仕事で必要なリーダーシップとは?現役リーダーたちと考える「現代のリーダー像」
2020
12/26
仕事であったり、団体であったり、チームをまとめる立場の「リーダー」が必ず存在します。
ところで、あなた自身であったり、あなたの周りのリーダーであったりする人はきちんと「リーダーシップ」を発揮していますか?
リーダーという立場になったものの、きちんと責任を果たせていないと感じる人は多いのではないでしょうか。
この変化の激しい時代において、リーダーに求められる責任は非常に大きくなってきています。
先行き不透明な現代社会では、これまでのように1人のリーダーが強力に組織を推進するだけでは、なかなか成果をあげることが難しい。
つまり、これまでと違った「リーダー像」を描く必要があります。
リーダーという立場で苦戦する人、リーダーの立場のチームメイトに不満を感じる人、双方の目線で理想となる「リーダー像」を考えてみましょう。
目次
一般的に現代社会でイメージされる「リーダー像」とは?
チームを牽引する存在
そもそも、リーダーとはどんな人のことを想像しますか?
誰もが思い描く「リーダー像」がどのようなものなのか考えてみましょう。
まず声が上がるイメージとして、「チームを引っ張ってくれる存在」というイメージを持たれるのではないでしょうか。
全員で向かうべき方向を的確に示してくれる、いわゆる「リーダーシップ」を発揮してくれる人がリーダーとしてあるべきだと思っておられる方は多いです。
チームのフォローをしてくれる存在
また、リーダーはチーム全体のサポートをしてくれるものというイメージも強く持たれています。
チームで取り組む仕事に対しミスやトラブルが起きた場合、素早くフォローに回ってくれてサポートを行ってくれる、ある種スーパーマンみたいな人をイメージされる方もおられるのではないでしょうか。
現実のリーダーと理想のリーダー像のギャップ
自分のチームのリーダーに対する意見
では実際の所、あなたの周りのリーダーたちの仕事っぷりはどうでしょうか?
イメージされるような「リーダー像」として立ち回り、力を発揮できているでしょうか。
残念ながら「全然リーダーシップを発揮してくれない」「チームをまとめることができていない」という不満を持つ方が多いことが現実です。
自分がリーダーを任された時のネガティブな気持ち
リーダーに対するネガティブな感情は、身の回りのリーダーに向けられるものだけではありません。
リーダーとなった人自身も、求められる責務をプレッシャーに感じてしまう人が多いのです。
Googleでの検索でも「やりたくない」「辞めたい」「ストレス」「辛い」などの言葉がたくさん出てきます。
周りからの期待に応えられないと、リーダーという立場を負担なものと考える現役リーダーが非常に多いと言えます。
ギャップが生まれる原因
本来、立場としても責任あるポジションを任される、名誉ある「リーダー」なのですが、このようなネガティブイメージが先行してしまう状況にあります。
理想とされるリーダー像と、実際にリーダーを務める人の発揮するパフォーマンスにギャップがあります。
この差こそ、リーダーに対するネガティブイメージの根源です。
ギャップが生まれる理由を考えると、変化の激しい時代の中で「リーダー像」という概念も変化し、多様化していることにあると言えます。
現代では会社以外にもNPOやボランティア活動の任意団体など、組織のあり方が多様化しています。
その分「リーダー像」「リーダーの責務」も多様化しています。
現代社会でリーダーを務めるには、リーダー像の再定義が必要なタイミングを迎えているのです。
現代のリーダーはどう役割を勤めているのか
3名の現役リーダーと一緒に問題共有するイベントが開催
同じように悩みを抱える現役リーダーが現代社会で求められるリーダー像を考えるイベントを開催します。
(本イベントは既に終了しました。)
このイベントは、変化の大きなこの時代に、リーダーとして最前線で組織を動かす3人とリーダー像を考える、ワークショップを含んだ参加型のものです。
「自分たちは一般的なリーダー像とは少し違う気がする」と話す3人のリーダーたち。
「目指すべきモデルの無い時代を生き抜くリーダー像、リーダーシップとは何なのか?」というテーマについて意見を出し合い、新しいリーダー像を模索しようという試みです。
このイベントに登壇する3人の現役若手リーダーを紹介したいと思います。
池嶋 亮
イベントオーガナイザー
1988年大阪生まれ。サラリーマンながら、チャンバラ合戦-戦IKUSA-という新しい遊びのイベントを日本全国で展開するNPO法人ゼロワンの関西代表を務め、遊びの可能性を追求している。TEDxKobe2015出演。また学生時代に世界20か国30都市を巡る旅をキッカケに留学・世界旅好きが集まるコミュニティTerminalの主宰。世界をテーマに様々なイベントを企画している。
チャンバラ合戦 -戦ikusa-
井上 泰孝
特定非営利活動法人Cre che代表理事
大学在学中の2012年10月よりNPO法人Teach For Japanの学習支援事業に参画。2013年7月から2014年3月まで同団体の非常勤職員として関西事業部の運営管理を行う。2015年4月より、特定非営利活動法人Learning for All関西事業部エリアマネージャーに就任。2016年10月に特定非営利活動法人Cre cheを設立し、「子どもたちをみんなで育む社会」をつくることを目指し、地域で子どもたちが学ぶ「まなびば」を運営している。
特定非営利活動法人クレイシュ
田中 美咲
一般社団法人防災ガール 代表理・設立者
1988年奈良生まれ、横浜育ち。立命館大学産業社会学部卒業後、株式会社サイバーエージェントにてソーシャルゲームのプランナーとして従事。その後、東日本大震災をきっかけとして情報による復興支援を行う公益社団法人助けあいジャパンに転職。福島県庁・8市町村と連携した復興支援事業プロジェクトマネージャーとして現地雇用創出・事業推進を行う。2013年3月任意団体防災ガール設立、2015年一般社団法人化、代表理事を務める。2017年より東京都防災女性版・アプリ版検討委員会を担う。
防災ガール
イベント前インタビュー:池嶋亮
このイベントはどのようなものなのか、どのような心持ちでこのイベントを開催することになったのか、登壇者の1人の池嶋さんに事前に話を伺いました。
このイベントを開催することになった経緯は?
今回3人とも共通している点として、肩書き上「リーダー」として活動しているのですが、「いわゆるリーダー」とは違うなと思っている所がありました。
一般的に言われる「リーダー像」と重ねると、違和感を感じてしまうんです。
でも、実は僕達と同じように違和感を感じている人が社会にはいるんじゃないかという意見から、今回のイベントを企画しました。
実際に感じている仕事や組織でリーダーを務める上での悩みや不安は?
僕の個人的な見解、というか僕の団体の話なのかもですが、「リーダー」という立場はあくまで「いちポジション」でしかないと考えています。
僕はピラミッド構図のような、リーダーが一番上にどーん!みたいな考え方に違和感があるんです。
うちのチームのあるべき姿は、将棋のようにいろんな動きをするクセの強い(笑)いろいろな駒が横一直線にならんだ形が理想なんじゃないかなと。
王将も他の駒も、並び順には上下関係がない、そんなチームにできないかなと思っています。
ただし僕自身もそうだったのですが、立場が人を育てると言われるように実際に「リーダー」という肩書きを得てから団体の未来を真剣に考え始めました。
でも、横一列の関係になるには、全員が一緒に未来を考えたり、次の手を自分で考える習慣がないとダメなんです。
肩書きがない人でも、そういったことを考えるきっかけをどうやったら作れるのか、その方法を考えて悩んでいます。
イベントを通してどんなことをどんな参加者と共有したいですか?
「自分はリーダーじゃない」と思っている人に一番来て欲しいですね。
今は世間の「リーダー」と言われているものの定義が揺らいでいる時代なので、「私はリーダーじゃない」と言っている人の「リーダー像」がそもそもズレちゃってる可能性があるんです。
そういった人たちと対話を通じて「あれっ、実は私も現代の『リーダー』とう言葉に含まれるんじゃね?」という可能性が生まれるようなイベントにしたいと考えています。
イベント内容の詳細
イベント概要
○ 日時:2017/9/16 14:00-16:30
○ 場所:大阪 中央公会堂 大会議室
○ 料金:1000円(当日現金)
○ 定員:30名程度
プログラム
話題提供者からのトークセッション5分 × 3人
ファシリテーターが話を聞く15分
参加者がテーブルに別れてワークショップ
テーブルごとのまとめの発表
ワークショップの内容
テーブルが4卓ほど用意されています。テーブルごとにトークテーマがあり、選んで着席してもらいます。
テーブルごとに与えられたトークテーマについて話をし、最後に各テーブルのまとめを全体に発表し、共有を行います。
登壇する3名も答えを模索中のリーダーであり「これが答えだ!」と明示をするようなイベントではありません。
今回この3名が「話題提供者」という役割を担っている点は、みんなで話をするためのきっかけづくりを行って、話題提供者を含めてみんなで自分の中での答えを見つけることができる場を目指しておられるからです。
参加者全員が悩みや意見を出し合い、互いに話をすることで、参加者ごとに答えを見つけて活動を漸進する助力になればと考えられています。
実際にイベントに参加してリーダー像を考えてきた
大阪の中之島にある中央公会堂へ足を運び、実際に今回のイベントに参加をしてきました。
会場の様子
中央公会堂の大会議室が会場となっていました。
会場には20代の学生から50歳くらいの社会人まで、男女問わず幅広い層の人が集まってました。
参加者は受付で名札を渡され、名前と「自分のチームでの立ち位置」に該当する色のシールを選んで貼ります。
ちなみに私ぐっちは「サブリーダー」の青色を選んで参加しました。
話題提供者たちの体験談
まず、先に紹介をした今イベントで「話題提供者」として登壇していた3名の、実活動を元にした話がありました。
現在組織のリーダーとして活動をする3人がそれぞれ気をつけていること、リーダーとして自分が求められている話をされていました。
最速でチームが動けるように細かなチェックを行うタイプのリーダー、チームの行き先に先回りして芝を刈るタイプのリーダー、チームメイトのちからを頼る形で引き出すタイプのリーダー。
組織の違いがあるものの、おもしろいほど特徴できで異なった3名のリーダーとしての振る舞い方や考え方を持っておられました。
「分かるな」という話から「そういう考え方があったのか」という話まで、参加者全員が何かしらの発見を得ていたようでした。
自分が議論したいテーマの選択
話題提供者の話が終わると、ワークショップに移っていきます。
参加者と話題提供者が一緒になり、テーブルに別れて議論を行います。
用意された複数のテーマから、どのテーマで話をしたいのかを選んで着席します。
各グループで活発に議論が行われたり、お互いの体験談を披露し合ったり、話の進め方も様々でした。
テーマごとに集まった参加者も「リーダー」「サブリーダー」「フォロワー」と立場は様々。
お互いの視点から多くの意見が出てきます。
グループワーク後の議論の共有
グループワーク後、最後はグループごとの全体発表です。
テーマに対して何かしらの答えを出したグループもあれば、さらに深い議題を投げかけるグループもありました。
グループワークも発表も短い時間ではありましたが、立場は違えど参加者は同じようなリーダー像に関する悩みを抱えている人たちなので、短時間でも深い話し合いができたように感じました。
参考までに、私の参加したグループでは「組織内に活気を生み出す 志気をあげる」というテーマで「志気や活気とは何か」という所から話し合い、このテーマを解決するためには「コミュニケーションをしっかりと行うことが必要不可欠で、リーダーはなおチーム内のコミュニケーションが重要」という答えになりました。
現代を生き抜く組織には柔軟なリーダーが必要
変化の激しい時代を生き抜くには、リーダーはどうあるべきなのか。
イベントとして明確なリーダー像を示すことはしませんでしなくとも、それぞれの思うリーダー像の答えに近づく鍵を見つけられたと思います。
私が感じた異なるチームのリーダーたちに共通していたことは「柔軟性に長けている」という点でした。
どの組織も時代の変化の他、まだまだ成長途中の組織ということで、日々激しい変化にさらされています。
その中でチームを成長に導くために、柔軟に対応する心構えと実行する力を持って、チームの「現在」と「未来」を見据えておられました。
皆さんの組織のあるべき「リーダー像」を一度考察してみてはいかがでしょうか。
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