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モバイルWiFiルーターの選び方は?固定タイプとモバイルタイプの違い

 

パソコンでインターネットを利用したい場合、第一に考えられる方法は「固定回線」です。

しかしながら、固定回線は自宅内でしか利用できませんし、場合によっては配線が面倒になるなど、デメリットも少なくありません。

そんな場合であれば、「モバイルWi-Fiルーター」を利用するという方法があります。

しかしながら、単にモバイルWi-Fiルーターを利用すると言っても、どういったルーターを利用するかで使い勝手が異なりますので、ユーザーの需要に応じたものを選ぶ必要があります。

そこで今回は、モバイルWi-Fiルーターの選び方について解説していきます。

目次

「Wi-Fiルーター」の機器は2種類

まず、「Wi-Fiルーター」という分類で言えば、大きく分けて

  • 「固定タイプ」
  • 「モバイルタイプ」

の2種類があります。

それぞれ基本的な性能(対応端末に無線接続し、データ通信を利用することができる)は同じなのですが、それぞれどのようなものかということについて簡単に解説します。

固定タイプ

まずは「固定タイプ」です。「据え置きタイプ」と表現されることも多く、基本的に屋内・自宅内での利用が中心となります。

電源コードを持ち、LANケーブルを挿入して利用します。一般的に大型のものが多く、単純な機能面で勝ります。

モバイルタイプ

もう一つは「モバイルタイプ」です。

「モバイルWi-Fiルーター」と言えば、こちらのタイプになります(モバイル=移動式)。

基本的に屋外での使用、要するに外出中にインターネットを利用するために用いられます。

固定タイプとは異なり、持ち運ぶことを前提とするので基本的にサイズは小さく、ポケットに入るサイズのタイプのものもあります。

電源は内蔵型で、有線接続を必要とせずにデータ通信を行います。

2種類の「Wi-Fiルーター」それぞれのメリット・特徴は?

次に、固定タイプとモバイルタイプ、それぞれのWi-Fiルーターのメリットや特徴について解説していきます。

固定タイプ

まずは「固定タイプのルーターの特徴」についてです。

固定タイプのメリットとしては

  • 「端末の種類が豊富」
  • 「単純な通信性能でモバイルタイプに勝る」

という点が挙げられます。

端末は、通信性能に特化した大型アンテナを持つタイプや、固定タイプでもある程度の携行性能を持ったコンパクトサイズのタイプまで、種類が豊富なので好みの性能を持ったルーターを選びやすいです。

また、サイズが大きく有線接続するため、通信性能や処理能力が高く、一度に接続できるデバイスの数も基本的にモバイルタイプよりも多いです。

モバイルタイプ

次は「モバイルタイプのルーターの特徴」について解説します。

モバイルタイプのルーターのメリットとしては「持ち運びができる」の一言に尽きます。

持ち運びができるので、電波さえ届けば場所を選ばずにデータ通信を利用できるという点が特徴です。

固定タイプは基本的に有線接続を必要とするので、外出先では使えないことが多いです。

モバイルタイプのルーターは無線通信でデータ通信を媒介するため、無線で電波の届かない場所を除き、どこであってもインターネットを利用することができます。

ただし、単純な通信機能の面で言えば、固定タイプのルーターよりも劣ってしまいます。

総合的な使い勝手の話は別として、通信に関わる性能は固定タイプのルーターよりも数値上は劣ることになります。

データ通信の速度に違いがあったりするのか?

次に、データ通信の層殿違いなどについて解説していきます。

ルーター(固定orモバイル)の違いでというより、その他の全ての環境に左右される

先ほど「固定タイプの方が通信性能は上」という話をしましたが、通信速度などの通信品質は、ルーター単体で語られるべきことではないのです。

ルーターを用いてデータ通信を行う場合、ルーターの性能ももちろん重要ですが、それ以外のさまざまな環境が関わってくるということは理解しておかなければ、期待通りの性能を発揮しないことが多いです。

①契約しているネット回線のプラン自体の速度

まずは「契約しているプラン自体の速度」です。

通信サービスを利用するにあたっては、契約するプランによって「最大通信速度」が異なります。

一般的に「高速通信」と呼ばれる、100Mbpsを超える通信速度を最大値とする契約が多いのですが、中には数Mbpsか、数百Kbpsを最大値とする低速通信のプランも存在します。

低速通信のプランは出せる通信速度の最大値が遅いというデメリットがありますが、「使い放題である」という特徴を持っていることが多いです(実際には短期間の大量のデータ通信で制限を受けることもありますが)。

また、料金が安いといったメリットもあります。

そういった事情もあって低速通信のプランと知りながら契約することもありますが、通信速度の最大値はプランによって定められた最大通信速度を上限とします。

いくらルーターの性能が良くても、プランの通信速度が遅ければその性能が発揮されることはありません。

②無線LANの規格(11nは150~300Mbps、11acでは433Mbps~1.7Gbps)

次は「無線LANの規格」についてです。

これについては、詳しく解説すると専門用語だらけになってしまいますのでかいつまんでお話しますと、基本的に「11ac」という通信規格が「11n」の通信規格よりも通信速度が早くなります。

通信速度を重視したいという場合、ルーターが11acに対応していることが重要になります。

ただし、ただルーターが11acに対応しているというだけでは、快適な通信速度を満喫することはできません。

ルーターが11acに対応していて通信速度を速くするためには、前述の「プランの通信速度」だけでなく「利用する端末の対応通信規格」についても考慮する必要があります。

簡単に言えば、11acの通信規格に対応しているノートパソコンやスマートフォンを利用しないと、11acの魅力を十分に活かす事ができないのです。あくまでもルーターと接続端末の両方が同じ通信規格を有していないと、その通信規格を利用してのデータ通信が出来ないのです。

なお、「ルーター自体の性能」については、下記項目の『値段が高いルーターと安いルーターの違いは?』の方で詳しく解説していきます。

③通信エリア/使用する場所/時間帯など

最後は「通信環境」についてです。

これは

  • 「通信エリア」
  • 「通信する場所」
  • 「通信する時間帯」

が主な条件となります。

まず、通信エリアは「そのネット回線とエリアの相性」です。

モバイル通信は、最寄りの基地局の都合で、利用できる地域とそうでない地域があります。

特に、新しい通信技術を使った通信サービスの場合だと対応エリアが少なく、契約前にきちんと確認しておかなければなりません。

次に、通信する場所は「利用する際のルーターからの距離・障害物(壁の枚数や1階と2階など)の影響」のことです。

上記の通信エリアの内部であっても、電波が届きにくくなる屋内や地下、周囲を障害物に囲まれた場所等の場合は通信速度が低下したり、通信自体ができなくなる可能性があります。

使用する電波によって、障害物との相性も異なります。

最後は、通信する時間帯というのは「そのネット回線における、特定の時間帯だけ遅くなる事象」です。

基本的に、ユーザーが集中する昼間や夕方以降の時間帯だと、通信速度が低下しやすくなります。

そして、その通信速度低下の幅についても、利用するネット回線によって相性が異なります。

値段が高いルーターと安いルーターにはどんな違いがあるの?

次に、利用するルーターの「値段」の違いが、性能にどのように関わってくるのかということについて解説します。

よく「安かろう悪かろう」「安物買いの銭失い」といった言葉があるように、値段の安さはそのまま品質の悪さに直結するといういわれがありますが、これはWi-Fiルーターにも同じようなことが言えます。

ただし、値段の安いルーターが粗悪品だというわけではなく、「対応する通信規格が古いものが多い」ことが原因です。

通信規格については先ほど説明したとおりですが、新しい通信規格である11acは、安価なルーターでは対応していないことがほとんどです。

つまり、安いルーターは通信速度の遅い通信規格しか使えないので、通信速度が遅くなりがちなのです。

逆に、値段の高いルーターは速度の早い最新の通信規格に対応していることが多いです。

また、その他にも「アンテナが大きい」など、通信状況を良好にするための仕組みを備えていることが多いです。

前述の「通信環境」の件もあるので一概には言えないのですが、通信速度の速いデータ通信を利用したいと考える場合、ある程度値段の高いルーターを選ぶ必要があるということになります。

ただし、この特徴は基本的に固定タイプのルーターにだけ適用できると言えます。

なぜなら前述の通りモバイルタイプのルーターは固定タイプと比較して種類が少なく、キャリアに依存する割合が高いため選択肢がそもそも少ないのです。

ルーターの設定方法の違い

次に、ルーターを利用するにあたって必要な設定方法についておおまかに解説していきます。

専用アプリを使う方法

まずは「専用アプリを使った設定方法」です。

これは文字通り、そのルーターを利用するための設定を特定の青瓜を利用して行うという方法です。

この方法のメリットは、

  • 「設定方法が簡単である」
  • 「セキュリティが比較的強力なものが多い」

ということの2点です。

何と言っても「設定が簡単」なことは、初心者にとって大きなメリットとなります。

しかし、「アプリが使える」ということが基本となるので、そのアプリを使えない端末では設定の変更一つすら満足にできないという欠点があります。

ブラウザを利用する方法

次は「ブラウザを利用する設定方法」です。

これも文字通り、ウェブブラウザを起動して、そのブラウザ上で設定の変更を行うという方法です。

こちらの場合、「ブラウザを起動できればどの端末でも設定ができる」という点がメリットになります。

なので、ブラウザさえ起動できればゲーム機ですら設定変更が可能であるという点がメリットとなります。

しかし、専用アプリを使う方法と比較して設定が面倒なことが多く、端末の操作や設定に慣れていない人には少しハードルが高くなってしまいます。

ワンタッチで設定ができるタイプ

最後は「ワンタッチで設定を行うタイプ」です。

これは、ゲーム機などを中心に、ルーターのボタンを押すだけで自動的に設定が可能になるという設定方法です。

自動設定であるため、専用アプリ以上に操作が簡単で、規格さえ合致していれば時間を取られないという点がメリットです。

しかし、規格が合致するかどうかが大きな問題となり、基本的にメジャーな規格ではないので利用できる場面は限定的です。

「ニンテンドー3DS」など、携帯ゲーム機での利用が基本となります。

固定ルーター、モバイルルーターに適しているのはどのタイプ?

最後の「ワンタッチ設定タイプ」は除外するとして、固定ルーターの方はブラウザ設定、モバイルルーターの場合はアプリ設定がオススメです。

理由としては「セキュリティ」の問題があるからです。

モバイルルーターの場合、いわゆる「踏み台」と言って、第三者が勝手にそのルーターを利用してネットに接続する可能性があります。

そのため、「専用アプリを使えないと設定できない」「セキュリティが強固」という特徴を持ったアプリ設定タイプが適しているのです。

もちろん、自宅内で利用する固定タイプでもセキュリティは重要です。

ただし、こちらの場合だと「自宅内で複数の端末をネットに接続する」「外出時と比較してセキュリティの問題はそこまで重要視しなくても良い」という特徴から、複数の端末での設定に適したブランザタイプが適していると言えます。

ただし、マンションなどの集合住宅にお住まいの場合は近隣住民が「踏み台」を利用する可能性がありますので、セキュリティはきちんとしておきましょう。

まとめ

ここまで固定ルーターとモバイルルーターの違いについて論じてきましたが、単純に「こちらのほうが優れている」とも言い切れません。

例えるなら「自動車」と「自転車」を比較するようなものです。

どちらも移動手段で自動車のほうが速度は優れていますが、燃費や手軽さでは自転車のほうが優れています。

同じ分野で利用するものではありますが、固定ルーターは「自宅内での利用」を、モバイルルーターは「外出先での利用」を想定するので、実務的には全く異なる働きをします。

要するに、それぞれの場面で役立てば良いので、いくら性能が良くても外出先での利用を想定する人が固定ルーターを購入することは非現実的です。

そのため、ルーターの選び方としては「ルーターを利用する場面を想定する」ということが重要です。

自分が使いたい場面で役に立たないルーターは、いくら高性能なものでも無用の長物と化すのですから。