転職活動で天職を手に入れるには、自分自身を見つめ直すのが一番近道
一切の苦痛なくやりがいをもって幸せに働くことができていますでしょうか。
もしできていればそれはきっと天職でしょう。
ほとんどの人が、一つや二つの悩みや、不安、課題などのストレスを抱えて働いていると思います。
そして、それを受け入れるしかないと考えている人が多いのもまた事実です。
とはいえ、誰もが皆天職を見つけたいと思っているでしょう。
天職ってそもそもどうやって見つけるのでしょうか。
それは実力がある人限定なのでしょうか、それとも運が良い人限定なのでしょうか。
いいえ違います。
天職はそう簡単に見つけられるものではありませんが、少しでも見つけやすくする方法はあります。
この記事では、誰もが求めている天職の探し方、考え方について解説していきます。
目次
以前の仕事場から望んでいる職場像を考える
学校でのクラスメイトとの共同作業、部活動、アルバイトの経験、なんでも良いです。チームで共通の目的に向かって努力した経験はありますでしょうか。
まずは、そういった記憶を整理しながら、理想の職場像について考えていきましょう。
天職とはあなたにだけにマッチした仕事です。
答えは必ず、自分の中にあります。
まずは自分の好きな働き方について分からなければいけません。
拘束の強さ、責任感の比重、チーム内での上下関係、自分の発言の優位性、頼られるかどうか、受動的な仕事のモチベーションはどうか、主体的な取り組みが必要かどうか、など様々な面をイメージしましょう。
それが明確にイメージできてから、企業を探すプロセスに入りましょう。
この順序が逆になると、再転職する可能性が大幅にあがり、キャリアに傷をつける恐れがあります。
嫌だった、我慢できなかった点
人間とは苦痛のほうが記憶に残ります。
一万円を手に入れた時よりも一万円を無駄にした時の方が記憶に残りますよね。
美味しいお店よりも、美味しくなかったお店を覚えていたりします。
こういった例のように、職場においても不満や、耐えられない苦痛などは、覚えているものです。
まずは、それを箇条書きでも良いので文字に起こしてみましょう。
給料、拘束時間、上司からの叱責、通勤時間、満員電車、タイムカードの処理方法、責任の大きさ、など、なんでも良いです。
思い出し続けてイライラしてくるまで、書き続けてください。
それらを見渡すことで、あなたがどのようなストレスに耐性が無いかが見えてくるかもしれません。
働く上でのストレスには主に4種類あります。
対人ストレス
人とのコミュニケーションにおけるストレスです。
このストレスに耐性がない場合、営業マン、販売職などよりも、技術職、SEなどが向いているかもしれません。
目標ストレス
難易度の高い目標や課題に立ち向かう時に生じるストレスです。
この耐性が低いと、課題を前に身構えてしまいます。
新しいことや、困難なことを避ける傾向にあります。
保守的といっても良いでしょう。
一概に言えませんが、公務員などが適しているでしょう。
繁忙ストレス
忙しさへのストレスです。
業務が忙しい時に逃れたいと感じるか、楽しめるかの差ですね。
拘束ストレス
行動制限に関するストレスです。
遅くまで働かなければいけない・・・といった物理的な制限だけではなく、決まりや制約、慣例による行動選択の自由への制限も含まれます。
納得がいかないことに従うことに不満を感じる人は、拘束ストレスの耐性がないと言えますが、逆に、本人の意思が認められ、主体的に仕事ができる時に本領を発揮できるといった特徴もあります。
これらのストレスは耐性があればあるほど良いというわけではありませんので注意してください。
あくまであなたの性質を知るための一つの手法にすぎません。
良かった、手放したことを惜しいと思う点
次は、満足だった点、嬉しかったことなどを同じように書き連ねていきます。
2社以上の勤務経験がある場合は、A社にはなかったけどB社にはある良かったこと、B社にはなかったけどA社にはある良かったこと、といった風に比較することで、表面化しやすくなります。
良かった点に挙げられるものとして、最も多いのが人間関係だと思います。
正当に評価してくれる上司、切磋琢磨し合える気の良い同僚、プライベートの付き合いもある後輩など。
天職となる職業の考え方
やりたいことは何か
自分の働く姿をドラマにしよう。
このような言い方だと大げさかもしれませんが、イメージをする際に映像化することは非常に重要です。
転職を考えるということは「本当はこんな仕事をしたい」という思いやイメージがあるはずです。
その仕事像をできるだけ具体的にイメージできるかどうかが転職成功へ近づく第一歩です。
なので、自分の働く姿をテレビドラマのように自由に妄想することが大事です。
そこに登場する人物は、芸能人でもあなたの友人でも、なんでもかまいません。
とにかく映像化できるかが鍵となります。
その映像を見て幸せになれる自分だけの短編ストーリーを勝手に作ってしまいましょう。
そのイメージを踏まえて、自分のやりたいことは何なのかを文字に起こしましょう。
ここでは、会社の特徴や待遇面ではなく、あなた個人がやりたいことにフォーカスしてください。
好きなことを仕事にしたいか、趣味に止めておくか
「好きなことを仕事にしたい」という思いの方もいらっしゃると思いますが、それにこだわりすぎると失敗する恐れがあります。
好きなことを仕事にしたことで、余計な責任感や金銭面の問題がついてくるようになり、嫌いになってしまったという声も少なくないからです。
また、自分の好きなことを仕事にすることに適している人には、自分の仕事に対して賞賛の言葉を得られることや、自分個人としての実力が対価となって返ってくることに喜びを感じられる人や、一日中そのことに没頭するくらい夢中になれる人といった特徴があります。
これらの特徴と自分を照らし合わしながら、その好きなことを生かしてどのような仕事にするのかをしっかり吟味しましょう。
「やりたくないこと」から考えていくアプローチもある
やりたいことの具体的なイメージがなかなか出てこない人は、「やりたくない仕事」をイメージすることで、やりたいことや興味があることが見えてくることもあります。
やりたくないことが大量にあれば、それ以外のことがやりたいことである、という考え方です。
ネガティブな思考になるので、強くオススメするわけではありませんが、一つの手ではあります。
天職を掴むための転職活動に行動を移せない人へ
天職は他人が決めるものではなく、自分が決めるもの
天職を掴みたいのであれば、世間の目や他人の意見は無視しましょう。
周りがどう思うかどうかは、案外関係なかったりします。
一番大事なことはアナタがやりがいを持って働けるかどうかの一点であり、他人からの目が選択に影響を与えているのでは意味がありません。
決めるのはあなた、ただ一人です。変なプライドの鎧を捨てて、本当の自分と向き合えなければ、天職を見つけることは難しいかもしれません。
- 「キャリアを積み重ねてきた40代の部長がいきなり会社を退職し、農業で独立する」
- 「メガバンクの銀行員が、小学校の教師に転職し年収が半分になる」
これらは、実際によく起きる例です。おそらく、「なんてもったいない選択をしたのだろう」と偏屈の目で見ている人は多いと思います。
しかし、本人がそれで満足していれば何も問題はないのです。重要なのは本人がどう思うかなのです。
価値観は人それぞれ違います。
給料が半分になってでも、逃れたい苦痛や得たい時間がその人にはあるのです。
世間体を気にする気持ちも分かりますが、労働とは人生の多くの時間を占めますし、何年も続いていくものなので、自分の気持ちに正直になり、本当に自分がしたいことに愚直にチャレンジしていきましょう。
何度もお伝えしますが、あなたの天職において、あなた以外の価値観など必要ないのです。
これまでのキャリアや資格を活用することを忘れる
今までの経験や、スキルのことは一旦忘れましょう。
これらを活かせる仕事に限定してしまうと一気に仕事の幅が小さくなってしまいます。
最終的な企業選択の際には必要かもしれませんが、「まず天職とは何だろう」と考える段階ではあまり意味がありません。
また、持っているキャリアや資格は直接活かせなくても、そこから得た知識や考え方は、必ず色んな方向に活かすことができます。
そこで努力した勉強法を新しい資格取得に活かすことができますよね。全てが無駄になるわけではないのです。
新しい環境への不安よりも、期待や楽しさをしっかりと感じる
人間には恒常性(ホメオスタシス)と呼ばれ、変化したくない欲求が必ず備わっています。寒い冬でも、暑い夏でも体温が一定なのと同じように人間は環境を一定にしようとする能力があるのです。
なので、本来は、変化を受け入れること自体がストレスであり、不安に押しつぶされそうになることは、決してあなたが弱い人間というわけではなく、当たり前のことなのです。
しかし、そういった能力を持ちながらも人間は進化し続けており、恒常性に立ち向かって変化を楽しむことができる生物です。その理由は、未来を想像できるからと言われています。
新しい職場を妄想することで、楽しい気持ちになったり、期待をしたり、ワクワクしたりできるからです。
それ故、自分を変えるためには、これから変わる素晴らしい未来を具体的に想像しワクワクする必要があるのです。
そのワクワクを継続することが長期的なモチベ―ションになり、恒常性に打ち勝つ行動力を生み出すのです。
自分のやりたい仕事を実現したその先には楽しい未来が待っています。
この明るい将来像を自分の中で持つことができれば、最初の一歩を踏み出した後も、二歩、三歩と進み続けることができるでしょう。
まとめ
天職を獲得するためには、まずは自分を知ることが最低条件なのですが、実は、天職を見つけやすい方は転職を複数回行っている人であることが多いです。
転職活動とは基本的に、見たり聞いたりすることでの判断にすぎず、それだけでは会社の本当の良し悪しは分かるはずがありません。
例え、聞いていた通りの会社だったとしても、それがどれぐらい苦痛なのか、どれくらい幸せなのかは、やっぱり実際に働く経験をしてみなければ分かりません。
これらの経験から、自分のことを深く知ることができるのです。
したがって、天職を探すためには、転職活動も含め、様々なことにチャレンジし続ける必要があります。
もちろん、自分のことをそもそも見つめなおす時間を作らないことには、最初の一歩すら踏み出すことができませんので、まずは徹底的な自己分析を行い、文字に表すことや、イメージトレーニングを続けることで、理想の働き方を具体的に捉えるところから始めてください。