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WiMAXで固定された「グローバルIPアドレス」を利用したい場合は?

2015年2月からWiMAXのIPアドレスが「グローバルIPアドレス」から「プライベートIPアドレス」に切り替わっています。

そもそも「グローバルIPアドレス」ってどういうもの?

また変更後も「グローバルIPアドレス」を使うにはどうすれば良いのでしょうか。

目次

そもそも固定された「グローバルIPアドレス」とは何か?

最初から「グローバルIPアドレス」という言葉が出てきましたが、まずこれはどういうものなのでしょうか。

まず、IPアドレスには「グローバルIP」と「プライベートIP」があります。

ここでこの2つを簡単に説明しておきましょう。

グローバルIPアドレス

ネットワーク機器に割り当てられるIPアドレスのうち、世界中でたったひとつの番号が割り当てられるというものを「グローバルIPアドレス」と呼びます。

「グローバルIPアドレス」では、世界でたったひとつのIPアドレスとなるので、どこへ行っても他の機器が同じIPアドレスを持っていることはあり得ません。

プライベートIPアドレス

ネットワーク機器に割り当てられるIPアドレスのうち、同一ネットワークセグメント内でのみ固有の番号となるものを「プライベートIPアドレス」と呼びます。

「プライベートIP」では、「グローバルIP」と違って、同一セグメント内でのみ固有の番号となるので、セグメントが違えば、同じIPアドレスが存在する可能性があります。

固定IPアドレスと動的IPアドレス

IPアドレスには、

  • 番号が固定されていて変わることがない「固定IPアドレス」
  • サーバー側から自動的に割り当てられて変化することがある「動的IPアドレス」

があります。

従来WiMAXで提供されていた「グローバルIP」は「固定IPアドレス」でしたが、「グローバルIPアドレスオプション」では「動的IPアドレス」が提供されています。

したがって、「固定IPアドレスを使うためには、何らかの別の方法が必要になります。

これらをまとめると、「固定されたグローバルIPアドレス」とは、動的に割り当てられるのではなく、決まった世界中でたった一つの番号が割り当てられた「グローバルIPアドレス」のことを言います。

しかし、WiMAXで「固定されたグローバルIPアドレス」が必要になるのはいったいどういったケースなのでしょうか。

次の章では、このことについて考えていきたいと思います。

WiMAXで固定された「グローバルIPアドレス」が必要なケースは?

先ほどの章では「グローバルIPアドレス」とはどういうものか、「プライベートIPアドレス」との違いはどういったところにあるのか、ということについて見てきました。

そして、WiMAXから提供されるIPアドレスが「グローバルIP」から「プライベートIP」に切り替わった中、「グローバルIP」を使うためには「グローバルIPアドレスオプション」を契約する必要があるということに触れました。

しかし、改めて考えてみると、固定された「グローバルIP」が必要になるケースとはどういった場合なのでしょうか。

普通にインターネットやメールをするだけであれば「プライベートIP」で何ら問題はありません。

では、具体的にどういった場合に固定された「グローバルIP」が必要なのか見てみましょう。

・自宅などにWEBカメラを設置して、必要な箇所を外から確認する

→たとえば外出先からペットの様子を確認する。防犯目的など。

・外から自宅のパソコン等にリモートアクセス

→外出先から自宅のパソコンなどにアクセスし、ファイルを利用する。

・VPNの構築

→VPNのネットワークを設定するには全て固定IPである必要がある

・自宅(自社)にサーバーを設置

→サーバーに対して外部から接続するケースを考えると固定IPの方が運用しやすい

・固定IPアドレスを必要とするオンラインゲームをプレイ

→オンラインゲームでは固定IPが必要になるケースが多い

このように、WiMAXで普通にインターネットの閲覧やメールを使うだけなら「プライベートIP」でなんら問題はないのですが、ここに挙げたような目的でWiMAXを使うのであれば、固定された「グローバルIP」が必要となるので、「グローバルIPアドレスオプション」を契約する必要があります。

この章ではWiMAXで「グローバルIP」が必要になるのはどういったケースかということについて考えてみました。

通常のインターネットやメールでは必要ない「グローバルIP」も、意外とさまざまなところで必要になることがお分かりいただけたと思います。

次の章では、実際に固定された「グローバルIP」を使う方法について考えてみましょう。

WiMAXで固定された「グローバルIPアドレス」を利用する方法を紹介

「グローバルIP」から「プライベートIP」へと提供するIPアドレスを変更したWiMAX。

この場合、「グローバルIP」を使うためには「グローバルIPアドレスオプション」を申し込む必要があります。

ただし、このオプションでは、特定の決まった数値が割り当てられる固定IPアドレスではなく、サーバー側で自動的に割り当てられて変わることがある動的IPアドレスが提供されるのです。

しかし、先ほども挙げた上記5例では、固定の「グローバルIP」が必要になるのです。

では、WiMAXで固定された「グローバルIP」を使うためにはどうすれば良いのでしょうか。

ここでは、以下の3つの方法を紹介します。

①WiMAX提供プロバイダ→『ASAHIモバイル WiMAX』

これは、大手プロバイダの一つである「ASAHIネット」が行なっているサービスです。

このサービスでは、月額800円で通常は「動的IPアドレス」として割り当てられるIPアドレスを、「固定IPアドレス」として割り当ててもらえるというものです。

他の大手プロバイダ等のWiMAXサービスでは「動的IPアドレス」が割り当てられるところが、「固定IPアドレス」の割り当てが受けられるというのは非常に大きなメリットです。

さらに、「ASAHIネット」では、光ファイバーなどモバイルではない固定インターネット接続サービスを契約することで、この「固定IPアドレス付与サービス」が無料になるというキャンペーンも行なっています。

したがって、もし光ファイバーなどの契約もASAHIネットで行なっている場合は、無料で「固定IPアドレス」がもらえるのです。

②法人向け→『WiPLA(わいぷら)』

WiPLAでは、WiMAXの回線提供と併せて、「固定IPアドレス」を提供するサービスを行なっています。

VPN接続の提供やセキュリティ管理のしやすさ、クラウド用の管理など「動的IPアドレス」より「固定IPアドレス」が望ましいケースはたくさんあります。

このWiPLAは、特にそういった需要の多い法人向けのサービスとして、WiMAXの回線と「固定IPアドレス」を提供するサービスを行なっています。

③現在の状態で利用する方法→『マイIP』

「マイIP」は、インターリンクが提供しているサービスで、「固定IPアドレス」が利用中のプロバイダで使えない、あるいは提供されない場合でも「固定IPアドレス」が使えるようにするためのサービスです。

具体的には、このサービスでは、WiMAX接続を行う際にインターリンク社のVPNサービスに接続することで、同社から「固定IP」が提供されるという仕組みです。

簡単にその仕組みを説明すると、以下のようになります。

  1. インターリンク社のVPNサーバーにWiMAX経由で接続する
  2. 固定IPアドレスが割り当てられる
  3. VPNサーバー経由でインターネット接続ができるようになる

こういった流れで、VPNサーバーから割り当てられた固定IPアドレスを使ったインターネット接続が出来るようになっています。

この「マイIP」には、他の2つのサービス「ASAHIモバイルWiMAX」と「WiPLA」とは大きく異なるメリットがあります。

それは、既存のWiMAX契約をそのまま利用することが出来るということです。

例えば「ASAHIモバイルWiMAX」では、利用するためにはWiMAXの契約をASAHIネットに変更する必要があります。

別のプロバイダでWiMAXを契約したまま「固定IPアドレス」だけをASAHIネットから提供してもらうということが出来ないのです。

現在他のプロバイダでWiMAXを使っていて、「固定IPアドレス」を使うためにASAHIネットのサービスで利用したい場合は、既存のWiMAXプロバイダを解約してASAHIネットに乗り換える必要があるのです。

これは、大きなデメリットです。

なぜなら、WiMAXの契約は通常の場合2年を単位としており、それに満たない場合は高額の違約金を支払う必要が出てくるためです。

④まとめ

この「固定IPアドレス」を使うためには、プロバイダを乗り換える必要があるというのは、「WiPLA」についてもまったく同じです。

この「WiPLA」も、やはりWiMAX回線とセットになったサービスであり、利用するためには既存のWiMAXプロバイダではなく、「WiPLA」に契約し直す必要があります。

そうすると、やはりこちらも「ASAHIモバイルWiMAX」と同様に解約に伴う高額の違約金などといった問題が出てきます。

これに対して、まったく違ったアプローチとなるのが「マイIP」です。

「マイIP」では、プロバイダを乗り換えるといったことで「固定IPアドレス」を使えるようにするのではなく、「既存のWiMAX契約をそのままに、固定IPアドレスを使う」ということを実現するサービスです。

したがって、既存のWiMAXプロバイダ契約を解約する必要がありませんので、違約金などの問題もありません。

加えて一点補足しておくと、「WiPLA」は、法人向けのサービスであり、個人で利用することは出来ません。

したがって、使えるケースが限られてくることに注意しましょう。

改めて「固定IPアドレス」を使うための方法についてのポイントをまとめてみました。

  • 方法は「ASAHIモバイルWiMAX」「WiPLA」「マイIP」の3つがある。
  • 「ASAHIモバイルWiMAX」「WiPLA」はWiMAX契約も同時に行う必要があり、既存のプロバイダは解約しなければならない
  • 「マイIP」は既存のWiMAX契約をそのまま使うことが出来る
  • 「WiPLA」は法人向けのサービスであり、個人で利用することは出来ない

このように「固定IPアドレス」はいくつかありますが、どれも一長一短があります。自分にあったものをしっかりと見極めて使うようにしましょう。

さいごに

本記事では、WiMAXで「プライベートIPアドレス」ではなく「グローバルIPアドレス」を使う方法について説明してきました。

2015年2月以降、WiMAXプロバイダでは、従来までの世界中でたった一つの「グローバルIP」に変わって、「プライベートIP」と呼ばれる同一ネットワークセグメント内でのみ一意なIPアドレスへの変更が行われています。

しかし、「グローバルIP」が必要なケースは、上述のようにさまざまに存在します。

さらに、これらのケースでは「固定IPアドレス」を必要とします。

IPアドレスの割り当て方法には、決まった数値を固定して割り当てる「固定IPアドレス」と、サーバーから自動的に割り当てて勝手に変更される可能性がある「動的IPアドレス」の2種類があります。

上記のようなケースで「動的IP」を使うと、勝手にIPアドレスが変わってしまった場合に、「接続が出来ない」などといったさまざまな支障が出ることになります。

これを解決するためにサービスが、「固定IPアドレス付与サービス」です。

この「固定IPアドレス」を付与するサービスを3つ挙げましたが、これらにはそれぞれ特色があり、どれが最も良いということは出来ません。

しかし、大切なことは自分の目的にあったものをしっかりと選択して利用することです。

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