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お見舞いの手紙やメールの書き方とは?文例を紹介

 

友人や知人、職場の上司などが入院した場合、お見舞いすることを考えますが、入院したばかりの時や手術の前後など、お見舞いを控えたほうがよい時期があります。

お見舞いは本人が回復しはじめた頃に、親族の方に「お見舞いに行ってよいか」を聞いてからうかがうものです。

しかし、入院の一報を聞いて、まずは心配している気持ちだけでも早く伝えたい、という時があります。そのような場合はお見舞いのはがきやお手紙を送りましょう。

ここではお見舞いの手紙の書き方や文例を紹介します。

病と戦っている人は、気持ちが落ち込みがちでデリケートなもの。

失礼がないように、しっかりマナーをわきまえながら手紙を書くことが大切です。温かで思いやりのある文面になるように細心の注意を払って文面を考えましょう。

 

目次

お見舞いの手紙の書き方とは

お見舞いの手紙を書くときには、「どのような書き方をしたら、気を悪くさせずに励ますことができるだろうか」と色々文面を考えることと思います。

手紙を書くときに一番大切なことは、相手を思いやる気持ちです。

自分が受け取ったらどう感じるだろうか、ということを考えながら、文面を作るようにします。相手が励まされ、少しでも明るい気持ちになれるような手紙を書けるとよいですね。

手紙を書くときに気をつけなければいけないことがいくつかあります。

せっかく心配している気持ちを伝えたいのに、相手の気を悪くさせてしまったら悲しいですから、文面は慎重に考え、「書いてはいけない」とされることについては絶対に書かないようにします。

気をつけるポイントは、「時候の挨拶は書かない」「忌み言葉は使わない」「病名や病状を細かく聞かない」「(直接的な)励ましの言葉は使わない」などです。それぞれ見ていきましょう

書き方の注意点とは?

お見舞いの手紙は、心配している気持ちを伝えることが第一の目的です。

相手の気分を害することがないように、注意点をしっかり理解してから書くようにしましょう。

時候の挨拶は書かない

入院の知らせを聞き、急いで筆を取りました、という気持ちを伝える必要があるので、形式ばった時候の挨拶は必要ありません。

形式を気にしすぎている文章になると、逆に心配している気持ちが伝わりにくくなりますので避けましょう。

忌み言葉は使わない

忌み言葉とは、不吉なことを連想させる言葉のことで、そのような言葉は慎み、使わないことがマナーです。

相手が不快な思いをしないように、このような言葉を使っていないか文面を必ずチェックするようにしましょう。

忌み言葉の例
  • 弱る
  • 衰える
  • 重なる
  • 続く
  • 消える
  • 枯れる
  • 落ちる
  • 苦しむ
  • 再び
  • 終わる
  • 折れる
  • 度々
  • またまた
  • 追って
  • 四(=死)
  • 九(=苦)

など。

病名や病状を細かく聞かない

病名や病状などは非常にプライベートな情報です。どんな病気なのか、具合はどうなのかと心配になってしまう気持ちはわかりますが、病気をしている本人にしてみれば、「病名を口にすることも嫌」な場合もあるのです。

また、病状や経過が思わしくない場合などは、説明することで、気分的にますます落ち込んでしまうこともあるでしょう。

病名や病状を聞くのは控えるべき、と心得ましょう。

直接的な励ましの言葉は使わない

ついつい「がんばってね」「早く治してください」などと言ってしまいがちですが、相手にしてみれば、「既に頑張っているのに、これ以上頑張れと言われてもどうすればいいのか」などと、マイナスにとってしまう場合もあります。

また、頑張ってもどうにもならない病状の場合もあります。

病名や病状が詳しくわからない場合は特に、軽々しくそのような励ましの言葉を使わない方が良いでしょう。

マイナスの言い方をプラスに変える

伝えたい言葉はたくさんあるかと思いますが、言い方を少し変えるだけで、相手にとって負担にならない印象に変わります。

文面を考えるときは、そのことを頭に置いておきましょう。

 

(例)

大事に至りませんように→早くよくなりますように

あまり心配しないようにしてください→大丈夫ですから安心してください

治療が長引かないと良いですね→1日も早く快復するように祈っています

いつまでもクヨクヨしないように→早く元気を出して        

また、お見舞いの手紙において、前向きな表現をすることは大切ですが、明るすぎる文面であったり、職場への復帰を促すような励ましであった場合は逆にプレッシャーになります。

復帰後の仕事の状況が心配になり、落ち着いて静養できない、ということにもなりかねませんので避けるようにしましょう。

相手の状況が思わしくない場合は、本人ではなく家族宛に手紙を書きます。相手の具合を気遣うと同時に、看病されているご家族をねぎらう言葉を書き添えましょう。

文例~親戚に宛てて~

前略

先日、叔母さま(○○さま、○○さん)がご病気で入院されたとうかがいました。その後のお加減はいかがですか。

快方に向かわれているとうかがい、少し安心いたしております。

常日頃お元気な叔母さまのことですから、すぐにまた明るい笑顔を見せていただけるものと思っております。早くお元気になってくださいね。

ご家族の皆様にも、看病は大変なことと存じますが、どうぞお身体を大切になさってください。

本来であれば、すぐにお伺いしお見舞いいたしたいところではありますが、なにぶん遠方のため、

ぶしつけではございますが書中にてお見舞いを申し上げます。

別便にてお見舞いの品をお送りいたしましたので、お受け取りいただければと思います。

叔母さまが早くお元気になられますよう、家族一同お祈り申し上げております。

かしこ(女性の場合)/草々

文例~友達に宛てて~

○○さんへ

先日入院されたと伺い、とても驚いています。その後お体のほうはいかがですか。

元気な○○さんのことですから、すぐに快方に向かうと信じています。

家族や仕事のことなど心配だと思いますが、自分の身体が第一ですので、

これをよい機会と思って、どうか十分に静養されてくださいね。

すぐにでもお見舞いに伺いたいところですが、落ち着かれてから、折をみておうかがいしますね。

一日も早く回復されることを心よりお祈りしています。

まずはお手紙にてお見舞い申し上げます。

文例~改まった相手に宛てて~

○○様

前略

ご病気とうかがってとても驚き、ペンをとりました。その後お身体のほうはいかがでしょうか。

日頃よりお元気な○○様のことでございますから、じきに快方に向かわれると信じておりますが、

どうかご無理をなさらないよう、これを機会にゆっくりと静養なさってください。

ご家族の皆様におかれましても、看病でお疲れのことと存じます。どうぞお身体を大切になさいますよう、

お祈り申し上げます。

本来であればすぐにでもお見舞いにおうかがいしたいところではありますが、

遠方のためにかないませんことをどうかお許しください。

ささやかではございますが、お見舞いの品を別便にて送らせていただきましたので、どうぞお納めください。

略儀ではございますが、まずは書中にてお見舞い申し上げます。

かしこ・草々

○年○月○日

文例~本人の家族に宛てて~

○○様

前略

このたびは□□様(患者本人)がご入院されたとうかがい、驚いてペンを取りました。

その後のお加減はいかがでございますか。一刻も早くご全快されて退院され、□□様に明るい笑顔が戻られますことを心よりお祈り申し上げます。

また、○○様のご心労もいかばかりかとお察し申し上げます。ご看病でたいそうお疲れのことと存じますが、どうかお体を大切になさいますよう、お祈り申し上げます。

取り急ぎ、□□様の一日もはやいご快復を祈りつつ、書中にてお見舞いを申し上げます。

かしこ/草々

文例~災害の場合~

○○様

前略

先日の【災害の内容】では、各地で大きな被害があったようですが、○○様ならびにご家族の皆様はご無事と聞き及び、

私どもも一安心いたしました。

しかし、断水や停電などでご不自由なさっているとのこと、ご心労やご苦労はいかばかりかと、

いてもたってもいられない思いです。

すぐにでも参上したいところではありますが、なにぶんにも遠隔地のため、思うままにまかせず気持ちが焦るばかりです。

せめてご入用の品などございましたら、遠慮なくお申し付けください。

まずは書中にてお見舞い申し上げます。

文例~末期ガンなど、治る見込みがない人へ~

親類やお世話になった方、友人などが「末期ガンであと数ヵ月しか余命がないらしい」ということを知った場合、どうすべきかということは、いくら悩んでも答えがでないほど難しい問題です。

まずはお見舞いの手紙を、と思われると思いますが、その場合は本人宛ではなく、付き添いの家族宛に書きましょう。本人は辛い状況の中、手紙の励ましを素直に受け取る気力もないかもしれません。逆に傷つけてしまうかもしれません。

まずは家族の方に、病気を知って驚いたこと、本人の体調の具合を聞き、また看病で精神的・肉体的にも辛い状況に置かれている家族の労をねぎらう言葉を添えます。

お見舞いの手紙をいただいたことは、家族から本人に言ってもらえるはずですので、心配している気持ちは間接的ではあってもしっかりと伝わるでしょう。

お見舞いは遠慮してほしい、というご家族も多いと思いますが、患者本人が願う場合はお見舞いに行きましょう。親しい友人の顔を見るだけで、元気が出たり、嬉しく思ってくれることでしょう。

お見舞いメールを書く場合の注意点は?

今ではほとんど皆がスマートフォンを持っている時代です。やり取りはメールでのみする、といった人も多いことでしょう。

メールのやりとりの利点は、相手にすぐに届くことです。目上の人以外には、お見舞いのメールでも構いません。

しかし、ひとつだけ注意点があります。普段のやり取りでは、「メールをもらったら返事を打つ」ということが習慣化されているため、メールをもらった側は、病気で体調が悪いときにでも、返事を打たないといけない、と思いがちです。

お見舞いのメールをする際は、最後に一言「まだまだ体が辛い時期だと思うので、返事は不要です」といった一言を添えるとよいでしょう。

お見舞いのお返しの手紙はどのように書く?

本人は病気で返事を書く気力もない場合があります。この場合、家族の人が代わりに感謝を伝えましょう。

心配いただいた御礼と、経過を書き添えると先方にも安心してもらえます。

○○様

お心のこもったお見舞いのお手紙を拝見し、大変ありがたく存じます。

また、【患者名前】の病状はもとより私ども家族の健康のことにまでご配慮いただき、

優しいお心遣いに感謝いたしております。

突然のことで、一時は気が動転し、周りの皆様にご迷惑をおかけいたしましたが、

おかげさまで術後の経過もよく、ほっと安心しているところでございます。(←今の状況を大まかに説明する)

○○様のお手紙にたいそう力づけられ、心の支えにさせていただきました。とてもありがたく思っております。

これからも皆様のご愛情に感謝しつつ、看病に専念していきたいと思っておりますので、

どうぞよろしくお願い申し上げます。

まずはお見舞いの御礼まで。

まとめ

いかがでしたか。病気の人に手紙を書く、ということはとても難しいことです。

「気持ちがきちんと伝わるか」「逆に嫌な思いをさせてしまわないか」など、色々考えていくうちに、「書かないほうがよいのかな」と思うこともあるかと思います。

しかし、病気と戦っている人は病室で日々過ごしていると寂しく、孤独感を覚えるものです。

そのような時にお見舞いの手紙をいただくと、「自分は忘れられていないんだ」「自分のことを心配してくれている人がいるんだ」と感じることができ、きっと励まされ、力づけられるはずです。

最低限のマナーを守って、あとはあなたの気持ちを素直に伝えてはいかがでしょうか。