今回の記事では、千葉県市川市に本社を置くLPガス会社である株式会社エルピオが取り扱う「エルピオでんき」の電気料金プランをご紹介します。
2016年の電力自由化を機に、それまでのLPガス販売の実績を生かして電気販売事業に乗り出しました。プランは何種類かありますが、そのほかにはセット割やポイント還元などをあえて設定せず、料金の安さだけで勝負していますよ。
今回の記事では、千葉県市川市に本社を置くLPガス会社である株式会社エルピオが取り扱う「エルピオでんき」の電気料金プランをご紹介します。
2016年の電力自由化を機に、それまでのLPガス販売の実績を生かして電気販売事業に乗り出しました。プランは何種類かありますが、そのほかにはセット割やポイント還元などをあえて設定せず、料金の安さだけで勝負していますよ。
エルピオでんきの電気料金プランの特徴は、2つあります。
エルピオでんきの最大の特徴は、他の新電力会社によくある「セット割」「ポイント還元」など複雑なプラン設定がなく、単純に料金の安さだけで勝負している点です。
特にエルピオはガス会社ですので、ガスとのセット割などのプランも考えられるところなのですが、あえてそういったプランは作らず電気料金の安さにこだわっています。
後ほど詳細は紹介しますが、東京電力の一般的な家庭向けの「従量電灯B」とエルピオでんきの「スタンダードプランS」を比較すると、使用電力量が多くても少なくても必ず安くなるように設定されています。
定額制の「プレミアムプラン」があります。詳細は後ほどご説明しますが、契約が30Aで電気使用量が月300kWhだとすると、従量課金のスタンダードプランSの場合は約7100円であるのに対し、プレミアムプランAだと約7200円。
スタンダードプランSの方がお得です。残念ながら、プレミアムプランのメリットはあまり考えられません。
東京電力エリアがエルピオでんきの電気販売エリアです。
離島を除く東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県・静岡県の一部(富士川以東)が対象となっています。
エルピオでんきの料金プランは、東京電力の従量電灯BおよびCに当たる「スタンダードプランS」と「スタンダードプランL」と、独自の定額制プランである一般家庭向けの「プレミアムプランA」と事業者向けの「プレミアムプランB」が主なプランとなります。
プレミアムプランについては、定額プランが適用される上限の電力量によって「プレミアムプランA300」「プレミアムプランA400」「プレミアムプランA500」と3つに分かれます。
今回は、一般家庭向けということで「スタンダードプランS」と「スタンダードプランL」、「プレミアムプランA」の3種類をご紹介しいます。
スタンダードプランSは一般家庭向けの電気料金プランで、従来の東京電力の従量電灯Bに当たります。基本料金は17~100円ほど、従量料金の料金単価は0.6~4.7円ほど安くなっています。
どんな電気使用量でも東京電力より安くなるように設定されており、例えば30Aの契約で300kWhの電気使用量だとすると700円以上エルピオでんきの方が安くなります。
一般家庭向けのプレミアムプランAと比較すると、こちらの方が安くなるため最もおすすめです。
スタンダードプランLは事業者向けの電気料金プランで、東京電力の従量電灯Cに当たります。基本料金は1kVA当たり17円ほど、従量料金の料金単価は1.2~4.7円ほど安くなっています。
例えば、6kVAの契約で450kWhの電気使用量だとすると1500円以上エルピオでんきの方が安くなります。
プレミアムプランは、300kWhや400kWh、500kWhまで定額で、それを超えると従量課金になるプランです。ただ、実はスタンダードプランSの方がプレミアムプランの各タイプよりも安くなります。
例えばプレミアムプランA300とスタンダードプランSを比べると、契約アンペアが30A、電気使用量300kWhの場合はスタンダードプランSの方が60円ほど安くなります。
既存の東京電力、関西電力、中部電力、九州電力の代表的なプラン(九電以外は東京電力エリアで販売されているプラン)と、エルピオでんきのスタンダードプランを比較してみます。
エルピオでんきのプランにはオール電化プランはないので、切り替える場合は注意が必要です。
東京電力の従量電灯BとエルピオでんきのスタンダードプランSを比較したとき、料金の違いは以下の通りです。
基本料金 | ||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | 従量電灯B(東京電力) | |
20A | 544.75円 | 561.60円 |
30A | 800.28円 | 842.40円 |
40A | 1067.04円 | 1123.20円 |
50A | 1319.76円 | 1404.00円 |
60A | 1583.71円 | 1684.80円 |
料金単価 | ||||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | 従量電灯B(東京電力) | |||
20・30A | 40・50A | 60A | ||
最初の120kWhまで | 18.91円 | 18.50円 | 18.31円 | 19.52円 |
120kWh超~300kWh | 22.62円 | 26.00円 | ||
300kWh超 | 25.31円 | 30.02円 |
このように、基本料金・従量料金ともエルピオでんきの方が安くなっています。例えば、契約アンペアが30Aで電気使用量が毎月450kWhだとすると、東京電力では12367.80円、エルピオでんきでは10937.58円となり、エルピオでんきの方が1430.22円安くなります。
こちらの値段には燃料費調整単価などを加算していませんので単純にこれだけ安くなるとは限りませんが、年間換算で17000円以上の節約になる計算です。
従量電灯Cの比較は以下の通りです。
基本料金 | ||
スタンダードプランL(エルピオでんき) | 従量電灯C(東京電力) | |
1kVAあたり | 263.95円 | 280.80円 |
料金単価 | ||
スタンダードプランL(エルピオでんき) | 従量電灯C(東京電力) | |
最初の120kWhまで | 18.35円 | 19.52円 |
120kWh超~300kWh | 22.88円 | 26.00円 |
300kWh超 | 25.31円 | 30.02円 |
スタンダードプランLでも、エルピオでんきの方が安くなります。例えば、契約アンペアが6kVAで電気使用量が毎月450kWhだあとすると、東京電力では13210.20円、エルピオでんきでは11700.60円となり、エルピオでんきの方が1509.60円安くなります。
関西電力が東京電力エリアで提供しているプラン「はぴeプラス」と、エルピオでんきのスタンダードプランSを比較すると以下の通りです。
基本料金 | ||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | はぴeプラス(関西電力) | |
20A | 544.75円 | |
30A | 800.28円 | – |
40A | 1067.04円 | – |
50A | 1319.76円 | – |
60A | 1583.71円 | – |
6kWまで | – | 1188.00円 |
6kWをこえる1kWにつき | – | 388.80円 |
料金単価 | ||||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | はぴeプラス(関西電力) | |||
20・30A | 40・50A | 60A | ||
最初の120kWhまで | 18.91円 | 18.50円 | 18.31円 | 21.78円 |
120kWh超~300kWh | 22.62円 | |||
300kWh超 | 25.31円 | 30.24円 |
基本料金の仕様が異なるので一概に比較できないのですが、はぴeプラスでは最低料金が1188.00円と高めです。従量料金も、120kWh超~300kWhを除いてエルピオでんきの方が安くなります。
例えば、30A(はぴ eプラスで6kwとする)で毎月450kWhとすると、エルピオでんきは10937.58円、はぴeプラスは12258.00円です。
中部電力が東京電力エリアで提供している「カテエネプラン」とエルピオでんきの従量電灯Bを比較すると、以下の通りです。
基本料金 | ||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | カテエネプラン(中部電力) | |
20A | 544.75円 | – |
30A | 800.28円 | 788.40円 |
40A | 1067.04円 | 1051.20円 |
50A | 1319.76円 | 1314.00円 |
60A | 1583.71円 | 1576.80円 |
料金単価 | ||||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | カテエネプラン(中部電力) | |||
20・30A | 40・50A | 60A | ||
最初の120kWhまで | 18.91円 | 18.50円 | 18.31円 | 19.42円 |
120kWh超~300kWh | 22.62円 | 25.00円 | ||
300kWh超 | 25.31円 | 26.00円 |
基本料金は若干中部電力の方が安いのですが、従量料金についてはエルピオでんきの方が安くなります。
例えば、契約アンペアが30Aで電気使用量が450kWhだとすると、エルピオでんきは10937.58円で中部電力は11368.00円となります。
九州電力は東京電力エリアで電気の販売を行っていませんが、試しに九州電力の従量電灯BとエルピオでんきのスタンダードプランSを比較してみます。
基本料金 | ||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | 従量電灯B(九州電力) | |
20A | 544.75円 | 583.20円 |
30A | 800.28円 | 874.80円 |
40A | 1067.04円 | 1166.40円 |
50A | 1319.76円 | 1458.00円 |
60A | 1583.71円 | 1749.60円 |
料金単価 | ||||
スタンダードプランS(エルピオでんき) | 従量電灯B(九州電力) | |||
20・30A | 40・50A | 60A | ||
最初の120kWhまで | 18.91円 | 18.50円 | 18.31円 | 17.19円 |
120kWh超~300kWh | 22.62円 | 25.00円 | ||
300kWh超 | 25.31円 | 26.00円 |
このように、基本料金はエルピオでんきの方が、従量料金についても最初の120kWhまで以外エルピオでんきの方が安くなっています。
ただエリアが違う(競合しない)以上、単純に比較できるものではないのでご注意ください。
申し込むためには、主に「検針票を用意する」「WEBか電話で仮申込を行う」「申込用紙の郵送か営業スタッフの訪問(または営業所を直接訪問)で本申込」「スマートメーターを設置する」が必要です。ただしスマートメーターの設置は業者が担当します。
仮申込のときに現在の契約内容や契約アンペア数(従量電灯Cの場合は契約kVA数)を入力する必要があります。
また、本申込のときには数字22桁の供給地点特定番号、現在の電力会社における契約者の名前、契約番号(お客さま番号)を入力する必要があります。事前に電気料金の検針票を用意してください。
ちなみに入会金は必要ありません。
公式ホームページから申し込むことができます。
この際、本申込の方法として「郵送」「営業スタッフの訪問」のどちらかを選択することができます。仮申込が完了すると、登録したメールアドレス宛にエルピオの担当者から確認メールが届きます。
なお、直接お客様サービスセンター(0120-23-5556)へ電話して申込用紙の郵送か営業スタッフの訪問を依頼することも可能です。
エルピオでんきのネックとしては、WEB上で申込が完結せず、手続きが若干複雑な点です。
本申込を行うためには、郵送してもらった申込用紙に記入して返送するか、エルピオの営業スタッフに訪問してもらうか、直接営業所に行って申し込むかのどれかを選択します。
スマートメーターが設置されていない場合、東京電力パワーグリッドからスマートメーター交換のための日程調整の連絡があります。業者が計量メーターをスマートメーターに交換し、手続きがすべて完了すると、連絡のあった供給開始日よりエルピオでんきの電気に切り替わります。
スマートメーターの設置を含めて、申込から半月から1ヶ月半ほどかかります。
エルピオでんき内部での契約容量やプランの変更、別会社への切り替え、引っ越し時の解約方法についてご説明します。
契約容量や料金プランを変更する場合は、お客様サービスセンター(0120-23-5556)へ電話連絡します。
エルピオでんきから別会社へ切り替える場合は、新たな電力会社に電話すれば解約手続きを代行してくれることが多いです。詳細は各電力会社の申込方法の詳細を確認してください。
引っ越しを行う15日前までにお客様サービスセンター(0120-23-5556)へ連絡します。引っ越し先で引き続きエルピオでんきを使用する場合は、エルピオ側で電力切り替え手続きを行ってくれます。
ホームページには明確な記載がありませんが、解約の場合の解約金・違約金はいっさいかかりません。引っ越しに際して解約する場合はお客様サービスセンター(0120-23-5556)へ連絡が必要です。
エルピオでんきの料金プランは、複雑なセット割やポイント還元、プラン選択に困っている人にとってうってつけでしょう。
シンプルな料金設定で、シンプルに「電気料金が安くなる」という点にこだわっています。他の新電力会社と比較してもかなり安い水準にあります。ネックとしては、東京電力エリアだけの提供であることと、申込がWEBで完結せず、仮申込+本申込が必要で時間がかかる点です。
東京電力エリアに住んでおり、申込を急ぐ必要のない世帯であれば十分検討に値する電力会社であると言えます。