2016年4月から開始された電気の小売自由化によって、エネルギー会社や通信会社など約200社が電力事業に参入してきました。消費者にとっては選択肢が増えて歓迎できる面もある一方で、会社やプランが多すぎて何をどういった基準で選べばいいのか、悩ましくもあります。
今回の記事では、ハウステンボスから生まれたユニークなエネルギー会社であるHTBエナジーの電気料金プランをチェックします。旅行代理店のH.I.Sも、代理店としてHTBエナジーの電気を販売していますよ。
HTBエナジーの料金プランやサービスの特徴は?
HTBエナジーの電気料金プランの特徴は3つあります。
地域の電力会社より必ず5%安くなる
HTBエナジーの電気料金プランは、基本料金も従量料金も必ず既存の地域の電力会社よりも5%安くなるよう設定されています。基本的に各地域の従量電灯AやB、Cに対応したかたちで設定されているのですが、どのプランも一律で基本料金&従量料金が5%安くなります。
「必ず5%安くなる」というのが、HTBエナジーの各料金プランの目玉です。
料金プランのメリットがシンプルで分かりやすい
各電気料金プランのメリットである「必ず5%安くなる」というのがシンプルで分かりやすい、というのはHTBエナジーの大きな特徴です。他の電力会社でも、既存のプランよりも安くなることを謳っているところはたくさんあるのですが、多くの場合何らかの「割引適用条件」がつきます。
例えば特定のカードの使用が条件だったり、ガスやスマホなども同一の会社に揃えることが条件だったり、特定の時間帯だけ安くなる条件だったり…「割引になる、ただし○○することが条件」というただし書きがありました。
その点、HTBエナジーの場合は基本料金も従量料金も、どの時間帯でもどういった家庭でも必ず5%割引になります。「プランをいろいろ考えるのは面倒、とにかく割安になればOK」という多忙な家庭にとってはうってつけの電力会社であると言えます。
365日24時間対応のレスキューサービスがオプションに
月額270円(税込)を余計に支払うことで、365日24時間トラブルに対応してくれるオプションサービスがつきます。電球の交換、コンセントの修理、テレビの修理などといった電気関連のトラブルはもちろん、水回り、トイレ、カギ、ガラスなど、電気以外のさまざまな生活トラブルに電話1本で駆けつけてくれます。
特に高齢者や身体の不自由な方のいる世帯にとっては、リーズナブルで助かるサービスであると言えるでしょう。
HTBエナジーの電気販売エリア
四国と沖縄、一部の離島を除く全国がHTBエナジーの電気販売エリアとなっています。つまり北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、九州電力の管内であれば、HTBエナジーの電気料金プランを選択することが可能です。
HTBエナジーのオススメ電気料金プラン
HTBエナジーの電気料金プランの概要や特徴をご紹介します。基本的に、従来の従量電灯A~Cに当たるプランを選択することになります。どれを選んでも一律5%割引になりますので、あまり考え込む必要はありません。
なお、2016年10月には朝5時から7時が無料になる「朝トクコース」と夜19時から21時が無料になる「ママトクコース」が登場しましたが、2017年3月現在では受付終了のため選択できません。今後も新プランが登場する可能性がありますので、興味のある方はホームページやニュースをこまめにチェックしましょう。
従量電灯A5 ※関西電力および中国電力エリア
関西電力エリアおよび中国電力エリアにおいて、電気使用量が平均的な一般家庭向け電気料金プランが「従量電灯A5」です。既存プランの従量電灯Aに当たります。それぞれ名称(愛称)がついており、以下の通りとなっています。
エリア | プラン名称(愛称) |
関西電力エリア | 関西たこやきプラン
従量電灯A5 |
中国電力エリア | 中国もみじプラン
従量電灯A5 |
名称は異なりますが、どちらも既存の従量電灯Aよりも基本料金、従量料金とも5%割引です。例えば、関西電力の従量電灯Aの基本料金(15kWhまで)は373.73円ですが、関西たこ焼きプランにおける基本料金(15kWhまで)は355.05(=373.73×0.95)円となっています。
従量電灯B5 ※関西電力および中国電力エリア
関西電力エリアおよび中国電力エリアにおいて、多くの電気を使用する家庭向けのプランが「従量電灯B5」です。既存プランの従量電灯Bに当たり、やはり一律で基本料金、従量料金とも5%引きです。
従量電灯B5 ※北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力および九州電力エリア
多くのエリアにおいて、平均的な電気使用量の一般家庭向けのプランが「従量電灯B5」です。地域によってそれぞれ名称がついています。
エリア | プラン名称(愛称) |
北海道電力 | 北海道かにプラン
従量電灯B5 |
東北電力 | 東北なまはげプラン
従量電灯B5 |
東京電力 | 東京大江戸プラン
従量電灯B5 |
北陸電力 | 北陸ます寿司プラン
従量電灯B5 |
中部電力 | 中部しゃちほこプラン
従量電灯B5 |
九州電力 | 九州めんたいこプラン
従量電灯B5 |
名称は異なるものの、どれも既存の従量電灯Bより基本料金、従量料金とも5%安くなります。
従量電灯C5 ※北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力および九州電力エリア
多くの電気を使用する家庭向けのプランが「従量電灯C5」です。既存プランの従量電灯Cに当たり、やはり一律で基本料金、従量料金とも5%引きです。
既存の地域電力会社との徹底比較
既存の東京電力、関西電力、中部電力、九州電力の代表的なプランと、HTBエナジーの二種類のプランを比較してみます。なお、HTBエナジーのプランにはオール電化プランはないので、切り替える場合は注意が必要です。
東京電力(従量電灯B)との比較
基本料金、従量料金とも既存のプランより5%安くなります。従量電灯B同士を比較すると、以下の表のようになります。
料金分類 | 東京電力 | HTBエナジー | |
基本料金 | 30A | 842.40円 | 800.28円 |
40A | 1123.20円 | 1067.04円 | |
50A | 1404.00円 | 1333.80円 | |
60A | 1684.80円 | 1600.56円 | |
従量料金 | 最初の120kWhまで | 19.43円 | 18.46円 |
120kWh超~300kWh | 25.91円 | 24.62円 | |
300kWh超 | 29.93円 | 28.44円 |
少しずつHTBエナジーのプランの方が安くなっていることが分かります。
関西電力(従量電灯A)との比較
やはり、最低料金、従量料金とも既存のプランより5%安くなります。従量電灯A同士を比較すると、以下の表のようになります。
料金分類 | 関西電力 | HTBエナジー | |
最低料金 | 最初の15kWhまで | 373.73円 | 355.05円 |
従量料金 | 15kWh超~120kWh | 22.83円 | 21.69円 |
120kWh超~300kWh | 29.26円 | 27.80円 | |
300kWh超 | 33.32円 | 31.66円 |
中部電力(従量電灯B)との比較
中部電力エリアで平均的な電気使用量の家庭向けのプランは、従量電灯Bです。こちらを中部電力とHTBエナジーで比較すると、やはり一律で5%割引となります。
料金分類 | 中部電力 | HTBエナジー | |
基本料金 | 30A | 842.40円 | 800.28円 |
40A | 1123.20円 | 1067.04円 | |
50A | 1404.00円 | 1333.80円 | |
60A | 1684.80円 | 1600.56円 | |
従量料金 | 最初の120kWhまで | 20.68円 | 19.65円 |
120kWh超~300kWh | 25.08円 | 23.83円 | |
300kWh超 | 27.97円 | 26.58円 |
九州電力(従量電灯B)との比較
九州電力エリアでも、HTBエナジーの料金プランは九州電力より一律で5%引きとなります。
料金分類 | 九州電力 | HTBエナジー | |
基本料金 | 30A | 874.80円 | 831.06円 |
40A | 1166.40円 | 1108.08円 | |
50A | 1485.00円 | 1385.10円 | |
60A | 1749.60円 | 1662.12円 | |
従量料金 | 最初の120kWhまで | 17.13円 | 16.28円 |
120kWh超~300kWh | 22.63円 | 21.50円 | |
300kWh超 | 25.57円 | 24.30円 |
HTBエナジーへの申込方法の流れ
申し込むためには、主に「WEB上で申込を行う」「スマートメーターを設置する」が必要です。ただしスマートメーターの設置は業者が担当します。
WEB上で申込を行う
WEB上から申し込むことができます。新規申込の場合、電話での受付は行っていませんので注意してください。
なおハウステンボス限定ですが、ハウステンボス入場ゲートやお客さまセンターから申し込むことも可能です。
スマートメーターを設置する
HTBエナジーが既存の電力会社を解約するとともに、地域の電力会社がスマートメーターを設置します。供給開始日はHTBエナジーが既存電力会社と調整後に決定し、メールで連絡してくれます。
新電力への変更方法、解約方法の流れ
HTBエナジー内部での契約容量やプランの変更、別会社への切り替え、引っ越し時の解約方法についてご説明します。
契約容量やプランを変更する場合
契約容量や料金プランを変更する場合は、HTBエナジーお客さまセンター(050-3852-1193)へ連絡してください。
HTBエナジーから別会社へ切り替える場合(引っ越しなし)
HTBエナジーから別会社へ切り替える場合は、はじめにHTBエナジーお客様センター(050-3852-1193)へ連絡してください。その後に新たな電力会社に電話します。
引っ越しをする場合
引っ越し先でHTBエナジーを使い続ける場合、お引越し先の供給地特定番号とご請求書の郵送先のご住所をHTBエナジーお客様センター(050-3852-1193)まで連絡します。
解約する場合
HTBエナジーお客様センター(050-3852-1193)へ連絡して解約手続きを行います。1年未満で解約する場合(引っ越しを除く)、2,160円(税込)の違約金が発生しますので注意しましょう。なお、1年経過後はいつ解約しても違約金は発生しません。
まとめ
HTBエナジーの電気料金プランは、時間帯や何らかのセット申込などの条件を必要とせず、どのエリアやプランでも一律で既存プランより5%割引になります。料金プランのシンプルさが最大のメリットですから、あまりたくさんのプランがありすぎても選ぶのに困ると思っている人・家庭にはうってつけです。
1年未満で解約すると違約金がかかるのがデメリットではありますが、特に1年で解約する必要もないでしょう。