新電力が開始されてから既にかなりの時間が経過しています。新電力の開始によって利用者は電力会社の選択肢が一気に増え、その中から一社を選んで契約を結ぶことになります。
選択肢があって、その中なら一つを選択するということは、当然ながら「比較」をすることになります。比較するということは、そのための「基準」があるということになりますが、どういった基準で電力会社を選ぶかは、ご家庭ごとに異なります。
今回は、電力会社を選ぶ基準として「発電方法・電源構成」について取り挙げてみたいと思います。
新電力が開始されてから既にかなりの時間が経過しています。新電力の開始によって利用者は電力会社の選択肢が一気に増え、その中から一社を選んで契約を結ぶことになります。
選択肢があって、その中なら一つを選択するということは、当然ながら「比較」をすることになります。比較するということは、そのための「基準」があるということになりますが、どういった基準で電力会社を選ぶかは、ご家庭ごとに異なります。
今回は、電力会社を選ぶ基準として「発電方法・電源構成」について取り挙げてみたいと思います。
新電力を選ぶ基準としては「料金がいかに安くなるか?」「どのような特典が利用できるか?」というポイントを重視される場合が多いのですが、電力会社の選択基準としては「発電方法」や「電源構成」なども考慮することができます。
つまり、提供する電力が「どういった方法で調達されているのか?」という部分で比較するというポイントです。
まずは「原子力発電所を利用していないプラン」です。
東日本大震災以降、原子力発電所に対する認識が更に強まり、これを利用しないプランを提供する電力会社が注目されるようになりました。
それでは、原発を使っていないプランを展開している電力会社を紹介していきましょう。
東京ガスの電源構成はその100%が「火力発電」となります。
ガスと電気のセット割(インターネットを含めた「トリプル割」もあり)によって、電気代をお得にすることもできる電力会社です。
こちらは90%以上が火力発電で構成されています。
ガスと電気のセット割や、2年縛りのお得なプランが用意されているなど、電気料金を節約するための多様なプランが用意されている電力会社です。
大阪ガスの電気について詳しく知りたい方はこちら
ほぼ100%が火力発電で構成されています。
CO2の排出量が少ない電力会社でもあります。社名でもわかる通り、「ガソリン」や「経由」とのセット割が魅力の電力会社です。電気料金の単価の性質上、電気代が日頃から高額なご家庭であるほどに、電気料金の節約を行うことができます。
こちらは約90%が火力発電で構成されており、CO2の排出量も低い水準に抑えられています。
自社ガソリンスタンドでの給油をお得に利用できる他にも、提携するクレジットカードでの電気代の支払いで提携カードごとに異なる特典を得られたり、有名な「Tポイント」を貯める事ができるなど、特典を選べるという点が魅力の一つです。
ENEOSでんきについて詳しく知りたい方はこちら
ENEOSでんきの電気料金プランは?申込から契約、解約までの流れ
ガス会社が運営する新電力会社は、総じて「火力発電がメインとなる」割に、天然ガスを利用した火力発電であるがゆえに「CO2排出量が少ない」という点がメリットとして挙げられます。
火力発電は安定供給が可能であるという点も魅力であり、安心して利用することができます。さらに、従来から電力事業に参入している企業も多く、そのノウハウと安定した電力供給を期待することができます。
次は、近年そのメリットが注目されている「FIT電気」や「再生可能エネルギー」の比率が高い電力会社です。
いわゆる「クリーンなエネルギー」に該当する「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」といった発電方法で生み出された電気を供給する電力会社を選択するという方法です。
それでは、FIT・再生可能エネルギー比率が高いプランを提供している電力会社を紹介していきましょう。
まずは「ソフトバンクでんき」です。
この電力会社では「FIT電気プラン」というプランが利用可能で、このプランで提供される電力は約60%がFIT電気で賄われています。「セット割」が定額であるため、電気の使用量が多くなると節約効果が低くなるという特徴があります。
ソフトバンクでんきについて詳しく知りたい方はこちら
FIT電気ではなく自社で賄う「水力」「バイオマス」「太陽光」の電力を供給しています。
電力の割合では「火力発電」が圧倒的に多いのですが、自社発電による電力供給により、電気料金が安く設定されています。
全体の約20%をFIT電気で賄っています。料金面で大きな特徴があり、他社で見られるような「セット割」は提供されていないのですが、代わりに「基本料金が0円」という大きな特徴を持ちます。
しかし、電気の使用量が少ない場合だと他社と比較して割高な電気料金が設定されています。そのため、節約効果を期待できるのは「電気の使用量の多いご家庭」ということになります。この電力会社を候補に挙げる場合は、ご家庭の電気使用量を把握した上で料金のシミュレーションを行う必要があります。
最後は「じぶん電力」です。
「日本エコシステム株式会社」が提供するかなり特殊な新電力です。この電力会社に申し込みをすると、エコシステムが保有する太陽光発電システムが、申込者の自宅に無償で設置されます(利用中のメンテナンス等に関してもエコシステムが負担)。
今後は、設置された太陽光発電システムによって生み出された電気を使用し、発電できない夜間や悪天候時には「株式会社エネット」から調達した電気を利用することができます。
発電は、ご自宅の太陽光発電システムで行うのですが、これはエコシステムが保有するため、発電した電力もその所有権はエコシステムに帰属しています。
利用者は、使用した分の電気代を通常と同じように電力会社(エコシステム)に支払うことになります。つまり、無料で太陽光発電システムを利用できる代わりに、自宅で発電した電気に関しても普通に電気代を支払うということになります。
太陽光発電システムはそれなりにコストのかかるものであり、エコな太陽光発電を無料で利用できるというポイントが、じぶん電力の最大のメリットであると言えます。
このように、再生可能なクリーンエネルギーを売りにした電力会社は数多く存在します。では、「100%、再生可能なエネルギーのみ提供する電力会社」は存在しないのかと言えば、今のところ存在していないと言えます。これはかなり難しいことなのです。
先ほどの太陽光発電のときにも「夜間はエネットから電力供給」と説明したとおり、再生可能なエネルギーはどうしても安定供給が難しいのです。
そのため、安定供給が難しいエネルギーだけで、安定した電力供給サービスを運営することは事実上不可能なのです。
FIT電気や再生可能なエネルギーの割合の多い電力会社でも、電力会社として運営していくためには火力発電や、他社から電気を購入する等して顧客に電力を供給するしか無いということは理解しておきましょう。
環境や安全面を考慮して、「原発を利用しない」「再生可能なエネルギー比率が高い」という特徴を持った電力会社への需要が高まっているのも事実です。また、それを考慮した上で、電気代を節約することも決して難しいわけではありません。
電力会社は、お住いの地域によって利用可能な電力会社が限定されますので、希望通りの特徴を持った電力会社があるとしても、お住いの地域では利用できないということも考えられます。通信サービスでも同じようなことが言えますが、設備の都合上どうしても提供エリアをある程度は限定せざるをえないのです。
新電力が提供開始されたことで、ネット上には数多くの「比較サイト」が登場し、その性質上「提供エリア」も考慮した上でお住まいの地域ごとに利用可能な電力会社をピックアップすることができます。その中から、発電方法や電源構成の条件を満たした電力会社をピックアップして、さらに料金面等のメリットも総合的に考慮することができます。