みなさんはクリニックで働く看護師の仕事についてどれくらいご存知ですか?
転職を考える際の選択肢として挙げている人も結構多いのでは?
ここでは、クリニックで働く看護師についてまとめたものを書いていきたいと思います。
みなさんはクリニックで働く看護師の仕事についてどれくらいご存知ですか?
転職を考える際の選択肢として挙げている人も結構多いのでは?
ここでは、クリニックで働く看護師についてまとめたものを書いていきたいと思います。
「クリニック」とは、病床数が無床もしくは19床以下のものを指します。病床数が20床以上の「病院」との違いは、その規模の大きさです。規模が違うと従業員の人数も違いますし、仕事内容もがらっと変わってきます。
クリニックで働く看護師の主な仕事内容は、問診・血圧測定・採血・点滴等が一般的です。基本的な手技がスムーズに行えるだけのスキルは必要だと言えます。とくにクリニックは風邪などが流行する季節はとくに時間との勝負であるため、少しでも手技に不安がある方にはおすすめできません。
また、人数が少なく限られているため、看護業務以外にも雑務があります。クリニック内の掃除や、処置物品の洗浄等、受付がいない場合は受付業務の兼任など多岐に渡ります。
さらに、医師や他看護師との距離がとても近いため、コミュニケーションスキルは必須と言えます。
楽と思うかどうか、向き不向きは人それぞれだと思います。
人気のあるクリニックではとくに休む間もなく来院があるためその対応に追われますが、病棟看護師のように病棟内を往復したり検査出しに行ったりしない分、身体的には楽だと言えます。また、たとえば突発的な急変や急患等もほとんどないため、精神的負担も軽いと思います。人によっては働いていて気が楽と感じる仕事内容かもしれませんね。
その反面、雑務が思った以上に多いことや人間関係に悩まされる看護師も少なくないようですので、安易にクリニック=楽な勤務とは言い難いです。
業務がルーチンとなっているため、慣れてしまえばスムーズに仕事ができますが、新しい知識や技術の習得の機会がないことも挙げられます。そのため、もし転職しなければならなくなったときへの不安が大きくなりそうです。
クリニックも診療科や勤務時間等によってさまざまであるため、お給料に関しても一概には言えません。クリニックは基本的に個人経営であり病院と比べると規模も小さいので、給料は低めとなっているようです。
夜勤もなく、午前診療・午後診療の間に中空き時間のあるクリニックも多いため、平均的な月額は16万円程度、年収にすると395万円前後がだいたいの相場となっているようですが、それも経験年数や勤務地域、夜勤の回数によって大きく差が出ます。
夜勤のある病棟看護師の平均年収はだいたい480万円前後が相場と言われているので、その差はとても大きいことがわかりますね。
ほとんどのクリニックは無床であり夜勤がないため、夜勤手当がつかない分病棟看護師の給料と比較すると低くなってしまいます。しかし、なかには自由診療クリニックのように一般のクリニックとは異なり、年収アップを図れるところもあります。
美容外科クリニックや美容皮膚科クリニック、レーシック専門クリニックや不妊治療専門クリニック等を指します。これらの医療の質が高かったり人気や評判が良かったりするクリニックは、利益としてスタッフの給料に反映されやすい傾向にあります。
ただし、達成ノルマのあるクリニックもあるようなので、興味のある方も事前に確認が必要だと思われます。
クリニックは病院と比較するとそのコミュニティの小ささが際立ち、人間関係でぎくしゃくした場合の逃げ場がないと敬遠される理由としてもよく挙げられます。こういった職場環境のなかでも上手くやっていける人、「仕事は仕事」と割り切れるような人には向いていると思われます。
前述したとおり、風邪などの流行と関係のあるクリニックではとくに時間との戦いになることもしばしばあります。看護手技が問題なくスムーズに行える人は苦もなく業務をこなしていけると思われます。
病棟勤務に慣れた人がクリニックへ転職して悩むことに、雑務の多さがあるようです。病院には清掃スタッフや病棟クラーク等それぞれ仕事内容が分担されていますが、クリニックではそれらをすべて看護師でやらなければならなくなるため、慣れないうちは戸惑うことも多いようです。
夜勤には疲れたけど看護師としてはまだまだ働き続けたい方の多くがこの理由でクリニックへの転職を決めています。
私も夜勤をしないことをひとつの条件として派遣看護師をしており、クリニックでの勤務も視野に入れています。「夜勤なし・日勤のみ」というのは魅力的な条件だと言えるでしょう。
休日は一般的に暦通りであることが多く、シフト制ではないため、休診日が決まっており先の予定も組みやすいです。基本的に日曜日が休日となることがほとんどで、家族や友人と過ごす時間を大切にしたいという人にとってはとても嬉しいのではないでしょうか。
たとえば「子どもが急に熱を出してしまった」といった場合も、勤務人数が限られているため休ませて欲しいと頼みにくいのが実際です。
子どもの学校行事等で突発的な休みが欲しい場合も「去年の運動会は休ませてもらったから今年はどうぞ。」等、ほかの看護師との兼ね合いで決めることが多いようなので、年間を通してイベント事が多いと普段から気を遣いそうですね。
上記でも述べましたが、掃除や物品の発注、医療機器の消毒等、病院ではすることのなかった雑務をしなければならないことがあります。人数が限られている分しなければならないことが増えるのは当然ですが、「こんなことまで看護師がしなければならないの?」と疑問に思う声も多々あるようです。
給料や休日、通勤時間等を重要視することが多いようですが、実はもともと病院勤務の看護師が見落としがちなのが手当や福利厚生です。
病院ではこの辺は注意してみていなくてももともと充実していることがほとんどであるため問題ありませんが、クリニックでは残業手当が付かなかったり福利厚生が病院ほど充実していないのが実際です。ここを見落とすと後々困ることもありますのでしっかり確認しておきましょう。
病棟で大人数の中の一人として働いていた場合と比べると毎日同じメンバーで顔を合わせることになるため、人間関係が上手くいかない場合も逃げ場がありません。実際に働いてみて人間関係に悩む看護師は多いようです。
臨床経験を積みたい人や、幅広い知識・技術の向上を目指している人にとっては、ルーチンの業務に物足りなさを感じることが圧倒的に多いと聞きます。クリニックで働いていると専門知識を深めることは可能かもしれませんが、一方で新しい手技を取り入れる機会がほとんどないため、向上心の強い人には向いていないかもしれません。
残業なしと謳っているクリニックはとても多く、夜勤はないところがほとんどです。忙しい病棟勤務と比べると何時間も残業しなければならないという状況はないに等しいです。
しかし、なかには診療時間後の掃除の時間や次の日の準備等にあてる時間を残業に含んでいない場合も多く、実際のところはサービス残業をしていることもあるようです。
病院と比較すると取りにくいと言われています。
大きな理由としては、やはり看護師の人数の違いです。欠員がひとり出るだけでも大きいため、産休や育休をしっかり取得したいという方にはあまりお勧めできません。もちろん、なかには産休・育休取得実績ありと掲げているクリニックもあります。
しかし、転職時は念のため事前にちゃんと産休・育休が取得可能かどうかは確認しておいた方が無難でしょう。ただし、同時に入職希望の方が他にもいる際は、この件を確認すると他看護師を優先されてしまう可能性もあることを覚悟しておきましょう。
クリニックによっても様々ですが、こちらもやはり病院の福利厚生と比較するとどうしても劣ってしまうと言えます。とくに以下の項目は注意して確認しておきましょう。
まず、社会保険完備のクリニックかどうかチェックしておく必要があります。というのも、クリニックの経営者は個人事業主(自営業)であるため、国民年金へ加入しなければならないことが多いためです。
この場合、毎月のお給料から控除として差し引かれないため、国民年金保険料15,590円(平成27年度)全額を自分で支払わなければなりません。手間もかかりますし、正直とても面倒です。
また、多くのクリニックで健康保険は医師国保への加入となる場合があるようです。この場合、医師国保の会社による半額負担は義務ではないので、全額を自分で払わなければならないこともあるため注意が必要です。
さらに、都道府県によっては産休中の出産手当が支給されないこともあるため、事前に確認しておく必要があると言えます。
退職金もクリニックの規模や院長の懐の広さによって異なります。院長の方針によっては退職金制度がない場合もあるみたいです。クリニックによっても大きく違うため、確認しておいた方がよさそうです。
大学病院では看護計画を立案して継続的な看護を提供していくのに対して、クリニックはその時々の患者の症状や悩みにその都度対応していくといったイメージです。
そもそも規模が全然違うこの2つの医療機関ですが、ほかにどのような違いがあるのか比較してみましょう。
大学病院で病棟勤務であれば、2交代勤務や3交代勤務もあり、夜勤もあるためシフト制となります。一方、クリニックはほとんどが暦通りであり、早出や遅出等はあるものの日勤のみとなります。病棟勤務の方がよりハードな勤務をこなしている印象です。
大学病院では看護の基本的な技術の習得はできます。ただし、採血や点滴等の看護技術は研修医の先生が行うことが多いため、なかなかその機会に恵まれず苦手意識をもっている看護師も多いかもしれません。
また、常日頃から研修や勉強会への参加、看護研究や学会等イベントが盛り沢山です。そのため、新しい知識も次から次へと幅広く得ることが可能です。
一方、クリニックに必要なスキルとしては、一般的にはほとんどが採血や点滴のみであることが多いです。専門クリニックであれば、その分野に関して特化したとても深い知識が必要となります。
大学病院で夜勤をしていると仮定した場合、夜勤手当がつきます。この手当が看護師の給料にはとても大きく反映します。残業手当もつくため、この手当分の差は歴然です。
夜勤のない小さなクリニックでも、中には高水準のお給料を提示しているところもありますが、数は多くありません。とくにボーナスに関しては、個人クリニックでは院長の方針によっては少ない場合があるため、転職の際には注意しておく必要があります。
福利厚生は医療機関の規模の大きさに左右されることがほとんどです。大学病院などの大きな病院では、その経営も安定していることからそれに見合った福利厚生を約束することが可能です。
それに対して個人クリニックでは経営が大学病院ほど安定していないため、そうもいかないことがあります。そのため、なかなか福利厚生を病院ほど充実させることが難しいと言えます。
残業なしと謳っているクリニックは多くありますが、実際に残業なしでも大丈夫なのか、面接の段階で聞いておいた方がいいと思われます。
病院と比較すると手当や福利厚生が劣ることは上でも述べましたが、クリニックは経営者によって大きく差が出るため、クリニックの中でもいくつか比較しておくことをお勧めします。
クリニックは院長との距離がとても近く、毎日顔を合わせる存在です。面接の際には、こちらも対象の人柄を伺えるよう余裕をもって臨むと良いかもしれません。他スタッフも身近な存在であるため、クリニック内の雰囲気も一緒に見学できたらより安心です。
求人サイトには載っていない人間関係等の情報が知りたい場合は、面接時の雰囲気や口コミで知るには限界があるため、転職支援サービスを利用してみるというのも一つの手だと思います。
クリニックへの転職を考えているみなさん、いかがでしたか?
病院と比較すると意外にデメリットも見つかりました。それでも身体的負担が少なく規則正しい休みが取れることはやはり魅力がありますよね。
クリニックへの転職を考える際の条件として、給料や通勤時間だけでなく手当や福利厚生、職場の雰囲気はしっかりと考えた方が良さそうだということもわかりました。
これらを参考に求人探しのポイントを押さえて、より良い条件のクリニックと出会えるといいですね。