ご祝儀袋には外袋と中袋がありますが、そのどちらにもきちんと書くべきことがあります。
書き方にも決まりがあり、それらをきちんとわからないままに書いてしまうと「常識がない」と思われてしまうこともあるのです。
ここでは、中袋の金額の書き方や氏名、住所の書き方、またお札の入れ方などの決まりをみていきます。しっかりとした知識を身に付け、どんな場合でも失礼がないようにしていきましょう。
ご祝儀袋には外袋と中袋がありますが、そのどちらにもきちんと書くべきことがあります。
書き方にも決まりがあり、それらをきちんとわからないままに書いてしまうと「常識がない」と思われてしまうこともあるのです。
ここでは、中袋の金額の書き方や氏名、住所の書き方、またお札の入れ方などの決まりをみていきます。しっかりとした知識を身に付け、どんな場合でも失礼がないようにしていきましょう。
ご祝儀袋の中袋には、おもて面に包んだ金額、裏面に氏名と住所を縦書きで書きます。金額は表の中央に大きめに書き、金○○円とします。
ここで、「金 ○○円 也」などといったように、金額の最後に「也」をつけるのかどうか、わからない人も多いと思います。
結論としては、「也」を書く必要はありません。
もともと「也」とは、端数がなくぴったりです、の意味です。昔は○○円の下に「銭」という単位がありました。十円、と書いても、三十銭、などと後から書き足してしまうこともできたわけです。
そういう書き足しや改ざんを防ぐために、ぴったりの場合は「也」をつけたと言われています。
今は円より下の単位はないわけですから、也をつけなくてもよい、となったわけです。
そして、表書きの金額のところは、旧字体の漢数字を使うことが正式であると言われています。
これも改ざんをふせぐ意味合いがあるからで、例えば、一万円は線を一本足すと十万円、になってしまいますね。二万円も、線を足すだけで三万円になってしまいます。
そういうことから、正式には旧字体の漢数字を使いましょう、ということになったようです。
余談ですが、数字の改ざんを防ぐために、戸籍や登記などの法的な文書でも旧字体の漢数字を使うことが義務付けられているそうです。
このように、中袋に金額を書く場合は旧字体の漢数字が正式なのですが、かといって普通の漢数字を使うことが失礼にあたるというわけではありません。
近年ではこだわらない人も増えており、若い人などは普通の漢数字で書く人も多くなっているようですが、正式なマナーとしては「旧字体の漢数字で書く」ということを覚えておきましょう。
旧字体での漢数字の書き方です。
日本には縁起の悪い数字と言われているものがあり、その数字がつく金額は避けなければなりません。
「四」は死を連想させる数字、「六」は慶事では避けるべきとされている数字、「九」は苦をイメージさせる数字ということで避けなければなりません。
「六」をなぜ避けるべきかと言いますと、六は「獣の数字」と言われており、堕落や悪魔を指す数字であるとも言われているからです。
「四、六、九は縁起が悪く、避けるべき数字」ということを覚えておきましょう。
ご祝儀袋の中袋に、包んだ金額や名前、住所を書くのは礼儀です。
包んだ金額や自分の名前を堂々と書くのはちょっと気が引ける、という人もいるかもしれませんが、きちんと書いた方が相手のためになるのです。
例えば結婚式の場合、実際にご祝儀を受け取る側は、受付の人から、外袋から出した中袋のみをまとめて受け取る、ということが少なくありません。
それを芳名帳と合わせてチェックし、たくさんいただいた方には別に内祝いを用意したり、お礼状を送ったり、という作業があります。
中袋に包んだ金額や住所氏名などの情報がきちんと書かれていないと、色々取り紛れているうちにいくらいただいたのかわからなくなってしまったり、お礼状のために一から住所を調べ直したり、というような負担をかけてしまうこともあるのです。
そのような理由から、中袋には包んだ金額、名前、住所を楷書でしっかりと記入する必要があります。
もちろん、郵便番号もしっかりと書いてあげる方が親切です。
忘れずに記入しておきましょう。
ご祝儀袋の中袋の書き方で迷うのは、「中袋も筆書き(筆ペン)で書かなければいけないのか」ということですね。
包んだ金額を書くのはともかく、住所を書く場合は字も小さいので、筆書きで綺麗に書くのは至難の業かもしれません。
書くのは大変なのですが、マナーとしては、やはり中袋も毛筆(筆ペン)で書くのが礼儀とされています。
サインペンは使ってもよいのですが、ボールペンは事務的な印象を与えてしまうのでマナー違反。万年筆も避けたほうがよいでしょう。
サインペンは、最近では筆風サインペンというのがあって、とても扱いやすいようですので、筆ペンで書くのが難しい、という人は使ってみてはいかがでしょうか。
綺麗に書くことも大切ですが、気持ちを伝えるためにも礼儀にのっとり、ボールペンや万年筆は使わず、筆(もしくは筆ペンや筆風サインペン)で心を込めて一生懸命書くのが一番よい方法です。
きっと気持ちが伝わることでしょう。
ご祝儀袋を購入したら、たいていは中袋もついているものなのですが、水引きが印刷されているような少額用の祝儀袋だと中袋がなしで外袋だけ、という場合もあります。
このようなときは、裏面に包んだ金額、氏名、住所を書きましょう。
先方が必要な情報ですので、このような場合もしっかりと記入するのがマナーです。
ご祝儀袋の中袋に記入する場合、包んだ金額、氏名、住所とも縦書きで書くのが一般的です。
しかし、コンビニなどで購入できるご祝儀袋の中には、中袋にあらかじめ金額や氏名、住所などが記入できる欄が印刷されている場合があります。
この場合は、横書きであってもその記入欄をもとに、各項目を埋めていく、という形で問題ありません。
金額を横書きで書く場合は、無理に漢数字を書かず、算用数字でも大丈夫です。
ご祝儀袋の中袋に新札を入れたとき、のりなどで封をした方が丁寧なのかな?と迷う人もいると思いますが、中袋にのりづけし、封をする必要はありません。
これは、受け取った人がお金を出しやすくする配慮からきています。
結婚式などでは、ご祝儀の数はかなりの数にのぼります。
それらの中袋すべてがのりづけで封をされていると、それを開けるために思った以上に多大な労力がかかってしまうのです。
このような理由から、中袋はのりづけなどはせず、そのままで外袋に入れるのが正しいやり方です。理由がわかると納得ですね。
ご祝儀袋の中袋にお金を入れるとき、決まった向きというのがあります。
中袋の表側を上にした状態で、肖像画側が上に見えるように入れます。
お札は新札にして、きちんと揃えて入れましょう。
ただ、肖像画側を上にするか、下にするか(中袋の底の方にくるようにするか)ということは、地域によっても差があるようです。
特に地方に住んでいる場合などは、できれば周りの友人や年長者に聞いてみましょう。そのほうが安心できますね。
めずらしいパターンですが、ご祝儀袋を買ったとき、中に厚紙が入っていることがあります。
これは何かに使うのか、それとも捨てるのか・・・よくわからず、困ってしまう人も多いと思います。
このような厚紙は祝儀袋の型崩れを防ぐために入っているので、お金を包むときは捨ててしまって構いません。
忘れずに取り出すようにしましょう。
少額用のご祝儀袋などには、中袋が付属していない場合があります。このようなときは、どのような入れ方をすればよいのでしょうか。
中袋なしのご祝儀袋の場合は、お金をそのまま入れるのではなく、奉書紙や厚手の半紙などに包んだり、白い封筒に入れてから外袋に入れましょう。
家にそれらのものがない場合、コピー用紙で代用しても構いません。お金をそのまま入れるのは避けるようにします。