転職活動をする際の気を付けるべきポイントとして「貯金額」があります。
転職先を決めてからの退職の場合は気にする必要がないかもしれませんが、退職後に転職活動を行う場合は、大事な点ですよね。
この金銭的な不安が理由で転職できない人もかなり多いと思います。
そういった方のために、この記事では退職する段階でどれくらいの貯金があれば安心なのか、失業保険についての簡単なルールについて説明いたします。
退職時にどれくらいの貯金があれば大丈夫?
まずは無収入期間がどれくらい続くか計画を建てよう
退職してから、次の会社に転職するまでの期間の計画を建てましょう。
よく、転職するまでの期間でスケジュールを建てる方が多いのですが、転職しただけでは収入は得られないので注意してください。
給与の締日、支払日は企業によって違います。
給与振り込みは、転職してからおおよそ、一か月後ほどのタイムブランクがあります。
「転職経験者はこうしていた!転職時のやることを把握して成功に導こう」でも紹介した通り、転職前にしっかりと計画をたてることはとても重要です。
無収入期間がどれくらいに渡るのか、希望的観測でも目処を持っておいてください。
最低4ヶ月分くらいの生活費の確保が欲しい
雇用保険に加入していれば、失業保険を受けられます。
しかし、自己都合退職の場合、退職後すぐに失業保険に申請しても、受給が開始されるまでにおおよそ4ヶ月くらいかかります。
この期間を知らずに当てにしていると大変なことになるので、必ず知っておいてください。
すぐに転職できれば、何も問題はありませんが、万が一のことがあります。
最低でも、この期間の生活費分を持っておけば、失業保険を受けられる90日間は生活できるでしょう。
会社都合の退職の場合は、申請後2週間以内には支給が開始されます。
転職活動にもお金がかかることを忘れずに!
意外と忘れがちなのが、転職活動そのものの資金。面接用のスーツを新調したり、交通費がかかったりと意外とお金が必要なのです。
この資金の認識が甘いと、アルバイトが必要になったりと、活動の量が減ってしまうので、転職実現までの期間が伸びる可能性もあるでしょう。
退職後に転職活動をした方の準備金の平均はおよそ63万円(生活費、家賃など含む)で、それでも半分以上の人が足りなかったと感じているデータがあります。
4ヶ月生活していくのに必要な貯金額は?
もちろん、一人暮らしの人と、養っていくべき家族がいる方とは条件は全く違うと思うので、人数別に必要な貯金額をまとめました。
一人暮らしの場合
一人暮らしで家賃や光熱費を払う環境の方の月平均支出額は17万2000円と言われています。
多少贅沢を控え、節約すると考えても15万ほどすると、4カ月生活するのに、60万円ほどの貯金額が必要だと考えられます。
例)家賃7万円、各種光熱費1万5000円、通信費1万5000円、食費3万円、その他生活費2万円
二人暮らしの場合
二人暮らし時の1ヶ月の平均支出額は25万8000円となります。
もし、働く人が自分だけなのであれば、もう少し余裕を見た方が良いでしょう。
おおよそ100万円ほどの準備があれば安心でしょう。
例)家賃9万円、各種光熱費2万円、通信費2万円、食費5万円、その他生活費5万円
三人暮らしの場合
三人暮らし時の1ヶ月の平均支出額は29万7000円となります。
お子さんがいらっしゃる場合や、パートナーが働けない環境の方は、もう少し大きな金額を準備しておくべきでしょう。
例)家賃11万円、各種光熱費3万円、通信費3万円、食費6万円、その他生活費7万円
貯金が足りない!貯めるのにも間に合わない!
「そんなに貯金が貯められないよ!」という方も多いと思います。そういった方向けにお金の貯め方や支出を減らすためにポイントを説明いたします。
在職中から転職活動をスタートしよう
一番は何といっても、在職中に転職活動をスタートすることでしょう。
全力で転職に打ち込むことはできませんが、金銭的リスクを大きく下げることができるので、心に余裕をもって転職活動ができます。
預貯金がほとんどない場合は、この選択肢は避けて通れないでしょう。
外食・光熱費など節約しやすい項目から節約をする
節約は節約しやすい順番から行ってください。
10円、20円の節約に励んでいるのに、外食をしているようでは本末転倒です。
居酒屋でお酒を飲む習慣がある方は、これを止めるだけで大きな節約になります。
また、光熱費も比較的節約しやすい部類なので心がけましょう。
カードローンなどで急な支出に対応する
カードローンやキャッシングも一つの手です。
どうしても今すぐ転職したいけど、お金が無い!という方の最後の手段です。
もし、カードローンを利用する場合は、必ず在職中に行ってください。
退職後だと、お金を返せる能力を認められず、審査に通らない可能性が高いです。
また、審査が通ったとしても、年収や、勤続年数、その会社の信用度の違いによって、借りられる限度額が違いますのでご注意ください。
当然ですが、「退職にあたってお金が必要だから」といった理由を伝えるのも同様に審査に通りにくくなります。
カードローンを利用する場合は、在職中に、生活費として借入しましょう。
アルバイトをすることはできるだけオススメしない
資金が少なくなると、短期的な収入を得るためにアルバイトを行う方も多いのですが、できるだけしないことをオススメします。
その一つ目の理由として、アルバイトに時間を取られ、転職活動が疎かになるからです。
失業期間中は、働く期間ではなく転職活動をする期間であり、国もそれを推奨しています。
また、もう一つの理由に、失業保険の給付資格を失う恐れがあるからです。
働いた時間、頻度、収入額によって、雇用保険の給付額が減額、もしくは資格を得られない可能性があり、アルバイトのメリットはそこまでありません。
また、アルバイトでの収入を報告せずに、失業保険の給付を受けた場合、それは不正受給となり犯罪です。
発見されるリスクがあまりにも大きいので、仮にアルバイトをした場合は必ず報告してください。
まとめ
転職をしたいけどできない人の大きな理由の一つは「お金がないから」でしょう。
お金は生活の基盤なので、どうしても意識せざるを得ません。退職を決意した方は、お金を貯めながら転職活動することが最善でしょう。
「転職活動ではお金の大切さ、必要性を再認識できる良いタイミングだ」と前向きに考えて、チャレンジするのもいかがでしょうか。
その経験は必ず、今後の働き方やお金の使い方に良い効果が表れるでしょう。
また、雇用保険には再就職手当というものがあります。失業状態中に就職が決まった時にもらえる給付金であり、給付期間を33%以上残している場合、一定額の支給があります。
つまり、早く転職が決まれば、就職してから給料を得るまでの約一ヶ月の間のお金を得ることができます。この制度が無いと誰だって、3ヶ月間満額で給付を受けることになりますからね。
このように日本には、金銭的に不利な人々を救済するセーフティネットが沢山存在しています。知っているか知らないかだけで、損するか、得するかが決まってくるので、必ずハローワークで詳しく聞きましょう。
これらの経験で必ずおカネの価値観が変わるでしょう。転職における貯金の経験は必ず、先に活かせるでしょう。