スマートフォンを安い料金で利用していくためには、格安SIMの利用が欠かせない時代です。
もちろん、格安SIMを使う中でも注意しなければならないポイントもありますが、その点も踏まえて格安SIMというものがどういったものであるのかを知る必要があります。
第一に、格安SIMは数多くのMVNOから提供されているという点を理解する必要があります。
そして、つまりそれはMVNOごとの特徴を理解して比較する必要があるということでもあります。
そこで今回は、「ServersMan SIM LTE」の特徴について解説していきます。
この記事の目次
「ServersMan SIM LTE」ってどんな格安SIMなの?
ServersMan SIM LTEは、2015年10月に運営会社が「DTI」から「トーンモバイル」に移管したMVNOです。
「ServersMan SIM LTE」の特徴やおすすめポイント
次に、ServersMan SIM LTEのオススメはこんなポイント、ということについて解説していきます。
非常に分かりやすい、シンプルな料金プラン
まず、料金プランがシンプルであり、非常にわかりやすいというポイントです。
プラン数が多かったり複雑な仕組みであったりすることがなく、単一のプランであるため迷うことや不安に思うことがありません。
ServersMan SIM LTEでは、月額467円のプランが一つだけ用意されているだけです。
これに、必要に応じてSMSオプションなどを付帯させていき、最終的な月額料金が決まるという仕組みです。
この点は、トーンモバイルが運営するもう一つのMVNOである「TONE」と同じく、格安SIMの中では極めて異色な特徴です。
選択肢が少ないということはデメリットでもありますが、初心者にとっては悩む必要がないという点で楽になる可能性もあります。
通信速度の切り替えに便利なアプリ
次に、通信速度の切り替えに便利なアプリがあるというポイントです。
ServersMan SIM LTEは、基本的に250Kbpsの通信速度を利用することになるのですが、高速通信容量をチャージすることによって、一時的に通信速度を速める事ができるのです。
その際に便利になるアプリが
- 「ServersMan SIM Unlimited」
です。
このアプリを使って、チャージを行ったり、通信速度の切り替えを行うことができます。
そして、「SiLK Sense」という機能を利用することで、事前に登録しておいたAndroid用のアプリを起動した時に自動的に高速通信の状態に切り替えさせる事ができるようになります。
通信速度が速くなる事が必要なアプリを事前に登録しておくことで、いちいち通信速度を切り替えなくても良くなるのです。
(※今は使えませんが)月額300円で格安のIP電話
次に、今は受付を停止しているのですが、以前は月額300円でIP電話サービスを利用することができました。
サービスの名称は「ServersMan 050」で、通話料を大幅に削減することができます。
格安SIMは、30秒20円という通話料がどうしてもネックになってしまいます。
下手をすれば、大手キャリアの利用料よりも高額になってしまうケースも考えられます。
せっかく安い料金で利用したいと考えても、通話料がかさんでしまうことでそれを実現することが出来なくなってしまうのです。
IP電話サービスは、通常の音声通話用の回線ではなく、インターネット用の回線を利用して通話を行うことができます。
一番の特徴は「通話料が格安である」というポイントです。
ServersMan 050の場合、同じアプリ同士であれば通話料無料、その他の携帯電話の場合は1分16円という安さで通話することができます。通常のレートの半分以下の料金で利用することができます。
ただし、IP電話はインターネット回線を利用するため、通常の音声通話よりも音質が低下し、データ通信量が発生するというデメリットがあります。また、IP電話では110番や119番などを利用することもできません。
料金が安い分だけ、通常の音声通話機能で利用できる機能が利用できないといったデメリットが有るのです。
そのため、通常は用途に応じて通話機能を使い分けることが必要になるのです(緊急連絡や仕事の連絡は通常の音声通話機能で、それ以外の時はIP電話、と言った感じに)。
ServersMan SIM LTEの料金プランの詳細
次に、ServersMan SIM LTEの料金プランについて解説します。
前述の通り、ServersMan SIM LTEでは、1種類のプランだけが用意されています。
これに、必要なオプションを追加することで最終的な料金が決定される仕組みです。
基本的な料金は、月額467円です。
利用できるオプションは、前述の「ServersMan 050」を月額300円で利用できる(現時点では新規受付を停止中)他、SMS機能を月額143円で利用することができます。
また、高速通信のチャージを、
- 100MB:250円
- 500MB:1,250円
- 1GB:2,500円
で利用することができます。
必要に応じて、専用アプリからチャージと通信速度の切り替えを行いましょう。
ServersMan SIM LTEで現在実施中のキャンペーン
次に、ServersMan SIM LTEで開催中のキャンペーン、と行きたかったのですが、ServersMan SIM LTEではこれといってキャンペーンと呼べるようなものは開催されていませんでした。
ServersMan SIM LTEで販売しているおすすめ端末
次に、ServersMan SIM LTEで販売されている端末ですが、これも特に販売されている様子はありません。
端末のセット販売ですと、同じ会社が運営するTONEだと面白い特徴を備えています。
とは言え、ServersMan SIM LTEを利用する上では、docomo回線の格安SIMを利用することができる端末を用意しておく必要があります。
どの端末を利用することができるのかということについては、ServersMan SIM LTEのホームページに「動作確認済み端末」という項目がありますので、そちらの方を確認して、SIMカードのサイズについても調べておきましょう。
申し込み~利用開始までの流れ
次に、申し込みから実際に利用するまでの一連の流れについて解説していきます。
①ホームページの情報を確認する
まずは、ServersMan SIM LTEのホームページから「ご利用までの流れ」をクリックし、申し込みに関する情報を確認しておきましょう。
その際、「>>ご注意事項」という項目があるので、クリックしてページを移動しましょう。
移動先のページでは、サービスや配送方法など、申し込みや利用に関するさまざまな情報が掲載されています。
こちらの方もきちんと確認し、後でトラブルにならないようにしておきましょう。
②ホームページで申し込み手続きを開始する
確認作業が完了したら、ServersMan SIM LTEのホームページから申し込み手続きを開始します。
ホームページ右上の「お申し込み」の部分の「新規のお客様」をクリックします。
メールアドレスの入力フォームに移動しますので、利用可能なメールアドレスを入力してください。
あとは、指示に従って申し込み手続きを進めていきます。
③SIMカードの受け取りと初期設定
申し込み手続きが無事に完了したら、トーンモバイルの方からSIMカードが郵送されます。
これを受け取り、内容物を確認し、初期設定を行います。
申し込みの流れのページから「SIMカードのセット方法」「APN設定方法」という項目をクリックし、初期設定までに必要な情報をすべて確認してきましょう。
ServersMan SIM LTEの注意点
次に、ServersMan SIM LTEを利用する上で注意しなければならないポイントについて解説します。
通信速度が制限される
まず、低速通信は使い放題のプランなのですが、実質的には
- 「1日300MB」
- 「連続する2~3日で300MB」
というデータ通信量を超えてしまった場合に、通信が制限されてしまいます。
ネット上でも口コミが多数確認されるのですが、この状態ではまともにデータ通信を利用することができなくなります。
元々、250Kbpsという通信速度は、格安SIMの高速通信プランで通信速度が制限される場合の通信速度200Kbpsと対して変わらない速度です。
通常の状態だとネットの閲覧やSNSの使用程度であれば、普通に利用できるのですが、これがさらに制限されてしまうと、それらのアクションにおいても致命的な状態になってしまうのです。
音声通話プランが存在しない
次に、音声通話プランが存在しないというポイントです。
通常、格安SIMではデータ通信プランの料金にプラス700円を加算することで音声通話サービスを利用することができるようになるのですが、ServersMan SIM LTEの場合はSMS機能をオプションとして利用できるのですが音声通話機能は存在しません。
しかも、現状ではIP電話サービスもオプションとして利用することができない状態です。
つまり、ServersMan SIM LTEのサービス単体では、スマートフォンを使った通話機能を利用することが出来なくなってしまうのです。
そのため、ServersMan SIM LTEの格安SIMを利用しながら、スマートフォンで音声通話を利用するためには、何らかのIP電話サービスに加入する必要があるのです。
しかしながら、IP電話のデメリットは先ほども紹介しましたが、通常の音声通話と同じように利用することができません。この点は十分に理解しておく必要があります。
端末のセット販売が無い
最後に、端末のセット販売を行っていないというポイントです。
MVNOの中には格安SIMとスマートフォンやタブレット端末をセットで販売する場合があるのですが、ServersMan SIM LTEの場合は端末をセット販売せず、SIMカードの販売だけになります。
SIMカードは、利用する端末との相性が問題になる場合があります。詳しい解説は省きますが、ともかくセット販売の場合にはその相性を気にしなくて良いという点が大きなメリットになります(特に、格安SIMやスマートフォンに詳しくない初心者の場合)。
なので、ServersMan SIM LTEを利用する場合は、docomo回線の格安SIMを利用できる端末を既に持っているか、そうでない場合は新たに購入する必要があります。
docomo回線の格安SIMは、au回線の格安SIMと比べてクセが少なくて使いやすいのですが、動作確認済み端末の情報などを十分に確認した上で端末を用意しておかなければなりません。
通信速度はどれくらい?
次に、ServersMan SIM LTEで利用することができる通信速度について解説します。
ServersMan SIM LTEでは、常時250Kbpsの通信速度を利用することができます。
これは、一般的な格安SIMの高速通信プランの速度とは大幅に離れており、低速通信時の200Kbpsに近い速度になります。
ネットの閲覧やメールの送信、SNSの利用においてはほぼ問題なく利用することができると思われますが、動画の視聴やアプリのダウンロード、音楽のストリーミング再生といったアクションには適していないと言えます。
マイナーなMVNOを利用するメリットはどこにあるのか?
さて、ServersMan SIM LTEという名称、あまり聞き慣れないものではないかと思います。
大手キャリアは言うまでもなく、格安SIMの中にも「楽天モバイル」「OCNモバイルONE」「イオンモバイル」など、MVNOや運営会社の知名度が高いケースが多く見られます。
格安SIMが世間に広まってから数年、もはや格安SIMをマイナーな存在として見ることはできません。
そんな中で、ServersMan SIM LTEなどの格安SIMの中でもマイナーな部類にあたるMVNOを利用することの意味はどこにあるのでしょうか。
第一に「通信速度が安定しやすい」というところにあります。
格安SIMは、大手キャリアから借り入れた通信帯域を分配することでサービスが成り立っているので、ユーザー数が増加すると既存の通信帯域ではカバーしきれなくなってしまいます。
そのため、マイナーなMVNOを利用することでユーザー数が増加するリスクが少なく、通信速度を安定させやすくなります。
場合によっては、格安SIMの鬼門ともなる昼間の通信速度ですら、高速通信の快適さを維持できるケースもあります。
しかし、ServersMan SIM LTEの場合は低速通信が基本となるサービスであるため、ユーザー数が増加しても通信速度が極端に低下するというケースは考えにくいです。
そうなると、サービスの提供が継続するのかどうかという点が心配になります。
通信事業者の中には、自社グループの中で複数のMVNOを運営しているところもあります。
中には大手キャリアと同じグループの格安SIMもありますが、それらが「住み分け」「差別化」をしている限りは、まだ十分に存続するのではないかと推測されます。
ServersMan SIM LTEの場合、同じくトーンモバイルが運営する「TONE」とはサービス内容で異なる部分が多いです。
TONEもまた低速通信を基本とするMVNOではありますが、「端末とのセット販売が基本」「基本料金は1,000円」「オプションサービスが充実」といった、さまざまな点でServersMan SIM LTEと違っています。
とは言え、極端にユーザー数が少ない場合だと、運営を継続すること自体が困難になる可能性があります。
既存のユーザーにはサービスの提供を続けながら、新規受付を終了するという可能性は十分に考えられます。
そうなると、サービスの内容が進化することが無くなり、今までと同水準のサービスしか受けられなくなることになります。
他社はさまざまな分野で競争をする中、新規受付を終了したがために置いてけぼりを食らう事になりかねないのです。
「ServersMan SIM LTE」を実際利用した人の口コミを紹介
次に、ServersMan SIM LTEを利用しているユーザーの口コミについて解説していきます。
料金の安さとシンプルさが注目される
- 「ワンコインで利用できるのは嬉しい」
- 「SMSをつけても600円くらいなのはお得」
- 「どのプランにするか悩む必要がない」
多くの意見では、やはりその料金の安さが注目されている様子です。
基本料金はワンコイン(税込みだと500円を超えますが)で利用でき、それにオプションを付けても1,000円未満で利用することができます。
格安SIMの最大の特徴である「月額料金の安さ」をわかりやすく体現しているプランであると言えます。
通信速度制限にはうんざりな人も
- 「油断するとすぐに通信速度が制限される」
- 「3日で300MBはけっこう行ってしまう」
- 「速度制限された時に致命的なほどに通信速度が遅くなる」
その一方で、通信速度が制限されることに対する不満が大きく取り挙げられています。
ServersMan SIM LTEでは1日300MB、2~3日で300MBというケースで通信速度が制限されます。
高速通信のプランの速度制限とは異なり、最初から通信速度が遅いServersMan SIM LTEの場合だと、致命的なほどに通信速度が遅くなってしまいます。
終わりに
ServersMan SIM LTEは、確かに料金の安さが目立つ格安SIMであり、節約志向のユーザーにとってはメリットが大きいMVNOでもあります。
しかし、高速通信を基本とするスマートフォンの使い方をするユーザーにとっては、決してお得な格安SIMではありません。
ServersMan SIM LTEで高速通信をする場合には、100MBあたり250円のチャージを行う必要があります。
1GBだと2,500円になるのですが、これだと料金が安い水準のMVNOであれば10GBの大容量を利用できる金額になります。
わざわざ、そこまでの金額を支払ってまで高速通信を利用するメリットは全くありません。
また、ServersMan SIM LTEでは音声通話機能が利用できません。なので、「データ通信はあまり使わない、音声通話が使えればそれで十分」という使い方もできません。
唯一、他社サービスのIP電話を利用することで音声通話も利用できますが、その際には1日300MBというデータ通信制限容量をわずかでも消費してしまうこと、音質が良くないことなどのデメリットも考慮する必要があります。
そういった特徴を考慮すると、「サブ機」としての使い方が適しているのではないかと考えられます。
要するに、メインとなるスマートフォンには、相応の性能を持ったSIMカードを用いて運用し、使い古したスマートフォンにServersMan SIM LTEのSIMカードを挿入して利用するという方法です。
メイン機が使えない状況で、念のため持っておくという使い方をするのです。
IP電話を使えるようにしておけば、いざという時の連絡手段にもなります(緊急連絡はできませんが)。料金が安いので、サブ機として持っておくのに最適なのです。
もし、自宅に「今は使っていない、乗り換えしたスマートフォン」があるのであれば、活用するチャンスがあるということになります。