出産後の気分の落ち込みはマタニティブルー?産後うつとの違いはあるの?
妊娠出産ととても幸せな時間ではありますが、実は幸せを感じられないというママが多くいるのです。産後、気分の落ち込みやイライラするというのは、マタニティブルーや産後うつの可能性があります。
筆者自身も産後はマタニティブルーに悩まされた一人です。しかし、マタニティブルーの存在を知っていたので、いくつかの対処法を試すことですぐに改善することが出来ました。
もし、知らなければ不安定な気分に戸惑ってしまい、ひどい結果になっていたかもしれません。プレママはもちろん、現在気分が優れないママはもしかしたら、マタニティブルー、もしくは産後うつかもしれません。
目次
マタニティブルーとは?
マタニティブルーと産後うつは同様のものとして捉えている方もいますが、この二つは全く別のものです。それぞれの特徴と主な症状を確認しておきましょう。
特徴
マタニティブルーは出産直後から症状が出て、産後3~5日にピークを迎えます。その後症状は10日~2週間程度で治まっていきます。
このマタニティブルーは、出産を経験した女性の約半数が経験をします。
筆者の場合は、産後4日目から産後2週間程度続きました。筆者の場合、昼間は特に変化はなかったのですが、夜に症状が重くなる傾向にありました。
人によって症状も、程度も異なります。これは主にホルモンバランスの変化によって出てくるもので、多くのママが経験をしているものです。
幸せいっぱいのはずなのに、何かおかしいなと感じたらそれはマタニティブルーかもしれません。マタニティブルーは一過性のもので、ホルモンバランスが整えば自然と症状はなくなります。
主にみられる症状
症状は人によって異なりますが、下記のようなものが代表的です。
- わけもなく悲しくなったり、辛くなったりする
- いつもなら気にならないことが気になる
- 眠れない
- 不安な気持ちになる
- 育児や家事が億劫になる
産後うつとは?
マタニティブルーの特徴と主な症状を見ましたが、次に産後うつの特徴と主な症状を見てみましょう。
特徴
産後うつは、出産後数週間から数か月後に症状が出ます。症状は2週間以上続きます。
稀にマタニティブルーから産後うつに移行することもあるので、2週間以上症状が続く場合は産後うつの可能性があります。
出産をきっかけにしたうつ病は、通常のうつ病に比べて5倍以上と言われています。最近では、ママ一人で子育てを担わなければいけない状態で、育児疲れから産後うつに発展することもあるようです。
また、産褥期に無理をしたママも発症する可能性が高く、筆者が出産をした時は、保健師さんに産褥期は休まなければ、3ヶ月後に精神的なダメージが来るので注意しましょうと言われました。
主にみられる症状
- 原因は分からないけど不安感が続く
- 不眠状態が続く
- イライラする
- 食欲が湧かない、または過食気味
- いつも疲れている
- 人に対する愛情が湧かない
- 外見を気にしなくなった
- 何に対してもやる気が湧かず無気力
マタニティブルーと産後うつの違い
マタニティブルーと産後うつは症状が似ていますが、まったく異なるものです。2つの違いをまとめてみました。
マタニティブルーは病気ではないが、産後うつは病気
マタニティブルーはホルモンのバランスの乱れが原因で起こるものなので、病気ではありません。しかし、産後うつは、ホルモンのバランス以外にも原因があるため、通常のうつと同様に病気という扱いになります。
病気と言っても出産をきっかけにしたうつ病は誰にでも起こり得るものです。落ち込むことも自分を責める必要もありません。しっかり、治せば自分も赤ちゃんも家族も楽になります。楽しく子育てをするためにしっかり治していきましょう。
マタニティブルーは一過性だが、産後うつは症状が続く
マタニティブルーはホルモンバランスの変化によって起る一過性のものです。妊娠中にエストロゲンとプロゲステロンというホルモンが増加しますが、産後これらのホルモンは急激に減少します。
すると、脳の神経細胞の働き方が変わり精神状態が不安定になります。特にエストロゲンは急速に減少することで強い不安や孤独感を感じやすくなります。生理前にイライラしたり、気持ちが不安定になったりするのと同じで、ホルモンバラスが整えば症状はなくなります。
一方、産後うつはホルモンバラスの変化だけが原因ではないため、症状が続きます。そのため、心療内科や精神科での治療が必要となります。
マタニティブルーから産後うつになることも!?
稀にマタニティブルーから産後うつに移行するケースもあります。ホルモンバランスの乱れと心身の疲労が重なることが原因とされています。
気分が優れない状態が2週間以上続く場合は専門家に相談をすると良いでしょう。どこに相談すれば良いか分からない場合は、1ヵ月検診で産院の医師に相談するか、地区担当の保健師さん、助産師さんに相談すると良いでしょう。
マタニティブルーや産後うつの対処法
産後気分が晴れない日が続いた場合は、以下のような対処法で乗り切りましょう。マタニティブルーの場合、ホルモンバランスの乱れが原因なので解決をするのは難しいですが、少しでも気持ち良く過ごすためにいくつか対処法を知っておくだけで気分が変わります。
誰でも経験するものと割り切る
まず、マタニティブルーや産後うつは誰にでもなるということを理解しましょう。初めて出産するママはもちろん、2人目、3人目のママでもなる可能性はあります。
マタニティブルーは、2人目以降のママの方がなる確率が高いと言われています。1人目は初めての経験ばかりで心配になるのは当たり前と思うかもしれませんが、2人目の出産は上の子の面倒を見ながらの出産になります。
出産の様子も、その時々で異なりますし、1回経験している分不安も大きくなります。出産は必ず幸せを感じるだけのものではないと心得ておきましょう。
完璧を求めすぎない
今まで自分の努力で物事を解決してきたママは特に注意が必要です。育児に完璧はあり得ません。
育児で最も大変なのは、赤ちゃんの都合で生活をしていくことです。やりたいことがあっても赤ちゃんの様子によっては我慢しなければいけません。
どんなにママが頑張っても赤ちゃんは思い通りになりません。育児がうまく出来ない、家事が思うように進まなくても「まぁいいか」というおおらかな気持ちで接していくことが大切です。
1人で抱え込まない
人は元々、共同教養で子育てをしていました。しかし、時代は変わり、多くの家庭でママの育児負担が増えてしまいました。
エストロゲンが減少することで人は孤独を強く感じます。つまり、育児は本来一人で頑張るものではないのです。
孤独感や不安感を感じているのであれば、誰かに頼りましょう。一番はパパに話を聞いてもらうのが良いでしょう。
ただし、男性のほとんどがママの変化に気付くことが出来ません。パパに話しても気分が優れないという場合は、専門家やママ友、子育ての先輩に話を聞いてもらうと良いでしょう。
また、稀に男性もマタニティブルーに陥ることがあるようです。パパの様子がおかしいと感じた場合は二人でしっかり話し合いをしましょう。
適度に運動をする
産褥期は基本的に安静第一ですが、慣れない赤ちゃんのお世話と動けないストレスでうつ症状を悪化させる可能性もあります。産褥体操や家の周りを散歩するだけでも気分は変わります。
ただし、疲れやすい時期なので、遠出をしたり、激しい運動をしたりするのは控えましょう。赤ちゃんをお願い出来るならパパと散歩したり、お出かけしたりするのもオススメです。
まとめ
マタニティブルーや産後うつは誰にでも起こり得るものです。まず、そのことを知った上で、いくつか対策を知っておくだけで、悪化するのを防ぐことができます。
可能なら産後、数週間だけでもお手伝いをお願いして、気分転換をすると良いでしょう。気持ちに余裕があれば気分が落ち込んでも、こういう時期なのねとゆったり構えることが出来るものです。