現在、無線通信サービスでも「高速通信」が当たり前の時代になりました。
外出先でスマートフォンによる動画視聴やゲームができるのは、全て高速無線通信が実現したおかげです。
一方、この「高速通信」と反対の言葉で「低速通信」というのがあります。
名前を聞いたことはあるかと思いますが、この低速通信というは、基本的に「最大速度が1Mbps以下」のデータ通信のことを指します。
今回は、この「低速通信」と「格安SIM」「無制限」をテーマに徹底解説していきます。
速度制限後のデータ通信が「低速通信」であることはお分かりいただけたかと思います。
ただし、始めから低速通信で提供している格安SIMプランもいくつか存在します。
楽天モバイルのベーシックプラン(高速通信が使えない代わりに、月額料金は格安の525円)
楽天モバイルのスーパーホーダイ(最大速度1Mbps、月間データ容量無制限)
TONEモバイルの基本プラン(最大速度600Kbps、月間データ容量無制限)
UQモバイルのデータ無制限プラン(最大速度500Kbps、月間データ容量無制限)
つまり、低速通信とは、「速度制限後のデータ通信」や「元から低速通信の格安SIMプラン」など、最大速度が1Mbps以下のデータ通信すべてを意味するのです。
以下に、低速通信のパターンをまとめてみました。
契約しているプランのデータ容量を使い切った場合→速度制限による低速通信
短期間(基本的に直近3日間)で大量のデータ通信を行った場合→速度制限による低速通信
最初から低速通信の格安SIMプラン
バースト機能による低速通信
こういった場合には、下記の「低速通信でできること」をしっかりと理解した上で利用することが重要になってきます。
低速通信が、遅いデータ通信(最大速度1Mbps以下)であることはお分かりいただけたかと思います。
ではこの「低速通信」で、できることはどれくらいあるのでしょうか?
ここで詳しく見ていきましょう。
低速通信と言っても、意外にできることはあります。
ただし、当然高速通信と比較すると、とてつもなく遅いです。
それでも、「できることもあるよ」と言った感じです。
基本的に「データ通信量が少ないアクション」であれば、低速通信でも使用可能です。
なので逆に言えば、同じアクションでも、個別の事情でデータ通信量が多くなれば、低速通信が影響して何らかの悪影響を受ける可能性は高いということです。
例えば、インターネットの閲覧で言うと、開くWebページがテキストのみの場合と、画像やデザインが豊富な場合だと、後者は圧倒的にデータ通信量が多くなり低速通信の影響をもろに受けてしまいます。
続いて、「低速通信」でできないことを詳しく解説していきます。
低速通信で大きな影響を受けやすいのは、やはり「データ通信量の多いアクション」になります。
なので、低速通信で動画を視聴するのはかなり難しいでしょう。
詳しくは後述しますが、低速通信の無制限プランの中には、下記の例ができるものもいくつかあります。
ただし、速度制限後の低速通信(最大速度200Kbps以下)の場合、下記のアクションはほぼ不可能です。
こうしたアクションを行う場合、速度制限時の低速通信(最大速度200Kbps以下)では「ほぼ利用できない」と考えておいた方が良いでしょう。
そのため、通信制限時にはこれらのアクションは諦めなければなりません。
対処法としては、「Wi-Fiを活用」「データ容量をチャージ」が挙げられます。
そして、もし頻繫にデータ容量を超過して通信制限にかかるようであれば、「より多くのデータ容量プランに切り替えること」をおすすめします。
低速通信の無制限プランの中には、最大速度が500Kbps以上の格安SIMがいくつかあります。
そして、同じ低速通信と言えども、最大速度が200Kbpsから500Kbps以上に変わると。自ずとできることも増えます。
例えば、最大速度500Kbps以上の格安SIMには、下記のようなものがあります。
こういった格安SIMであれば、高画質でない動画であれば視聴できたり、音楽の再生も可能です。
ただし当然、通信速度は、使用する端末や通信環境によって大きく左右します。
これまで読んでいただいて、「低速通信」についてはご理解いただけたかと思います。
次は、利用する格安SIMを選ぶ上で「低速通信」がどう関わってくるのか見ていきましょう。
まず、格安SIMによっては「低速通信時にも速度制限がある」というポイントです。
通常、契約しているプランのデータ容量を超過することで、速度制限がかかり、「高速通信」から「低速通信」へと切り替わります。
しかし実は、MVNOによっては、低速通信の使い過ぎによる速度制限も設けられていたりするのです。
これは元から低速通信のプランでも、この速度制限の対象になる格安SIMもあったりします。
格安SIMの速度制限で最も多いのが「最大速度200Kbpsまで通信制限」です。
そして、この状態からさらに速度制限がかかってしまうと、一般的に「最大50~100Kbps」まで速度が落ちると言われています。
この速度だと、上記で「低速通信でできること」を紹介しましたが、それらのアクションも全て難しくなります。
>「プランのデータ容量を使い切ったら、翌月まで低速通信で我慢するタイプ」
>→この速度制限がないMVNOのSIM
>「通信速度は多少遅くてもいいから、月間のデータ容量を気にしたくないタイプ」
>→低速通信の無制限SIM
次に、「バースト機能(バーストモード)があるかどうか」というポイントです。
バースト機能とは、低速通信時でも、最初の数秒間だけ高速通信が使える機能です。
もっと具体的に言うと、最初のWebページを開くときだけ高速通信に切り替わるので、低速通信時でも少しだけ快適に利用できます。
もちろん、数秒間だけの高速通信なので、膨大なデータ通信量を使う場合だと意味はありません。
バースト機能は、「低速通信でも可能なアクション」の中で、「少し違和感があるもの」を改善してくれる機能と言えばイメージしやすいかもしれません。
>「プランのデータ容量を使い切ったら、翌月まで低速通信で我慢するタイプ」
>「速度制限後の低速通信状態で少しでも快適にデータ通信をしたいタイプ」
次は、高速通信と同様、「低速通信も格安SIMによって速度が違う」というポイントです。
低速通信時の速度は、MVNOによって全然違います。
そして、それは「速度制限時の低速通信」と「元から低速通信の格安SIMプラン」でも異なります。
下記でこの2つを分けて記載していますのでご覧ください。
最大240Mbps
OCN モバイル ONE、イオンモバイルのタイプ2
最大200Mbps
楽天モバイル、mineo、DMMモバイル、LINEモバイル、UQモバイル、IIJmio、イオンモバイルのタイプ1
最大120Mbps
Y!mobile、nuroモバイル
最大60Mbps
FREETEL
以上のように、低速通信でも「速度制限時」と「元から低速プラン」で速度は大きく違います。
そして、その中でもMVNOによって速度に違いがあることがお分かりいただけたかと思います。
これまで何度か紹介しましたが、元から低速通信の格安SIMプランの多くは、1ヶ月のデータ容量に上限ナシのいわゆる「無制限SIM」です。
実は、この「低速通信の無制限SIM」は、少し前までは数社のMVNOしか取り扱っていませんでした。
しかし、需要の高まりとともに、この「低速通信の無制限SIM」プランを提供するMVNOが増えてきました。
ここでは、その理由とどんなユーザーにこのプランがおすすめなのか見ていきましょう。
一昔前の「3G回線」が主流だった頃の携帯電話市場は、「パケット使い放題」「データ通信無制限」が携帯料金プランの中心でした。
その後、「4G」「LTE」の時代になると、速度は飛躍的にUPしましたが、さまざまな理由で「データ通信が無制限のプラン」を提供することが難しくなりました。
しかし、以前の「ネット使い放題」に慣れ親んだ方の中には、今の「データ容量の残りを気にしてなければならない」プラン体系にストレスを感じてしまうユーザーが一定数いました。
そして、それが「速度は求めないからネット使い放題のプランが欲しい」という需要の高まりに繋がり、低速無制限SIMを取り扱うMVNOが増えていったのです。
次に、格安SIMに乗り換える最大の目的は「節約」だと思います。
しかし、データ通信を大量に行うユーザーは、契約するプランを「10GB以上」もしくは「20GB・30GB」といった大容量のデータプランにしなければなりません。
そうなると結局、月々の料金は高額になってしまうので、格安SIMへ乗り換える一番の目的が薄れてしまうのです。
また、データ容量を使い切ったあとのチャージ追加も同様です。
これもその都度お金がかかってしまいますし、面倒ですよね。
スマートフォンの性能は年々進化しています。
つまり、通信環境が同じでも、端末のスペックが上がるとデータ通信はより快適になります。
これは、低速通信にも言えること。
ですので、端末の性能が上がると、「低速通信でできること」や「実感速度」が変わってくるということです。
「データ通信は大量に行うが、コストはできるだけ抑えたいタイプ」
「最大速度500Kbps以上の低速通信であれば、普段使いに全く問題ないというタイプ」
先の章で、「低速通信は格安SIMを選ぶ上でどう考えればいいのか」そのポイントを詳しく見てきました。
最後にその上でおすすめの格安SIMをランキング形式でご紹介します。
まず始めにおすすめの「低速通信の無制限SIM」から見ていきましょう。
低速通信が無制限の格安SIMで最もおすすめなのが「TONEモバイル」。
「TONEモバイル」は、あのTSUTAYAが提供している格安SIMサービスです。
1番おすすめできる理由は、なんと言っても「月額1,000円」というその安さです。
速度に関しても、TONEの最大速度は600Kbpsなので、低速通信ではありますが、普段使いであれば全く問題ありません。
さらに、この月額1,000円の基本プランには、「データ容量無制限」だけでなく
といったサービスも付随しています。
次に低速通信が無制限に使える格安SIMでおすすめなのは「楽天モバイルのスーパーホーダイ」。
このスーパーホーダイの最大の特徴は、低速通信の格安SIMプランの中で最高クラスの「最大速度1Mbps」という速度です。
※通信が混み合う時間帯(12:00~13:00、18:00~19:00)は、最大速度300Kbpsまで低下します。
また、
から利用することができます。
上で紹介した「TONE」「楽天モバイル」は、通信回線がdocomoの格安SIMです。
ですので、もしau端末で「低速通信の無制限SIM」を利用したい場合は、「UQ mobileのデータ無制限プラン」がおすすめです。
最大速度は500Kbpsで、データSIMと音声通話SIMのどちらか選択できます。
※UQ mobileのデータ無制限プランは、SIMカードのみ契約しか対応していません。(端末セット購入は不可)
続いて、元から低速通信のプランではなく、「高速通信のデータ容量を使い切ったあとの低速通信が無制限に使える格安SIM」の中でおすすめのMVNOをご紹介します。
速度制限後の低速通信が無制限に使える格安SIMで最もおすすめなのは「mineo」。
mineoは、通信速度を切り替えることができる「バースト機能」を搭載しています。
そして、mineoをおすすめする最大の理由は、この「バースト機能」の評判が格安SIMの中でトップクラスに良いからです。
バースト機能(バーストモード)を搭載している格安SIMは、「OCN モバイル ONE」「DMM mobile」「IIJmio」などいくつかありますが、どうせ利用するなら評価が高いものがいいですよね。
次に、速度制限後の低速通信が無制限でおすすめの格安SIMは「OCN モバイル ONE 」。
理由は、バースト機能を搭載していることと、速度制限後の最大速度が他の格安SIMよりも少しだけ速く、実際口コミ等にもそういう声が見られるからです。
格安SIMの通信制限による最大速度で、最も多いのが「最大200Kbps」なのですが、このOCN モバイル ONE は「最大240Kbps」。
たった「40Kbps」の差といえばそうなのですが、この差が意外に大きいのかもしれません。
そして、さらに「バースト機能」を備えていることが、低速通信の高評価につながっていると思われます。