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格安SIMへ変更する前に「本当に必要な通信速度」について考えよう!

 

格安SIMは、毎月のスマートフォンの利用料を少なくするために多くのユーザーが大手キャリアから乗り換えを行っています。

しかし、安いものには理由があるもの、時には品質を犠牲にして値段を安くしている商品・サービスのあるものですが、スマートフォンの場合はどうなのでしょうか?

スマートフォンを利用するに当たっての品質を比較するための指標の一つとして「通信速度」というものがあります。

数字で表示されているものではありますが、数字だけ比較してもわからないことも少なくありません。

格安SIMに乗り換えるにあたって、実際にスマートフォンを利用する上で必要になる通信速度とはどのようなものかということについて解説していきます。

 

目次

通信速度とは

「通信速度」とは、「Mbps」という単位で表されることが多いもので、意味としては「1秒間辺りに送受信できるデータの量」という意味があります。

基本的には、この数字が大きいほど快適にスマートフォンでデータ通信が可能になります。

格安SIMを比較するにあたって、各MVNOのページでは「最大◯◯Mbps」という表記で紹介されています。

しかし、常にその通りの通信速度が出るわけではなく、端末や通信環境などにも依存し、MVNOごとにユーザー数の多さで通信速度に変化は発生します。

基本的に、「高速通信」と呼ばれるプランでは「Mbps」という単位が使われており、「低速通信」と呼ばれる場合には「Kbps」という単位が使われる事が多いです。

    1Mbps=1000Kbps

(本当は1024Kbpsだが、実質的な違いはほとんど存在しない)であり、低速通信のほとんどが200Kbpsであるため、Mbpsに換算すれば0.2Mbpsにしかならず、高速通信の通信速度とは大きく離れたものであることがわかります。

通信速度には「上り」と「下り」があり、同じプランでも上下で通信速度が異なります。

上りとは「アップロード」のことで、自分の端末からインターネット上にデータを送信する際の通信速度です。

下りとは「ダウンロード」のことで、インターネット上から自分の端末にデータを受信する際の通信速度です。

インターネットをするのに必要な通信速度

さて、通信速度に関する基本的なことを理解できたところで、次に「インターネットを利用する際に必要になる通信速度」について解説していきます。

ここで言う「インターネットをする」というのは、インターネット上でサイトを閲覧するために必要な通信速度という意味です。

結論から言えば、インターネットを問題なく利用するためには1Mbps、重いページでも素早く開くためには2Mbps、最低でも700Kbpsが必要であると言えます。

閲覧するサイトの内容次第で必要な通信速度も異なりますが、1Mbpsあれば大抵のサイトは問題なく開くことができます。

体感時間で言えば、1Mbpsで「初めて閲覧するサイトを開く」という場合、ページ全てを開くのに10秒もかからないことが多いです。

なお、「初めて閲覧する」というのは、履歴がある場合だと腕に読み込んでいるファイルは読み込む必要がなく、表示に必要な時間が大幅に削減されるからです。

通信速度が700Kbps未満の場合だと、読み込みには15秒以上の時間がかかることが多いです。

よく開くサイトであれば5秒程度で開けることもありますが、調べ物をするのには適していない通信速度であるといえます。

通信速度が2Mbpsもあれば、新しく閲覧するページであっても5秒以下で開ききることができることが多いです。

何か調べ物があり、今まで閲覧したことがないページをいくつも開く場合でも、ほとんどストレス無く開くことができるはずです。

アプリをダウンロードするのに必要な通信速度

次は、「アプリをダウンロードするために必要な通信速度」について解説します。

結論から言えば、通信速度は速いに越したことはありませんが、最低でも3Mbpsは通信速度が欲しいところです。

例えば、50MBの容量を持つアプリをダウンロードする場合に、3Mbpsの通信速度でダウンロードを行う場合だとかかる時間は約120秒~150秒ほどです。

3分もあればダウンロードが完了するスピードであるということになります。

これが1Mbpsしかない場合だと、約400秒ほどかかる計算になります。ダウンロードの完了まで7分近くかかる計算になりますので、それなりに不便に感じる可能性があります。

当然ながら、1Mbpsを下回ればそれだけダウンロードの完了まで時間がかかることになります。

さらに言えば、データ容量の大きなアプリをダウンロードする場合だと、上記の時間以上に多くの時間を要することになります。

100MBを超える容量のアプリをダウンロードしようと思ったら、10分以上の時間を取られてしまうことも普通に考えられます。

加えて、格安SIMの場合だと「通信が混雑しやすい時間帯=昼間」にダウンロードを行うと通信速度が低下し、さらにダウンロードの完了まで時間を必要とすることになります。

YouTube等の動画を見るのに必要な通信速度

次は、YouTubeなどに代表される「動画の視聴に必要な通信速度」について解説していきます。

これは視聴する動画の画質設定や再生時間等にも依存しますが、1Mbpsあればある程度の環境を維持することはできます。

動画の視聴においては最低でも500Kbpsあれば、よほど高画質で動画を視聴しない限り停止を繰り返すようなことはないと言えます。

通信速度が1Mbpsもあれば、ある程度の高画質な視聴でもそこまでストレスを感じること無く動画を再生することができます。

動画の視聴に関しては、通信速度よりも「高速通信のデータ容量」の方を気にしたほうが良いかもしれません。

高速通信は、基本的に「1ヶ月あたり◯GBまで」という制限があり、動画の視聴はそれなりの容量のデータ通信を発生させます。

低速通信になれば200Kbpsという遅い通信速度になり、動画の視聴も停止を繰り返すどころかまともに再生することすら出来なくなってしまいます。

つまり「通信速度の速さ」にこだわるよりも「通信速度を維持するために、通信制限をかけられないための十分な容量」の方を重視したほうが快適なスマホライフを維持できるということです。

格安SIMの通信速度で「最大◯Mbps」表記には気を付けよう

通信速度を理解する上で忘れてはならないことの一つに「最大◯Mbps」という表記の意味です。

簡単に言えば、これは「カタログスペック」であり、常にこの通信速度が維持されるという意味ではありません。

実際にスマートフォンでデータ通信を行う場合、そのプランで出せる最大通信速度で通信ができることはまずありません。

最大だと150Mbps以上の通信速度が記載されていると思いますが、実際に出せる通信速度は2桁まで落ち込みます。

どのMVNOでも一律で同じ割合の通信速度になるというわけではなく、「ユーザー数がどれだけいるか」「MVNEはどこか」と言ったポイントで差が生じます。

通信する時間によっても、通信速度は大きく異なります。ユーザーが集中する昼間は通信速度が遅くなりやすく、ユーザーがあまりいない深夜はそれなりの通信速度になりやすいです。

さらに、「上下」にも差があります。上下とは前述の通り「アップロード」と「ダウンロード」の違いです。

前述までのスマートフォンの利用方法の場合だと、基本的に下り通信速度を重視する必要があります。

アップロードは動画投稿サイトなどを利用する際に重視する必要があり、そうでない場合は上り通信速度はそこまで重視しなくても構いません。

格安SIMはMVNO業者ごとに通信速度が大きく異なる

次に、MVNOごとに通信速度が異なるということについて解説していきます。

有り体に言えば「速いMVNO」と「遅いMVNO」がある、ということになります。比較対象によっては、平均的な通信速度に何十倍という差が生じることもあります。

通信速度に関しては、格安SIMについて紹介しているサイトに、実際の通信速度(実際に使用したユーザーの意見から総合して)についての雑感が掲載されていることが多いです。

例えば「UQ-mobile」「DMM mobile」「IIJmio」といったMVNOは、MVNOの中でも通信速度が速いことで有名です。

とは言え、ネット上の意見は古いものもあり、数ヶ月で通信速度に大きな変化が発生することが珍しくない格安SIMにおいては情報の鮮度が重要です。

以前は通信速度が速かったMVNOも、ユーザー数やその他の変化で通信速度が悪化している可能性があります。

逆に、設備の改善等で通信速度が速くなるケースもあります。

しかしながら、現状で通信速度が遅いMVNOを「将来的に通信速度が速くなるだろう」と期待して契約することは現実的ではありません。

MVNOとしても「通信速度が速い」ということは格安SIMの価値を高めてユーザー数を増やすきっかけにはなりますが、通信環境の改善を行うことは簡単なことではありません。

別記事でも解説していますが、場合によっては1年ほど準備期間が必要な場合もあります。

通信速度の速さを重視するのであれば、最新情報で「通信速度が速いMVNO」を選んでおくことが無難です。

格安SIMは使用する時間帯によって通信速度が全然違う

先ほども触れましたが、格安SIMは「使用する時間帯」によっても通信速度が変化します。

簡単に言えば「昼間は通信速度が遅い」のに対して、「深夜帯は通信速度が速い(遅くならない)」と言えます。

具体的な理由は、「ユーザーの集中度合い」つまり「密度」の問題です。

通信速度が低下しやすい時間帯は「平日の昼」「平日の夕方~夜」「平日の朝」といった「多くのユーザーがスマートフォンをいじる時間帯」です。

昼は「昼休み」で、夕方~夜は「帰宅後」、朝は「出勤・通学前」の時間帯です。

そして、その間の時間帯は仕事中だったり授業中だったりと、平日であればスマートフォンをいじることができない時間帯なので、通信速度が速めになります。

基本的に上記の「ユーザーが集中する時間帯」は通信速度が低下するので、アプリをダウンロードするなどのようにある程度の時間、通信を行い続けなければならないアクションを実行する際にはこれらの時間帯を避ける必要があります。

また、MVNOごとに「通信速度が低下しやすい時間帯の、通信速度の低下具合」も異なります。

つまり、「昼間でも通信速度がそこまで低下しないMVNO」もあれば「昼間は著しく通信速度が低下するMVNO」もあるということになります。

スマートフォンを利用する頻度が高い時間帯に通信速度低下があまり見られないMVNOを選ぶことでストレス無くスマートフォンを運用することができます。