お歳暮は誰に贈ればよい?忌中や喪中でも大丈夫?
お歳暮を誰に贈るか、また、自分が忌中や喪中であった場合、お歳暮を贈っても大丈夫なのかということについて、案外悩む人が多いかもしれません。
忌中や喪中は度々あることではありませんので、初めての状況でわからないということが多いでしょう。
また、お中元やお歳暮は相手に感謝を伝えるのと同時に「引き続きよろしくお願いします」という意味があるので、贈ることを途中で気軽にやめるわけにはいかないからです。
一度贈ったら、贈り続けるが礼儀とされています。このことを念頭に置き、時にはお財布と相談することも必要なのです。
ここでは、そんなお歳暮についての疑問点を説明していきます。
目次
お歳暮とは誰に贈ればよい?
お歳暮には、必ず贈らなければならない相手、というのは存在しません。基本的には、自分が「感謝の気持ちを伝えたい、贈りたい」と思う相手に贈ります。
ただ、回りの状況をよく観察し、よく考えて相手を決める慎重さは求められます。
例えば、同じ職場の同僚が皆、上司にお歳暮を贈っているのに、自分だけ贈っていないと悪い意味で目立ちますね。
子供の習い事でも、自分はお中元・お歳暮等は必要と思わなかったのでしていなかったけれど、よくよく聞いてみると、自分以外の周りの母親は、皆先生に贈り物をしていて驚いた、ということもあります。
基本的には自分の考えに沿って贈る人を決めればよいのですが、回りと合わせた方が無難な場合もありますので、よく考えて贈りましょう。
一般的に、お歳暮の贈り先はこのようになっています。
- 職場の上司
- 子供のお稽古事の先生
- いつも何かとお世話になっている方
- 仲人
- 結婚した年のお歳暮では、結婚式に主賓としてお招きした方
- 結婚している場合、お互いの実家の両親
- 兄弟姉妹、親戚など
最近は、お歳暮も型にはまったものではなく、仲のよい友人同士が美味しいものを贈り合うといったようなイベントの一つとして、少しずつ若い人の間にも定着してきています。
忌中や喪中の人はお歳暮を贈ってもよい?
基本的に、お歳暮は感謝の気持ちを伝えることであり、お祝い事ではありませんので、忌中や喪中の人に贈っても問題ないとされていますが、やはり快く思わない人もいます。
それでは、どのようにすればよいのでしょうか。
先方が忌中であった場合
身内がなくなって49日が過ぎていないことを「忌中」といいます。先方が忌中であった場合、お歳暮は控えましょう。
このような場合、時期をずらしてお歳暮を贈ります。
四十九日を終えてから、その時期に適した表書き(お中元をずらした場合は暑中見舞いや残暑見舞い、お歳暮をずらした場合は寒中見舞いなど)で贈るようにします。
贈り物の包装は、紅白ののし紙ではなく、無地の奉書紙もしくはシンプルな白短冊にしてもらいましょう。
先方が喪中であった場合
喪中の場合は、普通に贈っても問題ありません。ただし、贈り物の包装は忌中の時と同じように、「無地の奉書紙もしくはシンプルな白短冊」にしてもらいましょう。
ただし、ひとつ注意点があります。忌中であったり、年内にお歳暮を贈りそびれたりして時期をずらし、年が明けてから贈る場合です。
その場合、松の内の期間では「御年賀」として贈ることになってしまうので、それも避けるようにしなければなりません。
「御年賀」は慶事であるため使えないからです。
この場合は、贈る時期をもう少しずらし、関東では1月7日以降、関西では1月14日以降の、松の内の期間が明けた後に「寒中見舞い」として贈ります。
贈り主が忌中であった場合
忌中の場合は贈らず、時期をずらし、四十九日を終えてから贈りましょう。
お歳暮の期間ギリギリが忌中明けだったときは、無理に贈らず、時期をずらして「寒中見舞い」として贈るようにします。
包装は、白い奉書紙もしくは白短冊とします。
贈り主が喪中であった場合
喪中の場合、お歳暮を贈ることに何も問題はありません。
しかし、喪中にお歳暮を贈ることに抵抗がある人もいるでしょう。
その場合は、まずお歳暮を贈れないことを相手に詫びた上で、寒中見舞いを遅らせてもらう旨をはがきなどで事前に伝えます。
その上で、松の内の期間が終わってから、「寒中見舞い」として贈るようにします。
お歳暮とは、お中元を贈った人に必ず贈るもの?
お中元とお歳暮は、セットと思っている人も多いのではないでしょうか。実際は、片方だけでも問題ないのですが、その場合は「お歳暮」を年1回贈る、というのが一般的になっています。
お歳暮の意味合いが「今年一年の感謝を伝える」ということですから、お中元を贈っていなくても、意味が通ります。
逆に、「お中元」とは、年が始まってから半年間の感謝を表すものです。
もし、毎年お中元だけを贈っていた場合、極端な言い方をすると、毎年1~6月までの感謝の気持ちは伝えているが、7月~12月の感謝の気持ちを表していない、ということになってしまいます。
このようなことから、お中元を贈った人にはお歳暮は贈るべきと言えるでしょう。
逆に、1年に1回お歳暮だけ贈るとしても、何ら問題はありません。
お歳暮とは、実家や配偶者の親に贈るべき?
お歳暮とは、贈らなければならない相手、というものはありませんので、贈るかどうかは自分で決めればよいのですが、結婚して独立した場合、自分の親、特に配偶者の親に贈るべきか、悩んでしまいますね。
結論からいいますと、贈ってもよいし贈らなくてもよい、が正解なのですが、気をつけて欲しいのは最初のお歳暮です。
贈ると決めたならば、必ず毎年贈らなければいけません。何かと入り用な年末に、毎年贈りつづけるのは、特に若い夫婦にとっては負担となるのです。
逆に、贈らないと決めても、何らかの理由で「やっぱり贈ろう」となるかもしれません。でも、突然贈り始めるのも、なんだか違和感がありますね。
一番よい方法は、結婚した兄弟などに聞いてみることです。それでも迷ってしまう場合は、まずは最初の1年目はお歳暮を贈ってみましょう。
「次からは気を使わないでね」と言われたら、次の年から贈らなければよいのです。
「お歳暮を贈ってこなかった」という不満を持たれないためにも、迷ったときは、まずは贈ってみて、相手の反応を見てみることをおすすめします。
喪中の場合、お歳暮を贈ったり受けとったりしてもよい?
既に説明したように、喪中の場合でしたらお歳暮を贈っても受け取っても問題ありません。忌中の場合、お歳暮を贈るのは四十九日が終わるまえ控えますが、では忌中にお歳暮が届いた場合はどうしたらよいのでしょうか。
お歳暮は相手からの感謝の気持ちであり、お祝い事などではありませんので、気を悪くしたりせず、ありがたく受け取るのがよいでしょう。送り返すと、せっかくの相手の気持ちを無にしてしまいます。通常通り、お礼状もしたためます。
また、亡くなったことを知らずに故人宛にお歳暮が届いた場合でも、感謝の気持ちで受け取りましょう。
そして、丁寧にお礼状を書き、亡くなってしまったことを相手に知らせましょう。
結婚した年のお歳暮は、誰に贈れば良い?
結婚して家庭を持って初めての年末、「誰にお歳暮を贈るべきか」で迷ってしまいますね。贈る相手としては、お互いの実家の両親と、仲人さんでしょうか。
結婚している人のお歳暮事情は、主に四パターンあるようです。一切贈っていない人、夫の実家だけ贈っている人、どちらの家の実家にも贈っている人、妻の実家に贈っている人です。
仲人さんがいる場合は、お世話になった気持ちを伝えるためにお歳暮を贈ったほうがよいでしょう。
最近では、仲人さんへのお歳暮は3年でよい、と考える人も増えており、以前のように長年贈り続けることは少なくなってきましたが、やはり自分からお歳暮をやめるのは、仲人さんに対しては特に気が引けるものですね。
しかし、相手の方も、何もしていないのに毎年お歳暮を贈られることに負担を感じる人もいます。
その場合は節目の年(3年、5年、10年)に、お礼状に「今後はお気遣いなさらないでください」とやんわりと断る気持ちを添えてくれることが多いようです。
その場合は、迷わずにお歳暮をやめることができますね。しかし、贈り物をしなくなっても、どうしているかの報告も兼ねて、1年に1回は便りを出すとよいでしょう。
両親に贈るかどうかは迷うところですが、直接聞いてみてはいかがでしょうか。
配偶者の親には、配偶者からそれとなく聞いてもらうとよいでしょう。
アンケートでは、両親にはお歳暮を贈っていない、と答えた人が一番多かったそうです。
お歳暮を贈る際、一番気をつけなければならないことは、「お歳暮は、贈り始めたら毎年贈るのがマナーである」ということを忘れないことです。
今年一年だけではなく、これからもずっと贈り続ける、ということを念頭において贈る人を決めましょう。