今回の記事では、東北電力・東京電力・中部電力・九州電力の各エリアに電気の供給を実施している「エネワンでんき(株式会社サイサン)」の電気料金プランをご紹介します。
株式会社サイサンは1945年に創業されたガス会社で、埼玉県さいたま市に本社を置いています。これまではLPガスの供給を中心に行ってきました。2016年に電気小売が自由化されたのを機に、電力供給事業にも参入しました。
今回の記事では、東北電力・東京電力・中部電力・九州電力の各エリアに電気の供給を実施している「エネワンでんき(株式会社サイサン)」の電気料金プランをご紹介します。
株式会社サイサンは1945年に創業されたガス会社で、埼玉県さいたま市に本社を置いています。これまではLPガスの供給を中心に行ってきました。2016年に電気小売が自由化されたのを機に、電力供給事業にも参入しました。
エネワンでんきの電気料金プランの特徴は、どのエリアでもどの電気使用量でも、既存の電力会社よりも電気料金が安くなる点です。新電力会社の中には、多く電力を消費する世帯では安くなるものの、少ない使用量の場合はむしろ既存の電力会社より高くなってしまうところも少なくありません。その点、エネワンでんきでは電気使用量にかかわらず安くなっているため、どういった世帯であっても電力会社を切り替えるメリットを享受できると言えます。具体的な金額については後述します。
東北電力・東京電力・中部電力・九州電力管内が電気販売エリアとして設定されています。また、北海道電力エリアはグループ会社(株式会社いちたかガスワン)が対応します。
エネワンでんきの料金プランは、従量電灯Bに当たる「エネワンBプラン」と、従量電灯Cに当たる「エネワンCプラン」の2種類があります。エリアによって基本料金・従量料金とも若干異なります。
また、東京電力エリアのみ、大量に電力を消費する世帯・店舗向けの「エネワンSプラン」があります。こちらについては後述します。
総じて既存プランより若干安いのですが、電気使用量が多くなるほど割引幅が大きくなります。例えば東京電力で言うと、基本料金は30~60円ほど、従量料金の料金単価は300kWh超で3.6円安く設定されています。
従量電灯Cの料金設定の考え方も、従量電灯Bと同じように電気使用量が多くなるほど安くなるようになっています。東京電力エリアでは、基本料金が1kVAあたり10円、従量料金の料金単価は300kWh超で3.6円安く設定されています。
エネワンでんきのエネワンBプランやエネワンCプランを既存の電力会社の従量電灯Bや従量電灯Cと比較して、どれくらい安くなっているのか検証します。東京電力エリアのみ、エネワンSプランと従量電灯Cの比較も行います。
東京電力の従量電灯Bとエネワンでんきの従量電灯Bを比較したとき、料金の違いは以下の通りです。
基本料金 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | 従量電灯B(東京電力) | |
10A | – | 280.80円 |
15A | – | 421.20円 |
20A | – | 561.60円 |
30A | 810.00円 | 842.40円 |
40A | 1080.00円 | 1123.20円 |
50A | 1350.00円 | 1404.00円 |
60A | 1620.00円 | 1684.80円 |
従量料金の料金単価 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | 従量電灯B(東京電力) | |
最初の120kWhまで | 19.52円 | 19.52円 |
120kWh超~300kWh | 26.00円 | 26.00円 |
300kWh超 | 26.42円 | 30.02円 |
基本料金も従量料金も、エネワンでんきの方が若干安くなっています。
例えば、契約アンペアが30Aの場合、一月あたりの電気使用量が120kWhだと32円ほど、300kWhでも32円ほど、450kWhだと570円ほどエネワンでんきの方が安くなります。
次に従量電灯Cの比較は以下の通りです。
基本料金 | |||
エネワンでんき | 東京電力 | ||
エネワンCプラン | エネワンSプラン | 従量電灯C | |
1kVAあたり | 270.00円 | 270.00円 | 280.80円 |
従量料金の料金単価 | |||
エネワンでんき | 東京電力 | ||
エネワンCプラン | エネワンSプラン | 従量電灯C | |
最初の120kWhまで | 19.52円 | 25.00円 | 19.52円 |
120kWh超~300kWh | 26.00円 | 26.00円 | |
300kWh超 | 26.42円 | 30.02円 |
やはりエネワンでんきの方が基本料金・従量料金とも安く設定されています。契約が6kVAの場合、一月あたりの電気使用量が120kWhだと65円ほど、300kWhでも65円ほど、450kWhだと600円ほどエネワンでんきの方が安くなります。
なお、エネワンSプランは従量料金の料金単価が一律のため、電気使用量が多くなるとエネワンCプランより安くなります。計算上では、637kWhを超えるとお得です。
関西電力が東京電力エリアで販売している「はぴeプラス」と、エネワンでんきの東京電力エリア向けのエネワンBプランを比較すると以下の通りです。
基本料金 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | はぴeプラス(関西電力) | |
10A | – | – |
15A | – | – |
20A | – | – |
30A | 810.00円 | – |
40A | 1080.00円 | – |
50A | 1350.00円 | – |
60A | 1620.00円 | – |
6kWまで | – | 1188.00円 |
6kWをこえる1kW | – | 388.80円 |
従量料金の料金単価 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | はぴeプラス(関西電力) | |
最初の120kWhまで | 19.52円 | 21.78円 |
120kWh超~300kWh | 26.00円 | |
300kWh超 | 26.42円 | 30.24円 |
基本料金の仕様は異なるのですが、関西電力では最低でも1188.00円かかります。40A以下であれば、エネワンでんきの方が安いです。従量料金の料金単価は、最初の120kWhまでと300kWh超だとエネワンでんきの方が低く設定されています。
その結果、120kWh超~300kWhを除けばエネワンでんきの方が安いです。273kWhまではエネワンでんき、274~328kWhは関西電力、329kWh以降は再度エネワンでんきの方が安くなります。
中部電力の従量電灯BとエネワンBプランを比較すると、以下の通りです。
基本料金 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | 従量電灯B(中部電力) | |
10A | – | 280.80円 |
15A | – | 421.20円 |
20A | – | 561.60円 |
30A | 810.00円 | 842.40円 |
40A | 1080.00円 | 1123.20円 |
50A | 1350.00円 | 1404.00円 |
60A | 1620.00円 | 1684.80円 |
従量料金の料金単価 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | 従量電灯B(中部電力) | |
最初の120kWhまで | 20.68円 | 20.68円 |
120kWh超~300kWh | 23.58円 | 25.08円 |
300kWh超 | 24.89円 | 27.97円 |
基本料金も従量料金も、エネワンでんきの方が安くなっています。
例えば、契約アンペアが30Aでひと月あたりの電気使用量が120kWhだと42円ほど、300kWhだと300円ほど、450kWhだと660円ほどエネワンでんきの方が安くなります。
次に、中部電力の従量電灯CとエネワンCプランを比較すると以下の通りになります。
基本料金 | ||
エネワンCプラン(エネワンでんき) | 従量電灯C(中部電力) | |
1kVAあたり | 270.00円 | 280.80円 |
従量料金の料金単価 | ||
エネワンCプラン(エネワンでんき) | 従量電灯C(中部電力) | |
最初の120kWhまで | 20.68円 | 20.68円 |
120kWh超~300kWh | 23.58円 | 25.08円 |
300kWh超 | 24.89円 | 27.97円 |
やはり基本料金も従量料金も、エネワンでんきの方が安くなっています。
契約が6kVAで、一月あたりの電気使用量が120kWhだと64円ほど、300kWhだと330円ほど、450kWhだと800円ほど従量電灯が安くなる計算です。
九州電力の従量電灯Bとエネワンでんきの従量電灯Bを比較すると、以下の通りです。
基本料金 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | 従量電灯B(九州電力) | |
10A | – | 291.60円 |
15A | – | 437.40円 |
20A | – | 583.20円 |
30A | 842.40円 | 874.80円 |
40A | 1123.20円 | 1166.40円 |
50A | 1404.00円 | 1458.00円 |
60A | 1684.80円 | 1749.60円 |
従量料金の料金単価 | ||
エネワンBプラン(エネワンでんき) | 従量電灯B(九州電力) | |
最初の120kWhまで | 17.13円 | 17.19円 |
120kWh超~300kWh | 21.95円 | 22.69円 |
300kWh超 | 23.27円 | 25.63円 |
基本料金も従量料金も、エネワンでんきの方が若干安くなっています。
例えば、契約アンペアが30Aで一月あたりの電気使用量が120kWhだと40円ほど、300kWhだと73円ほど、450kWhだと530円ほどエネワンでんきの方が安くなります。
基本料金 | ||
エネワンCプラン(エネワンでんき) | 従量電灯C(九州電力) | |
1kVAにつき | 280.80円 | 291.60円 |
従量料金の料金単価 | ||
エネワンCプラン(エネワンでんき) | 従量電灯C(九州電力) | |
最初の120kWhまで | 17.13円 | 17.19円 |
120kWh超~300kWh | 21.95円 | 22.69円 |
300kWh超 | 23.27円 | 25.63円 |
やはり基本料金も従量料金も、エネワンでんきの方が若干安くなっています。
契約が6kVAで、一月あたりの電気使用量が120kWhだと72円ほど、300kWhだと110円ほど、450kWhだと560円ほど従量電灯が安くなる計算です。
申し込むためには、主に「検針票を手元に用意する」「Webか電話で申込を行う」「スマートメーターを設置する」が必要です。ただしスマートメーターの設置は業者が担当します。なお、エネワンでんきのプランにはオール電化プランはないので、切り替える場合は注意が必要です。
申込のときに現在の契約内容を入力する必要がありますので、事前に電気料金の検針票を用意してください。ちなみに入会金は必要ありません。
ホームページから申込を行います。また、電話で申し込むこともできます。電話で申し込んでから契約書類を郵送してもらい、必要事項を記入して返送します。
電気の使用量を検知するためのスマートメーターを設置します。設置は担当業者が原則無料で作業してくれます。あらかじめ取り決めた使用開始日からエネワンでんきの電気に切り替わります。
エネワンでんき内部での契約容量やプランの変更、別会社への切り替え、引っ越し時の解約方法についてご説明します。
エネワンサービスセンターへ電話して変更を依頼します。
エネワンでんきから別会社へ切り替える場合は、新たな電力会社に電話すれば解約手続きを代行してくれることが多いです。詳細は各電力会社の申込方法の詳細を確認してください。なお、利用開始から1年以内で解約となる場合、解約事務手数料が3240円(税込)かかります。
引っ越し先でもエネワンでんきを使い続ける場合は、エネワンサービスセンター(0120-106-142)へ電話します。解約の場合も、こちらへ電話して対応することになります。
エネワンサービスセンターへ電話します。なお、利用開始から1年以内で解約となる場合、解約事務手数料が3240円(税込)かかります。
エネワンでんきは、電気使用量にかかわらず電気料金を安くできる可能性の高い新電力会社と言えます。ガスとのセット契約を前提とした料金プランではないので、さいたま市周辺以外のエリアの家庭でも、電気料金のことだけを考えて申し込むことができます。ただし1年以内の解約で違約金のかかる数少ない電力会社なので、注意する必要があります。