初めて出産する人はつい出産にばかり気がいってしまいますが、出産したら終わりではなく、そこから育児がスタートします。
実は育児をスタートさせる上で大切なのは入院中の過ごし方です。
入院中は産後指導や体力の回復を行う重要な期間です。実際どのように過ごすのか知っておきましょう。
初めて出産する人はつい出産にばかり気がいってしまいますが、出産したら終わりではなく、そこから育児がスタートします。
実は育児をスタートさせる上で大切なのは入院中の過ごし方です。
入院中は産後指導や体力の回復を行う重要な期間です。実際どのように過ごすのか知っておきましょう。
産後の入院期間は出産方法や産院によって異なります。一般的には経腟分娩は4日~7日、帝王切開の場合は10日~2週間程度になります。
筆者は計画帝王切開で出産したため、10日程度入院しましたが、出産前日から2日目までは絶食、さらにテレビ、携帯、読書も禁止され、体力の回復に努めました。
これは産院によるのですが、帝王切開の場合は経腟分娩に比べて体力の回復が遅いのです。
経腟分娩の場合、出産後2時間適度様子を見て部屋に戻ります。
一般的には、赤ちゃんのお世話は翌日からになりますが、最近では問題がなければ分娩直後から母子同室という産院もあります。
病院によって、病室は個室と大部屋に分かれます。個室の良いところは、気兼ねなくのんびりできるところで、大部屋の良いところは同じ出産体験をしたママたちと一緒に育児をスタート出来ることです。
筆者は全部屋個室だったため、友達は出来ませんでしたが、自分のペースでゆっくりと休むことが出来ましたし、友人や親戚が来ても気兼ねなく話すことが出来ました。
帝王切開で少しでも時間があれば休みたかったので、個室はちょうどよかったです。
病院によっては、個室か大部屋か選べるところもあります。それぞれ良さがあるので、事前に入院する際はどのようになるのか調べておきましょう。
一般的な入院の流れを見て行きましょう。病院によっても多少異なります。
経腟分娩の場合は、2時間程度分娩室で休息を取ります。
この時に子宮の回復具合や体調などを見て、問題がなければ部屋に戻ります。最近では分娩台の上で初めて授乳する病院も増えていますし、カンガルーケアと言ってママと赤ちゃんが直接肌と肌で触れ合うことも出来ます。
分娩後6時間前後でトイレへ行きます。多くの産院はその時に歩行をしますが、血栓症予防の観点から病室に行くときにすでに歩行するところもあるようです。
帝王切開の場合は、術後担架で病室まで運ばれます。出産から後処理まですべて部分麻酔で行う産院や出産後すぐに全身麻酔を使う産院などそれぞれです。
麻酔が切れ始めたら寝返りから始め、癒着予防で無理のない範囲で体を動かしていきます。
出産後、後陣痛という痛みがあります。これは子宮が元に戻るために収縮する痛みです。
一般的には経産婦の方が痛みは強いと言われています。痛い場合は遠慮なく看護師さんや助産師さんに相談しましょう。
経腟分娩の場合は、出産翌日から母子同室になる産院が多いです。ここから本格的な授乳やお世話がスタートします。
人によって母乳の出方はさまざまで、初めから沢山出る人もいれば、初めは全然でない人もいます。赤ちゃんが吸えばその分母乳は出やすくなるので、母乳育児を希望している場合はとにかく赤ちゃんにいっぱい吸ってもらいましょう。
経過が問題なければシャワーの許可が出ます。産褥体操を指導してくれる産院もあるようです。
帝王切開の場合は、まだ体が完全に回復していないので、ベッドの上で検診を行い、安静にして過ごします。母子同室になるまでにはもう少し時間が必要です。
2日目以降は産後指導を受けながら赤ちゃんのお世話をしていきます。基本的には毎朝ママと赤ちゃんの検査があり、出産後の経過を見ていきます。
会陰切開や会陰裂傷をした人、帝王切開の人は退院前に抜糸をします。赤ちゃんは先天性異常の検査を受けます。
帝王切開の人でも4日以降はシャワーの許可が出ます。病院によっては美容師によるシャンプーやエステのサービスがあるところもあります。
筆者が選んだ産院では、美容師によるシャンプー、退院前のフルコースなどが用意されていました。体調が悪い場合やゆっくり食事をしたい場合には赤ちゃんをナースセンターで預かってくれるところもあります。
出産後は思ったより体がダメージを受けています。無理せずに看護師さんや助産師さんに頼りましょう。また、気分が落ち込む、なぜか涙が出てくるなど産後ブルーに陥る人もいます。
これは出産直後から2週間程度で消えるものですが、入院中は体の痛みやダルさだけではなく、気持ちの落ち込みなどの相談にも応じてくれます。不安なこと、少しでもおかしいなと思うことは遠慮なく相談しましょう。
産院によって指導内容は異なりますが、必ず産後指導が入ります。以下の内容を入院中に確認しましょう。
母乳の上手な飲ませ方の指導を受けます。母乳をあげる姿勢は基本的に3種類あり、それぞれ特徴があります。
赤ちゃん自身も母乳を飲むのが上手でないので、時間がかかる場合もあります。吸えば吸うほど母乳は出ますし、ママも赤ちゃんも上手になります。
産院によって、母乳推薦のところは厳しく指導されることもあります。母乳の出方は本当に人それぞれで、筆者の場合、初めはあまり出なかったのですが、1ヵ月、2ヶ月経つと徐々に量が増えていきました。そんなケースもあるので、あまり思いつめずに進めて下さい。
病院によっては、ミルク作りの指導をしてくれるところもあります。仕事復帰が早い場合や混合希望の場合はどのようにミルクを与えれば良いのかもアドバイスをくれます。
また、ミルクを作っている会社の方が栄養指導に来てくれることもあります。色々なミルクの試供品などをくれることもあるので、体調が良ければ話を聞いてみましょう。
母子同室になる前に、母乳やミルク作りと同時におむつ替え指導が入ります。おむつ変えは回数が多いので、あっという間に慣れます。
おむつはどこのメーカーも大抵、濡れたら色が変わるラインが入っています。どのメーカーも黄色から青に色が変わったらおしっこをしているサインです。
また、うんちは健康のバローメーターです。ミルク、母乳、混合かによってもうんちは変わってきます。事前にどのようなうんちが健康かも指導されます。
新生児はへその緒がまだ付いたままです。赤ちゃんによっては入院中に取れることもありますし、退院後に取れることもあります。
へその緒の処理も含めて沐浴の指導が入ります。産院や市で開催される沐浴指導で習うこともありますが、人形と本物の赤ちゃんは異なります。パパが参加できる産院もあるようなので、その場合、パパも参加してしっかり勉強しましょう。
産後いつから夫婦生活を送って良いのか、次の妊娠までどのくらい開けるのが好ましいのかなどを指導されます。経腟分娩、帝王切開などによっても異なりますし、産後の経過によっても異なります。
最後は、退院指導です。退院後の赤ちゃんのお世話について、ママの体や精神面での注意点などが伝えられます。
特に初めての育児の時は退院するのが不安になるくらい心配のことが多いと思います。次に病院に来るのは1ヵ月検診です。しかし、その前に不安なことがあればどうすれば良いのか、産院で受けられる産後のサービスはあるのかなどをしっかり確認しておきましょう。
産後は、色々な指導や家族、友人が来て慌ただしく過ごしてしまいがちです。ただし、入院中で最も大切なのはママの体の回復です。退院すれば、育児は休みなくやってきます。
その時に、お世話が出来るようにしっかりと休んでおきましょう。母子同室でも辛い場合はナースセンターで預かってもらうことも出来ます。無理せずに何かあれば医師、看護師、助産師に相談をしましょう。