間を持つヴェルファイアについて、詳しく解説していきます。
ヴェルファイアと言えば、少し厳ついアグレッシブな風貌、大きな車体を悠々と駆動させるパワー、快適な室内、という3拍子が揃った、車好きにはたまらない1台です。
では、実際の数値的なところはどうなのか、ヴェルファイアのカタログスペックを含めた基本情報を確認していきましょう。
まずは、新車価格を見ていきましょう。下世話な話ではありますが、値段を基準に考えれば、どれほど良いものかを見極めやすいのは事実です。
現在の最新モデルの価格は、以下のようになっています。
ハイブリッドでは400万円台以上となりますが、ガソリン車では300万円台からと、このクラスにしては買いやすい価格帯になっているところも、若い層に人気のある理由でしょう。
ヴェルファイアの型式は、排気量と駆動方式の違いで以下の5つに分かれています。
じつは、この型式はアルファードと同じです。つまり、車両としてはアルファードとヴェルファイアは同じものということになります。
ヴェルファイアの排気量は、前述の通り、2.5Lと3.5Lおよびハイブリッドの2.5L+モーターの3種類です。
このクラスの排気量として、2.5Lは少し物足りないかもしれません。
しかし、この選択は室内空間の広さや快適性を重視し、かつ価格を抑えることでユーザーのニーズに応えた結果であり、その結果が人気の秘密と言えるでしょう。
ヴェルファイアのグレードは、以下のような構成になっています。
グレード | エンジン | 駆動方式 |
HYBRID
Executive Lounge |
ハイブリッド | 4WD |
HYBRID V | ||
HYBRID X | ||
HYBRID ZR | ||
V | 2.5L | FF |
4WD | ||
X | FF | |
4WD | ||
Z | FF | |
4WD | ||
Executive Lounge | 3.5L | FF |
4WD | ||
VL | FF | |
4WD | ||
ZA | FF | |
4WD |
グレードXをベースとして、V/VL、Z/ZA/ZRと装備が追加された上級グレードになっています。
ヴェルファイアの駆動方式は、以下の3種類になっています。
基本的に、排気量が小さくなれば相応の燃費の改善が見込まれます。そのため、ヴェルファイアについても期待できるかもしれません。ただし、絶対的な燃費を気にするのであれば、ハイブリッド車を選ぶしかないでしょう。
このクラスで2.5tを超える車体重量ということを考慮すると、2.5L車の燃費はトップレベルと言えるものです。
もちろん、ハイブリッドモデルの燃費は驚異的と言えます。
ヴェルファイアのハイブリッドモデルは、このクラスにしては驚異的な19.4km/Lという値に達しています。
これは、ハイブリッドシステムにアイドリングストップ機能が搭載されているもので、トヨタの技術の粋を集めた結果と言えるでしょう。
ヴェルファイアの場合、3.5L車以外のグレードは、すべてエコカー減税対象車です。(3.5L車の中にも、車体重量が2,110kg以上になった場合は、対象になる可能性があります)
エコカー減税対象となれば、購入時の支払総額が大きく違ってきますので、その減税額を確認しておきましょう。
もちろん、グレードによって減税率が違いますので、減税率ごとにまとめておきます。
重量税:37,500円程度
取得税:175,800円程度
自動車税:33,500円程度
減税額合計:246,800円程度
重量税:37,500円程度
取得税:119,300円から133,900円程度
自動車税:33,500円程度
減税額合計:190,300円から204,900円程度
重量税:37,500円程度
取得税:102,800円から113,000円程度
自動車税:33,500円程度
減税額合計:173,800円から184,000円程度
重量税:37,500円程度
取得税:122,900円から137,500円程度
自動車税:33,500円程度
減税額合計:193,900円から208,500円程度
エコカー減税(自動車重量税25% + 自動車取得税40%)+自動車グリーン税制(約50%減税)
グレード | 減税額 | 減税合計 | |
重量税 | 取得税 | ||
Z(2WD) | 7,500円から9,400円程度 | 38,600円から41,700円程度 | 68,600円から73,600円程度 |
Z(2WD) (※1) |
7,500円から9,400円程度 | 36,000円から42,300円程度 | 66,000円から74,200円程度 |
Z(4WD) | 9,400円程度 | 41,100円から44,200円程度 | 73,000円から76,100円程度 |
V | 9,400円程度 | 42,900円程度 | 74,800円程度 |
V (2WD) (※1) |
7,500円から9,400円程度 | 41,000円から43,400円程度 | 71,000円から75,300円程度 |
V(4WD) | 9,400円程度 | 42,000円から45,400円程度 | 73,900円から77,300円程度 |
X(2WD) (※1) |
7,500円程度 | 32,600円から36,300円程度 | 62,600円から66,300円程度 |
X(4WD) | 7,500円から9,400円程度 | 34,400円から38,200円程度 | 64,400円から70,100円程度 |
(※1 アイドリングストップ機能装着車)
・エコカー減税(自動車重量税25% + 自動車取得税40%)
グレード | 減税額 | 減税合計 | |
重量税 | 取得税 | ||
Z(2WD) | 7,500円程度 | 35,400円から39,300円程度 | 42,900円から46,800円程度 |
V(2WD) | 39,600円から39,900円程度 | 47,100円から47,400円程度 | |
S(2WD) | 32,000円から35,600円程度 | 39,500円から43,100円程度 |
ヴェルファイアには、2列目のシート構成によって定員7名と8名の2種類があります。
定員7名モデルの2列目になるキャプテンシートの快適さは、折り紙付きです。
ヴェルファイアのカラー展開は、以下の7色になっています。(グレードによって選択可能色が違う場合があります。)
精悍で躍動感のあるイメージのある車だけに、カラフルなものではなく、ホワイト系、ブラック系、グレー系といった落ち着いたカラーが主になっています。
大型ミニバンで2.5Lエンジンという、少し厳しい構成の場合は、どうしてもパワー不足だと思われがちです。
しかし実際にはどの程度のパワーを出してくれるのか、最高出力の具体的な数値を見てみましょう。
さすがに3.5L車は280馬力、ハイブリッドモデルは2.5Lエンジンとモーターの組み合わせで、イメージ通りの躍動感を得られるパワーと言えます。
しかし予想通り、2.5L車はこのクラスにしては、少しパワー不足だと思われる数値です。
最大トルクについても、最高出力と同じような結果になっています。
2008年、ヴェルファイアは、それまで若年層向けとして販売されていたアルファードVの後継車種として登場しました。
結果的に、上品でファミリーや大人の落ち着いた高級感のアルファードから完全に切り離されたヴェルファイアは、躍動感を持った精悍なデザインを手に入れることに成功したのです。
初代のヴェルファイアは、その精悍なマスクと流れるような上下2分割のヘッドライト、リアのクリアなコンビネーションランプなどで、アルファードと違うイメージを作り出しています。
当初、ハイブリッドモデルは登場しないと噂されていましたが、2011年のマイナーチェンジで登場し、大型ミニバンでの人気を不動のものとしました。
(実際の経緯は不明ですが、ユーザーからの要望に応えたということは確かでしょう)
その結果、ヴェルファイアは兄弟車種のアルファードを超える人気を得ました。
2015年、兄弟車種のアルファードと時を同じくして、ヴェルファイアは最初のフルモデルチェンジが行われました。
これによって、より重厚で高級感があり、迫力と精悍さを増した外観になり、アルファードとの差別化が顕著となっています。
また、高級感を増した茶木目や黒木目の内装を装備し、乗り心地の安定性と制振材や吸遮音材の配置で静粛性をあげ、快適性が増しているのは言うまでもありません。
合わせて、世界初の機能を備えたパノラミックビューモニターやインテリジェントパーキングアシスト2などの贅沢な装備が満載された車種もあり、ミニバンの王者としての威厳を見せています。
アルファードと比べられることも多いヴェルファイアですが、比較ではなく実感としてのオーナーの声を確認しておいた方が分かりやすいかもしれません。
アルファードと比較するまでもなく、このクラスの車の中ではもっとも精悍なフロントマスクだと思います。
前面に押し出すような迫力は、乗る人に自信を持たせるもので、このフロントマスクを見て購入を決める人もいると言われるほど、人気のあるデザインです。
大きな車体ですので、女性が運転する場合は、特に駐車に不安があると思います。
でも、メーカーオプションではありますが、インテリジェントパーキングアシスト2があれば、本当に簡単に駐車できます。これに慣れるとやばいかもしれません。
本当に静かです。ハイブリッドモデルではないですが、巡航中は3列目に乗っている人との会話も苦になりません。
ハイブリッドモデルだと、運転していない人は簡単に寝てしまうでしょう。
ヴェルファイアは「高級車」という位置づけになっていますので、新車で購入できないと思う人が多いです。
しかしそれは、中古車を狙う人も多いということになります。
「高級車」だとは分かっていますが、ターゲットが若者な割に価格が高すぎます。正直、30代で700万円台のハイブリッドモデルを買える人はなかなかいないのではないでしょうか?
燃費性能はこのクラスとしてはピカイチですし、そもそも新車価格が安かったので、2.5L車を購入しました。
しかし、坂道や高速道路での追い越し時に、高級車らしからぬ重さを感じます。街乗りでは気になりませんが、遠出に使うにはちょっとしんどいです。
アルファードから派生した兄弟車種ですので、ヴェルファイアを購入する人はアルファードと比較することが多いようです。
いったい、どちらの方が人気があるのでしょうか?
ヴェルファイアのターゲットは若者です。そのためだと思いますが、明らかに外装(エクステリア)のエアロパーツなどの種類は、アルファードに比べると多くなっています。
そもそも、そういったことのために購入する人をターゲットにしているということですので、カスタマイズして自分色に染めるなら、ヴェルファイアがおすすめと言えるでしょう。
上述のように、カスタマイズすることを前提に購入する人におすすめされるのは、ヴェルファイアです。
しかし、本体価格がそれなりの金額になっているヴェルファイアをカスタマイズ前提で購入するのは、総予算的に厳しいことが多いでしょう。
そのため、中古車でヴェルファイアを探す人の方が、アルファードを探す人よりも多くなるのは自然な流れだと思います。
前述しているように、ヴェルファイアとアルファードは、型式がまったく同じです。つまり、同じエンジンを積んで排気量は同じ、駆動方式もまったく同じ、「同じ車」と言えます。(価格帯も同じです)
しかし、この2車種は明らかにターゲット層が違っています。それはつまり、「コンセプト」の違いということになるのです。
「で、結局どっちが人気なの?」ということになると思います。
簡単にまとめると、「ヴェルファイアは若者向け、アルファードは万人向け」「ヴェルファイアはカスタマイズ、アルファードはそのまま」といった違いがあります。
そのため、ヴェルファイアはどちらかと言えば若者に人気があり、アルファードは若者も含めた幅広い層に人気があるということになります。
※オークション相場についての注意点とお願い
以下の相場価格は買取業者が実際のオークションで落札した過去の買取落札額です。
2017年1月にオークションサイトで調べて算出したものであり、現在の査定価格と完全一致するものではございません。
車を売ろうと考えている方、購入しようとしている方は、あくまで相場価格の目安としてご参照ください。
157~362万円
143~333万円
92~223万円
データなし
アルファードから派生して若者向けとして進化したヴェルファイアは、より挑戦的で精悍なマスクを手に入れました。
もちろん、車としてはアルファードとまったく同じものですので、室内の広さや快適さは同じ満足いくものですし、低燃費性能や環境性能、安全技術なども満載です。
「高級車」の基本性能と、若者向けのアグレッシブさや精悍さを同時に求めるのであれば、ヴェルファイア以上の選択肢はなかなかないでしょう。