はじめて退職する方は、退職後に必要な手続きについて不安があるかもしれません。私も退職時はどこから手をつけてよいのかわからず悪戦苦闘しました。
今回は、退職後の諸手続きについてまとめてみました。退職を目前に控えた皆さんのお役に立てたらと思います。ぜひ、参考にしてみてください。
はじめて退職する方は、退職後に必要な手続きについて不安があるかもしれません。私も退職時はどこから手をつけてよいのかわからず悪戦苦闘しました。
今回は、退職後の諸手続きについてまとめてみました。退職を目前に控えた皆さんのお役に立てたらと思います。ぜひ、参考にしてみてください。
退職後に次の職がすでに決まっている人はこれらの手続きは必要ありませんが、失業期間が発生する場合は、社会保険(健康保険・国民年金・失業保険)等もろもろの手続きが必要となってきます。
手続きが行えずにいると、もらえるはずの失業手当がもらえなかったり、医療費を全額負担しなければならなくなることも。後々後悔しないためにも、しっかりと知識をつけて前もって手続きがスムーズいくように準備ができることが理想ですね。
私の周りには、リフレッシュのために海外旅行を考えている、ゆっくり転職活動を行いたい等の理由で退職後に長期間の自由時間を楽しみたいという看護師が驚くほど多いです。
とくに退職後すぐに海外旅行へ行きたい!という方、大事な手続きにも期限が定められています。後々面倒なことにならないよう退職前の早い段階で詳しく知っておきましょう。
退職日の翌日から次の職場で働くという方は、基本的に職場が代わりに手続きを行ってくれます。ただし、パートで働く場合や社会保険完備でない職場への転職の場合は自分で手続きが必要となるため確認しておきましょう。
退職後に就職先が決まっていない方は、退職日の翌日から14日以内に手続きを行わなければなりません。まずは住民登録されている市区町村の役所窓口へ足を運びましょう。
持ち物…印鑑、離職票、年金手帳(場所によっては健康保険資格喪失証明書がいる場合もあります)
年収が130万円未満…
配偶者や両親などの被保険者の扶養範囲内で働く場合、健康保険被扶養者・国民年金第3号被保険者といって、健康保険と国民年金の支払いがそれぞれ免除され扶養扱いとなります。
見込み年収が130万円を超えると、国民年金や国民健康保険に加入することになり、手取り額が大幅に削られることになります。看護師のパートは高額傾向のため、扶養内で働きたいという方は、見込み年収が高くなりすぎないように注意が必要。
ちなみに年間収入が103万円を超えると、所得税や住民税がかかりはじめます。
以下の2つが扶養内で働くための条件になります。
①年間の収入が130万円未満(60歳以上の場合は180万円未満)である。
※過去の収入ではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額を指します(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下)。また、雇用保険の失業給付や公的年金、さらに健康保険の傷病手当・出産手当等もこれに含まれます。
②加えて、年間の収入が次の条件に当てはまること。
被保険者の資格取得日から5日以内に、被保険者から被保険者の勤務先(=事業所の事務担当者)に必要書類を提出します。提出方法は職場によっても異なるため、事前に担当者への確認が必要。
健康保険被扶養者(異動)届…日本年金機構のホームページでダウンロード可能
収入要件確認のための書類…例:給与証明、所得証明書、直近の確定申告の写し等
その他、必要に応じて下記の書類が必要↓
収入の説明に関して…退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し、雇用保険受給資格者証の写し、年金額の改定通知書などの写し、直近の確定申告書の写し、課税(非課税)証明書、受取金額のわかる通知書等のコピー
被保険者との関係証明に関して…被扶養者の戸籍謄本(被保険者との続柄確認)、被保険者の世帯全員の住民票、内縁関係にある両人の戸籍謄本と被保険者の世帯全員の住民票
※提出の有無に関しては、事前に確認をしましょう。
任意継続被保険者制度とは…
2年間の期限付きで、健康保険を任意継続できる制度です。今まで加入していた健康保険は、半額を勤務先が負担してくれていますが、任意継続被保険者となるとそれらすべてが自己負担となるため、当然支払う金額は増えます。ただし、上限額が決まっているため、単純に倍の額になるわけではありません。
国民健康保険に加入する場合も自治体によって異なるため、どちらがお得かはそれまでの収入をもとに計算する必要があります。市役所や区役所へ行って計算してもらうと確実です。
私はどちらに加入するが迷った際に、区役所へ足を運んで計算してもらいました。看護師で夜勤をしている場合は任意継続保険へ加入するとお得になることが多いと思われます。
ちなみに、あなたに被扶養者がいる場合は、国民健康保険に切り替えてしまうことで扶養から外されることになります。扶養家族の保険負担額もしっかり考慮したうえで、どちらを選択すべきか判断しましょう。
資格喪失日までに健康保険の被保険者期間が継続して2か月以上あること。
資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土・日・祝日の場合は翌営業日)以内に、管轄の協会けんぽ支部に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること。申出書は、市役所等でもらえるほか、全国健康保険協会のホームページからダウンロードが可能です。
国民年金に加入する際は、管轄の役所で手続きが必要です。
年金手帳、印鑑、離職票を準備していきましょう。
失業保険=雇用保険 転職活動をする人にとっては心強い?保険の給付は頼りになる!
退職した職場から離職票を受け取ったら、できるだけ早いうちにお住いの管轄のハローワークに行って手続きを行いましょう。
次の職が決まるまで安心して就職活動に専念できます。(看護師の場合すぐにみつかるとは思いますが…)
すでに次の職場が決まっている場合は原則受け取ることができませんのでご注意を。
以下の2つの条件を満たしている場合は、失業保険を受給できます。
ちなみに以前私は公務員看護師として働いており、そもそも雇用保険に入っておらず条件を満たしていなかったため、もちろん退職後に失業保険の受取りはできませんでした。
これは、離職の際、公務員の規定で退職金等が求職者給付(いわゆる失業保険)よりも高いことが多いため、雇用保険の対象外になっているようです。逆に言えば、公務員として働くということは失業保険が必要でないほど安定しているということがわかります。
ただし、公務員として働いていても勤務している自治体の規定の方が失業保険よりも安い場合は差額分がもらえるみたいなので、公務員看護師として働いているという人は知っておいた方がいいかもしれません(その計算や手続きはとても面倒であるとよく聞きますが)。
看護師が公務員として働ける機関としては、公立病院や公立診療所、保健所等があります。
今後、転職予定のある方は今のうちにその辺の知識を深めておきましょう。次の職場を考える条件としても知っておくと、より賢い転職ができるかもしれませんね。
実際にはどれくらいの金額が支給されるのか、気になるところですよね。
だいたいの金額であれば以下の計算式で簡単に計算することができます。
今まで働いてもらっていた給料をもとに基本手当日額(1日あたりの金額)を以下の計算式に当てはめて計算します。
たとえば…
【離職以前6か月分の賃金(残業代を含む、賞与は除く)】×【0.5~0.8】÷【180】
ちなみに年齢によって1日当たりの上限額が決まっていて、
30歳未満…6,390円
30歳以上45歳未満…7,100円
45歳以上60歳未満…7,805円
60歳以上65歳未満…6,709円
となっています。(平成26年8月1日現在)
まず、“待機期間”といって、ハローワークに離職票を提出してから7日間は支給されない期間があります。
次に、自己都合や懲戒解雇などで退職した際には給付制限があり、待期期間からさらに3か月は支給されません。
すぐに受給可能な方としては、例えば倒産やリストラ、パワハラやセクハラを受けた場合。さらに病気やケガ、心身の障害などによっての離職。他にも会社都合で退職を余儀なくされた方。再就職をする準備時間のなかったような方等が挙げられます。
このような特定受給資格者は給付日数が優遇される場合があります。自己都合の方はこの限りではありません。
失業保険の給付日数は決まっており、だいたい90日~180日です。就職困難者は比較的給付日数が多く、150日~360日とされています。
ただし、手続きが大幅に遅れてしまうと給付日数の満額を受け取れなくなるため注意が必要です。原則として、受給できる期間は、「離職した翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)」と限度が決まっているためです。
支給を受けられる期間は、再就職するまで、または以下の表に定められた日数のいずれか早い方となりますので参考にしてください。
一般受給資格者 自己都合により離職した方および定年退職者の方 | |||||
被保険者期間 | |||||
1年未満 | 1年以上
5年未満 |
5年以上
10年未満 |
10年以上
20年未満 |
20年以上 | |
65歳未満 | ― | 90日 | 90日 | 120日 | 120日 |
特定受給資格者 会社都合(倒産、人員整理、リストラ)等により離職を余儀なくされた方 | |||||
被保険者期間 | |||||
6か月以上
1年未満 |
1年以上
5年未満 |
5年以上
10年未満 |
10年以上
20年未満 |
20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
就職困難者 身体障害者、知的障害者、精神障害者および社会的事情により就職が著しく阻害されている方 | |||||
被保険者期間 | |||||
6か月以上
1年未満 |
1年以上
5年未満 |
5年以上
10年未満 |
10年以上
20年未満 |
20年以上 | |
45歳未満 | 150日 | 300日 | 300日 | 300日 | 300日 |
45歳以上60歳未満 | 150日 | 360日 | 360日 | 360日 | 360日 |
離職が決まったら、勤務していた職場から離職票(雇用保険被保険者離職票1・2)を受け取りましょう。
お住いの地域を管轄するハローワークでできるだけ早めに「求職の申し込み」を行い、離職票や保険証・印鑑等の必要な持ち物を提出します。受給要件の確認をしたうえで受給資格の可否がここで判定されます。受給資格決定後、次の受給説明会の日時を確認して、「雇用保険受験資格者のしおり」を受け取ります。
指定された開催日に出席しましょう。
必要なもちもの…雇用保険受給資格者のしおり、印鑑、筆記用具
4週間に1度の指定された日に必ず、管轄のハローワークで求職の活動内容の状況報告をして失業認定を受ける必要があります。ここで求職活動をしていることが証明できなければ、支給されません。
失業認定が行われると、だいたい1週間で指定した口座に失業保険が振り込まれます。受給のスタート後は、再就職の決定もしくは所定給付日数の期間までは失業認定と受給を繰り返しながら仕事を探していく流れになります。
※給付制限のある人(自己都合で退職した場合)は、待機期間終了から3か月経ってからの受給となります。
*保険証(雇用保険被保険者証)
*本人確認書類(運転免許証など)
*離職票1,2
*顔写真2枚(3センチ×2.5センチ)
*印鑑
*通帳(預金口座の分かるもの。失業手当の振込先を書くケースあり)
辞める時期、タイミングによっては損得も。
雇用保険の加入期間は、通算することが可能です。退職から再就職までの間に失業保険を受給しないこと、さらに退職してから1年以上の空白期間がないこと。この2点さえ抑えていれば、加入期間の通算ができて失業保険をもらえる日数に影響してきます。今後に備えることが可能になるため、決して損であるとは思いません。その辺は人それぞれ価値観の違いもあるため、よく考えることをお勧めします。
退職してから次の転職先が決まるまでの間に失業手当がもらえるということは前述した通りです。他にも、ハローワークには、再就職手当という“転職先が決まったお祝い金”がもらえる制度が実はあるのです!
失業手当が出るのは、自己都合の場合は3か月が過ぎてからになりますが、再就職手当に関して言えばすぐに受け取ることが可能です。早めに再就職先が決まったら再就職手当をもらいましょう。
支給額は、失業手当の残りの給付額のだいたい半分ほどになります。
失業給付金の支給残日数に基本手当日額(60歳未満は5840円が上限)を掛けた額の50%で計算します。
例:支給残日数90日、基本手当日額5000円の場合、90×5000×0.5=225,000円
(※所定給付日数が3分の2以上残っている場合、50%ではなく60%の支給に増額します。)
再就職手当の受給額は毎年改訂される場合があるため、詳細はハローワークのサイトを確認しましょう。
*雇用保険の被保険者であるということ。
*失業手当受給の手続きをしてから、待期期間である7日間が満了した後に決まった就職であること。
*過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
*常用雇用であること(※パート雇用の場合は受給不可か“就業手当”が出る可能性あり)。
*再就職先が離職前の職場に関連した施設でないこと。
*給付制限のある人(自己都合や懲戒解雇での退職者)が待期期間(受給資格決定後7日)終了後1か月経たないうちに再就職を決めた場合(ただし、ハローワークまたは人材紹介会社を利用して決まった場合は、1か月以内であっても受給対象になります)。
*就職活動が長引いて所定給付日数が3分の1を切ってしまった場合。
【紹介会社やハローワークで再就職した場合、勤務先都合の退職の場合は例外となる】
紹介会社やハローワークで再就職した場合と、自己都合ではなく勤務先都合で退職した人が再就職した場合に限っては、例外として受給資格決定後の待機期間である7日間が終了して1か月以内に採用が決まっても、再就職手当を受け取ることができます。
(受給条件に関する詳細は管轄のハローワークに問い合わせてみましょう。)
再就職した翌日から1か月以内に、再就職手当支給申請書に雇用保険受給資格者証を添えて提出します。
申請後、1か月から1か月半は調査期間となり、支給が決定・報告された後、支給手続きが開始されます。
いかがでしたでしょうか?記事を読む前よりいくらか知識は深まりましたか?みなさんの退職後に、活かして頂けると幸いです。手続きにはそれぞれ期限がありますので、退職後にバタバタしないように計画を立てて行動に移してくださいね。
(参考URL)