日本人は、世界のなかでも働きすぎる民族だとされています。日本で働く人なら、「仕事を辞めたい」と思って当然です。
もし、いま仕事を辞めたいと思っているなら、自分の考えを否定しないでください。今回は、転職を決めた人たちが仕事を辞めた理由や、転職するなら知っておきたい退職前の準備、ストレスへの対処法などを紹介していきます。
日本人は、世界のなかでも働きすぎる民族だとされています。日本で働く人なら、「仕事を辞めたい」と思って当然です。
もし、いま仕事を辞めたいと思っているなら、自分の考えを否定しないでください。今回は、転職を決めた人たちが仕事を辞めた理由や、転職するなら知っておきたい退職前の準備、ストレスへの対処法などを紹介していきます。
仕事を辞めたいと思った理由
上司や先輩から嫌われて働きづらい、嫌味や噂話、陰口を話すのが大好きな人がいて職場の雰囲気が悪い、手を抜いて仕事をする人がいる一方で、いつも真面目にがんばっている自分ばかり損をしている。
人間関係は、退職理由の上位を占める悩みです。
少し困難でも、達成可能なノルマは仕事のモチベーションになります。しかし、誰もが同じようにノルマを達成できるわけではありません。会社によっては明らかに無理のあるノルマを課せられる場合もあります。
まじめな人、努力家の人であればあるほど、ストレスを感じていても自分を追い込んでがんばってしまう傾向があります。しかし、いくらストレスから目をそらしても、心や体が感じているストレスが消え去ってしまうわけではないのです。
仕事のストレスが原因でうつ病になってしまった場合、会社は何をしてくれるでしょうか?
配慮のある会社であれば、一定期間の休職を認めてくれることもあります。しかし、うつ病になったのは本人の甘えだと仕事を押しつけてくる会社、働くことができないなら辞めてくれという会社もあるのです。
パワハラ、セクハラといったハラスメントの問題に、うまく対処できるとは限りません。ハラスメントをしてくる相手と戦うには、時間も気力も必要です。社内の相談窓口や、上司に相談しても改善しないなら転職しましょう。
社内恋愛は、うまくいっていれば非常に楽しいものです。しかし、相手が上司や部下だった場合、破局後に仕事で嫌がらせをされることもあります。恋愛関係のトラブルは解決が難しいため、会社を辞めて逃げるのも効果的な手段です。
女性の場合、妊娠するとこれまで以上に体をいたわる必要があります。妊娠や出産を機に専業主婦になるため仕事を辞めたいと考える人もいれば、職場に迷惑をかけたくないから辞めると決める人もいるのです。
数年我慢すれば考えも変わるという意見もありますが、はっきり合わないと感じているなら、時間を無駄にする必要はありません。
仕事を辞めるのは、大きな決断です。多くの人は、自分で決める前にいろいろな人に相談します。
ここでは、どういう人に相談すると、どのようなメリットがあるのかを見てみましょう。
親しい友人との会話は、ストレスの発散になります。同年代であれば仕事の悩みを共有することもできますし、相談しづらい悩みを話すことで、解決の糸口が見えてくることも少なくありません。
職場に信頼できる上司がいるなら、思い切って相談してみましょう。上司は社会人としての先輩であり、社内の状況や状態もわかっている心強い相手です。どうして辞めたいと感じたのか、辞めずに済む方法はないのかを相談することもできます。
上司に相談することで、職場の状況が改善されたり、退職の意思が強く固まったりすることもあるのです。
友人や上司に相談をしても、説教じみた内容のないアドバイスしかもらえない場合もあります。ストレスで精神的に追い詰められているなら、家族に相談するのがおすすめです。
精神的な逃げ道があると、自分を追い詰めすぎずに冷静な判断を下すことができます。
今日上司に辞めたいと伝えれば、明日から会社に行かなくてよいわけではありません。退職にも、トラブルを避ける方法や準備があります。
退職や転職についてもっとも手軽に相談できるのが、ハローワークです。転職のことも視野に入れながら、退職にあたって必要な書類や手続きを教えてもらうことができます。
仕事を辞めたい、いまの会社に行きたくないと思ったら、ストレスを自分から遠ざけましょう。
悩んだときは、考えていることを紙に書き出して、問題を具体化するのがおすすめです。仕事の量が多くてきついなら、効率をあげるか仕事量を減らしてもらえるかを相談してみるなど、悩みを具体化することで対処法が思い浮かびやすくなります。
ただし、自分の力で対処できない理由で仕事を辞めたくなっているなら、無理せず辞めたほうがよいです。
配置転換や異動、出張などを申し出れば、働く環境を大きく変えることができます。特に、パワハラやセクハラで悩んでいる場合、問題の相手と離れる効果は大きいです。
心が疲れ切っていると、何をしてもうまくいきません。思い切って連休を取り、じっくり休んで自分がどうしたいかを見つめ直す時間をつくることも大切です。
ストレスの多い生活を送っているなら、意識してストレスを解消できる環境をつくってみましょう。おいしいものを食べる、マッサージや銭湯に行く、運動をして汗を流す、自宅を好みのインテリアに改造するなど、できることはたくさんあります。
理由もなく仕事を辞めたいと思う人はいません。辞めたくなるような原因や理由があるからこそ、会社に行きたくないと思うのです。とはいえ、ただ仕事を辞めるだけでは生活に差し支えます。辞めたいと思ったときは、転職活動をはじめるのがおすすめです。
ハローワークでは、失業保険や健康保険の手続きについて相談し、準備することができます。簡単に登録できる転職サイトではどのような求人募集があるのか、ネットでいつでも確認可能です。
無料の転職エージェントに登録すれば、仕事の合間をぬって面接対策を行い、転職先を決めてから辞めることもできます。
タイミングごとに、仕事を辞めるメリットとデメリットを見てみましょう。
ブラック企業などに入社してしまった場合、体を壊す前にいち早く辞めることができるのが最大のメリットです。一方、新卒で入社してすぐに辞めると、スキルが身についていないため転職しても年収が下がってしまった、といったケースもあります。
入社3年目は、仕事にも慣れてきて、周囲に目を向ける余裕が出てくる時期です。少し余裕ができたからこそ、人間関係や収入面の問題を見つめ直し、働き方や収入を改善するために転職することができます。
ただ、転職時にすぐ辞めるのではと色眼鏡で見られやすいのがデメリットです。
妊娠や出産をきっかけに、会社側から雑に扱われたり、不信感を持ったりして辞める人も多いです。キャリアの中断がデメリットとなりますが、専業主婦になったり子育てを前提とした新しい働き方を探したり、ライフプランを考え直すことができるというメリットもあります。
入社後3ヶ月と同じく、転職したばかりの時期も辞めたくなってしまう人が多い時期です。ただ、ほかのタイミングと違って、よほどの事情がない限り転職直後に仕事を辞めるのはデメリットしかありません。だからこそ、失敗しないように転職することが大切です。
転職のしやすさで考えるなら、求人数の多い20代、30代での転職がおすすめです。40代、50代になってからの転職は、求められる能力が非常に高くなり、求人の数が少なくなるため、転職がどんどん難しくなってしまいます。
もちろん、長く勤めて磨いてきた能力に自信があれば、40代以降のキャリアアップも可能です。ただし、世代を問わず転職の成功は仕事を辞める前の準備にかかっています。
非正規雇用の場合、仕事を辞めるのは簡単です。しかし、正社員として働いている場合、期限のない雇用契約を交わしていることが多いため、仕事を辞めるには適切な手順を踏まなければなりません。
せっかくなら、退職後を有利に過ごすための準備をしてから辞めましょう。
会社で雇用保険に1年以上加入している場合、仕事を辞めたあと失業保険をもらうことができます。失業保険をもらう手続きには、辞めた会社から出してもらう「離職票」という書類が必要です。
ほかにも、厚生年金の継続や国民年金への切り替えなど、退職後にすべき手続きはたくさんあります。なにが必要で、いつまでに手続きするべきかをまとめたチェックシートをつくりましょう。
会社にいるあいだ、自分がどのような仕事をしてきて、どのようなスキルと経験を得たのか、引き継ぎ作業をするついでに確認するのがおすすめです。
自身の能力や経験を棚卸しすることで、転職活動をする際のアピールポイントがわかります。
有給休暇を残したまま退職するのはもったいないので、できるだけすべての有給を消化してから辞めましょう。
ただ、有給の消化は会社と話し合ったうえで決めたほうがよいです。引き継ぎを行わずに有給の消化に入った場合、気分を害した会社がなかなか離職票を出してくれないといったトラブルになることもあります。
仕事を辞めてよかったケースと悪かったケース
思い切って長期間の旅行に行ったり、趣味を追求したり、資格を取るために勉強をしたりして、人生を充実させることができます。
退職をきっかけに転職活動をすることで、以前の会社より給与も待遇もよい会社に就職できるのも、成功例のひとつです。
仕事を辞めて悪かった、と思うケースは、主にふたつしかありません。ひとつは、勢いで辞めてしまったためうまく転職に失敗し、生活できなくなってしまうケース。ふたつめは、うつ病など、病気になったり体調を崩したりしてから辞めたケースです。
転職に関しては、準備や求める条件次第でいくらでも対策できます。しかし、体を壊してから仕事を辞めると、長期間の療養が必要になり、治療費も生活費もかかるのです。
退職するかどうかの判断は、人生を左右します。おすすめしたいのは、仕事を辞めたいと思った理由を「自分の力で解決できる問題なのか」で決めることです。
たとえば、「仕事が難しくてうまくできないから辞めたい」のであれば、自分の技術を高めることで解決できます。しかし、「仕事の量が多すぎて処理できないし、上司や会社にかけあっても人を増やしてくれない」なら、人員配置は自分の力で解決できない問題なので、辞めたほうがよいのです。
そして、仕事を辞めようかと真剣に悩んでいる時点で、多くの場合自力では解決できない問題が発生しています。
長時間労働が当たりまえの日本では、仕事のストレスが大きいため、「辞めたい」と考える人も多いです。自分を守るためにも、仕事を辞めたいという気持ちが頭によぎったら、前向きに転職を考えてみましょう。
仕事は人生の一部にすぎません。仕事に引きずられて人生を台無しにしないためにも、よい環境への転職がおすすめです。