皆さんがイメージされるWiMAXルーターといえば、スマートフォンくらいのサイズで持ち運びして使うタイプではないでしょうか。
この「URoad-Home2+」はこれらとは違い、オフィスや家庭で据え置き型として利用するタイプのWiMAXルーターです。
この機種にはどういった特徴がありメリット・デメリットはどのようになっているのでしょうか。
WiMAX2+対応端末「URoad-Home2+」の詳細
「URoad-Home2+」は株式会社シンセイコーポレーション製の据え置き型WiMAX2+ルーターです。
この章では、改めてこの「URoad-Home2+」がどういう機種であるのかを見ていきましょう。
これまで取り上げたモバイル用のWiMAXルーターとはかなり異なった特徴を持つので注意が必要です。
「URoad-Home2+」の概要
「URoad-Home2+」は、他のモバイルルーターとは異なり、市販のWi-Fiルーターとよく似た特徴を持っています。
有線LANポートやセキュリティ機能などがそれにあたります。
具体的には下記で説明します。
基本スペック
機種名 | URoad-Home2+ |
製造元 | (株)シンセイコーポレーション |
重量 | 約311g(アンテナを含む) |
サイズ | 約140×170×53mm(アンテナを除く) |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11a/11b/
11g/11n 5GHz対応 |
利用電波 | WiMAX 2+
下り最大110Mbps WiMAX 下り最大13.3Mbps |
外部インターフェース | RJ-45×2ポート、Micro SIMスロット、電源ポート |
セキュリティ機能 | SSIDステルス機能, MACアドレスフィルタリング等 |
本体の色 | ホワイト |
特徴 | マルチSSID機能:2つのSSIDが使える |
通信方式 | MIMO |
電源 | ACアダプタ |
最大接続台数 | Wi-Fi: 16台 |
注意事項
WiMAX2+の速度が現行の下り最大220Mbpsではなく、下り最大110Mbpsにしか対応していないので注意が必要です。
また、「au 4G LTE」には対応していません。
ここで見てきたように、「URoad-Home2+」はモバイルルーターとは異なり、フレッツ光やADSLといった固定回線で使うWi-Fiルーターと同じような特徴を持っていることがわかります。
次の章では、ここで紹介した「URoad-Home2+」のスペックをもとに改めてポイントとなる特徴やメリットを見ていきます。
「URoad-Home2+」の特徴・メリット
先の章では「URoad-Home2+」のスペックをまとめて確認しました。
モバイル型のルーターとはかなり異なっていることがお分りいただけたと思います。
ここでは改めて、特に重要と思われるポイントと、この機種のメリットについて見ていきましょう。
①固定回線の際に必要な回線工事がない
フレッツ光やADSLの場合は、固定回線なので回線工事が必要です。
しかし、「URoad-Home2+」はWiMAXの電波を利用しているので回線工事が不要です。
したがって、回線工事費用もかかりません。
②超高性能アンテナで受信感度が大幅にアップ
従来比で従来比1.4dBと性能向上した超高性能アンテナを採用した結果、受信感度が大幅にアップし、電波が弱いところでも確実に受信できるようになりました。
③無線LANの同時接続台数が最大16台可能
モバイル型ルーターでは多くの場合、10台程度までしか接続することが出来ません。
しかし、「URoad-Home2+」は16台まで接続することが出来るようになっています。
16台も接続できると家庭内での利用はほぼ問題ないと思います。
④無線LANが2.4GHzだけでなく5GHzにも対応
「URoad-Home2+」は従来型の対応機種が多い2.4GHzのWi-Fiだけでなく、電波干渉が少ない5GHzにも対応しています。
これによってもともと2.4GHzを使用している機器が多い環境でも、安定した接続を行うことが可能になります。
なお、2.4GHzと5GHzは同時に使うことは出来ず切り替え式になっているので注意しましょう。
⑤MIMO技術により、無線LANの転送速度・距離・安定性が向上
従来の一つのアンテナで電波を送受信する方式ではなく、複数のアンテナで送受信するMIMO方式を採用していることで、従来型の「URoad-Home」では伝送距離が210mであったのが290mと1.4倍とより遠くまで届くようになりました。
また、この技術により速度や安定性も向上しています。
「URoad-Home2+」のデメリット
先の章では「URoad-Home2+」のメリットについて見てみました。
モバイル型にはない据え置き型ならではなの内容、また旧機種に比べて改善された内容を紹介しました。
今度は逆にデメリットについて見ておきましょう。
良いことばかりではなく、そうでない点もあります。
こういったこともしっかりと把握しておく必要があります。
①持ち運びできない(電源はACアダプタのみ)
当然ことですが、「URoad-Home2+」はモバイル型ではないので、バッテリーがありません。
電源はACアダプタのみなので、外出先での持ち運び利用は出来ません。
②下りの速度が最大110Mbps(※WiMAX2+端末の中には、下り220Mbpsに対応する端末もある)
現行のWiMAX2+のみの最高速度は下り最大220Mbpsです(「au 4G LTE」を併用すると440Mbpsなどもあります)。
しかし、この機種は下り最大110Mbpsにしか対応していません。
③キャリアアグリゲーションに対応していない
キャリアアグリゲーションとは下り最大220Mbpsを2本束ねることで440Mbpsにするように複数電波を同時に使って高速化を実現するものです。
「URoad-Home2+」はキャリアグリゲーションには対応していないので、こういった高速化の方法は使うことが出来ません。
④さすがに固定回線と比べると、通信速度・安定性が劣る場合が多い
WiMAXはあくまで無線回線です。
やはり、フレッツ光やADSLのような固定回線に比べると通信速度や安定性には劣るケースも多いです。
⑤アンテナが敏感!?
モバイル型のルーターでも同じことが言えますが、WiMAXの電波は指向性があり、アンテナの向きやルーターの設置場所によって電波の受信状況や速度などが大きく変わってきます。
したがって、場所や向きを厳密に設定する必要があります。
設定方法
さて「URoad-Home2+」を利用するとなったら、まず行わないといけないのは設定です。
どういった機器でも同じですが、設定しないと使うことが出来ません。
ここでは、「URoad-Home2+」の設定方法を簡単に見てみましょう。
「URoad-Home2+」を使う際の手順は以下のように行います。
作業自体はWeb管理画面から行います。
プロファイルの作成と選択
- ホーム画面の「設定」を開く
ルーター本体の液晶画面から「設定」を開きます。
- メニューから「WAN設定」-「プロファイル選択」を開く
- 「プロファイル」を作成
「追加」ボタンを押して、任意のプロファイル名を入力、「APN」「ユーザ名」「パスワード」などWiMAXプロバイダから提供されている情報を入力する
- 「保存」ボタンを押して、入力した情報を保存する
- 「プロファイルの選択」で新しく作成したプロファイルを洗濯し、「適用」を押す。
「URoad-Home2+」が向いている人
「URoad-Home2+」はどういう人に向いているのでしょうか。
あまり向いていないのに使ってもデメリットとなる可能性が高くなります。
最後に、この点について見ていきましょう。
「URoad-Home2+」が向いているのは、以下のようなケースに当てはまる人たちです。
固定回線の契約や工事が面倒くさい
自宅やオフィスで利用するが、フレッツ光やADSLなど改めての契約や回線工事が必要になる固定回線を使うのが手間であるといったケースに当てはまる場合は「URoad-Home2+」を選択すると良いでしょう。
自宅のみで使う予定
一般的にWiMAXはモバイル利用が多いので、モバイル型のルーターを使うケースが多いですが、自宅やオフィスのみで使い、持ち運びの利用はしないという場合は、「URoad-Home2+」でも良いでしょう。
ただし、「URoad-Home2+」にはバッテリーもなく電源はACアダプタ経由でのみとなるので、持ち運び利用は全く出来ないことに注意しましょう。
WiMAX2+を、より安全に快適に利用したい
「URoad-Home2+」はモバイル型のルーターとは異なり、同時接続台数が16台と多く、またMACアドレスのフィルタリングやSSIDのステルス機能などセキュリティ面での機能も持っており、モバイル型ルーターを利用するよりも安全です。
また、モバイル型ルーターよりアンテナが大きいので、電波に対する感度がより高く、安定した接続環境を得ることが出来ます。
このように、「URoad-Home2+」は上記のようなケースに当てはまる人にはおすすめできます。
ここで掲げたケースに当てはまる場合は、利用を考えてみるのも良いでしょう。
まとめ
シンセイコーポレーション製のWiMAXルーターである「URoad-Home2+」は、多くのWiMAXルーターとは異なり、家庭やオフィスで据え置き型として使うことを想定した機種です。
本記事ではこの機種の特徴やメリット・デメリットについて見てきました。
といってもやはり大きな特徴は「据え置き型で、バッテリーはなくACアダプタ経由で電源を取得する」といったところです。