携帯料金を節約したい!「月1,000円以下」の格安SIM特集
月1,000円以下の格安SIMの選び方のポイント
スマートフォンを安く利用するために「格安SIM」に乗り換えるという動きが浸透し、多くのユーザーが格安SIMの恩恵を受けています。
そして、どうせ安いなら「毎月1,000円以下」という真に安い料金で利用したいと思われる人も多く居られるかと思います。
そして実際、その値段で利用することができる格安SIMはいくつか存在しています。
しかし、値段だけで格安SIMやプランを決めてしまうのは、あまりにも浅はかだと言わざるを得ません。
値段を見ることはもちろん重要ですが、後で後悔しないためには「それ以外のポイント」についてもきちんと確認しておく必要があります。
手動で高速通信と低速通信を切り替えることができるかどうか
まず、手動で「高速通信」と「低速通信」を切り替えることができるか、というポイントです。
格安SIM独自のサービスの一種であり、これが使えることが1,000円以下の格安SIMを利用する上での最大のポイントと言っても過言ではありません。
通常、格安SIMは高速通信のデータ通信容量の大きさがそのまま料金にも反映します。
つまり、大容量プランであるほどに料金も高くなり、逆に言えば「安い料金はデータ容量が少ない」ということになります。1,000円以下のプランだと、多くても3GBの容量が限界でしょう。
限られた容量で1ヶ月保たせる方法はいくつかありますが、その中に「通信速度の切り替え」という方法があるのです。
低速通信時の通信はデータ容量に影響しないデータ通信であるため、少ない容量でも保たせやすくなります。
必要なときだけ高速通信に切り替えておき、メールの送信やインターネットの閲覧のようにあまり多くのデータ通信を行わない時には低速通信に切り替えることがオススメです。
バースト機能があるのかどうか
次に「バースト機能」の有無に関してです。バースト機能とは、低速通信時でも最初の数秒間だけは高速通信が可能になるという機能です。
最初の数秒だけなので、動画の再生のように膨大な量のデータ通信を行う場合だとあまり効果を発揮しません。
しかし、メールの送信のようにデータ量の少ない場合だと、数秒間の高速通信だけでデータ通信が完了するので、実質的に低速通信時でも高速通信と同じ環境でデータ通信が行えるということになります。
この機能を利用することができるMVNOは限られていますが、利用できると慣れば大きな強みとなります。
低速通信の使い過ぎによる速度制限がないのかどうか
最後に、「低速通信時の速度制限の有無」に関してです。
通常、高速通信時には「1ヶ月の許容量を超える場合」と「短期間で膨大な量のデータ通信を行う場合」のどちらかで速度制限がかけられるのですが、既に速度制限がかかっている場合でもさらに速度制限を受ける場合があります。
この場合は、後者の「短期間での膨大なデータ通信」と同じ特性があります。
低速通信時でもある程度の量のデータ通信を行ってしまうと、ただでさえ遅くなっている通信速度がさらに低下してしまいます。
通常の低速通信であればメールの送信等には影響のない程度の通信速度が確保されているのですが、ここからさらに通信速度が低下するとスマートフォンで行うあらゆるデータ通信に支障が出るほどの通信速度となってしまいます。
まとめ(一覧表)
以上、3つのポイントについて解説しました。
ここで、これら3つの特徴に関して各MVNOでこれらに該当するのかどうかについて以下の表にまとめてみました。
通信速度の切り替え機能 | バースト機能 | 低速通信時の速度制限 | |
mineo | あり | あり | なし |
DMM mobile | あり | あり | あり |
楽天モバイル | あり | なし | なし |
FREETEL | あり | なし | あり(?) |
IIJmio | あり | あり | あり |
OCNモバイルONE | あり | なし | なし |
b-mobile おかわりSIM | なし(チャージ分はあり) | なし | あり |
BIGLOBE SIM | なし | なし | なし |
NifMo | なし | なし | なし |
この中で、全ての条件が揃っているのは「mineo」だけであることがわかります。
他のMVNOの場合はどれかの条件が満たされていないものばかりなので、その点を気にしなくても良い場合には選択肢としては十分に魅力的であると言えます。
「b-mobile」の場合は、通常のデータ通信容量に関しては高速通信の切り替え機能はありません。
しかし、低速通信後のチャージ分に関しては切り替えをすることができます。
低速通信時のさらなる速度制限に関しては、基本的に「3日で366MB」という目安がありますが、あまり数字に関して厳密に考えても意味がありません。
低速通信時にアプリや音楽のダウンロード、動画の再生のようなデータ通信量の多いアクションを行えば確実に速度制限を受けると考えておけば十分です。
月額1,000円以下のプランを提供しているMVNOを紹介
それでは、具体的に「1,000円以下(1,000円+α程度の金額を含む)で利用できるプランを提供しているMVNO」について解説していきます。
高速通信と低速通信の切り替え可能
まずは「高速通信と低速通信の切り替え機能があるMVNO」から紹介します。
mineo(ドコモプラン)
1つ目は「mineo」です。
料金表を見ると、データ通信専用SIMであれば「500MB」「1GB」「3GB」の3種類のプランが、SMSありのプランであればそれぞれ+120円ずつで利用できるので、3GBのプランでも1,020円で利用することができます。
ポイントとしては、やはり前述の3つの条件が全て整っていることが大きな特徴です。
ユーザーにとって使いやすい特徴となりますので、初心者はトラブルなく利用することができますし、ベテランは使い勝手の良い格安SIMとして活用することができます。
また、mineoは格安SIMでも珍しい「docomo系・au系の好きな方から選ぶことができる」という特徴があります。
キャリア間の変更が手数料2,000円で可能だったり、mineoユーザーならキャリア間でのパケットシェアも可能という使い勝手の良さを発揮してくれます。
着実にユーザー数を増やしているMVNOの一種であり、ユーザー間の交流の場として活用することができる「マイネ王」の魅力も引き立ちます。
初心者ユーザーが何かトラブルを抱えた際に、「知恵袋サイト」のような形で先輩ユーザーからアドバイスを受けることができます。
その他にもユーザー目線での各種サービスの提供が行われていますので、多くのユーザーにとって魅力的なMVNOの一種であると言えます。
DMM mobile
次は「DMM mobile」です。
料金表には数多くのプランが紹介されていますが、その中で1,000円以下で利用できるものは「ライトプラン(低速通信)」「1GB」「2GB」「3GB」のデータ通信専用およびSMS機能付きSIMです。
ちょっと高くなりますが、通話SIMでも1,000円台で利用することができます(1GBの通話SIMは1,260円で利用可能)。
ポイントとしては、「通信速度切り替え」と「バースト機能」が利用できることですが、低速通信時にも速度制限がかけられるという点ではmineoに劣ります。
ですが、DMM mobileの魅力は「料金の安さ」にあります。
業界最安値を掲げているDMM mobileは他社の同規格プランと比較して安い料金で利用することができるので、節約志向のユーザーにとっては魅力の大きなMVNOであると言えます。
ただし、通信速度に関しては少し弱いところもあります。そこまで遅い通信速度ではありませんが、ユーザーの集中する時間帯だとそれなりに遅く感じることもあります。
この点を除けば、通信速度の切り替えとバースト機能を安い料金で利用することができる、優秀なMVNOであると評価することができます。
楽天モバイル
次は「楽天モバイル」です。料金表を見れば、低速通信のベーシックプランと、高速通信の3.1GBパックの2種類を利用することができます。通信速度の切り替えは可能なのですが、バースト機能がないことがネックです。
ですが、楽天モバイルを利用するポイントは、「楽天ポイント」にあります。楽天市場で利用することができる楽天ポイントは、楽天モバイルとの相性が非常に良いのです。
楽天モバイル契約中は楽天市場でのポイント獲得量が2倍になり、さらに楽天モバイルの利用料に応じてポイントが貰えます。料金の安さだけでは計ることのできないお得さがあるということになります。
FREETEL SIM
次は「FREETEL」です。
自社のスマートフォンを展開しているMVNOでもあり、自社スマホと格安SIMのセット販売も魅力です。
料金表では「100MB」「1GB」「3GB」の3つのプランを1,000円以下で利用できるのと、+140円でSMS機能も利用可能、さらに1GBまでなら通話SIMも1,000円前後で利用することができます。
ポイントは、格安SIMでは珍しい「使った分だけ料金に反映する」というシステムです。
通常、格安SIMを利用する場合はあらかじめプランを決めておき、それに応じた料金を毎月支払うことになります。
FREETELの場合はその月のデータ通信量を計算し、それに応じた段階の料金を支払うというシステムなので、過不足なく高速通信を満喫できるという特徴があります。
しかし、通信速度に関してはそこまで期待できません。前述の3つのポイントに関しては通信速度の切り替えだけが可能なところもマイナスとして大きいです。
特に低速通信時のさらなる速度制限は100Kbps未満になることが多く、まともにデータ通信ができなくなってしまいます。この点は決して無視することができません。
IIJmio
次は「IIJmio」です。
料金表を確認すると、1,000円以下で利用できるのは3GBの「ミニマムスタートプラン」だけになります。
通信速度の切り替えとバースト機能が使えることは魅力ですが、低速通信時の速度制限があることはマイナスポイントです。
その他のポイントとしては、その月に余ったデータ容量を翌月に持ち越すことができ、無駄が発生しにくいということが挙げられます。
多くのMVNOで提供されているサービスの一種なのですが、このMVNOが真っ先に提供開始しているという特徴があります。
ユーザー目線で役に立つ機能を最前線で提供するという特徴は、ユーザーにとって利便性が高いと言えます。
かつては通信速度の安定性が魅力のMVNOでもあったのですが、ユーザー数が増えてきたことによるものか、最近ではそこまで安定した速い通信速度は維持できなくなっています。
特に、ユーザーが集中するお昼の12時頃だとかなり通信速度が落ち込みますので、この時間帯に使いたいというユーザーにとっては大きなデメリットとなりかねません。
OCN モバイル ONE
次は「OCNモバイルONE」です。
料金表を見ると、「1日110MB」というコースが、1,000円以下で利用することができます。
これを見るとわかるとおりに、他の格安SIMとは違って「毎月」ではなく「1日あたり」という単位で利用することができるプランです。
ポイントとしては、バースト機能以外の2つの条件が整っていることと、ユーザー数がダントツに多いということが挙げられます。
ユーザー数が多いので特定の時間帯での通信速度の低下が目立ちますが、ネットを通じて同じキャリアユーザーの意見を聞きやすいという特徴もあります。
さて、「1日◯MB」というプランの強みがどこにあるかと言えば、「通信速度制限を受けた場合の復旧の早さ」にあります。
例えば1ヶ月3GBという容量の場合、20日の時点で3GBを使ってしまうと10日間は通信速度が遅いままになります。
しかし、1日◯MBのプランの場合はその日の夕方に通信速度を受けた場合に、日付が変わればすぐに通信速度が元に戻ります。
通信速度制限の復旧が早く、しかも低速通信時のさらなる通信速度制限もないので、ライフスタイルによっては非常に使いやすいプランだと言えます。
高速通信と低速通信の切り替え不可
ここからは「通信速度の切り替えができないMVNO」について解説します。
b-mobile おかわりSIM
まずは「b-mobile」です。
料金表では、「1GB」「2GB」「3GB」を1,000円以下の料金で利用することができます(SMS機能付きの場合、3GBでは1,130円と若干超える)。
ポイントとしては、先ほども説明した「使った分だけ通信料金が変わる」というシステムで、データ通信量を把握できていない初心者にとっては無駄のないシステムとして利用することができます。
ただし、こちらの場合は「通話SIM」がないということも特徴の一つです。
ですが、料金を抑えたいユーザーが選ぶMVNOとしては、実はあまりオススメとは言えません。
その理由は「3つの条件、全てが満たせてない」ということです。通信速度切り替えとバースト機能がなく、低速通信時でも通信速度の制限を受けてしまいます。
5GBを超える場合にはチャージによって高速通信を行うことができますが、それ以外の場合は通信速度を切り替えることができません。
「1,000円以下で利用する」ということが前提なので、実質的にこのMVNOでは通信速度は切り替えることができないということになります。
BIGLOBE SIM
次は「BIGLOBE SIM」です。
料金表では、「エントリープラン(3GB)」を1,000円以下で利用することができます。低速通信時の速度制限はありませんが、通信速度の切り替えとバースト機能を利用できないという点は大きなネックとなります。
ポイントとしては、BIGLOBEやサービスの関連した各種特典が用意されていることです。
BIGLOBE会員になれば毎月の料金を200円割引され、6GBの「ライトSプラン」も1,250円で利用できるのでお得です。
ですが、やはり通信速度切り替えとバースト機能が使えないという点は大きなマイナスポイントとなります。
なので、BIGLOBE SIMのプランは1,000円以下で利用する際にはかなり狭苦しく感じてしまう可能性があります。
BIGLOBE会員になれば6GBのプランが1,250円で利用することができますので、1000円を少し超えますが比較的現実味のあるプランになるのではないかと思います。
NifMo
最後は「NifMo」です。
1,000円以下で利用できるのは「1.1GBプラン」と「3GBプラン」の2種類です。3GBの場合、SMS機能付きだと1,000円を少し超えてしまいます(1,050円)。
ポイントとしては、このMVNOも通信速度切り替えとバースト機能が使えないこと、代わりに低速通信時の追加速度制限がないということです。
料金に関しては「バリュープログラム」という、特定のサービスやアプリのダウンロードなどによって料金を割り引くシステムです。
そちらを利用すれば、それなりにお得に利用することができます。上手く活用することができれば、5GBのプランでも1,000円以下で利用することも不可能ではありません。
通信速度は、あまり期待できるものではありません。一時は日を追うごとに通信速度が低下しているという現象も報告されています。
通信速度の速さと安定性を重視するのであれば、あまり有効な選択肢ではないかもしれません。
月1,000円以下のおすすめ格安SIMは?
最後に、月額1,000円以下で利用することができる格安SIMの中で、当方が特にオススメする2つのMVNOについて紹介します。
mineo
まずは「mineo」です。
先ほどの表でも解説していますが、mineoは主要なMVNOの中で唯一「通信速度の切り替え」「バースト機能」「低速通信時のさらなる速度制限」という3つの条件を満たしている格安SIMです。
それらのポイント以外にも、通信速度が速い速度で安定しているという点も大きなメリットとなります。
普段は可能な限り低速通信でデータ通信容量を温存しておき、動画の再生や音楽のダウンロードなどのように通信速度の速さが求められる場面では思う存分高速通信を行うことができます。
もう一つのメリットとして「フリータンク」の存在が挙げられます。フリータンクは他のmineoユーザーが余らせた容量を毎月1GBまで引き出して高速通信を利用できるというサービスです。
1,000円以下だと最大で3GBまでしか高速通信を利用できないのですが、常にフリータンクに十分な容量があることを前提とすれば実質的に最大で4GBまで利用できるということになります。
このように、mineoはユーザー向けのサービスが揃っており、初心者からベテランまで非常に使い勝手の良い格安SIMに仕上がっていると言えます。
幅広いユーザーにとって満足できる格安SIMとして、オススメさせていただきます。
DMM mobile
もう一つは「DMM mobile」です。mineoに比べると「低速通信時のさらなる速度低下」の面で劣りますが、この格安SIMの強みは「豊富な料金プラン」と「料金の安さ」にあります。
1,000円以下だとあまり選択肢はありませんが、1GBのプランはmineoの半額近い安さで利用できますし、1,000円をちょっと超えますが音声通話プランも利用できなくもありません。
DMM mobileは「業界最安値」を目指しているMVNOであり(昨今はその傾向が薄れているようですが)、どのMVNOと比較してもその安さがとても目立ちます。
格安SIMに料金の安さを最上位で求める場合であれば、間違いなく最高の選択肢となることでしょう。
通信速度に関しては先ほどの件もあり、加えて通常時の通信速度もmineoには劣る部分があります。
そのため、コストと通信環境の両立を考えるのであればmineoの方がオススメなのですが、安さを重視したいというのであればDMM mobileがオススメであると言えます。