スマートフォン、タブレット等のためのデータ通信サービスには、通信制限というものがあります。
その通信制限の値を越えなければ、何らサービスの利用には支障がありませんが、万が一通信制限になってしまった場合は、かなり抑えられた通信速度になります。
そのような状況では、インターネットの検索でも、動画閲覧でも、かなりの時間がかかりますので、事実上サービスが使えないことになります。
ビジネスの活用で、お客様に資料やデモンストレーションなどを見て頂く際に、このような通信制限が原因で見ていただけないといったことは絶対避けたいものです。
今流行りの「ギガ放題」プランを契約すれば良いと考えがちですが、このプランでも通信制限があります。
そこで、街中では公衆無線LANサービスと呼ばれているWiFiスポットが多く設置されているので、このようなサービスも利用すると良いでしょう。
いろいろな企業からも公衆無線LANサービスが提供されていますが、その中でもWiMAX2+を利用しているユーザーへのオプションサービスとして、UQコミュニケーションズ株式会社が提供している「UQ Wi-Fiプレミアム」があります。
ここでは、WiMAXユーザーにメリットであるUQコミュニケーションズ株式会社の「UQ Wi-Fiプレミアム」について、解説します。
WiMAX2+の速度制限は、大きく分けて2種類
WiMAXは「WiMAX(旧WiMAX)」「WiMAX2+」「au 4G LTE」という3種類の通信方式がありますが、下記2つのサービスについて通信制限があります。
どのような種類の通信制限があるのか、それらの仕組みについて解説します。
直近3日間のデータ通信量が3GB以上となった場合
通信キャリアのスマートフォンやタブレット、またWiMAX2+には「ネットワーク混雑回避のための速度制限(3日で3GB)」が存在します。
この通信制限は、「ギガ放題」といったプランを含め、どのようなプランでも必ずある制限になっています。
「3日で3GB」の制限は、データ通信専用の回線を多数のユーザーが共用して利用する環境であるために、通信インフラ環境として問題が発生しないようにする制度です。
一部の利用者が大量のデータを通信すると、ほかの利用者のデータ通信が圧迫されてしまい通信速度が遅くなってしまいます。なので、そのために設定されています。
3日間で3GBを超えた場合は、翌日から通信速度が700Kbps強まで制限されます。
700Kbpsという値は、「YouTubeの標準画質が見れる速度」ということで設定されています。
一昔前のパソコンでありましたが、インターネットのページや動画がすらすらと表示されないといったぐらいの遅さではありません。
しかし、ビジネスで利用している場合は、かなりの制限を受けることになります。
この制限は、「3日間」という範囲で集計される仕組みになっています。
平均すると1日1GB以内であれば、問題ないということになります。
しかし、それだけではありません。
例えば、直近3日間の通信量が「1日め1.1GB」「2日め1.1GB」「3日め1.1GB」となり合計が3GB以上だった場合、4日めの昼頃から通信速度の制限がかかり始め、5日めの昼頃までの制限となります。
しかし、直近3日間の通信量が「1日め0.9GB」「2日め0.3GB」「3日め3.2GB」で合計が3GB以上だった場合は、制限のかかる日が変わります。
この状態では、4日めの昼頃から5日めの昼頃までの制限です。
続けて「2日め0.3GB」「3日め3.2GB」「4日め0.1GB」になった場合は、5日めの昼頃から6日めの昼頃まで制限されます。
その後「3日め3.2GB」「4日め0.1GB」「5日め0.1GB」になった場合は、6日めの昼頃から7日めの昼頃まで制限されます。
「4日め0.1GB」「5日め0.1GB」「6日め0.1GB」になった場合には、この時点でやっと3日間で3GB以下になりますので、7日めの昼頃から正常な通信速度に戻ることになります。
当月のデータ通信量が7GB以上となった場合
直近3日間のデータ通信量が3GB以上の場合に制限がかかるものとは別に、1ヶ月の期間でデータ通信量が7GBという制限があります。
この7GB制限は、WiMAX2+の契約プランによって変わります。
WiMAX2+の契約プランは、「通常プラン」「ギガ放題」が提供されていますが、7GBの制限は「通常プラン」だけになります。
「ギガ放題」プランは、この7GBの制限がありません。このことがユーザーに評価され、利用するユーザーが増えた要因となっています。
この速度制限を予防、またはかかった時に役立つサービスが「UQ Wi-Fiプレミアム」
WiMAX2+の通信制限は、「ギガ放題」プランであっても制限があります。
ビジネスでは、少なからず大量のデータを扱わなければならないことも多いものです。
大切なお客様への提案で、その通信制限があっては、ビジネスに影響が出てしまいます。
そのようなことがないように、最近では、カフェ、レストラン、ホテルなどに設置してある、無料・有料のWi-Fiスポットを利用するユーザーも増えています。
その中でも、通信インフラの安定感が良く、WiMAXユーザーの特典として役立つサービス「UQ Wi-Fiプレミアム」があります。
WiMAX2+のユーザーには、「au Wi-Fi SPOT」という無料で提供されているサービスも存在します。
その後、エリア拡大や通信環境の強化を施し、通信インフラとしての使命を重視したことで、「UQ Wi-Fiプレミアム」に変更するユーザーも増えています。
「UQ Wi-Fiプレミアム」の詳細
「UQ Wi-Fiプレミアム」が、どのようなサービスなのかを解説します。
サービス概要
「UQ Wi-Fiプレミアム」は、UQ Wi-Fiエリアに加えて「株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)」が提供する国内多数の公衆無線LANエリアを利用しています。
また、「WiMAX2+」の料金プランのオプションとして提供しています。
「株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)」は、UQコミュニケーションズ株式会社と同じ、KDDIグループです。
UQコミュニケーションズ株式会社も、WiMAXの先駆者という立場であることから、WiMAXの普及およびユーザーの満足度向上を図るために、特典としてこのサービスを提供しています。
「UQ Wi-Fiプレミアム」という名称から、UQコミュニケーションズ株式会社で契約されたWiMAXだけと思われてしまいますが、UQコミュニケーションズ株式会社以外の企業で提供しているWiMAXでも、提供されています。
メリットとしては、
- WiMAXサービスの電波が届かない場所でも利用可能なこと
- エリアが広いこと
- 速度の制限がないこと
- 東海道新幹線をはじめ電車車内WiFiも使えること
等があります。
また、セキュリティも強化しているため、安心して利用することができます。
加えて「au Wi-Fi SPOT」と違いのひとつとして、もしルーターを忘れてしまってもID認証だけでかんたんに利用できることがあります。
対象機器としては、IEEE802.11bに対応した無線LAN機器である無線LAN対応ノートパソコン、ゲーム機、タブレット端末などが利用できます。
また、IEEE802.11a/g/n/acに対応している無線LAN機器の場合は、一部エリアでより高速な通信も利用できるようになっています。
但し、2台以上の無線LAN機器で同時にログインすることはできません。
また、無通信状態が続いた場合、通信中でも長時間ログインしている場合は、自動的にログアウトされますので注意が必要です。
速度はどれくらい?
「UQ Wi-Fiプレミアム」は、ベストエフォート型のサービスとなっています。
ベストエフォート型は、最大速度や接続性について保証はありませんが、回線負荷の状況により可能な場合に最大限の速度、品質で提供しています。
無線LANの通信速度は、電波状況やアクセス回線の種類によって通信速度は変動しますが、IEEE802.11bの場合最大11Mbps、IEEE802.11a/gの場合最大54Mbpsです。
また、IEEE802.11n/acでは、最大433Mbpsの超高速通信が利用可能になっています。
利用できる主なスポットを紹介
空港、駅、新幹線、カフェ、地下街、ショッピングモール、ホテルなどで利用することができます。
スポットが設置されている場所には、「UQ Wi-Fiエリア」のマークが表示されています。
加えて、株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)が展開する全国7,000以上のWiFiアクセスポイントも利用できます。
具体的には、「Wi2 300」のエリアマップになります。
1.鉄道(UQ Wi-Fiエリア)
JR東海の東海道新幹線 N700A・N700系の車内(東京~新大阪)や東京~新大阪間全駅のコンコース待合室、JR東日本の成田エクスプレスや常磐線特急(ひたち/ときわ)、都営地下鉄の浅草線、三田線、新宿線、大江戸線
2.鉄道(Wi2エリア)
JR東日本、全国JR主要駅など
3.自動車関連
トヨタ系列店舗
4.飲食店
マクドナルド、スターバックス、ルノアールなど
5.空港
羽田空港、成田空港、伊丹空港など
6.バス
リムジンバスなど
7.ホテル
東急ホテル、ホテルニューオータニなど
8.海外
中国、韓国、香港において国際ローミングによるネット接続が可能
「UQ Wi-Fiプレミアム」の申し込み方法は?
WiMAX2+の利用者は、「UQ Wi-Fiプレミアム」の申し込みをしなければサービスを受けられません。
申し込み方法は、UQコミュニケーションズ株式会社を例として、以下のようになっています。
1.会員サポートページ”My UQ”にログイン
会員サポートページ”My UQ”にログインし、「UQ Wi-Fi」より申込み手続きを行います。
この申し込みでは、「UQ Wi-Fiプレミアムで利用するパスワード」を設定します。
申し込みが完了すると「SSID」「WEPキー」「ログインID」が表示されますので、これらの情報を控えます。
2.パソコンの設定
申し込み受付完了画面内から「UQ Wi-Fiプレミアムの設定方法」ページに遷移します。
具体的には、専用接続ユーティリティ「UQ Wi-Fiコネクト」を利用して、インターネットに自動接続する設定をします。
また、このユーティリティを使わない方法として、Webブラウザによるログインで「無線LANの接続設定」を行う方法もあります。
3.プロバイダで異なることがある
UQコミュニケーションズ株式会社以外のプロバイダの場合も、上記の方法と変わりませんが、「会員サポートページ”My UQ”」がプロバイダ専用のページになっていたり、専用接続ユーティリティ「UQ Wi-Fiコネクト」では設定できなかったりする点があります。
WiMAX2+端末で「UQ Wi-Fiプレミアム」を使う手順は?
WiMAX2+端末で「UQ Wi-Fiプレミアム」を使う手順は、以下のようになります。
但し、UQコミュニケーションズ株式会社の専用接続ユーティリティ「UQ Wi-Fiコネクト」を利用して設定した場合は、スポットエリアに行くだけで自動的にインターネット接続を利用することができます。
1.アクセスポイントに接続
「UQ Wi-Fiプレミアム」の申し込み、事前の「無線LANの接続設定」を行った後で、まずはスポットエリアに行きます。
スポットエリアで、利用したい機器でアクセスポイントに接続します。
接続は、その他の複数ワイヤレスネットワーク(他社無線LAN サービスのSSID など)が表示される場合がありますが、
- 「UQ_Wi-Fi」
- 「Wi2premium_club」
- 「Wi2_club」
- 「Wi2premium」
- 「Wi2」
- 「wifi_square」
のいずれかを選択して、「接続済み」を確認してください。
2.ログインID、パスワードを入力
Webブラウザによるログインで「無線LAN設定情報の登録」を設定した場合は、サービスを利用する際には、ログインID/パスワード入力が必要となります。
Webブラウザを起動するとログイン画面が表示されます。
「UQエリアを利用の場合」「Wi2エリアを利用の場合」で、表示される画面が違いますが、その画面で「ログインID」「パスワード」を入力してログインします。
3.利用開始
「ログインID」「パスワード」を入力してログインが完了すると、インターネット接続を利用することができます。
「UQ Wi-Fiプレミアム」は、WiMAXを契約したプロバイダによっては使えない!?
WiMAXの本家であるUQコミュニケーションズ株式会社は、当然「UQ Wi-Fiプレミアム」を利用することができますが、加えて、@niftyのWiMAXでも、「UQ Wi-Fiプレミアム」と同じサービス「@nifty Wi-Fiプレミアム」として無料オプションを提供しています。
また、シナジーパートナーズも同様に「UQ Wi-Fiプレミアム」が利用できます。
しかし、WiMAXのプロバイダによっては、「UQ Wi-Fiプレミアム」が利用できないところがあります。
利用できない主なプロバイダは、
- 「So-net」
- 「Broad」
- 「GMOペパボWiMAX」
- 「3WiMAX」
- 「楽天クーポンRaCoupon」
ですので、このサービスを利用したい場合、WiMAXの選定で注意が必要です。
「UQ Wi-Fiプレミアム」は、公式のUQと@nifty以外では有料オプション!?
WiMAXを契約したプロバイダによっては使えないことを紹介しましたが、UQと@nifty以外のプロバイダでは、有料オプションとなっています。
GMOとくとくBBの公衆無線LANオプション
GMOグループの「GMOとくとくBB」が提供するWiMAXサービスで、「UQ Wi-Fiプレミアム」を利用するには、オプション月額362円が必要になります。
BIGLOBEの公衆無線LANオプション
BIGLOBEは、有料オプション1ライセンス月額250円で、利用できます。
なお、ライセンスは最大10ライセンスまでになっています。
まとめ
株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)が提供している全国7,000以上のWiFiアクセスポイントも利用できる「UQ Wi-Fiプレミアム」は、場所を問わない環境に近づいていることを表しています。
それだけ多くのアクセスポイントがあると、「ここはアクセスポイントがあるのだろうか?」といった心配をすることが、少ないということになります。
どこでも使えるWiFiを目指しているサービスでもあるため、WiMAX2+ユーザーが利用するメリットがかなりあると思います。
通信制限を受けずに、気軽に大容量のデータ通信を楽しんでみてはいかがでしょう。