元気な赤ちゃんを産みたい。そう思った瞬間から必要になって来る食生活の見直し。妊活の中でも、何を食べるかは非常に重要な要素です。
忙しいからと言ってコンビニ食やファストフードで済ませてしまうという人も、これを機会にきちんとした食を意識してみませんか?
偏った食生活は妊活中の女性のからだにはもちろん、男性のからだにとってもよくありません。
妊娠しやすい体づくりのために、積極的に摂りたい栄養素を紹介します。
妊娠前に必要な栄養素と食材とは?
たんぱく質
たんぱく質は髪や皮膚、血管や筋肉を作ります。たんぱく質を多く含む食品はカロリーが高めなので、ダイエットを気にしている人には敬遠されがち。でも、たんぱく質が不足すると筋肉が作られず、体は冷えやすくなって卵巣や子宮の機能も落ちてしまいます。
また、たんぱく質は子宮内膜の材料になるので、しっかり摂って赤ちゃんのためにふかふかのベッドを用意してあげましょう。そして、赤ちゃんの体を形成したり、女性ホルモンの生成にも関わるので、たんぱく質は大切な栄養素の一つです。
たんぱく質には肉や魚などの動物性と、豆類の植物性があります。どちらか偏るのではなく、両方をバランスよく摂るようにしましょう。
たんぱく質を含む食品:肉・魚・大豆・卵など
葉酸
葉酸はビタミンB群のひとつで、緑黄色野菜に含まれています。
葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害といった先天的障害のリスクを50~70%まで下げてくれます。
妊娠を意識する女性は、1日400μgの葉酸を毎日摂取するよう厚労省が推奨しています。
葉酸が必要になるのは、妊娠のごく初期になるので、普段から摂っておくことが理想です。葉酸は食事だけで摂るのは難しいので、サプリメントを活用するのもおススメです。
葉酸を含む食品:レバー、ブロッコリー、モロヘイヤ、菜の花、アスパラガス、ほうれんそう、枝豆、春菊など
鉄分
女性は毎月月経で多くの鉄分が使われますよね。妊娠すると胎盤や胎児の成長に伴い、さらに多くの鉄分が必要になります。妊婦さんの約6割が貧血(鉄欠乏性貧血)を経験します。
ひじきなどの植物性よりレバーやカツオなどの動物性のほうが効率的に摂れますが、カロリーも高くなるのでバランスよく摂るようにしたいですね。
また、鉄分はたんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。おかずの組み合わせの参考にしてみてください。
鉄分を含む食品:貝類、カツオのたたき、レバー、ほうれん草、大豆、ひじきなど
亜鉛
亜鉛は「セックスミネラル」とも呼ばれていて、妊活中は欠かせない栄養素のひとつです。強い抗酸化作用を持つため、卵子の老化を防いでくれます。
また、卵子の着床率を上げたり細胞分裂を活発にしてくれる働きがあります。女性ホルモンのバランスを整えてくれるので、普段から取りいれたい栄養素ですね。
亜鉛は男性にも非常に有効なミネラルで、不足すると精子の運動率が下がったり、数が減少してしまいます。また、遺伝子異常の率を下げてくれる働きもあります。
食品添加物を多く含むコンビニ食やジャンクフードの多い食事、ストレスや飲み過ぎによって、亜鉛は大量に消費されてしまうので気をつけましょう。
亜鉛を含む食品:カキ、ホタテ、うなぎ、スルメ、長芋、山いも、里いも、牛・豚もも肉、レバー、納豆、玄米、胚芽米など
カルシウム
カルシウムは赤ちゃんの骨や歯を作る大切なミネラルのひとつです。一般的に日本人はカルシウムが不足しているといいます。
カルシウムが不足すると骨粗しょう症という病気を招くのはご周知の通りですね。特に女性は妊娠・授乳中は妊娠前の1.5倍のカルシウムが必要になってきます。
カルシウムには精神を安定させる効果があるので、イライラやストレスが多い人は積極的に摂りたいですね。
ビタミンD(魚介類・きのこ・卵など)と一緒に摂ると吸収率がアップします。
カルシウムを含む食品:ひじき、豆腐、牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、桜えび、だいこんの葉、小松菜、ブロッコリーなど
ビタミンC
ビタミンCにも抗酸化作用があり、卵子の老化防止に働きます。抗ストレスホルモンを作るので、ストレスがたまりがちの人は意識して摂りたいですね。血流をよくするので、冷えを解消してくれる他、免疫力を高めてくれる働きもあります。
熱に弱い性質なので、調理する時は手早く、もしくはサラダなど生で食べられるようなメニューを工夫してみましょう。フルーツで摂るのもいいですね。
ビタミンCはたくさん摂ってもすぐに排出されてしまいます。1日何度かにわけて、毎日コンスタントに摂ると効果的です。
また、マグネシウムやカルシウム、ビタミンPと一緒に摂ると吸収されやすいですよ。ビタミンPは、柑橘類の房や皮の部分や、ブラックペッパー、そば粉などに含まれています。
ビタミンCを含む食品:小松菜、ほうれん草、キウイフルーツ、柑橘類、ブロッコリー、海苔など
ビタミンE
ビタミンEは、強い抗酸化作用があり、美白や美肌効果でも知られていますよね。抗酸化作用は卵子の老化も防いでくれます。女性ホルモン・男性ホルモンの両方の生成に関わっている大切なビタミンです。
血行を促進させるため、冷えの解消に効果がある他、抗ストレスホルモンの生成にも関わっているので、妊活中にはマイナスであるストレスやイライラを緩和してくれます。
ビタミンEを含む食品:うなぎ、アーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、アボカドなど
妊活におすすめ!簡単レシピ
海老と長芋の玄米炊き込み御飯
桜海老のカルシウム、長芋と玄米の亜鉛で妊活中のからだを元気にしてくれます。
海老の香ばしい風味と長芋のシャキシャキとした食感を楽しめます!
【材料】
- 玄米 3合
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桜海老 20g
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長芋 1/2本(約100g)
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おさしみ昆布(切り昆布など海藻類)5g
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だし用昆布 5cm×5cm
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酒 大さじ2
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天然塩 小さじ2
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すりごま 適宜
【作り方】
(1)良質の水で玄米をよく洗い、24時間浸水する。
(2)長芋の皮を剥き、半月切りにする。
(3)炊飯器に桜海老・長芋・切り昆布・だし用昆布・酒・塩を入れ、5合の目盛りまで水を足し、炊飯スタート。
(4)炊き上がったら、下からざっくりと混ぜ、10分ほど蒸らす。
(5)器に盛り、すり胡麻をふったら出来上がり☆
鶏肉とブロッコリーのハーブ炒め
妊活に欠かせない!葉酸たっぷりのブロッコリーとたんぱく質の鶏肉を使った、簡単なおかずです。
ハーブソルトはお好みのものを使ってください。
【材料】
- 鶏もも肉 300g
- ブロッコリー 1総
- 塩 小さじ1/2
- ハーブソルト 小さじ1
- 酒 小さじ2
- オリーブオイル 少量
【作り方】
(1)フライパンにオリーブオイルをいれ、弱火でじっくり鶏肉を焼く。
(2)鶏肉のフライパンでブロッコリーを軽く炒めた後、酒をいれ、蓋をしめて蒸し焼きに3分する。
(3)弱火のまま塩・ハーブソルトをいれ、全体をまぜる。
ほうれん草とひじきの白和え
妊活に必要な栄養素が豊富なほうれん草とカルシウムの豆腐、ひじきを使った一品。
からだを冷やしてしまう白砂糖のかわりに、からだを温める甜菜糖を使うのもポイントですね!
【材料】
- 木綿豆腐 1丁
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ほうれん草 1/2束
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人参 1/4本
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芽ひじき 30グラムくらい
- 調味料
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白味噌 大さじ1
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有機薄口醤油 小さじ2
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甜菜糖 大さじ2
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有機白すりゴマ 大さじ1.5
【作り方】
(1)ほうれん草は一口大に切る。人参は千切り、芽ひじきは水で戻す。豆腐は重しを乗せて30分以上水切りする 。
(2)豆腐の水が切れたらすり鉢、またはフードプロセッサーなどで滑らかにし、調味料とよく混ぜる。
(3)沸騰したお湯で材料をさっと火を通して下ゆでし、しっかり水気を切る 。
(4)あとは和えて完成☆
まとめ
いかがでしたか?「体を冷やすものばかり食べていた」「添加物が多いものや、味付けが濃いものばかり食べていた」という人は多いのではないでしょうか。
食べ物はあなたやパートナーの体を作るだけでなく、将来生まれてくる赤ちゃんの体作りにも関わってきます。これらの栄養素をどんどん献立に取りいれて、妊娠しやすい体作りを始めましょう。
参考文献:農畜産業振興機構 野菜ブック