月々の携帯代が大幅に安くなる「格安SIM」に乗り換えるユーザーは、ここ数年で急激に増えています。
ただ、格安SIMの種類はたくさんあるので、どれにすればいいのか迷ってしまう人が少なくありません。
格安SIMを選ぶ際、最も重視すべきポイントは「通信速度」と言われています。
いくら携帯代を節約することができても、データ通信が快適にできなければ意味がありませんもんね。
そこで今回は、この「通信速度」にスポットを当てて、各格安SIMの速度を時間帯別に徹底比較してみました。
速度が速い格安SIMをお探しの方はぜひご覧ください。
通信速度は格安SIMを選ぶ上で最重要ポイント
格安SIMを選ぶ上で最も大事なポイントは「通信速度」と言われています。
理由は明確です。
通信速度はスマートフォンを利用する上で常に関わってくるものだからです。
いくら料金が安かったり、キャンペーン特典が充実していても、普段のデータ通信にストレスを感じてしまう速度だったら元も子もありませんよね。
むしろインターネットが快適にできることが前提条件で、初めてどの格安SIMにしようか選ぶ人が多いのではないでしょうか。
速度を確認してから他のポイントを比較
格安SIMを選ぶ上で判断材料となるポイントは「通信速度」以外にも多数あります。
例えば、
- 月額料金
- プランの種類
- キャンペーン
- 取扱端末
- サポート体制
- 口コミ評判
などが挙げられます。
これらの判断指標も、自分に合った格安SIMを選ぶためには大切なポイントです。
最適な格安SIMを探す方法
ただ「通信速度」だけは、先ほども述べましたが、快適にデータ通信ができるかどうかという、スマホを使う上での基本中の基本です。
そのため、まずは通信品質の良い格安SIMを確認して、その中から上で挙げたような判断材料を比較して、自分に最適な格安SIMを探すのが1番おすすめの方法です。
速度を比べる上で大事な時間帯
続いて、格安SIMの速度を比較する上で大事な「時間帯」についてご説明します。
普段のデータ通信が快適にできるかどうかは、その格安SIMの通信品質が良いかどうかとイコールです。
そして、特に多くのユーザーが携帯を触る「時間帯」の通信速度を見ることで、より明確な「格安SIM別の通信品質の違い」を読み取ることができます。
ネットワークが混雑する時間帯
例えば、多くの人が働いている時間帯や寝ている時間帯は、どの格安SIMでもそれなりに快適にデータ通信ができたりします。
理由は単純で、そういった時間帯は携帯を触るユーザーが少ない分、ネットワークが空いているためです。
しかし、逆に
- 8~9時 通勤・通学時間
- 12~13時 昼休み時間
- 18~19時 退勤・下校時間
- 20~21時 夕食後時間
- 22~24時 就寝前時間
といった大勢の人がスマホをいじる時間帯は、ネットワークが混雑するため、格安SIMによっては速度が極端に遅くなったりします。
おそらく上記に挙げた時間帯は、自分がデータ通信をよくする時間帯に当てはまる方が多いと思います。
混雑する時間帯に良い通信環境を提供している格安SIMは
だからこそ、こういったよく混雑する時間帯の速度をそれぞれ比較して、利用する格安SIMを選ぶことが大切です。
実際、ネットワークが混み合う時間帯に良い通信環境を提供している格安SIMは、ユーザーからの評価が高く、人気ランキングの上位に位置しています。
例えば、
- 自分が最もデータ通信する時間帯の通信速度
- 気になっていた格安SIMの時間帯別の通信速度
- 普段の通信速度は問題ないのに、特定の時間帯は遅い格安SIM
などを見ることで、自分が求める格安SIMを導き出すことができます。
本ページでは、できるだけ多くのMVNOの通信速度を、いくつかの条件下で測定し比較しています。
速度の速い格安SIMをお探しの方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
通信速度の計測方法
始めに、格安SIMの通信速度を測る「計測方法」についてご説明しておきます。
計測方法
今回、格安SIMの通信速度を計測する方法として
「https経由で画像をダウンロードし、トラフィックモニターで確認する」
という方法を採用しています。
一般的に、データ通信の速度測定には
- 「スピードテストアプリ」
- 「速度計測サイト」
を使用するケースが多いです。
しかし、これらの測定結果が実際のデータ通信の実感速度とかけ離れている場合が多いので、今回は本当の実効速度を知りたいと考えこの計測方法を採用しました。
画像のダウンロードにかかる時間をモニタリング
今回の速度計測は
「画像をダウンロードした際に実際にかかる時間というものをモニターで確認」
することで、ユーザーが体感する実効速度をより正確に把握しようという試みです。
使用する画像は、一律で容量「1.5MB(1,500KB)」のものを使用しています。
基本的にスマートフォンに使用される画像のサイズは平均300KBなのですが、サイト1ページあたり5枚ほど画像を使用していることを想定して、5倍のサイズの画像を実験に採用しました。
よりリアルな速度値が計測
今回の計測方法で出る速度値は、先ほど紹介した「スピードテストアプリ」や「速度計測サイト」ほどの高い速度値が出ることはまずありません。
ただし、これらの計測方法で出る値よりは、かなり低い速度値ですが、よりユーザー向けのリアルな情報であるということをご理解いただければと思います。
通信速度の測定環境
続いて、格安SIMの通信速度を測る「測定環境」をご紹介します。
測定環境
<計測日>
- 2018年2月1日
<計測場所>
- 大阪府大阪市西区
<計測方法>
- https経由で画像をダウンロードし、トラフィックモニターで確認
※「スピードテストアプリ」や「速度計測サイト」で表示される通信速度はもっと速い値ですが、実際の体感速度とのギャップが大きいので、今回はちょっと特殊な方法で速度を計測してみたいと思います。
※よりユーザー目線の情報であるということをご理解いただければと思います。
測定するMVNO
今回、速度比較するMVNO(格安SIMを提供する通信事業者)をご紹介します。
利用者数が多くて人気のMVNO17社を取り上げました。
docomo回線MVNO
- 楽天モバイル
- mineo(Dプラン)
- DMM mobile
- OCN モバイル ONE
- BIGLOBE SIM
- LINEモバイル
- Y!mobile
- イオンモバイル
- IIJmio
- NifMo
- U-mobile
- DTI SIM
- FREETEL
- nuroモバイル
- WonderLink F
au回線MVNO
- mineo(Aプラン)
- UQモバイル
格安SIMの時間帯別速度比較
それでは、本記事のメインテーマである格安SIMの時間帯別の速度比較です。
速度計測は、携帯を触るユーザーが多いであろう
- 8~9時 通勤・通学時間
- 12~13時 昼休み時間
- 18~19時 退勤・下校時間
- 20~21時 夕食後時間
- 22~24時 就寝前時間
5つの時間帯別を選びました。
自分が特にスマホをいじる時間帯の速度比較は必ずチェックしておきましょう。
朝の通勤・通学時間
まずは、朝の通勤・通学時間である「午前8:00~9:00」の時間帯の通信速度から見ていきましょう。
午前8:00~9:00のMVNO別速度表
AM8:00~9:00の通信速度 | |
MVNO | 通信速度(下り) |
楽天モバイル | 2.79Mbps |
mineo(Dプラン) | 5.77Mbps |
DMM mobile | 1.07Mbps |
OCN モバイル ONE | 1.25Mbps |
BIGLOBE SIM | 1.38Mbps |
LINEモバイル | >3.92Mbps |
Y!mobile | 1.56Mbps |
イオンモバイル | 2.39Mbps |
IIJmio | 0.89Mbps |
NifMo | 1.25Mbps |
U-mobile | 2.49Mbps |
DTI SIM | 8.21Mbps |
FREETEL | 0.33Mbps |
nuroモバイル | >4.92Mbps |
WonderLink F | >4.64Mbps |
mineo(Aプラン) | 6.17Mbps |
UQモバイル | 6.86Mbps |
お昼の休憩時間
次に、昼休憩の時間帯である「午後12:00~13:00」の通信速度です。
この時間帯は会社にしても学校にしても、お昼ごはんの時間なので携帯を触る時間でもあります。
しかも昼休みは、どの職場・学校でもほとんど同じ時間帯「12~13時」のため、ネットワークの混雑がよく起こります。
午後12:00~13:00のMVNO別速度表
PM12:00~13:00の通信速度 | |
MVNO | 通信速度(下り) |
楽天モバイル | 0.59Mbps |
mineo(Dプラン) | 2.13Mbps |
DMM mobile | 0.46Mbps |
OCN モバイル ONE | 0.52Mbps |
BIGLOBE SIM | 0.37Mbps |
LINEモバイル | 1.65Mbps |
Y!mobile | 8.1Mbps |
イオンモバイル | 0.77Mbps |
IIJmio | 0.35Mbps |
NifMo | 0.41Mbps |
U-mobile | 14.53Mbps |
DTI SIM | 0.6Mbps |
FREETEL | 0.96Mbps |
nuroモバイル | 0.92Mbps |
WonderLink F | >3.98Mbps |
>mineo(Aプラン) | >2.46Mbps |
UQモバイル | 14.9Mbps |
夕方から夜にかけての退社・下校時間
次は「午後18:00~19:00」の通信速度です。
この時間帯は「退社・下校」の時間帯に相当しますが、全てのユーザーがそうだとも言えません。
そのため、昼休憩の時間帯ほどネットワークが混雑することはありませんが、それでも「13~17時台」の時間帯に比べると通信速度の低下傾向がやや見られます。
午後18:00~19:00のMVNO別速度表
PM18:00~19:00の通信速度 | |
MVNO | 通信速度(下り) |
楽天モバイル | 13.4Mbps |
mineo(Dプラン) | 13.9Mbps |
DMM mobile | 5.68Mbps |
OCN モバイル ONE | 8.52Mbps |
BIGLOBE SIM | 9.27Mbps |
LINEモバイル | 10.9Mbps |
Y!mobile | 11.38Mbps |
イオンモバイル | 5.81Mbps |
IIJmio | 6.35Mbps |
NifMo | 10.3Mbps |
U-mobile | 4.83Mbps |
DTI SIM | 4.61Mbps |
FREETEL | 8.96Mbps |
nuroモバイル | 5.72Mbps |
WonderLink F | 11Mbps |
mineo(Aプラン) | 14.5Mbps |
UQモバイル | 16.3Mbps |
夕食中・夕食後の時間
次は「午後20:00~21:00」の通信速度です。
これは帰宅後や夕食の前後の時間帯で、スマートフォンを利用するユーザーが多い時間帯です。
そのため、先ほどの「午後18:00~19:00」に比べると全体的に通信速度が低下する傾向があります。
ただ、昼休憩の時間帯ほど極端な通信速度の低下は見られませんでした。
午後20:00~21:00のMVNO別速度表
PM20:00~21:00の通信速度 | |
MVNO | 通信速度(下り) |
楽天モバイル | >8.7Mbps |
>mineo(Dプラン) | 12.96Mbps |
DMM mobile | 3.6Mbps |
OCN モバイル ONE | 4.27Mbps |
BIGLOBE SIM | 11.3Mbps |
LINEモバイル | 7.9Mbps |
Y!mobile | 10.38Mbps |
イオンモバイル | 5.37Mbps |
IIJmio | 3.82Mbps |
NifMo | 9.2Mbps |
U-mobile | 13.77Mbps |
DTI SIM | 4.61Mbps |
FREETEL | 3.48Mbps |
nuroモバイル | 6.45Mbps |
WonderLink F | 9.64Mbps |
mineo(Aプラン) | 13.81Mbps |
UQモバイル | 12.9Mbps |
就寝前の時間
最後は「午後22:00~24:00」の通信速度です。
夕方以降の通信速度の低下は、朝や昼間と比べて長期間に及んでいますが、そのピークだとされているのがこの時間帯になります。
午後22:00~24:00のMVNO別速度表
PM22:00~24:00の通信速度 | |
MVNO | 通信速度(下り) |
楽天モバイル | >7.34Mbps |
>mineo(Dプラン) | 8.63Mbps |
DMM mobile | 2.83Mbps |
OCN モバイル ONE | 3.95Mbps |
BIGLOBE SIM | 6.1Mbps |
LINEモバイル | 5.24Mbps |
Y!mobile | 9.31Mbps |
イオンモバイル | 3.05Mbps |
IIJmio | 3.19Mbps |
NifMo | 8.48Mbps |
U-mobile | >7.79Mbps |
DTI SIM | 2.23Mbps |
FREETEL | 1.56Mbps |
nuroモバイル | 7.45Mbps |
WonderLink F | 6.03Mbps |
mineo(Aプラン) | 9.46Mbps |
UQモバイル | 17.3Mbps |
速度が速いおすすめの格安SIMは?
それでは最後に、今回の速度比較の結果から導き出されるおすすめの格安SIMをご紹介します。
UQモバイル
速度が速い最もおすすめの格安SIMは「UQモバイル」です。
「auのサブブランド」とも呼べるMVNOとして成長したUQモバイルには、単純な通信品質の高さだけでなく一種の安心感もあります。
サブブランドという立場は、回線速度が落ちにくくなるという予想を立てやすいです。
実際、UQ mobileはサービスの開始当初から、通信環境が安定していることで支持を集めている格安SIMです。
ユーザーからすると、通信速度を安定して供給し続けてくれるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、UQモバイルは「au回線MVNO」なので、au回線の対応スマートフォンが増えてきたことによって需要が高まっているのもプラスポイントです。
「docomo回線MVNO」が多い中、UQモバイルであれば、auユーザーが端末のSIMロックを解除せずにそのまま乗り換えることが可能です。
UQモバイルの詳細を知りたい方は下記ページをご覧ください。
- 詳細はこちら
- UQモバイルの料金や速度を徹底解説!キャンペーンや評判は?
mineo
mineoは、頻繁な設備増強によって通信環境が大幅に改善され続けていることと、ユーザー目線のサービス提供でおすすめの格安SIMです。
回線の設備増強は行えば行うほど、通信環境が改善されるため、それだけ多くのユーザーを増やす結果につながります。
また、mineoには独自のサービス「マイネ王」や「フリータンク」といった独自のサービスを展開しています。
「マイネ王」は、ユーザー同士のコミュニケーションだけではなく、mineoスタッフとの交流と情報発信の場としても利用されています。
そして、今後の設備強化情報がマイネ王を通じて発信されるだけでなく、ユーザーからの意見もmineoスタッフに届きやすくなっています。
これはつまり、ユーザー目線でのサービス強化や問題の解決等の情報がスタッフに行き届きやすくなることで、ユーザーにとって快適な通信環境が提供されやすくなるのです。
もし、mineoがユーザー目線の行動をとらないのであれば、頻繁な設備増強も無かったことでしょう。
仮に、ユーザーが不満に思っていることを野放しにしても十分に利益を得ることができると考えていたのであれば、膨大なコストの掛かる設備増強は行わなかったはずです。
そのため、度重なる設備増強は、mineoの格安SIMとしての姿勢を知る良い指標となりました。
mineoの詳細を知りたい方は下記ページをご覧ください。
- 詳細はこちら
- mineoの料金プランや通信速度は?キャンペーンや評判も紹介!
まとめ
格安SIMへの乗り換えは、ある程度の手間を必要とします。
そうなると、やはり「長く使える格安SIMを選ぶ」ということが大切であり、通信速度はその指標の大きな一つとなります。
ただ、通信速度だけが格安SIMの価値を決めるわけではありません。
例え通信速度が速くても、その他の部分で不満を感じれば、その格安SIMを使い続けることはユーザーにとってストレスとなります。
通信速度の速さは、ニーズの大きさと合致するものでなければ意味がなく、速度をそこまで重視しないユーザーが通信速度だけを追求しても意味がありません。
要するに、格安SIMに何を求め、何を重視するのかということをきちんと把握した上で、可能な限り通信速度も追求するというスタンスが格安SIM選びでは大切なのです。
また、通信環境に関しては、数ヶ月・数年単位で大きく変化します。
そのため、以前に比べて通信速度が極端に速くなったり、逆に遅くなったという格安SIMもいくつか存在します。
つまり格安SIMは、現状の通信速度をいつまでも維持できるわけではなく、時間が経過すれば何らかの変化が発生するサービスだということです。
もし、以前に比べて利用中の格安SIMの実効速度に違和感を感じたら、ネットで情報を収集してみましょう。
知り得た情報と時と場合によっては、格安SIMから他の格安SIMへ乗り換えることも考えなければならないかもしれません。
