WiMAX2+の料金プラン「ギガ放題」と「通常」の違いを比べてみよう!
外出先で仕事または学業のために、PCでインターネットを利用したい場合、スマホのテザリングだけでは、速度的にも容量的にも不十分なケースが多々あると思います。
そういった場合に役立つのが「モバイルルーター」です。
そして、モバイルルーターの中でも特に人気の通信サービスが「WiMAX」です。
このWiMAX(今はWiMAX2+のこと)の料金プランには、
があります。
WiMAX2+を利用するにあたっては、これらのプランがどのようなものなのかを把握することにより、WiMAX2+の活用方法が決まるといって間違いありません。
例えば、
- 動画をたくさん視聴する→ギガ放題プラン
- ネット検索したり、写真をクラウドに保存するだけ→通常プラン
といった感じで契約する料金プランを選定します。
今回は、このWiMAX2+の「ギガ放題プラン」と「通常プラン」の違いを徹底解説します。
目的にあった料金プランを選択するための参考にして下さい。
目次
現在「WiMAXの契約」=「WiMAX2+」のこと
高速の無線通信サービス「WiMAX」ですが、まず始めにWiMAXの基本的な内容を解説します。
WiMAXとWiMAX2+
2009年に開始したWiMAXですが、サービスの種類として
- 「WiMAX(旧WiMAX)」
- 「WiMAX2+」
があります。
旧WiMAXは、KDDIで2003年から技術開発を行い、2005年6月のWiMAX実証実験を経て、2009年2月26日に東京23区、横浜市、川崎市で試験サービスが開始されました。
サービスの開始当初は、当時のモバイル環境として最高クラスの「ベストエフォート40Mbps」という通信速度でした。
その後、「WiMAX2+」の品質向上のために、2015年春頃から「旧WiMAX」の最大速度は13.3Mbpsに変わりました。
通信制限の話ですが、旧WiMAXには、データ容量の上限が1ヶ月でも短期でもないので、速度制限がありません。
完全なデータ通信の使い放題となっています。
しかし、「WiMAX(旧WiMAX)」の新規受付は終了しており、サービス自体も2018年3月頃に終了が予定されています。
旧WiMAXが2018年に終了!?終わる理由や時期・注意点を徹底解説
WiMAX2+でも使用するルーター端末によっては「旧WiMAX」の回線が使える
ただし、「WiMAX2+」を契約しても、使用するルーター端末によっては、「WiMAX(旧WiMAX)」の回線を利用することができます。
旧WiMAXの回線を利用するには、使用するルーター機器の設定変更が必要です。
その設定とは、「通信モード」の設定になります。
ルーター機器の種類にもよりますが、一般的な「通信モード」設定には、
- 「ノーリミットモード」
- 「ハイスピードモード」
- 「ハイスピードプラスエリアモード」
があります。
この中で、「ノーリミットモード」という通信モードに設定すると、旧WiMAXの回線を利用することができます。
もちろんこの通信回線は、旧WiMAXのサービス提供エリアでしか利用できません。
また、旧WiMAXの回線を利用できない端末の場合、「ノーリミットモード」の通信モードがありません。
以上のように「WiMAX2+」を契約しても、「旧WiMAX」の回線も利用できるルーター端末があることを頭に入れておきましょう。
どのプロバイダーでも、WiMAX2+は基本的に2つの料金プラン
WiMAX2+は、どのプロバイダーでも、基本的に2つのプランが用意されています。
この2つのプランについては、各WiMAXプロバイダが独自の名称でプランを提供していたりしますが、基本的に「ギガ放題プラン」「通常プラン」を元に設計されています。
あとは、例えば
- 契約期間が違う → 「2年」or「4年」だったり
- auとのセット割引を適用 → auのサービス名称がついたり
- プランの自動変更が可能 → プラン内容が+○○円で変わったり
することで、独自のプラン名称になってたりします。
しかし、冒頭でも述べましたが、WiMAX2+の料金プランは、
基本的にこの2つです。
本記事では、最も分かりやすく理解してもらうために、WiMAX本家であるUQコミュニケーションズの「WiMAX2+の料金プラン」を例にして解説します。
ギガ放題プラン→『UQ Flatツープラス ギガ放題』
ギガ放題プランは、UQコミュニケーションズでは『UQ Flatツープラス ギガ放題』という名称です。
このプランは、月額4,380円で月間のデータ通信量の上限がありません。
また、
- 「auスマートバリューmine」
- 「おトク割」
- 「長期利用割引」
といった割引サービスが適用できるようになっています。
「auスマートバリューmine」は、auユーザー専用の割引サービスです。
「おトク割」は、課金開始日を含み25ヶ月間、500円の割引が適用されます。
「長期利用割引」は、「おトク割」が適用された場合には「おトク割」適用期間満了の翌月より、-500円の適用になります。
通常プラン→『UQ Flatツープラス』
一般的なプランとして「通常プラン」があります。
UQコミュニケーションズでは、『UQ Flatツープラス』という名称です。
このプランは、月額3,696円で、月間データ通信量は7GBまで利用可能になっています。
加えて、ギガ放題プランと同じように
- 「auスマートバリューmine」
- 「おトク割」
- 「長期利用割引」
が利用できます。
LTEオプションによる「au 4G LTE」通信に関して
WiMAX 2+サービスには、「au 4G LTE」通信が利用できるLTEオプションがあります。
このLTEオプションについて解説します。
3つの通信モード
LTEオプションの解説をする前に、上記でも述べた「通信モード」のおさらいをします。
WiMAXには、ルーター機器の種類を問わず「通信モード」という概念があります。
その通信モードには
- 「ノーリミットモード」
- 「ハイスピードモード」
- 「ハイスピードプラスエリアモード」
の種類があります。
ノーリミットモード
ノーリミットモードは、「WiMAX(旧WiMAX)」の回線で、速度は最大13.3Mbpsです。
速度制限はありません。
ハイスピードモード
ハイスピードモードは、WiMAX2+のメインとなる「通信モード」です。
「WiMAX2+」の回線で、速度は基本最大220Mbpsとなっています。
2016年12月から、関東・中部・関西エリアをはじめとして、最大速度440Mbpsになっています。
ハイスピードプラスエリアモード
ハイスピードプラスエリアモードが、LTEオプションで利用する「通信モード」です。
以上3つ通信モードが、ルーターの設定を切り替えることで、
- 「WiMAX(旧WiMAX)」
- 「WiMAX2+」
- 「au 4G LTE」
の通信環境を利用できるようになっています。
LTEオプションの特徴
周波数帯の違い
WiMAX2+の電波は、2.5GHz帯を使っています。
一方、LTEオプションは、auが使用している
の周波数帯を使っています。
ですので、WiMAX2+のサービス提供エリア以外の「au 4G LTE」エリアでデータ通信ができます。
プラチナバンド
また、au 4G LTEは「プラチナバンドとよばれる800MHz帯」が使えるというのが最大の特徴です。
プラチナバンドの800MHzは非常に優秀な周波数帯なので、
- 「電波が建物でも回り込み室内や地下でつながりやすい」
- 「電波が遠くまで届くため、地下や高層階や山間部でつながりやすい」
という特徴をもっています。
エリア
エリアとしては、WiMAXの2.5GHz帯は、全国のエリアで利用できるように整備が進んでいます。
しかし、地方や山間部ではまだまだ整備が進んでいません。
一方、LTEオプションの「au 4G LTE」の人口カバー率は、99%を超えていますので地方や山間部などでも使うことができます。
「au 4G LTE」通信の使い方・メリット
地方や山間部以外の街中の具体的な使い方としては、例えばビルが立ち並ぶ場所でWiMAX2+が繋がらない場合に「au 4G LTE」通信に切り替えてデータ通信をしたりします。
LTEオプションのメリットとしては、上記の使い方と「エリアが広い」ことも当然あります。
WiMAX2+がつながらない場所でも、「au 4G LTE」通信でインターネットができる可能性が高いことで利用価値があります。
LTEオプションの料金
LTEオプション料は、どのWiMAXプロバイダーでも、基本「月額1,005円」です。
また、「auスマートバリューmine」の加入者は無料で利用することができます。
ただし、2017年夏をめどに無料化が予定されています。
どうやらWiMAX契約の基本の契約期間である「2年」から、「3年」契約に変更することで、LTEオプション料「1,005円/月」が無料になるみたいです。
従来の「2年」契約の場合は、これまで通り月額1,005円のオプション料が必要です。
WiMAX 2+サービスにLTEオプション無料プランが登場!
使用方法は、LTE対応のルーター機器の設定で「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えることで「au 4G LTE」通信が利用できる仕組みで変わりありません。
また、最近発売されている端末は、ほとんどLTE対応になっていますが、「Speed WiFi NEXT WX01」は対応していないので、注意して下さい。
LTEオプションの注意点→通信制限
LTEオプション最大の注意点は、通信制限です。
特に「ギガ放題プラン」の場合に問題となります。
ギガ放題は、1ヶ月のデータ通信量に上限がないプランです。
しかし、だからといってLTEオプションの「au 4G LTE」通信も上限がなくなるわけではありません。
このポイントが要注意です。
つまり、ギガ放題でも「ハイスピードプラスエリアモード」で
の合計通信量が月間7GBを超えた場合には、速度制限がかかります。
なお、この速度制限が発生してしまった場合、ハイスピードモードの「WiMAX 2+通信」も通信制限の対象となります。
LTEオプションの「ネットワーク混雑回避のための速度制限」
LTEオプションの「au 4G LTE」通信も、WiMAX2+通信と同じように、
- ネットワーク混雑回避のための速度制限
- 3日10GB以上
の対象となることを覚えておきましょう。
WiMAX2+の「ギガ放題プラン」と「通常プラン」の違いは?
これまで、WiMAX2+には、
という2つのプランがあることを何度も説明してきました。
次は、この2つのプランには、どのような違いがあるのか比較しながら、もう少し具体的に見ていきましょう。
比較表(例:UQ WiMAX)
|
通常プラン |
ギガ放題プラン |
料金 |
3,696円 |
4,380円 |
通信制限(月間) |
7GB |
上限なし |
通信制限 |
3日間で10GB以上 |
通信速度 |
最大220~440Mbps |
1ヶ月のデータ容量
「通常プラン」と「ギガ放題プラン」の一番の違いは、月間のデータ容量です。
通常プランは、月間のデータ通信量が7GBを超えると、速度制限が発生します。
一方、ギガ放題プランには、1ヶ月のデータ容量に上限がありません。
しかし、もう一つの通信制限、ネットワーク混雑回避のための速度制限である「3日10GB以上」は、両プラン共通に速度制限の対象となっていることに注意しましょう。
月額料金
料金面では、「通常プラン」は3,696円、「ギガ放題プラン」は4,380円になっています。
その差額は680円程度になりますが、この差額の料金で、月間の通信制限の有無という意味になります。
この月額680円の差額による、月間の通信制限の有無の価値は、ユーザーの利用用途に照らし合わせての判断が必要になります。
月額680円ということは、年間8,160円ですが、毎月7GBのデータ通信量を超えない利用の仕方であれば、コストを抑えることができますので、通常プランの方が価値があるといえます。
しかし、ひと月に大量のデータ通信を行う場合には、いちいち通信制限(7GB)の心配をしなければなりません。
そのため、WiMAX2+本来の高速通信というメリットが最大限活かされないことになり、使い勝手が悪いというしかありません。
この場合は、ギガ放題プランの方が価値があると言えます。
実はこの「ギガ放題プラン」と「通常プラン」は、月単位で変更できる!
WiMAX2+のプランは、月単位で手軽に料金プランの変更が可能です。
例えば、UQ WiMAXで言うと、
今月「UQ Flatツープラス」を利用し、データ通信量が7GBを超えてしまいそうな感じだったら、来月「UQ Flatツープラス ギガ放題」に変更
といったことができたりします。
その逆に、
「UQ Flatツープラス ギガ放題」を利用して、データ通信量の実績を見て、月間7GBを超えないようなケースが多い場合、「UQ Flatツープラス」に変更
してコスト削減をすることも可能です。
ただし、WiMAX2+契約時に人気の「キャッシュバックキャンペーン」から申込をした場合には、注意が必要です。
WiMAXプロバイダーによっては、キャンペーン適用条件の中に
キャッシュバックを受け取る前に、契約プランを変更した場合→無効
と記載されているケースもありますので、気を付けて下さい。
WiMAX2+契約時の人気キャンペーン「キャッシュバック」の注意点とその対処法
まとめ
WiMAX2+の通信速度は、基本最大220Mbpsとなっています。
2016年12月から、関東・中部・関西エリアをはじめとして、今後全国を対象に最大速度440Mbpsになります。
その他のモバイルルーターでは、無線通信でこのような速度を低価格で利用することができません。
そして、WiMAX2+は、当然モバイルルーターなので、手軽に持ち運ぶことができるという利便性も併せ持っています。
さらに、無線通信であるにも関わらず速度が速いので、自宅の固定回線代わりとしても使えたりもします。
また、複数のデバイスにつなぐことも可能なので、
- ノートパソコン
- スマートフォン
- タブレット
- ゲーム機器
など、利用用途が広いです。
これらのメリットを最大限活用するには、月間7GBの制限がある「通常プラン」よりも、上限のない「ギガ放題プラン」の方が、コストパフォーマンスに優れているのでおすすめです。