希望とする医療機関がみつかっても面接で落ちてしまえば意味がないですよね。
看護師転職の事前準備や面接マナーですが意外と知らない方が多い傾向にあります。
看護師転職の面接は看護師不足の影響もあって比較的合格率は高い傾向にありますが皆さんが面接にあたり万全の状態で挑めるよう、面接における準備から面接マナーまで詳しくご説明します。
面接当日の流れ
面接の事前にやるべき準備
面接会場・時間・ルートを確認
面接会場への移動距離・交通手段・到達時間をチェックしておきましょう。
車で面接に行かれる際は駐車場の有無や近隣にパーキングがあるかも事前に確認しておきましょう。
電車やバス等の交通手段を使う場合、予定時刻の便よりも1本早い便に乗るなど時間に余裕をもって行動しましょう。面接前に一度、実際の交通手段を使い面接場所(医療機関)の下見を行っておくと間違いないでしょう。
面接当日の遅刻は厳禁です。やむを得ず遅刻する場合は必ず医療機関へ連絡し遅刻理由、予定時間等を説明しましょう。
医療機関の病院理念や患者の特色等の情報収集を行う
医療機関の情報を知らず面接にいくのは大変失礼な話です。自分が希望とする医療機関ですので病院の大まかな概要や病院の方針、看護理念等の最低限の情報はおさえておきましょう。
逆質問等の内容も考えておくと面接の際スムーズにいきます。逆質問をおこなう場合は後程紹介しますがありきたりな質問ではなくその医療機関の特色にあわせた質問事項を考えておくよう心がけましょう。
上記のポイントを押さえておくだけでも面接官より好感をもってもらう事ができます。
面接直前にやるべき準備
- 携帯の電源はマナーモードもしくは電源は切っておきましょう。バイブも禁忌です
- 履歴書や職務経歴書の確認、筆記用具、持参物の確認をおこないましょう
- 医療機関に対しての概要や質問事項等、再度目を通しておきましょう。面接機関のパンフレット等があれば持参しましょう。
一番大事なことは適度な緊張は必要ですがリラックスして面接に臨む事です。周りの空気にのみ込まれないように気をつけましょう。
面接時に必要な書類
履歴書・職歴所
履歴書はどの医療機関においても必須です。職歴書においては医療機関によって異なりますが大手企業や大学病院等の医療機関では提出を求められるケースが多いようですので各自確認しておきましょう。
成績証明書
国公立病院や大手病院、企業等で求められる事があります。卒業した看護学校に連絡すると書類の発行をしてもらうことができますがタイミングや諸学校の都合により時間がかかることもありますので必要の際は早めに看護学校へ連絡しておきましょう。
他にも看護師免許証のコピーや源泉徴収票などありますがたいていの医療機関は採用後の提出となりますのでここでは必要ありません。各医療機関によって面接の際の必要書類も異なりますので各自確認しておきましょう。
面接は第一印象で決まる!まずは服装やマナーからポイントup!
身だしなみの三要素は清潔感・健康的・機能的と言われています。この三つの項目を意識し万全の状態で面接に臨みましょう!
面接当日の服装やメイク等の身だしなみをチェック
面接時における身だしなみやチェックポイント、注意点を男女別で下記に掲載します。
ヘアスタイル
男性
- 茶髪、長髪、寝癖はNG。清潔感のある髪型を心がけましょう
- ワックスやジェルの使用はいいですが髪をツンツンたてないように。又、ジェルの塗りすぎにも注意が必要です
- もみあげが耳にかかるのはNGです。襟足の長さも注意しましょう
女性
- 髪の毛の色は地毛に近い色。染めておいてもいいですが明るいトーンの色は避けましょう
- 長い髪はお辞儀をしたときなどに顔にかからないように束ねておくと良いでしょう
- パーマをかけている場合はボサボサな印象を与えないように気を付けましょう
顔
男性
- ヒゲはきちんと剃っておき当日の朝に再度剃りましょう。剃り残しもNGです
女性
- 厚化粧でもノーメイクでもなくナチュラルで健康的なメイクを心がけましょう
- カラーコンタクトは避けましょう
時計・アクセサリー
時計は派手すぎずシンプルなものを着用しましょう。色はスーツにあう色がいいでしょう。
時計は機能性を重視し分単位で時間がわかるものがいいでしょう。
ネックレスは基本的に着用しないほうがいいですが着ける際はスーツに合わせたシンプルなものがいいでしょう。
指輪・ブレスレットのアクセサリーも外しておきましょう。
スーツ
体型にあったスーツを選ぶ事が大前提です。肩幅や裾・袖の長さに注意しましょう。色は黒や紺、グレーなどの落ち着いた色が一般的です。
看護師は仕事柄、スーツを着用するケースが少ないことから稀に友人や知人のスーツを借りて面接にいかれる方もいるようですがそれは禁忌です。普段、着用していないスーツにおいてもサイズ合わせやクリーニングを事前におこなっておきましょう。
男性
- ズボンの折り目がしっかりついているか
- 上着、Yシャツともにシワや汚れがなく清潔である事。特にYシャツは体に直接触れる
- 袖・襟の汚れに注意が必要です
- 襟元からTシャツが見えないようにしましょう。中に着用する下着は白が望ましいです
女性
- パンツスーツの折り目がしっかりついていること
- シワ、スカートの裾やスリットのほつれに注意しましょう
- スカート丈は椅子に座った時に、膝にかかる程度の長さがベストです
コート
派手な印象にならないように注意しましょう。基本的にはロングコートよりもハーフコートが良いとされています。
自分の体型にあったものが大前提。スーツや靴、カバンの色にあわせコートの色もあわせるといいでしょう。
色は男女とも黒や紺、グレー、ベージュなどが合わせやすいでしょう。
靴・靴下・ストッキング
靴は事前に磨いておきましょう。かかとやヒールのすり減りにも注意が必要です。
男性
- 靴下はスーツに合うダークカラーを選択(黒やグレーなど)
- 基本的に白はNGです
- 靴のタイプはプレーントゥがベストと言われています(飾りがなくつま先がとがっていないもの)
女性
- 素足はNGです。ストッキングの伝線や汚れに注意し予備をもっておくと良いでしょう
- ストッキングの色は、自分の肌の色に近いナチュラルカラーを選択しましょう
- パンプスのヒールは3~5㎝のものが良いとされています(足さばきがよく見え疲れにくい)
ネクタイ
男性
Yシャツやスーツの色と合わせましょう。派手な色合いや柄ものはNGです。
曲がり、歪み、シワ、汚れに注意しましょう。又、ネクタイを装着した際の長さも不均衡にならないように気をつけましょう。
かばん
カバンはA4サイズの書類を折らずに入れられるものが便利です。又、面接や医療機関の見学の際はカバンを床に置く機会が多いですので置いたときに立つものがいいでしょう。
一般的に一目でそれとわかるようなブランドもののバッグは避けたほうがよいとされています。
機能的でスーツに合う事が大前提。高価なものである必要はありません。
面接のマナーに気を付けて面接官に好印象を与えよう
病院に着いたら
医療機関到着後、すれ違う方には笑顔で挨拶をしましょう。医療関係者だけでなく患者やその家族にも同様です。
コート着用者は病院到着後、コートを脱いでおきましょう。医療機関へ入る前にもう一度自分の服装や身なりの確認をしておきましょう。
待っている間は
待合室では基本的に私語は厳禁です。携帯電話を触ることもマイナスのイメージに繋がります。待合室では医療機関のパンフレットの拝見や質問事項の見直し等、静かに待機しておきましょう。
面接室では
1) ノックは3回
入室の際にはまずノックを三回し『どうぞ』という応答の後にドアを開けます。
ノックは2回といったイメージをお持ちの方も多くいらっしゃいますが面接マナーでは3回が適正です
2) ドアは後ろ手で閉めない
入室を促されたら『失礼します』と一言発し入室します。
ドアを閉める際はドアの方を一度振り返り両手でドアを閉めるのが正しいマナーです。
その後、指定された座席に向かい面接官へ一例した後に挨拶をします(名前・本日はよろしくお願いします程度で可)
3) 促されて着席
面接官に着席を促されたら『失礼します』と一言添え着席しましょう。
荷物は足元に置き、自立しないカバンは椅子の横にたてかけておきましょう。
4)面接終了後
終了後、椅子より立ち上がり挨拶(ありがとうございましたと一言)お辞儀の角度は45度が望ましいと言われています。ドアからでる際に軽く会釈をし『ありがとうございました』と一言添え退室します。
面接での上手なプレゼン方法
面接でのプレゼン・自己スピーチの際は自分が伝えたいポイントや構成(以下の3つ)を意識することが大きな鍵です。
- 主張:自分がその話で一番伝えたい事を明確化する
- 根拠:なぜその考えに至ったのか。具体例やエピソードを交え主張の裏付けをおこなう
- 結論:上記を踏まえ今後、自分がどうしたいのか。上記要因による結論を明確かつ簡潔
にまとめる
声の大きさ、話すスピードを意識する
ただ声がおおきいというだけでは聞きやすいプレゼンとは言えません。聞き取りやすい声のトーンに加え抑揚やスピードといった面もスピーチをするうえで大切な要因となります。
自己PRはいいが、自慢っぽく聞こえると印象は悪い
自分が得意とする部分や以前の職場での功績を話すことは非常に大事ですが話し方が非常に重要です。自分の長所を淡々と話したところで受け取り手にとってはいい印象を与える事ができません。受け取り手から“うちの医療機関にきてほしい”と思わせる事が重要だということです。例文につきましては後程紹介していきます。
話が長いのは嫌われる!相手とコミュニケーションを取りながら受け答えしよう
自分の話を淡々とするだけではコミュニケーションになりません。面接時間や一人当たりに配分されている時間というのは決まっていますので簡潔明瞭に受け答えをするといった点を意識しましょう。面接される立場ですのでペースは面接者に合わせましょう。
集団面接の際などに自己PR等で時間を長々使う人がいますが協調性といった面でかなりのマイナスとなりますので時間配分やその場の空気をよんで面接を行う事も必要です。
病院研究も重要!志望度を見られている!
例えば希望する病院のいいところやなぜこの病院を選んだのかという質問に対し答えられないというのは論外です。自分が転職や就職するかもしれない病院の事ですからある程度の情報収集は必要です。病院の概念や看護部理念、各医療機関によって強みや売りとするポイントは必ずありますので医療機関に応じた志望動機や情報収集というのは大事なポイントとなります。
転職面接時の自己PRの例文
- 今まで自分が何をやってきたのか
- 何ができるのか・どの分野を得意としているのか
- 今後、医療機関に対しどう貢献していきたいのか、就業が叶った際の目標
上記の三つをプレゼンの中に盛り込む事が必要です。
例1)私は認知症といった疾患に興味があり認知症に対する資格を4つ取得しています。
貴院は認知症患者のケアといった面において特化しており、認定看護師も在籍していると伺いましたので認知症看護について深く学べるといった点に魅力を感じました。
貴院へ合格した際は広い視野から患者を捉え、認知症看護の基礎から学んできたいと考えています。貴院で認知症看護の土台を構築し今後は認知症認定看護師という展望に向かい精進していきたいです。
自分の強みや成果を述べたうえで今後の自己展望を話す事が有用です。医療機関のアピールポイントや強みとしている専門分野も話の中に交える事で面接官からの好感度もアップしますし意図のある転職・就職といったところを強調することができます。漠然とした目標やありきたりな志望動機ではなく自分の目標と医療機関の特色を照らし合わせる事が自己PRのコツとなります。
経験年数をアピールする自己PR例文
経験年数の浅い(1年~4年程度)場合の自己PR例文
例1)日々の看護をおこなっていくうえでより高度な医療を学びたいと強く感じ貴院に魅力を感じました。
例2)経験年数は浅いですが以前の病院で自分の看護に対する自己展望がみえたので転職を決意しました。
例3)幅広い看護を学びたく思い貴院の~といったところに惹かれた為、転職を希望しました。
看護師経験1~4年目は看護の土台ともなる部分です。以前働いていた病院での経験から何を感じたのか、今後どうしていきたいのかを明確にしましょう。
柔軟性や実績も必要ですがここでのポイントは“やる気”です。
これがしたい!これを学びたいといった意志を明確にすること。転職する医療機関の特色
と照らし合わせる事で意図のある転職であることアピールしましょう。
中堅(5年~8年程度)の場合の自己PR例文
例1)認定看護師・専門看護師を目指す上で貴院の○○といった看護方針に共感でき是非
、貴院で知識を深めたいと強く思いました。
例2)以前勤めていた病院で後輩ができたことが大きな要因です。自分が教えるといった
立場にたった際、自分に足りていない分野が明確になりました。看護師5年目をターニングポイントとし貴院の○○でスキルアップを目指したいと強く感じました。
例3)結婚や育児といったライフイベントをターニングポイントとし新たな環境で働き
たいと強く感じた為、転職に踏み切りました。
中堅看護師では結婚や育児等のライフイベントの他、仕事面でも自己展望や看護観にお
いて大きく揺れる時期でもあると言われています。
ここではキャリアアップの転職活動であることをアピールしましょう。また、中堅看護師で
は委員会活動やプリセプター等、前職での活動等もアピールポイントに加えてもいいかも
しれません。
ベテラン(9年以上)の場合の自己PR例文
例1)前職ではチームリーダーの役割も担っており新人教育に力をいれていました。今後は学んだ知識を後輩たちに還元していく時期だと考えておりチーム医療に特化した貴院に惹かれ転職を決意しました。
例2)自分のキャリアを活かせる病院を求め貴院の○○といった部分に魅力を感じ転職を決意しました。ベテランではありますが先輩として誇れるよう日々の看護や患者との関わりから看護を深め精進していきたいと考えています。
ベテラン看護師ではキャリアだけでなく協調性や柔軟性、リーダーシップをとる力も必要とされますので自分の実績や得意とする部分を踏まえ、どのように医療機関で発揮していくかをアピールするとより効果的でしょう。キャリアアップといった視点ではなくキャリアを活かす病院といった視点で医療機関を捉え、各医療機関の長所やポイントを探していきましょう。
熱意・モチベーションを伝える自己PR例文
探究心を盛り込んだ自己PR
例1)私は認知症疾患に興味があり認知症に纏わる資格を取得してきました。以前の病院
では業務に追われる日々で患者と密に接する機会が少なかった為、資格をいかせる病院の転職を視野に入れました。貴院では認知症の患者を数多く扱っており看護の質においても特化しているとの情報を知り貴院の看護方針に魅力を感じました。
貴院で患者と密に関わり、日々学習を重ねることで認知症疾患や個々における看護・ケアについて深く学びたいと思います。
探求心は仕事をおこなっていく上で必ず必要とされますし自分の能力を発揮するためにも重要なものです。きっかけやそれに向かって自分が取り組んだ点、今後の展望も踏まえアピールするとより現実性が得られ好感も得られます。
日々の努力をアピールする自己PR
例1)私は日々の業務を丁寧かつ時間内に終わらせる為、優先順位付けや時間配分といった点を意識し今日まで取り組んできました。時間を意識することで物事の優先性や時間配分について業務を客観視して捌く事ができるようになり広い視野で物事を捉えることができるようになりました。
ここでは日々の業務や取り組みを行う上で努力した内容に焦点をあてアピールしましょう。
努力をした結果、どうなったのか、希望機関でどう活かせるのかといった点が重要となりますので結果を明確にしたうえで内容の肉付けをおこないましょう。
キャリアやスキルを強調する自己PR例文
将来を見据えた自己PR
例1)私は将来、認知症認定看護師を目指し認知症に纏わる資格の取得をおこなってきました。貴院は認知症ケアに特化しており認知症認定看護師も在中している為、認知症患者におけるケアや看護について更なるスキルアップに繋がるのではないかと考え貴院を希望しました。貴院で転職が叶った際は、個々のケアを重視し日々の関わりから学びを深めていこうと考えます。
ここでは初めに自己展望や夢を明確にしておきます。その後、それに向けて今まで努力した事や今後、希望とする医療機関で学びたい事、取り組んでいきたいと思っている点を順序だててPRするとより効果的でしょう。
多くの業務経験を伝える自己PR
例1)私は以前、急性期病院のICUで所属していた事もあり、数多くの疾患・治療に携わってきました。病状初期の前駆症状に対しても知識を深め急変時の対応もできることが自分の強みでもあります。貴院は急性期から慢性期と幅広い患者の特色があり広い視点から看護をおこなっていますので自己の知識や経験を貴院で活かしていきたいと考えています。
以前働いていた経験や今まで得た知識・自分の強みをアピールし今後、希望機関でどう活かしていきたいかまで明確にしておきましょう。
子育てから復帰した場合の自己PR例文
例1)貴院では子育てをしながら働いている方も多く支援サポートも多い事から安心して働ける職場であると感じました。
子育てにおいては両親のサポートも整っており職場への影響は最小限にとどめたいと思っています。職場、家庭の両立を図り日々精進していきたいです。
ここでは子どもがいるものの、仕事への影響は最小限にするといった意気込みや両立をはかるといった前向きな姿勢がアピールポイントになってきます。
子どもがいても全く業務に支障はでないと言いきってしまうと嘘になりますので断言するのは禁忌です。
転職回数が多い場合の自己PR例文
例1)看護を行う上で多方面の視点から看護の経験をしたかったので多々転職はしていますが経験を積んだ分、多くの視点から疾患に限らずケアや看護が行える事が私の長所です。今まで学んだ知識や技術を貴院でも活かし日々精進していこうと考えます。
多くの転職をしている事はいい印象を与えませんので、沢山経験したことで看護の視点が広がりどういった結果や強みになったというポイントをアピールすることが大切です。
多くの転職に伴う利点や有用性を予めピックアップしておくといいでしょう。
経験のない科へ転職する場合の自己PR例文
例1)私は循環器患者の看護は初めてですが以前よりすごく興味がありました。自分の興味分野として循環器科の勉強はしていましたが実際の現場で患者に携わる事で座学の学びだけでなく日々の業務でも適用できるようになりたいと強く思っています。貴院は循環器の患者を専門としている病院でありカテーテル治療や外科的治療もおこなっていることから幅広い医療・看護を貴院で学びたいです。
その科や医療機関が取り扱う診療科に対して興味があることをアピールしましょう。
実際に携わったことのない科の病院であればその科の事前学習や事前調査を行いやる気アピールをすると好感を得られます。
転職面接時の志望動機の上手な伝え方ポイント
企業や医療機関が欲しい人材は能力がありかつ仕事への熱意がある人です。なぜ志望動機を医療機関は確認するのでしょうか。それは大きく分けて以下の二つに分かれます
- 希望する医療機関の志望度、病院とのマッチング性
- その人の経緯と人柄を把握
まずは面接者が志望動機でどこに着目しているのかを理解しておきましょう。
ポイント
自分のビジョンが医療機関との一致点であることを伝える
『自分には将来このような野望や夢がある。その夢を叶えるためには貴院しかない』
『この医療機関でやり遂げたい』といった強い意志を伝えましょう。目的を明確にし、貴院でおこなっていきたいプランを的確に伝える事は非常に有用ですし高く評価されます。その為にも病院のリサーチは必須となります。病院の情報を知らず上記のような言動は仇となるため気をつけましょう。
時間を考慮し簡潔明瞭に
自己PRでスピーチする際は5分程度に収めましょう。話が長すぎると意図する部分が面接者に伝わらない場合もありますので冒頭に自分が伝えたい事を述べその後、経緯や自分の考えを述べるといいでしょう。
注意点)志望動機の際、休みが多い事や高給料であるからといった回答は控えましょう。
給料体制の充実を売りとしている医療機関は多数ありますが基本的に給料面には触れないようにしましょう。
印象を損なわない上手な退職理由の伝え方
退職理由はポジティブな理由で
看護師の退職における主な理由は給料面と人間関係この二つがダントツに多いと言われています。しかし、退職する際に給料が安い、人間関係が悪いので辞めますとは言えませんよね。
嘘も方便といった言葉があるように円滑な退職を行うには多少の嘘も必要であるということです。
ここで重要になるのが退職理由ですが、一番安泰な理由はやはり結婚や出産、育児に専念したいため辞職を余儀なくするといった形ですが辞職を考えている最中、そんなタイミング良く上記のようなライフイベントが訪れる確立は低いですよね・・・。
では、どのような退職理由が印象や好感を落とさず辞職できるのでしょうか。
それはポジティブな理由で退職を伝える事がベストではないかと考えます。
例えば、今の病院で経験を積んでいくにあたり更なるスキルアップを目指したくなった。資格取得にチャレンジしてみたい。
このような前向きな理由が一番有効であると言われています。しかしこれだけでは甘いです。では、ここの医療機関で資格取得やスキルアップを目指したら?といった話になりますので取り扱っていない科や希望する医療機関でのスキルアップを目指したい!といったような一段階掘り下げた理由と多少の嘘も必要です。
自己展望や夢に向かって離職する人に対し無理に残れという医療機関は少ないですので有効性があります。
注意点
離職前に給料面や職場の文句を言うのは避けましょう。
仕事の文句ばかり言うと医療機関側からも良くは思われませんし退職理由を仕事や人間関係が嫌だからといった視点で捉えられてしまいます。転職以前の問題ではありますが愚痴や文句は医療機関内では慎みましょう。
又、離職事情を友人や上司に相談する際は信用の厚い人に相談しましょう。安易に離職する
事を誰にでも話すと話が広がり後々、自分で自分の首を絞める事になります。
転職面接でよく聞かれる質問は?想定質問と回答例で準備万端に!
「転職理由は何ですか?」
例1)○○を学ぶことで更なるスキルアップを目指したいと感じた為です。
例2)貴院は○○に特化しており興味分野である○○を貴院で学びたいと感じた為です。
ポジティブな回答を希望機関の特色に合わせ回答することを心がけましょう
「退職理由は何ですか?」
例1)以前勤めていた医療機関で自己展望や将来ビジョンが明確になった為です
例2)更なるスキルアップ、自己研鑽に努めるため新たな地で学びたいと感じました
こちらにおいても将来や自己展望、自己研鑽といったポジティブな印象の回答を心
掛けるのがベストでしょう。
「志望動機は何ですか?」「どうして当院を選んだのですか?」
例1)貴院は○○に特化しており更なるスキルアップがはかれると感じました。
例2)貴院の○○といった部分に共感でき、貴院で学びたいと強く感じました。
事前の情報収集から自分のやりたい事が医療機関の方針や看護の理念に当てはまって
いる事を強調しましょう。ここでやり遂げたいといった強い意志を伝えることがポイン
トです。
「当院で何をやりたいですか?」
例1)貴院は○○に特化していることから、○○に関連した知識・技術の向上とそれに
纏わる資格の取得を将来は目指しています。
例2)看護だけでなく研究や自己学習を自主的に行い自己啓発につとめていきたいです。
スキルアップや自己研鑽に励んでいくなど前向きな回答がベスト。やる気アピール
をしましょう。
「経歴と実務経験を教えてください」
例1)免許取得後、急性期病院のICUで3年間、応援看護師の制度を使い1年間、循環器
病院で勤務していました。
ここで前職の強みや経験をアピールする方がいますが悪までも経緯を把握する事を面接
官は意図していますので単純に経緯を述べるだけでいいでしょう。
「あなたの看護観を教えてください」
例1)一方的なケアを提供するのではなく患者の今に目を向け、共に向き合える看護師を目
指しています。
ここでは率直な自分の看護観を話すといいでしょう。看護師を目指したきっかけや理
想とする看護師像、これにエピソードを加えて話すことでより説得力が増します。
「自己紹介をしてください」「自己PRをお願いします」
例1)私は患者の残存能力を活かしたケアプログラムを作成することを得意としています。
貴院へ転職が叶った際には医療機関の特徴である○○といった視点に目を向け患者を統合的に捉える事で個別性にあった看護を提供していきます。
どこの医療機関においても自己紹介と自己PRは一緒になっているケースが多いようです。前述しましたがここは自慢するPRではありませんので自分の得意とする分野や今まで努力した点、特化した部分を今後どう活かしていくかがポイントとなります。面接機関の特徴も踏まえ自分の特徴や強みが活かせる事をアピールできるとなおいいですね。
「あなたの長所を教えてください」「あなたの強みは何ですか?」
例1)私の強みは時間をうまく有効活用できることです。優先順位付けし決められた時間
内に業務を遂行することで少しでも多く患者に関わる時間を作れるよう心がけています。
自己の長所+看護に対する長所があればなおいいです。ここでは希望機関でも活かせ
る長所を明確にしておきましょう。
「あなたの短所を教えてください」「あなたの弱みは何ですか?」
例1)私は患者カンファレンスやディスカッションの際、患者に対する気持ちが強いが故
に熱くなりすぎるところが短所です。自己分析をおこなった結果、他者の意見にあまり耳を
傾けていなかったと反省点が明確になった為、周りの意見を十分に聞いた上で自分の意見
や発言を行う事を心がけています。
ここで面接官が見たいポイントは下記の三つです。
- 自分を客観視できているのか
- 自分と向き合えているか
- 問題解決能力があるのか
この3つを理解したうえで短所を長所に置き換えなおかつ今後、その短所をどう改善
していくかを明確化しておきましょう。
「何か質問はありますか?」―逆質問 への対応
逆質問を行う場合、入社後のイメージを膨らませる質問がいいとされています。
例えば、『入社後、私は○○○の取り組みを行っていきたいと考えていますがそのようなサ
ポートは可能でしょうか』や『貴院に入職が叶った場合、事前に学習しておく疾患やポイン
トはありますか』など入職後をイメージし質問することで意欲面や向上心といった面で評
価が高くなります。
「何か質問はありますか?」と聞かれたら絶対に質問しよう!
質問がなければ熱意を伝えるのでもOK!
上記の事を質問された際、何もありませんと答えるのは絶対にやめましょう。ここでは医療機関に対する興味や就職意欲といった点を面接官はみていますので必ず答えるよう心掛けましょう
事前の情報収集でわからなかった点でも構いませんし、逆質問で掲載した内容でも構いません。このような看護を貴院でしていきたいといったアピールポイントをPRしてもいいです。何もないといった返答は意欲がないとみなされますので気をつけましょう。
面接官はどんなところを見ているの?採用のポイントは?
面接官の見ているポイントは大きく分けて下記の3つになります。
外見・表情
身だしなみや服装など人のイメージは第一印象で決まるとも言われていますので常日ごろから気をつけておきましょう。
コミュニケーションスキル
看護師は接客業と言われるほどコミュニケーション能力は重要視されます。
声のトーンや話し方、言葉遣い、話しの構成、伝わりやすさなどこと細かくチェックされていますので言葉一つ一つを意識し面接に挑みましょう。
意欲
希望する医療機関の事前リサーチの内容を聞くだけで面接者がどの程度、医療機関に対して興味があるのかがわかると言われています。情報収集を徹底し希望機関で働きたいといった強い志をアピールしましょう。
意外と面接の待合室や会場付近の行動を見られている
待合室での私語や態度もリサーチされています。又、面接会場を出た後の行動までみられている場合もありますので面接会場を出たからといって喫煙や歩きスマホなど一般常識として望ましくない行為は控えましょう。
最近はSNS情報を調べられることも・・・
病院や施設ではSNSを使って情報をリサーチされる事は少ないですが企業看護師の採用試験ではそのような実態もあるようです。
普段から自分の行う行動や言動には注意が必要であるということですね。
でも、何より一番大事なのは人間力!!
面接で一番重要視されるポイントが人間性です。面接官は何千人の面接者をみている為、その人をみただけで人間性や個々の特性がわかると言われています。ありのままを見てもらう事も必要ですがその人の信念や意欲といった面を重要視していますので自分の特性に加え上記のポイントに磨きをかけましょう。
夢や目標を追っている人間は輝いてみえるように看護おいても理想とする看護師像や夢を明確にしておく事をおすすめします。
看護師仲間の実際の転職時の面接で使われた自己PRと志望動機
志望動機
“私は将来、認知症認定看護師を目標としています。しかし、認知症看護を学ぶにあたり認知症分野のみならず患者の原疾患や症状も幅広く理解しておかなければいけないと実習を通し強く思いました。又、幅広い知識と技術、患者が急変した際の判断力や対応力も看護師には必要であると感じます。貴院は特定医療病院であり集中治療部の医療に特化していると聞き非常に興味を持ちました。経験も浅く知識や技術は不足していますが看護の土台となる医療を貴院で学びたいと強く感じた為、貴院の入社を志願しました。又、貴院での就職が叶った際は高度医療を専門としているICUでの所属を希望します”
この志望動機で熱意が伝わり希望とするICUでの入職も叶いました。
看護部長のほうへ後程聞いた話ですがやはり採用試験の際、一番重要なことは仕事に対する意欲のようです。
このように面接は入社を目的としていますが自分の看護論や希望を伝えるいい機会でもあります。希望する医療機関や配属部署への強い想いや意志があれば面接官も理想に沿えるよう配慮してくれますのでまずは自分の理想や夢を明確にしたうえで面接に挑むことをおすすめします。
まとめ
前述したように看護師の面接といった面では大手企業や大学病院を除きそれほどハードル自体は高くありません。しかし面接を甘く考え挑んだ結果、不採用になるといったケースも多い事も現状です。医療機関の情報収集は前提ですが何より自分の医療機関に対する想いが重要です。目標や挑戦したい事がない方はこれを機に自分を見つめなおす機会にしてもいいかもしれません。
自分の医療機関に対する想いが伝わればきっと実りのある面接になるはずです。
希望とする医療機関への転職が叶うよう万全の状態で挑みましょう。