MENU

スマ電の電気料金プランは?申込から契約、解約までの流れ

 

今回の記事では、東京電力・中部電力・関西電力の各エリアに電気の供給を実施している「スマ電(株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ)」の電気料金プランをご紹介します。

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは2004年に創業されたエネルギー会社で、2016年の電力自由化を機に小売電気事業者として電力の供給を開始しました。従来の電力会社同様の一般家庭プランや事業者用プランに加え、夜間に多くの電力を使用する家庭向けの夜間プランを用意しています。今回は、このスマ電の概要や既存会社との比較検証をしてみたいと思います。

目次

スマ電の料金プランやサービスの特徴は?

スマ電の料金プラン・サービスの特徴は、 以下の3点です。

一般家庭向けに平日夜間・土日用のプランが存在する

従来の電力会社と同じように、スマ電でも一般家庭向けのプランと、電力使用量の多い過程や事業者向けのプランの2種類が存在します。しかし既存プランと異なるのは、平日夜間や土日に多くの電力を使用する家庭に向けたプランが追加されている点です。平日夜間や土日の従量料金が低く抑えられています。

なお、プラン名称はそれぞれ以下の通り微妙に異なるのですが、コンセプトはどのエリアでも一緒です。

東京電力エリア

一般家庭向け:ぐーんと!スマ得ホームプラン、どーんと!夜得ホームプラン

事業者向け :ショッププラン(定率割)

中部電力エリア

一般家庭向け:しっかり!スマ得ホームプラン、ぎっしり!夜得ホームプラン

事業者向け :ショッププラン(定率割)

関西電力エリア

一般家庭向け:あんしん!スマ得ホームプラン、がっちり!夜得ホームプラン

事業者向け :ショッププラン(定率割)

基本料金が安い

エリアによる価格の差はあるのですが、おおむね基本料金が既存プランより低く設定されています。例えば「ぐーんと!スマ得ホームプラン」の基本料金は、東京電力の従量電灯Bより0~500円(30Aだと同等、40Aだと250円、50A・60Aだと500円)安くなっています。なお、関西電力では基本料金の割引がない代わりに、合計金額から5~10%割引になるサービスがあります。

スマ電の電気販売エリア

東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリアが電気販売エリアとして設定されています。

スマ電のオススメ電気料金プラン

スマ電の料金プランは、一般家庭向けには「スマ得ホームプラン」と「夜得ホームプラン」、事業者向けには「ショッププラン」が存在します。

スマ得ホームプラン

一般家庭向けのプランです。既存の電力会社における従量電灯B(関西電力エリアでは従量電灯B)に当たります。東京電力エリアと中部電力エリアでは基本料金と従量料金が安く設定されており、関西電力エリアでは従量料金が安く設定されるとともに全体の金額から割り引きになります。

夜得ホームプラン

やはり一般家庭向けのプランですが、平日夜間(22:00~翌朝8:00)や土日の従量料金の料金単価がスマ得ホームプランより安いです。その代わり、平日昼間(8:00~22:00)の料金単価は高くなっています。

夜22:00まで「昼間」扱いなので、一般的な家庭ではスマ得ホームプランの方がよいでしょう。夜中の方が多く電力を使用するような家庭の場合は、こちらのプランの方がおすすめです。毎月の電力使用量のうち、半分程度が平日夜間・休日に使用されている場合は夜得ホームプランの方が安くなってきます。

ショッププラン

電力使用量の多い家庭や、事業者・店舗向けのプランです。既存の電力会社における従量電灯C(関西電力エリアでは従量電灯B)に当たります。基本料金や従量料金は既存プランと変わりませんが、契約容量に応じて8~12%の割引になります。

既存の地域電力会社との徹底比較

ご紹介した3種類のプランが、既存の電力会社のプランと比べてどの程度安くなるか検証します。なお夜得ホームプランの試算では、平日昼間と平日夜間・休日の電力使用量が半々であるという仮定を置いています。例えば、電力使用量が120kWhの場合、60kWhが平日昼間、同じく60kWhが平日夜間・休日として計算しました。

東京電力との比較

東京電力の従量電灯Bとスマ電のホームプラン2種類を比較したとき、料金の違いは以下の通りです。

基本料金
スマ電 東京電力
どーんと!夜得ホームプラン ぐーんと!スマ得ホームプラン 従量電灯B
10A 280.80円
15A 421.20円
20A 561.60円
30A 842.40円 842.40円
40A 873.20円 1123.20円
50A 904.00円 1404.00円
60A 1184.80円 1684.80円
従量料金の料金単価
どーんと!夜得ホームプラン(スマ電) 従量電灯B(東京電力)
最初の15kWhまで 373.73円(最低料金) 19.52円
15kWh超~120kWh 27.20円
120kWh超~300kWh 26.00円
300kWh超 28.90円 30.02円
平日夜間・休日 24.75円
従量料金の料金単価
ぐーんと!スマ得ホームプラン(スマ電) 従量電灯B(東京電力)
最初の120kWhまで 19.40円 19.52円
120kWh超~300kWh 25.40円 26.00円
300kWh超 25.50円 30.02円

スマ得ホームプランでは、基本料金も従量料金も安く設定されています。ただし、夜得ホームプランでは、300kWhまで従量料金の料金単価はかなり高めに設定されています。

計算上では、スマ得ホームプランでも夜得ホームプランでも、東京電力の従量電灯Bよりは安くなります。例えば、契約アンペアが30Aの場合、ひと月あたりの電気使用量が120kWhだと100円ほど(夜得ホームプラン)・14円ほど(スマ得ホームプラン)、300kWhで110円ほど(夜得ホームプラン)・140円ほど(スマ得ホームプラン)、450kWhだと590円ほど(夜得ホームプラン)・800円ほど(スマ得ホームプラン)、それぞれ東京電力より安いです。

夜間や休日の電力使用量が半分以上であれば夜得ホームプラン、半分未満であればスマ得ホームプランを選ぶとよいでしょう。

次に従量電灯Cとショッププランの比較は以下の通りです。

基本料金
ショッププラン(スマ電) 従量電灯C(東京電力)
1kVAあたり 280.80円 280.80円
従量料金の料金単価
ショッププラン(スマ電) 従量電灯C(東京電力)
最初の120kWhまで 19.43円 19.52円
120kWh超~300kWh 25.91円 26.00円
300kWh超 29.93円 30.02円
定率割
契約容量 ショッププラン(スマ電)
6~10kVA 8%割引
11~20kVA 10%割引
21kVA以上 12%割引

※基本料金と従量料金の合計金額から割引となる

基本料金は両者全く同一で、従量料金も0.09円しか安くならないのですが、定率割のおかげで8%以上は東京電力の従量電灯Cより安くなります。例えば、契約アンペアが6kVAでひと月あたりの電気使用量が120kWhだと330円ほど、300kWhだと720円ほど、450kWhだと1090円ほどスマ電の方が安くなる計算です。

関西電力との比較

関西電力の従量電灯Aと、スマ電のホームプラン2種類を比較すると以下の通りとなります。

従量料金の料金単価
がっちり!夜得ホームプラン あんしん!スマ得ホームプラン 従量電灯A(関西電力)
最初の15kWhまで 373.73円 373.73円
15kWh超~120kWh 25.60円 22.83円 22.83円
120kWh超~300kWh 29.26円 29.26円
300kWh超~420kWh 33.32円 33.32円
420kWh超 27.10円
平日夜間・休日 23.04円
スマ電割引
月額電気料金 あんしん!スマ得ホームプラン
8000円以上 5%割引
10000円以上 8%割引
12000円以上 10%割引

スマ得ホームプランの場合、料金が8000円を超えるのは299kWh以上だと、スマ電に切り替えるメリットが生まれてきます。それ以下の電気使用量では、関西電力と全く同じ金額です(最低料金も従量料金の料金単価も関西電力の従量電灯Aと全く同じなため)。関西電力エリアだけの「スマ電割引」が適用されるため、月額電気料金が8000円以上だと5~10%の割引を受けられます。

また、夜得ホームプランの場合、120kWh超で従量料金の料金単価が関西電力よりも安くなります。平日夜間・休日に全体の半分電気を使用すると、120kWhの場合は130円ほど関西電力の方が安いのですが、300kWhだと750円ほど、450kWhだと1770円ほどスマ電の方が安くなります。

また、従量電灯Bとショッププランを比較すると以下の通りです。

基本料金
ショッププラン(スマ電) 従量電灯B(関西電力)
1kVAあたり 388.80円 388.80円
従量料金の料金単価
ショッププラン(スマ電) 従量電灯B(東京電力)
最初の120kWhまで 20.47円 20.47円
120kWh超~300kWh 24.75円 24.75円
300kWh超 28.33円 28.33円
定率割
契約容量 ショッププラン(スマ電)
6~10kVA 8%割引
11~20kVA 10%割引
21kVA以上 12%割引

※基本料金と従量料金の合計金額から割引となる

基本料金・従量料金とも全く同一ですが、定率割があるためにスマ電の方が必ず8%以上安くなります。例えば、契約アンペアが6kVAでひと月あたりの電気使用量が120kWhだと380円ほど、300kWhだと740円ほど、450kWhだと1080円ほどスマ電の方が安くなる計算です。

中部電力との比較

中部電力の従量電灯Bとスマ電のホームプラン2種類を比較すると以下の通りとなります。

基本料金
スマ電 中部電力
ぎっしり!夜得ホームプラン しっかり!スマ得ホームプラン 従量電灯B
10A 280.80円
15A 421.20円
20A 561.60円
30A 542.40円 842.40円
40A 823.20円 1123.20円
50A 1104.00円 1404.00円
60A 1384.80円 1684.80円
従量料金の料金単価
ぎっしり!夜得ホームプラン(スマ電) 従量電灯B(中部電力)
最初の15kWhまで 373.73円(最低料金) 20.68円
15kWh超~120kWh 27.60円
120kWh超~300kWh 25.08円
300kWh超 29.10円 27.97円
平日夜間・休日 25.12円
従量料金の料金単価
しっかり!スマ得ホームプラン(スマ電) 従量電灯B(中部電力)
最初の120kWhまで 20.60円 20.68円
120kWh超~300kWh 24.70円 25.08円
300kWh超 26.30円 27.97円

夜得ホームプランについては、平日昼間と平日夜間・休日の電気使用量が半々だとすると、それほど中部電力と差があるわけではありません。ひと月あたりの電気使用量が120kWhだとすると200円ほどスマ電の方が安く、300kWhだとすると30円ほど、450kWhだとすると100円ほど中部電力の方が安くなる計算です。もちろん、平日昼間の使用量を抑えればもっと電気料金は下がりますが、あまりスマ電・中部電力両者の差はありませんでした。

一方のスマ得ホームプランでは、必ず中部電力より電気料金を抑えることができます。基本料金は一律で300円、従量料金の料金単価も0.08~1.67円低いためです。契約アンペアが30Aだとすると、ひと月あたりの電気使用量が120kWhで310円ほど、300kWhで380円ほど、450kWhで630円ほどスマ電の方が安くなります。

次に、中部電力の従量電灯Cとスマ電のショッププランを比較すると以下の通りになります。

基本料金
ショッププラン(スマ電) 従量電灯C(中部電力)
1kVAあたり 280.80円 280.80円
従量料金の料金単価
ショップCプラン(スマ電) 従量電灯C(中部電力)
最初の120kWhまで 20.68円 20.68円
120kWh超~300kWh 25.08円 25.08円
300kWh超 27.97円 27.97円
定率割
契約容量 ショッププラン(スマ電)
6~10kVA 5%割引
11kVA以上 7%割引

他のエリアと同様、基本料金や従量料金は全く同じですが、定率割があるためにスマ電の方が中部電力より5%か7%安くなる計算です。

九州電力との比較

九州電力エリアでスマ電を選ぶことができませんが、仮に九州電力の従量電灯Bとスマ得ホームプラン(東京電力エリア版)を比較すると以下の通りとなります。

基本料金
どーんと!夜得ホームプラン(スマ電) 従量電灯B(九州電力)
10A 291.60円
15A 437.40円
20A 583.20円
30A 842.40円 874.80円
40A 873.20円 1166.40円
50A 904.00円 1458.00円
60A 1184.80円 1749.60円
従量料金の料金単価
どーんと!夜得ホームプラン(スマ電) 従量電灯B(九州電力)
最初の120kWhまで 19.40円 17.19円
120kWh超~300kWh 25.40円 22.69円
300kWh超 25.50円 25.63円

基本料金はスマ電の方が、従量料金については九州電力の方が安く設定されています。

スマ電への申込方法の流れ

申し込むためには、主に「検針票を手元に用意する」「Webか電話、店頭で申込を行う」「スマートメーターを設置する」が必要です。ただしスマートメーターの設置は業者が担当します。なお、スマ電のプランにはオール電化プランはないので、切り替える場合は注意が必要です。

検針票を手元に用意する

申込のときに現在の契約内容を入力する必要がありますので、事前に電気料金の検針票を用意してください。

Webか電話、店頭で申込を行う

ホームページから申込を行うことができます。また、スマ電を取り扱っているスーパーマーケットの店頭で申込手続きを行うこともできます。申込について詳しい説明がほしい場合は、スマ電サービスセンターへ電話してください。

スマートメーターを設置する

まだスマートメーターを設置していない場合、電気の使用量を検知するためのスマートメーターを設置します。設置は従来の電力会社が行います。その後、供給開始は検針日からとなります。

ホームページの説明では、申込から利用開始まで短い場合は約2週間、長い場合は約1ヶ月半かかるとされています。

新電力への変更方法、解約方法の流れ

スマ電内部での契約容量やプランの変更、別会社への切り替え、引っ越し時の解約方法についてご説明します。

契約内容を変更する場合

スマ電サービスセンターへ電話して変更を依頼します。

スマ電から別会社へ切り替える場合(引っ越しなし)

スマ電から別会社へ切り替える場合は、新たな電力会社に電話すれば解約手続きを代行してくれることが多いです。詳細は各電力会社の申込方法の詳細を確認してください。なお、利用開始から6ヵ月以内で解約となる場合、解約手数料が2,160円(税込)かかります。

引っ越しをする場合

スマ電の利用開始後に引っ越しする場合は、問い合わせフォームから問い合わせるか、スマ電サービスセンターへ電話してください。

解約する場合

スマ電サービスセンターへ電話してください。なお、利用開始から6ヵ月以内で解約となる場合、解約手数料が2,160円(税込)かかります。ただし引っ越しが理由の解約の場合は、電気の使用終了日の1週間前までに連絡すれば手数料がかかりません。

まとめ

スマ電は、電気使用量にかかわらずおおむね既存の電力会社より電気料金が安くなりやすい新電力会社であると言えます。基本料金の割引やショッププランなどにおける「定率割」の存在によって、割引効果を分かりやすく享受できます。

平日夜間や休日の電気使用量が半分以上の場合は、夜得ホームプランを利用することでより安くなる可能性があります。スマ電への切り替えを検討する場合は、最低でも1~2ヵ月は現状の電気使用量を検証し、平日夜間・休日と平日昼間の電気使用量の割合を検証するようにしましょう。