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色々なデータSIMが登場!PCやカメラ専用・シェア・時間別・0円

 

「格安SIM」というものが日本に登場し、多くのユーザーに浸透しつつある現在ではその価格競争が一段落付いた感もあります。

しかし、そんな中で格安SIM業界は価格面での競争から「サービスを軸とした競争」へと変化しつつあります。

確かに、格安SIMは価格面でのメリットを前面に押し出しているネーミングではありますが、長く利用することになるものである以上それに付帯するサービスの品質についても注目するべきであり、これをないがしろにしていては価格面では見ることができない格安SIMのメリットを見逃すことになります。

そこで、格安SIMに登場したさまざまなサービスについて解説していきます。

目次

デバイス特化型のMVNOサービス

まずは「デバイス特化型」のサービスについて解説します。

これは要するに「特定の機能を持った端末を利用することを前提としたサービス」であり、ここでは「LTE通信機能を内蔵したノートPC」と「スマートフォンの機能を内蔵したデジタルカメラ」を例として挙げています。

LTE通信機能内蔵ノートPCに特化したプリペイドSIM

まずは「LTE通信機能内蔵PC」に特化しているプリペイドSIMです。これは「VAIOオリジナルLTEデータ通信SIM」が代表的なものです。

一般的なSIMカードのように月額料金制なのではなく、年単位で利用することができるプリペイドSIMカードとなっています。

これは、1年あたり32GB(3年プランは128GB)の高速通信の容量が用意されています。

1ヶ月あたり3GB未満に該当する容量ではありますが、このサービスの具体的な利用方法としては「制限のない常時接続モード」と「年に数回は高速通信を行う」という2つの軸で運用されます。

常時接続モードでは、通信容量の制限がない代わりに200Kbpsという通信速度で接続を行っています。

前述の「VAIOオリジナルLTEデータ通信SIM」は、同社の「VAIO S11」での利用を前提としているのですが、このPCにはWindows10の「Connected Stanby」という、スリープ機能を使っている最中にも定期的にデータ通信を行うという機能を利用することができます。

この機能を利用することで、例えば「PCを開いてすぐにメールチェックを行いたい」という使い方ができます。

メールチェック程度なら、そこまで速い通信速度を必要とはしません。なので、常時は200Kbpsという通信速度でも十分に機能してくれるのです。

しかし、年に数回は大量のデータ通信を行うから、その時には高速通信が必要になるという場合に、年に32GBという高速通信の容量が活かされるのです。

「スマホ機能内蔵デジタルカメラ」に特化したデータSIM

次は「スマホ機能内蔵デジタルカメラ」に特化しているデータSIMです。

これは「Wonderlink LTE L」シリーズが該当します。簡単にいえば「通信機能を備えたデジカメ用のSIMカード」というべきものです。

デジカメで撮影したデータのアップロードに特化するということで、まず「データ通信専用SIM」で通信料を抑えています。そして重要なポイントは「通信速度制限」にあります。

通常、高速通信のプランではプランごとに設定されているデータ通信容量を超過してしまった場合、翌月までは通信速度が制限され、1Mbps未満の低速通信で利用しなければなりません。

しかし、「Wonderlink LTE L」は「上り」つまり「アップロード」に関しての通信速度は、データ通信容量を超過しても通信速度の制限を受けないという特徴があります。

通信において、アップロードとダウンロードの両方の通信速度に制限を受けることが一般的ですが、撮影したデータをパソコンやスマホに送信することに特化するということで、アップロードの通信速度はプランごとの容量を超過しても50Mbpsの通信速度を維持して利用することができるのです。

ダウンロードよりも、アップロードを利用することの方が圧倒的に多いスマホ機能付きデジカメに特化したSIMであると言えます。

余ったデータ容量を他の契約者とシェアできる格安SIM

次は、「余ったデータ容量を他の契約者とシェアすることができる」というサービスです。

シェアと言えば、いくつかのMVNOで「シェアプラン」というものが用意されていますが、これは「同一の契約で単一のデータ容量を一緒に使う」というプロセスです。

今回紹介するのは「mineo」が提供する画期的なサービスである「フリータンク」と呼ばれるサービスです。

このサービスの肝は「余ったデータを貯蔵する」という機能と「貯蔵されたデータ容量を毎月1GBまで引き出すことができる」という2つの異なる機能です。

まず、前者の「貯蔵する」という機能は、毎月のデータ通信用量の中で「余りそうな容量」をプールすることができます。

その「プールした容量」を、他のmineoユーザーが毎月1GBまで引き出して、自分のデータ通信用量として利用することができるのです。

この機能は、毎月21日~末日の間だけ利用できるという特徴があります。

つまり、「データ容量が余りそう」「データが足りなくなりそう」ということを現実的に把握することができるタイミングとなります。

預け入れる側に直接的なメリットはありませんが、「余らせるのはもったいない」という考えのもと、余分な容量をプールしてもらうのです。

一方、引き出す側には「毎月1GBまで」という制限があります。

なので、フリータンクの容量を当てにして極端に安いプランで契約するという方法は利用できません。

基本的に「月末まで保たせることができない」部分を補うという使い方になるので、基本的に自分のライフスタイルに適したプランを契約することになります。有り体に言えば「誰も損せず、ちょっと得する」という、程よい温度のサービスであると言えます。

特定の時間帯「だけ」高速通信できる格安SIM

次は「特定の時間だけ高速通信できる」というサービスを持ったSIMです。これは「スマートモバイルコミュニケーションズ」が提供する「スマモバ」に含まれる「ナイトプラン」と「プレミアムプラン」が該当します。

通常、高速通信の切り替え機能が無い格安SIMの場合、常に高速通信となり、容量を超えれば翌月まで低速通信になってしまいます。

スマモバのこれらのプランは、それぞれのプランで決められた時間内であれば、LTEの高速通信が使い放題なのです。

ただし、3日間のデータ通信量の多さによって速度制限がかけられる可能性があります。

規定の時間外では、通信速度が極めて低い速度になってしまいますが、その時間帯にスマートフォンを使わないというのであれば問題ありません。

規定の時間内であれば(3日間の使用における制限はありますが)基本的に高速通信が使い放題になります。

しかも、「使い放題系のプラン」にありがちな「通信速度が遅い」「料金が高い」ということがなく、一般的な使用頻度の高い時間帯を避けて高速通信を行うことで料金を抑えています。

デメリットとしては「時間帯を自由に設定できない」ということです。

各プランで時間が設定されているので、プランを選ぶ以外には同じプランで高速通信の時間帯を動かすことができません。

1日のうち、好きな時間帯を決めてその間だけ高速通信ができるようになればもっと便利でしょうが、各プランで規定されている時間帯にスマートフォンを使うという人の場合は、十分に活用することができるのではないかと思います。

500MB未満の通信量なら「完全0円」の格安SIM

最期は「完全0円」の格安SIMについて解説します。そんな夢の様な物があるわけがない、と思われるかもしれませんが、「500MB未満」の通信量であればそれが実現するのです。

それは「So-netモバイル」の「0 SIM」なのです。

「0 SIM」は、データ通信専用SIMの場合「500MB未満の通信量」の場合であれば、ユニバーサルサービス料を含めて月額料金が0円になるというプランなのです。

500MBを超えた場合には、それに応じた料金が発生することになります。なお、このプランには「SMS」と「音声通話」も追加することができますが、それぞれユニバーサル料金を含めて追加料金が発生することになります。

それでも、500MB未満であれば格安の料金で利用できることには違いありません。

このプランは、普段からあまりデータ通信を行わない人とって大きなメリットが有ります。500MBという容量は動画や音楽の再生には不向きですが、インターネットの閲覧やメールの送信程度であればそれなりの回数をこなすことができます。

そのため、高速通信の1GBのプランでも常に余裕がある人の場合であれば、500MB未満に抑えるか、500MBをちょっと超える程度の通信に抑えることで、毎月の料金を大幅に抑えることができます。

このプランにおける通信速度は、下り最大300Mbps、上り最大50Mbpsと快適な通信速度を保持しています。

最大で5GBまでしか利用できない(それ以降は速度制限がかかる)という点もありますが、チャージは可能なので低速通信に苦しめられることもありません。