2016年4月に開始された「電力自由化」によって、自分の住む管内で電力の供給を行っている電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。
ガソリンやガスなど、他のエネルギー事業を行っていた会社も、積極的に電力供給の事業に参加してきています。今回の記事では、その中でも東京ガスの電気料金プランについて詳しく説明します。
2016年4月に開始された「電力自由化」によって、自分の住む管内で電力の供給を行っている電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。
ガソリンやガスなど、他のエネルギー事業を行っていた会社も、積極的に電力供給の事業に参加してきています。今回の記事では、その中でも東京ガスの電気料金プランについて詳しく説明します。
東京ガスの電気料金プランの特徴は3つあります。
一般家庭向けの電気料金プランは、従来の東京電力の従量電灯BおよびCに当たる二つのプランがあるだけで、それほど選択肢が多いわけではありません。
基本料金は従来のプランと変わりませんが、従量料金は従来のプランと比較して使用量が多い場合に割安になります。月120kWhまでは東京電力のプランの方が安いのですが、120kWhを超えると東京ガスの方が安いです。次以降で説明するセット割を適用することで、基本料金も東京電力より安くなってきます。
ガスも電気も東京ガスと契約することで、セット割が適用されて電気の基本料金が毎月270円(税込)割引になります。これはどの電気料金プランにしても、契約会社がガス・電気とも東京ガスであるだけで、他には特に条件がありません。
さらに、セット割を申し込んだ過程にだけ適用されるプレミアムサービスがいくつかあります。例えば、セット割適用後に東京ガス提携プロバイダの提供するインターネット光接続サービス(プロバイダ光)に加入することで、この「プロバイダ光」の料金が割引になる「東京ガストリプル割」というサービスがあります。プロバイダによって割引額は異なりますが、BIGLOBEやOCNなどでは最大月324円(税込)です。
東京ガスの電気料金に魅力を感じる人であれば、ガスと電気ともに東京ガスと契約してしまうのがおすすめです。
東京ガスでは、電気料金やガス料金の支払で付与されるポイントサービスの仕組みがあります。例えば、電気料金プラン「ずっとも電気」を契約していると、毎月の電気料金1000円あたり15ポイントの「パッチョポイント」が付与されます。パッチョポイントは1ポイント=1円に当たる東京ガス独自のポイントです。還元率は1.5%となります。
たまったポイントは、Tポイントや楽天スーパーポイント、WAONポイントなど他のポイントに交換できたり、東京ガスのキャラクター「火ぐまのぱっちょ」のかわいいキャラクターグッズをもらえたりします。子どもがキャラクターを気に入っているのでなければ、他のポイントと交換した方がお得でしょう。交換比率は1:1で、500ポイントから交換できます。
東京電力管内が東京ガスの電気販売エリアとなります。具体的には、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の全域と富士川以東の静岡県(離島を除く)を合わせたエリアです。ただし、建物全体で一括で電気契約をしている集合住宅では契約できません。
なお、「東京ガス」という名称で勘違いしてしまうかもしれませんが、仮にガス供給の契約先が東京ガスではないとしても、電気料金だけ東京ガスにすることも可能ですよ。
東京ガスの電気料金プランの概要や特徴をご紹介します。
基本的に、一般的な家庭では従来の東京電力の従量電灯BおよびCに当たる「ずっとも電気1」か「ずっとも電気2」の二種類となります。それぞれ前述のセット割を適用することで、基本料金が割引にされます。
この「ずっとも電気1」は、東京電力の従量電灯Bにあたる電気料金プランです。電力使用量が120kWhを超えると、ずっとも電気1の方が電力量料金が安くなります。また、セット割によって基本料金が月270円(税込)下がり、さらに電力料金の支払いによってパッチョポイントがつく分割安になります。トリプル割にすれば、電力料金はセット割りと同じですが、プロバイダ料金が最大で月324円(税込)安くなります。
「ずっとも電気2」は、東京電力の従量電灯Cに当たる電気料金プランです。これも電力使用量が120kWhを超えたあたりで割安になるとともに、セット割ないしトリプル割にすることで基本料金も月270円(税込)安くなります。パッチョポイント制度もずっとも電気1を同じです。
既存の東京電力、関西電力、中部電力、九州電力の代表的なプランと、東京ガスの二種類のプランを比較してみます。東京ガスのプランにはオール電化プランはないので、切り替える場合は注意が必要です。
基本料金については、セット割を適用すれば東京ガスの方が一律270円(税込)安くなります。
電力量料金については、使用量によって状況が異なります。東京電力の従量電灯Bと、東京ガスのずっとも電気1の電力量料金を比較すると、以下のようになります。
料金単価 | ||
ずっとも電気1
(東京ガス) |
従量電灯B
(東京電力) |
|
最初の120kWhまで | 23.24円 | 19.52円 |
120kWh超~140kWh | 26.00円 | |
140kWh超~300kWh | 23.45円 | 30.02円 |
300kWh超~350kWh | ||
350kWh超 | 25.93円 |
また、東京電力の従量電灯Cと、東京ガスのずっとも電気2の電力量料金を比較すると、以下のようになります。
料金単価 | ||
ずっとも電気2
(東京ガス) |
従量電灯C
(東京電力) |
|
最初の120kWhまで | 23.21円 | 19.52円 |
120kWh超~300kWh | 26.00円 | |
300kWh超~360kWh | 30.02円 | |
360kWh超 | 25.99円 |
どちらの場合も、最初の120kWhまでであれば東京電力の方がお得で、それ以降は東京ガスの方がお得です。また、最初の120kWhについても、セット割の270円やパッチョポイントの分を考慮するとあまり変わらなくなります。したがって、東京電力との比較であれば、東京ガスの方がお得になると言えます。
関西電力が東京電力エリアを対象として提供している「はぴeプラス」とずっとも電気1と比較すると、以下のようになります。
料金単価 | ||
ずっとも電気1
(東京ガス) |
はぴeプラス
(関西電力) |
|
最初の140kWhまで | 23.24円 | 21.78円 |
140kWh超~300kWh | 23.45円 | |
300kWh超~350kWh | 30.24円 | |
350kWh超 | 25.93円 |
電力量料金で見ると、最初の300kWhまでははぴeぷらすの方が安く、300kWhを超えるとずっとも電気1の方が安くなります。ただし、セット割やパッチョポイントによる割引分を加味すると、300kWh以内であってもずっとも電気1の方がお得になる可能性があります。
中部電力が東京電力エリアを対象として提供する「カテエネプラン」と東京ガスのプランを比較します。電力量料金は以下のような関係にあります。
料金単価 | ||
ずっとも電気1
(東京ガス) |
カテエネプラン
(中部電力) |
|
最初の120kWhまで | 23.24円 | 19.42円 |
120kWh超~140kWh | 25.00円 | |
140kWh超~300kWh | 23.45円 | |
300kWh超~350kWh | 30.02円 | |
350kWh超 | 25.93円 |
最初の120kWhまではカテエネプランの方が安く、それ以降は一貫してずっとも電気1の方が安いという結果になりました。セット割やポイント分も考慮すると、東京ガスの方がお得であると言えます。
九州電力は関東エリアへのサービス提供を行っていませんので、東京ガスと競合することはありません。ただし、あえて九州電力の従量電灯Bと東京ガスのプランを比較すると、電力量料金についてはおおむね九州電力の方が安いという結果になります。
料金単価 | ||
ずっとも電気1
(東京ガス) |
従量電灯B
(九州電力) |
|
最初の120kWhまで | 23.24円 | 17.19円 |
120kWh超~140kWh | 22.69円 | |
140kWh超~300kWh | 23.45円 | |
300kWh超~350kWh | 25.63円 | |
350kWh超 | 25.93円 |
このように、300kWh超~350kWhを除いて九州電力の方が安いです。ただし九州電力では基本料金が東京電力よりも約30~60円高いため、セット割やパッチョポイントのある東京ガスより必ずしも安いとは言えません。
申し込むためには、主に「検針票を用意する」「WEBか電話で申込を行う」「スマートメーターを設置する」が必要です。ただしスマートメーターの設置は業者が担当します。
電気のWEB検針票の場合は、供給地点特定番号、現在の電力会社における電気契約名義、契約番号(お客さま番号)を控えておく必要があります。事前に電気料金の検針票を用意してください。
入会金は必要ありませんし、元の電力会社の解約は代わりにやってくれます。
WEB上でいつでも簡単に申し込むことができます。電話の場合は電力お客さまセンター(0570-002239、IP電話・国際電話は03-6735-8787)へ問い合わせます。
スマートメーターが設置されていない場合、業者からスマートメーター交換のための日程調整の連絡があります。また、この前後に元の会社の解約手続きが行われます。手続きがすべて完了してから最初の電気の検針日から東京ガスの電気に切り替わります。
東京ガス内部での契約容量やプランの変更、別会社への切り替え、引っ越し時の解約方法についてご説明します。
契約容量や料金プランを変更する場合は、電力お客さまセンター(0570-002239、IP電話・国際電話は03-6735-8787)へ連絡してください。
東京ガスから別会社へ切り替える場合は、新たな電力会社に電話すれば解約手続きを代行してくれることが多いです。詳細は各電力会社の申込方法の詳細を確認してください。
引っ越し先で東京ガスを使い続ける場合、電力お客さまセンター(0570-002239、IP電話・国際電話は03-6735-8787)へ連絡して申込が必要となります。
引っ越し前は違う電力会社で、引っ越し先で新たに東京ガスと契約する場合は、まず前の電力会社との契約を解約したうえで東京ガスに新規申込を行います。
電力お客さまセンター(0570-002239、IP電話・国際電話は03-6735-8787)へ連絡すれば、いつでも無料で解約することができます。
プロバイダ契約は、東京ガスではなくプロバイダへ直接申し込む必要があります。その際に「東京ガストリプル割」について案内があるため、その際に申し込みます。
プロバイダの変更について、東京ガスに連絡する必要はありません。その際、パッチョポイントをTポイントや楽天スーパーポイントなど、自分がよく使用しているポイントに交換するとよいでしょう。
東京ガスの電気料金プランは、総じてガス料金とのセット割やプロバイダ料金も含めたトリプル割を適用することで従来の東京電力の料金プランに比べてお得になります。
特に、一月あたり120kWhを超える電力消費の場合にお得の度合いが高くなります。3~4人以上の家庭において、よりお得感が出てきます。パッチョポイントを頻繁に使用しているポイント(Tポイントや楽天スーパーポイント、dポイントなど)へ交換するとよいでしょう。