健康維持に欠かせない成分と考えられるヒスチジン。
この成分は、どのような効果・効能を発揮するのでしょうか。
また、どのような食品に含まれているのでしょうか。
ヒスチジンに期待できる効果・効能とヒスチジンを含む食品などを解説します。
利用を検討している方は参考にして下さい。
健康維持に欠かせない成分と考えられるヒスチジン。
この成分は、どのような効果・効能を発揮するのでしょうか。
また、どのような食品に含まれているのでしょうか。
ヒスチジンに期待できる効果・効能とヒスチジンを含む食品などを解説します。
利用を検討している方は参考にして下さい。
最初に、ヒスチジンの概要を解説します。
ヒスチジンはどのような成分なのでしょうか。
ヒスチジンは塩基性アミノ酸のひとつです。
様々なタンパク質に含まれますが、中でもヘモグロビンに多く含まれていることが知られています。
また、腐敗・分解してヒスタミンを生じることも知られています。
ヒスチジンは、ギリシャ語で組織を意味します。
1985年まで、ヒスチジンは乳児期で準必須アミノ酸、それ以降で非必須アミノ酸と考えられていました。
大人で非必須アミノ酸に分類された理由は、ヒスチジンが欠乏しても窒素のバランスは乱れないと考えられていたからです。
しかし、信頼性の高い研究でヒスチジンが欠乏すると窒素のバランスが乱れ、これによって現れた異常がヒスチジンの投与で元に戻ることが分かり必須アミノ酸に分類され直すこととなりました。
必須アミノ酸に分類されますが、体内で合成することは出来ます。
ヒスチジンは、体内で合成できる唯一の必須アミノ酸です。
ただし、体内で十分な量のヒスチジンを合成できるのは大人だけです。
乳児期は、多内で必要とされる量のヒスチジンを合成することは出来ません。
そのため、乳製品や鶏肉、青魚などから摂取することが求められます。
ヒスチジンは子供の成長などに欠かせないアミノ酸だからです。
ヒスチジンには様々な効果・効能を期待できます。
ヒスチジンの重要な働きのひとつが、子供の発育に関わることです。
子どもは体内で十分な量のヒスチジンを合成できないので、食品などから補う必要があります。
発育のほかでは、神経の働きの補助や集中力、記憶力の向上などにも関わると考えられています。
子どもが積極的に摂りたい成分といえるでしょう。
ヒスチジンは、腐敗・分解されることでヒスタミンを生じます。
ヒスタミンには、交感神経を刺激して脂肪の燃焼を促進する働きがあります。
また、脳内で満腹中枢を刺激して食欲を抑制する働きも期待できます。
これらの働きから、ヒスタミンを生じるヒスチジンはダイエットに役立つ成分といわれることがあります。
ちなみに、食べ物をよく噛むとヒスタミンの分泌が活発になります。
よく噛むと満腹になりやすいのはこのためです。
ヒスチジンから生じるヒスタミンには、血管を拡張する働きもあります。
この働きから血圧を下げるなどの働きも期待できるといわれることがあります。
ヒスチジンは、身体に様々な影響を与える可能性のある成分です。
ヒスチジンの様々な働きの中で、特に注目を集めるのがヒスタミンを生じることです。
ヒスタミンはどのような成分なのでしょうか。
詳しく解説いたします。
ヒスタミンは、神経の伝達などに関わっているホルモンです。
肥満細胞で生成され、刺激を受けると肥満細胞から放出されます。
放出されたヒスタミンは、受容体と結びつくことでその作用を発揮します。
受容体にはいくつかの種類があるので、どの受容体と結合するかで働きは異なります。
ヒスタミンが、胃に多く存在する受容体と結びつくと胃酸が分泌されます。
脳や血管に多く存在する受容体と結びつくと、アレルギー反応や炎症が起こります。
つまり、花粉やハウスダストなどの刺激を受けると、肥満細胞からヒスタミンが放出されて、ヒスタミンが受容体と結びつくことで鼻づまりやくしゃみ、かゆみなどのアレルギー症状が引き起こされるのです。
ヒスタミンはアレルギー反応に関わる物質です。
アレルギー反応に関わるというと悪者のように思えますが、必ずしもそうとは言えません。
ヒスタミンには、免疫系で伝達物質として働き身体を守る側面もあるからです。
また、ヒスタミンには脳を活性化するなど重要な働きもあります。
抗ヒスタミン剤(アレルギーの薬)でヒスタミンの働きを阻害すると眠くなるのは、脳を活性化するヒスタミンの働きが阻害されるからです。
確かに、過剰に活性化されると厄介ですが、ヒスタミンも重要な物質であるといえそうです。
ヒスチジンが気になる方は、どのように摂ればよいのでしょうか。
続いて、ヒスチジンの摂り方を解説します。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、ヒスチジンの推定平均必要量としてWHO/FAOUNU報告が示されています。
WHO/FAOUNU報告を紹介します。
ヒスチジン | |||
組織アミノ酸パタン | 27 | ||
維持アミノ酸パタン | 15 | ||
タンパク質必要量(g/kg体重/日)にチスルアミノ酸必要量(mg/kg体重/日) | |||
年齢 | 維持量 | 成長量 | ヒスチジン |
0.5 | 0.66 | 0.46 | 22 |
1~2 | 0.66 | 0.20 | 15 |
3~10 | 0.66 | 0.07 | 12 |
11~14 | 0.66 | 0.07 | 12 |
15~17 | 0.66 | 0.04 | 11 |
18以上 | 0.66 | 0.00 | 10 |
評点パタン(mg/g/タンパク質) | |||
年齢 | ヒスチジン | ||
0.5 | 20 | ||
1~2 | 18 | ||
3~10 | 16 | ||
11~14 | 16 | ||
15~17 | 16 | ||
18以上 | 15 |
摂取のタイミングに関して特別な決まりはありません。
食事から摂りたい方は食事のタイミングで、サプリメントなどから摂りたい方は好きなタイミングで摂ればよいと考えられます。
アミノ酸は空腹時に摂った方が良いといわれることが多いようです。
妊婦さん・授乳婦さんに対する付加量は定められていません。
はっきりとした安全性はわかっていないので、妊娠中・授乳中は、サプリメントなどの利用を控えたほうが良いと考えられています。
どうしても摂りたい方は、念のため医師に相談しましょう。
ヒスチジンが気になる方は、注意点も確認しておきましょう。
過剰摂取と欠乏の影響を紹介します。
食事などから適切に摂る限り、安全に利用できると考えられています。
副作用も報告されていません。
現在のところ、1日4gまでであれば副作用は出ないと考えられています。
基本的に、安全性の高い成分と考えられますが、好きなだけとって良いものではありません。
サプリメントなどを利用する方は、目安量を守りましょう。
ヒスチジンが長期間欠乏すると、血漿・筋肉中のヒスチジン濃度や血清アルブミンなどが低下して皮膚病変がみられると考えられています。
また、ヒスチジンは子供の成長に不可欠な必須アミノ酸です。
子どもで欠乏すると成長に悪影響を及ぼす恐れもあります。
体内で合成できますが、欠乏には注意したいアミノ酸です。
ヒスチジンを利用したい方は、相性の良い成分と相性のあまり良くない成分も抑えておきましょう。
ヒスチジンを効率よく利用できるはずです。
必須アミノ酸はバランスよく摂ることが重要です。
1種類の必須アミノ酸だけを重点的に摂ってもうまく働けないからです。
ヒスチジンが気になる方はその他の必須アミノ酸の摂取も心がけましょう。
一部の医薬品と相性があまり良くないと考えられています。
何かしらの医薬品を服用している方は、念のため医師に確認しましょう。
また、葉酸欠乏症の方がヒスチジンを摂るとトラブルを起こす恐れがあります。
葉酸欠乏症の方もヒスチジンを摂る前に医師に相談しましょう。
ヒスチジンは身近な食品から摂ることが出来ます。
具体的に、どのような食品に含まれているのでしょうか。
ヒスチジンは青魚に多く含まれています。
特に、多く含むのがカツオです。100g当たりの含有量は約2500㎎です。
様々な調理方法で食べられるので、ヒスチジンを摂りやすい食品といえます。
同じ青魚では、サバも豊富なヒスチジンを含みます。
100g当たりの含有量は約1250㎎です。
焼いても煮てもおいしいので、サバもヒスチジンを摂りたいときに利用したい食品です。
肉類では鶏むね肉がオススメです。100g当たりの含有量は約1900㎎です。
主食に利用すれば、効率よくヒスチジンを摂れます。
ヘルシーな点も魅力です。
同じく、豚ヒレ肉もヒスチジンを摂りやすい食品です。
100g当たりの含有量は約1600㎎です。
鶏むね肉と同じくヘルシーなので、豚ヒレ肉も利用しやすいはずです。
以上のほかでは乳類もヒスチジンを多く含みます。
その代表として挙げられるのがナチュラルチーズです。
パルメザンチーズ100gには約1200㎎、ゴーダチーズ100gには約1100㎎、チェダーチーズ100gには約790㎎のヒスチジンが含まれています。
ナチュラルチーズもヒスチジンを摂りやすい食品といえるでしょう。
ヒスチジンは、健康維持に欠かせない必須アミノ酸のひとつです。
子どもは体内で十分な量を合成できないので、特に意識して摂る必要があります。
ヒスチジンを積極的に摂りたい方は食品あるいは、サプリメントからも摂ることが出来ます。
現在では、様々なサプリメントが登場しているので、効率よく摂りたい方はサプリメントを利用するとよいかもしれません。