九電みらいエナジーの電気料金プランは?申し込みの流れや解約方法
今回の記事では、(社名から受ける印象とは異なり)東京電力管内で電力供給を行っている「九電みらいエナジー」の電気料金プランをご紹介します。
九電みらいエナジー株式会社自体は福岡市に本社があり、もちろん九州電力の子会社の一つです。「キューデン・エコソル」の社名で2009年に設立され、2014年に現在の社名に変更されました。もともと再生可能エネルギー発電に関連した事業を九州地方中心に手がけていたのですが、2016年4月の電気小売自由化を機に関東エリアでの電力販売の開始に踏み切りました。
既存の東京電力よりも基本料金が低く設定されるとともに、料金に応じてJALのマイルがたまるプランを設けているのが特徴となっています。特徴や既存プランとの比較、申込方法などご説明します。
目次
九電みらいエナジーの料金プランやサービスの特徴は?
九電みらいエナジーの電気料金プランの特徴は、2つあります。
既存プランより安い基本料金・従量料金
既存の東京電力のプランよりも、基本料金は1割以上低く設定されています。従量料金の料金単価も、120kWh以降は九電みらいエナジーの各プランの方が安いです。詳細は後ほど改めてご説明しますが、東京電力の従量電灯Bと九電みらいエナジーの基本プランMを比較すると、240kWhを境に、それ以下だと東京電力、それ以上だと九電みらいエナジーの方が安い計算となります。
JALのマイルがたまるプラン
九電みらいエナジーの中には「JALマイルプラン」と題されたプランがあり、100円=1マイルの割合で電気料金に応じてJALのマイルを貯めることができます。JALカード(スタンダード)を買い物で使う場合は200円=1マイルなので、より効率的です。JALマイルプラン自体は基本プランより若干割高なのですが、JALのサービスを頻繁に利用する人であれば、むしろ割安に感じられるかもしれません。
九電みらいエナジーの電気販売エリア
東京電力エリアが九電みらいエナジーの電気販売エリアです。社名で見ると九州電力エリアが対象に見えますが、九州地方は販売対象エリアとなっていませんのでご注意ください。離島を除く東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県・静岡県の一部(富士川以東)が対象となっています。
九電みらいエナジーのオススメ電気料金プラン
九電みらいエナジーの料金プランは、基本プランのMとL、JALマイルプランのMとLで合計4種類あります。Mは東京電力の従量電灯B、Lは従量電灯Cに当たります。
基本プランM・L
前述の通り、基本料金は東京電力より安く、従量料金の料金単価も120kWh以降安くなります。そのため、電気使用量が増えれば増えるほど九電みらいエナジーの方がお得になります。
JALマイルプランM・L
JALマイルプランは、基本料金は15~30円ほど、従量料金の料金単価は0.5円前後基本プランより割高に設定されています。ただ、100円=1マイル換算でマイルがたまるため、うまくマイルを活用できればお得です。
既存の地域電力会社との徹底比較
既存の電力会社の料金プランと比較して、どれくらい安くなっているのか検証します。なお、関西電力および中部電力については、それぞれ東京電力エリアで販売しているプランを比較対象とします。また、低圧料金については一般家庭で利用しませんので、今回は割愛します。
東京電力との比較
東京電力の従量電灯Bと九電みらいエナジーの基本プランM・JALマイルプランMを比較したとき、料金の違いは以下の通りです。
|
基本料金 |
九電みらいエナジー |
東京電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
従量電灯B |
10A |
– |
– |
280.80円 |
15A |
– |
– |
421.20円 |
20A |
– |
– |
561.60円 |
30A |
712.80円 |
727.05円 |
842.40円 |
40A |
950.40円 |
969.40円 |
1123.20円 |
50A |
1188.00円 |
1211.75円 |
1404.00円 |
60A |
1425.60円 |
1454.10円 |
1684.80円 |
|
従量料金の料金単価 |
九電みらいエナジー |
東京電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
従量電灯B |
最初の120kWhまで |
23.30円 |
23.75円 |
19.52円 |
120kWh超~300kWh |
26.00円 |
300kWh超 |
26.00円 |
26.50円 |
30.02円 |
基本料金は九電みらいエナジーの方が低く設定されています。一方、従量料金の料金単価は120kWhまでは東京電力、それ以降は九電みらいエナジーの方が低く設定されています。その結果、基本プランMだと240kWh以降、JALマイルプランMだと295kWh以降、九電みらいエナジーの方が安くなります。逆に、それ未満ですと既存プランのままの方が安いということになります。
例えば、基本プランMと従量電灯Bを比較してみます。契約アンペアが30Aの場合、一月あたりの電気使用量が120kWhだと320円ほど従量電灯Bの方が安く、300kWhだと160円ほど、450kWhだと770円ほど基本プランMの方が安くなります。
次に従量電灯Cと基本プランL・JALマイルプランLの比較は以下の通りです。
|
基本料金 |
九電みらいエナジー |
東京電力 |
基本プランL |
JALマイルプランL |
従量電灯C |
1kVAあたり |
237.60円 |
242.35円 |
280.80円 |
|
従量料金の料金単価 |
九電みらいエナジー |
東京電力 |
基本プランL |
JALマイルプランL |
従量電灯C |
最初の120kWhまで |
23.30円 |
23.75円 |
19.52円 |
120kWh超~300kWh |
26.00円 |
300kWh超 |
26.00円 |
26.50円 |
30.02円 |
基本料金はやはり九電みらいエナジーの方が安いです。従量料金の料金単価については、九電みらいエナジーのプランMとL、東京電力の従量電灯BとCでは設定が全く変わらないため、プランLと従量電灯Cの単価の関係も変わりません。その結果、基本プランLは192kWh以降、JALマイルプランLだと244kWh以降東京電力より安くなる計算です。
関西電力との比較
関西電力のはぴeプラスと九電みらいエナジーの基本プランM・JALマイルプランMを比較すると以下の通りです。
|
基本料金 |
九電みらいエナジー |
関西電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
はぴeプラス |
10A |
– |
– |
– |
15A |
– |
– |
– |
20A |
– |
– |
– |
30A |
712.80円 |
727.05円 |
– |
40A |
950.40円 |
969.40円 |
– |
50A |
1188.00円 |
1211.75円 |
– |
60A |
1425.60円 |
1454.10円 |
– |
6kWまで |
– |
– |
1188.00円 |
6kWをこえる1kW |
– |
– |
388.80円 |
|
従量料金の料金単価 |
九電みらいエナジー |
関西電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
はぴeプラス |
最初の120kWhまで |
23.30円 |
23.75円 |
21.78円 |
120kWh超~300kWh |
300kWh超 |
26.00円 |
26.50円 |
30.24円 |
基本料金は単純に比較できませんが、従量料金の料金単価について見ると300kWhまでは関西電力の方が、それ以降の単価は九電みらいエナジーが安く設定されています。
その結果、基本プランMだと常に関西電力より安くなります。JALマイルプランMですと、233kWhまでは関西電力より安く、その後いったん逆転されますが、335kWh以降再び関西電力より安くなります。
中部電力との比較
中部電力のカテエネプランと九電みらいエナジーの基本プランM・JALマイルプランMを比較すると、以下の通りです。
|
基本料金 |
九電みらいエナジー |
中部電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
カテエネプラン |
10A |
– |
– |
280.80円 |
15A |
– |
– |
421.20円 |
20A |
– |
– |
561.60円 |
30A |
712.80円 |
727.05円 |
842.40円 |
40A |
950.40円 |
969.40円 |
1123.20円 |
50A |
1188.00円 |
1211.75円 |
1404.00円 |
60A |
1425.60円 |
1454.10円 |
1684.80円 |
|
従量料金の料金単価 |
九電みらいエナジー |
中部電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
カテエネプラン |
最初の120kWhまで |
23.30円 |
23.75円 |
19.42円 |
120kWh超~300kWh |
25.00円 |
300kWh超 |
26.00円 |
26.50円 |
26.00円 |
基本料金は九電みらいエナジーの方が安く、従量料金の料金単価は120kWhまでは中部電力が安く、その後300kWhまでは九電みらいエナジーの方が安くなり、300kWh超だとほぼ同じとなります。その結果、計算上だとどの電気使用量帯でも中部電力のカテエネプランの方が安いと言うことになります。
例えば基本プランMと比較しますと、契約アンペアが30Aで一月あたりの電気使用量が120kWhだと390円ほど、300kWhだと80円ほど、450kWhだと80円ほど中部電力の方が安くなります。
九州電力との比較
九州電力の従量電灯Bと九電みらいエナジーの基本プランM・JALマイルプランMを比較すると、以下の通りです。
|
基本料金 |
九電みらいエナジー |
九州電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
従量電灯B |
10A |
– |
– |
291.60円 |
15A |
– |
– |
437.40円 |
20A |
– |
– |
583.20円 |
30A |
712.80円 |
727.05円 |
874.80円 |
40A |
950.40円 |
969.40円 |
1166.40円 |
50A |
1188.00円 |
1211.75円 |
1458.00円 |
60A |
1425.60円 |
1454.10円 |
1749.60円 |
|
従量料金の料金単価 |
九電みらいエナジー |
九州電力 |
基本プランM |
JALマイルプランM |
従量電灯B |
最初の120kWhまで |
23.30円 |
23.75円 |
17.19円 |
120kWh超~300kWh |
22.69円 |
300kWh超 |
26.00円 |
26.50円 |
25.63円 |
基本料金は九電みらいエナジーの方が安く、従量料金の料金単価は九州電力の方が安いです。ただし、九州電力では東京電力エリア向けの電気販売を行っていないため、両社はエリアの競合がない点にご注意ください。
九電みらいエナジーへの申込方法の流れ
申し込むためには、主に「必要資料を手元に用意する」「Webで申込を行う」「スマートメーターを設置する」が必要です。ただしスマートメーターの設置は業者が担当します。なお、九電みらいエナジーのプランにはオール電化プランはないので、切り替える場合は注意が必要です。
必要資料を手元に用意する
申込のときに既存情報を入力する必要がありますので、事前に電気料金の検針票とクレジットカードを用意してください。また、JALマイルプランに申し込む場合はJALマイレージバンクお得意様番号を手元に控えておいてください。ちなみに入会金は必要ありません。
Webで申込を行う
ホームページから申込を行います。エリア(関東)を選択して、「他社からお乗換えのお申込み」をクリックしてください。
スマートメーターを設置する
電気の使用量を検知するためのスマートメーターを設置します。設置は担当業者が原則無料で作業してくれます。申し込んでから約2週間で利用開始となります。なお、スマートメーター設置の工事日程については東京電力の委託会社から電話連絡がなされます。
新電力への変更方法、解約方法の流れ
九電みらいエナジー内部での契約容量やプランの変更、別会社への切り替え、引っ越し時の解約方法についてご説明します。
契約内容を変更する場合
基本プランM・JALマイルプランMの場合は、ホームページから申込を行います。エリア(関東)を選択して、「ご契約内容のご変更のお申込み」のうち当てはまるボタンをクリックしてください。
基本プランL・JALマイルプランLの場合は、お近くの電気工事店に申込が必要です。なお、不明点については問い合わせフォームか電話で連絡してください。
九電みらいエナジーから別会社へ切り替える場合(引っ越しなし)
新しい電力会社に新規申込を行えば、その会社から九電みらいエナジーへ解約の連絡が入ります。自分から九電みらいエナジーへ連絡する必要はありません。
引っ越しをする場合
引っ越し先でも九電みらいエナジーを利用したい場合は、問い合わせフォームか電話で連絡してください。
解約する場合
解約希望日の約1週間前までであれば、ホームページから申込を行います。エリア(関東)を選択して、「電気ご使用停止のお申込み」をクリックしてください。引っ越しが差し迫っている場合は、電話で連絡してください。なお、解約に伴う違約金はかかりません。
まとめ
九電みらいエナジーをおすすめできるのは、ある程度(300kWh以上)電気を使用し、しかもJALのサービスを頻繁に利用する人です。料金は基本プランよりも若干割高ですが、マイルを効率的に貯められるメリットが大きいので、料金の分を補ってあまりあると考えられます。
一方、JALカードを持っていない人でも、家で240kWh以上毎月電気を使用するのであれば東京電力の従量電灯Bより安くなりますので、検討対象にしてもよいでしょう。ただ、中部電力のカテエネプランを含めこの会社より安いプランも複数存在しますので、サービス内容を含めてよく比較検討してください。