もうブラック企業に入りたくない!ホワイト企業を外から見極める方法
ブラック企業に運悪く入社してしまったことで、退職を決断した方にとって、最も恐れていることが「またブラック企業に入社してしまうのではないか」という点です。
また、ブラック企業の職歴しかない場合は、次もブラック企業しか雇ってくれないのではないか・・・といった不安もあると思います。
この記事ではそういった不安を解消すると共に、二度とブラック企業に入社してしまわないように、入社前にブラック企業かどうかを判断するコツやポイントについて解説していきます。ブラック企業に一度入社している経験がある以上、彼らの策略に引っかかりやすい可能性が高いので、自分の性格の見直しも含めて、ご覧いただければ幸いです。
目次
ブラック企業の特徴とは?
まずは、ブラック企業とは何かを明確にしましょう。というのも、あなたにとってブラック企業かどうかは、世間が決めるものでも友人が決めるものでもなく、あなた自身なのです。どの企業でも当たり前に行われていることを、「ブラックだ!」とあなたが思う場合だと、ほとんどの企業がブラック企業になってしまいます。
また、当たり前すぎて会社側も特に言及しない可能性も高いので、自分が特別不満に感じることを認識しておく必要があります。自分がマイノリティであることを理解しているかどうかで、企業選択の精度が全く違います。離職率が低い会社を2社,3社と退職してしまう場合は、自分の考え方を変える方が解決に近づくかもしれません。
もちろん、不満に思うこと自体は悪いことではありませんし、それはあなたの個性の一つです。ただ、そういったあなただけが不満に思うポイントが多すぎると、企業探しに時間がかかるので、長期戦になるでしょう。
この項目では一般的なブラック企業(多くの人が不満を感じる企業)の特徴を説明しますが、自分にそれが当てはまるかどうかを照らし合わせながら、自分にとってのブラック企業の特徴を考えてみてください。
退職者が多く、長期在籍者が少ない
退職があまりにも多い場合は、ブラック企業と認定しても良いでしょう。もちろん、外資系やITベンチャー、人材業界などは離職率が高いように、業界、業種によって違うので、同業他社との比較が好ましいでしょう。退職者の数を調べるのはネットでは難しいでしょう。
webの求人情報媒体を見ると、毎年何名採用しているかが分かるものもありますが、辞めた人数までは公開しないことがほとんどです。また公開されていたとしても、離職率が低い場合がほとんどで、不利な情報をわざわざ公開する会社はないでしょう。ただ、全体の社員数と採用数で予想することはできます。
3年連続で毎年50名以上採用している、従業員500名の会社を例に挙げます。この会社の3年前の従業員の数を調べてみましょう。その人数が400名程度であれば、現在急成長しているベンチャー気質の企業といったところでしょうか。
もしこの人数が480名程度であれば、この3年間で150名以上採用しているのに、トータルの従業員が20名しか増えていないことになり、かなり多くの人が退職していることが分かります。
また、設立間もない会社であれば、今後改善していく可能性は高いですが、古い会社の場合は、人が辞めていく文化が出来上がってしまっており、改善を期待するのは厳しいでしょう。
もちろん、従業員数が2000名以上だったり平均年齢が高い会社であれば、定年退職なども多く含まれているので、ブラック企業と認定できないでしょう。
また、具体的な退職者の数は分からないですが、入社後3年以内の離職率が載っている本があります。それは四季報です。一定の規模の企業であれば、平均年収、平均年齢、残業時間などの情報も掲載されているので、ブラック企業判断する上でのマストアイテムでしょう。
パワハラやモラハラが日常的に行われている
暴力などによる肉体的苦痛、言葉や態度、性的な嫌がらせなどによる精神的苦痛、組織内では様々なハラスメントがありますが、当然企業間でも起こりえます。これらの社内問題は、HPを見ても、四季報を見てもなかなか分かりません。
そもそも、ハラスメントを行っている本人ですら分からない可能性もあります。これらの情報を面接などで直接会社に行き、雰囲気を肌で感じるしかありません。
もしくは、webの口コミサイトを見るのも良いかもしれません。それらの口コミが嘘の情報の可能性もありますが、火が無いところには煙は立ちませんので、何かしらのマイナス要素があると考えてよいでしょう。
なんでも精神論を掲げて強行する
「やる気を出せ」「気合が足りない」などの精神論は非常に便利な言葉であると同時に、問題の本質を見失うケースも多々見られます。営業成績が悪い部下に対して、「とにかく足で稼げ。常にやり続ければいつか結果が出る」といった論調で指導するのは何も考えずに怒ることができる上に、部下社員本人に責任を押し付けることができる便利なフレーズなのです。
こういった精神論でしか指導ができない社風では、「自ら努力し成長ができる人間」しか成果を出すことができず、それ以外の社員は退職してしまうでしょう。
深夜でも職場の電気が消えることがない
「残業はほとんどありません。」といったPRフレーズを見てすぐに信じてはいけません。ほとんどといった言葉は程度に幅がある言葉であり、人によってさまざまです。極論を言えば、「月100時間しか残業がない」といった考え方の人もいるのです。
また、〇時間と正確に明記されていても、実際は異なる場合があります。例えば、その数字が閑散期の時間だったり、残業時間が少ない社員をモデルにしただけかもしれませんし、何とでも言えるのです。
このような不信感を抱き続ける前に手っ取り早く残業時間を調べる方法があります。夜に職場に訪問してしまうのです。オフィス内に入る必要はありません。外観から電気がついているかどうかは分かりますよね。この方法が最も現実的で正確な手法でしょう。
ただ、かなり手間がかかる方法なので、ある程度企業を絞った上で行いましょう。
ブラック企業を見極めるポイント【求人広告編】
初任給が業界水準よりも高額
人がすぐ辞める企業というのは、求人に苦労するものです。したがって、求人情報はできるだけ魅力的に見えるような工夫が散りばめられています。
その一つとしては高水準の初任給でしょうか。給料が高ければ、単純に人が集まりますし、ハード―ワークであっても給料が高いから、という理由付けになります。この高水準の給料が能力や結果に応じて昇給していくのであれば「激務高給」というだけで問題ないのですが、昇給が見込めない場合、年々能力に見合わない給料になっていくので、ブラック企業と認定されるでしょう。
また、成果報酬や、様々な手当を含めての初任給を記載している場合は注意が必要です。基本給以外の手当取得の条件が高難易度のものが多く、実際の記載の給料を手にしたことのある社員は今までに一人もいない、といった事例も多く見られます。
また、基本給が少ないと、ボーナスや退職金が少なくなくなるので、その点もケアすべきでしょう。
年収例の幅が広い
求人情報にモデルケースを記載している企業がありますが、その例は一般的な給与例ではなく、最も優秀な社員の例であることがほとんどです。平均年収が500万の企業なのにモデルケースには800万になっていたり、20代前半で600万だったりするパターンは実際に得られる企業とは大きくかけ離れているでしょう。
募集要項のハードルが低い
「やる気さえあれば誰でも高年収が期待できます」といったフレーズは少し警戒すべきです。中途採用において「誰でもOK」なわけがありません。一定レベルの実績や経験を必ず求めているはずです。
誰でもOKということはそれだけレベルの低い業務内容であり、その分業務量が多く、ハードワークである可能性が高いです。
求人広告を頻繁に長期間出し続けている
新卒採用は別ですが、中途採用の場合は年中求人を出しているというのは少し注意が必要です。中途採用は基本的に採用したいタイミングというものがあり、即戦力を求めています。
重要なポストの社員が退職してしまったり、新規事業がスタートし人手が必要になったりと、何かしら理由があるものです。年中採用をしているということは、急成長しており常に人手が必要なのか、退職する人が多すぎて常に採用を続けないと人員が減少してしまうケースです。後者の場合は、かなり警戒が必要でしょう。
ブラック企業を見極めるポイント【説明会編】
説明会の場所がやたら華やかな場所
ブラック企業にとっての採用は「入社まで」が最も重要です。
したがって、説明会から入社までの全てのフェイズで華やかさのブランディングが徹底されています。「こんなすごい人になりたい」「お金がありそうな会社だな」「この会社で働いてみたい」このような気持ちを絶やさないために、魅力付けを絶やさないのです。
説明会での話に具体性がない
ブラック企業は自分の会社をアピールするポイントがほとんどないので、抽象的な内容を大げさに伝えることで、「よくわからないけど何かすごいぞ」という雰囲気だけ伝えることで、魅力付けを行います。
説明会に出向く社員が役員と若手のみ
離職率が高い企業というのは、30代がすっぽり抜けている砂時計型の年齢分布であることが多いです。
もちろん若手が定着しないことが原因ですが、定着した社員がいたとしても、ものすごく忙しいので説明会に参加することは極めて稀です。結果、超若手と役員だけという一風変わったコンビで説明会が開催されるのです。
ブラック企業を見極めるポイント【面接編】
面接が短時間で終わる
ブラック企業は面接が短時間で終わることが多いです。その理由は2点あります。一つ目は大量の求職者を面接するので時間が惜しいからです。求人広告に多額の予算を投下しているので、面接の回数は普通の会社よりも圧倒的に多いでしょう。
面接官としてのスキルが非常に高いのも、経験値が圧倒的に高いからです。もう1点は合格が決まっているからです。合格の基準もかなり低いので、少し話しただけで合否判断ができてしまいますので、面接の目的達成が一瞬で終わってしまうのです。
労働条件への質問の返答に具体性がない
ブラック企業にとって一番怖い質問が労働条件についての質問です。彼らは、こういった質問をうまくごまかすプロであり、その返答内容は求めていた回答ではないのですが、不思議な納得感があります。
上手く流されないように、明確な答えを得られるまでしつこく質問し直しましょう。答えられないということは、何かを隠しているということなのですから。
面接の態度が横柄すぎる
全てのブラック企業に当てはまるわけではないですが、横暴な面接官に出くわす可能性も特徴の一つです。
たとえ圧迫面接だとしても、そういった面接を実施する企業は求職者を下に見ている可能性が高く、高圧的な社風である可能性が高いでしょう。
まとめ
様々なブラック企業の特徴をご紹介しましたが、当てはまっていれば必ずブラック企業というわけではないので、安易に決めつけるのは控えてください。当てはまっている数が多ければ多いほどブラック企業である可能性が高いというだけで、参考程度にしましょう。
また、今までブラック企業で働いてきた人は、むしろ面接では有利に捉えられるケースがあります。それだけ根性がある、体が頑丈であると思われるからです。あまりにもひどい内容であれば、当たり前の顔でそのブラック度合いを引き合いに出し、努力できる人間であることをアピールしましょう。