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異業種や異職種への転職はどれくらい難しい?成功するためのコツは?

 

毎日の仕事の中で「今の仕事は自分に合わないのではないか?」、「もっと自分の能力を活かせる仕事があるのでは?」と、疑問を覚えたことはないでしょうか?そう思った方は、もしかしたら転職を考える機会かもしれません。今回は今の仕事とは違う「異業種・異職種への転職」について、成功するポイントを交えながらご紹介していきたいと思います。

目次

異業種や異職種への転職はどれくらい難しいの?

転職サイトDODA(デューダ)が公表している「異業種・異職種転職の実態」によると、転職者全体のうち51.9%が異業種への転職、33.9%が異職種への転職を実現しています。

参考:DODA「異業種・異職種転職の実態」

このデータから考えると、異業種・異職種への転職は難しいどころかかなり一般的な事例であるといえるでしょう。ですから、異業種・異職種への転職を目指していたとしても、過度に心配する必要はありません。

異業種・異職種へ転職するメリットは?

異業種・異職種に転職する場合、同業種・職種の転職と比べて次のようなメリットがあります。

「眠っていた能力」が活かされるかも?

ある仕事では求められていなかった能力が、別の仕事では重要な役割を果たす、ということは珍しくありません。たとえば、人とあまり接しない仕事をしていた人が、取引先やお客様と直接触れ合う仕事に転職し、それまで秘められていたプレゼンテーション能力を遺憾なく発揮できるようになる、ということもあるでしょう。

前職での経験が役立つこともある

逆に、「異業種・異職種であっても、共通して求められる能力やスキル」というものもあります。そうした能力は異業種・異職種に転職しても無駄になることはありません。

むしろ、「商品開発のために使っていた専門知識が、営業職でお客様に対する商品説明に活かされる」というふうに、今までとは違う能力の活用法に気付かされるかもしれません。

未経験なので、過度な期待から解放される

異業種・異職種に転職すると、新たな職場では「初心者」とみなされます。経験者であれば一定の仕事ぶりを期待されるような環境でも、「初心者だから」と多めに見てもらえるかもしれません。周囲の目による余計なプレッシャーから開放されることで、今まで以上のパフォーマンスを発揮できる機会が得られる可能性もあります。

異業種・異職種へ転職で年収はアップするの?

異職種・異職種に転職する際は「年収がどう変わるのか?」が気になるところだと思います。実際には、前職と転職先での年収は人ぞれぞれですから上がるか下がるかは一概には言えませんが、「年収が上がりそうかどうか」を前もってチェックする方法はあります。

まず、自分の今の年収が「同業種の平均と比べてどうか?」を確認してください。続いて同様に「同職種の平均と比べてどうか?」も調べておきます。

もし、自分の年収が「同業種の平均と比べて少ない」としたら、「異業種・同職種」への転職で年収がアップする可能性が高いといえます。同様に、もし「同職種の平均と比べて少ない」のなら「同業種・異職種」への転職によって年収がアップできる可能性が高くなります。

異業種・異職種で転職しやすい業界は?

異業種で転職しやすい業界

商社・流通業界は異業種からの転職が多い業界とされています。主にメーカーから商社へ転職するパターンが多いです。

人材サービス業界も異業種からの転職が少なくありません。事務職などで人材業界に入るパターンと、人材業界から派遣先の企業に転職するパターンがあります。

これ以外だと、メディア業界はIT業界・サービス業界からの転職が多いため転職しやすい環境にあるといえるでしょう。

異職種で転職しやすい業界

商社・流通業界は異業種だけでなく、異職種の転職も盛んです。たとえば、メーカーでエンジニアとして働いていた経験を活かし、技術営業職として働く、といったパターンが典型的です。

小売業では、販売員から店長、エリアマネージャーといったステップアップコースが存在しているため、転職する場合も同様に異職種へ進むケースが見られます。

IT業界では、プログラマーからシステムエンジニア・ネットワークエンジニアへの職種転換がよく知られています。ほかにもコンサルタントやセールスエンジニアといった異職種への転職を目指すこともできます。

異業種・異職種の転職で成功するコツは?

異業種・異職種の転職を成功に導くコツを5つまとめてみました。転職を目指す方はこれらの点をチェックして転職活動に臨みましょう。

転職の「パターン」を決める

まずは、どの業界、どの職種への転職を目指すのか範囲を絞り込むことが肝心です。大まかには「異業種・異職種」、「同業種・異職種」、「異業種・同職種」という3つの転職のパターンがあります。自分が目指すのはどの転職パターンなのか考えると、必然的に業界・職種を絞り込めます。

「転職しやすい業界・職種」を絞り込む

どのパターンでの転職を目指すのか決めた後は、転職先を探す業界・職種を絞り込みます。自分の今までの仕事の経歴と照らし合わせて、あまり遠くない業種や職種を選ぶべきです。このとき、先ほどご紹介したように「異業種・異職種での転職が多い業界に属する企業」を選ぶのはもちろんですが、それ以外にも気をつけるべきことはあります。

伸びている分野、成長している企業を狙う

最近できたばかりの新しい業界や分野は必然的に人手不足になりがちなので転職先として狙い目です。競争相手も少ないと考えられるので、異業種・異職種からの転職でも歓迎される可能性が高くなります。

同様に、成長している企業も絶えず人材を求めています。そうした、もともと人材に対する需要があるところを狙っていくと転職を成功させやすくなります。

前職の経験が役立ちそうな業種・職種を選ぶ

たとえ異業種・異職種への転職を狙うにしても、可能であれば前職の経験が役立ちそうな仕事を探してください。先にお伝えしてきたように「業種・職種の垣根を超えて役立つスキル」というものは存在するからです。

新しいことに挑戦できそうな企業を選ぶ

理想をいえば、「今までの経験を活かすことができ、さらに今まではできなかった新しい挑戦ができる企業」を見つけられれば万全です。こうした、今までにはない新しいやりがいがあることが、仕事のモチベーションアップにつながります。

異業種・異職種で転職する場合の履歴書や面接のポイントは?

異業種・異職種への転職では、今までの仕事は違う能力が求められます。面接などの場面では、これまでの仕事の中では埋もれていた自分の良さをアピールする必要があるでしょう。

前職で培った、転職後も役立つ経験について語る

あなたが今まで積み重ねてきた異業種・異職種での経験は、そのままあなたの個性をPRするポイントになります。といっても、専門的な知識や一部の業界でしか通じない話題を話しても意味がありません。これからの仕事でも役立つと採用担当者がイメージできるような、「一般的に共感できる経験や事例」について話すべきです。

外の視点から見た、新しい仕事の改善点を語る

採用担当者としては、異業種・異職種で働いていた人を雇うにあたり、「この人を採用すれば、会社がより良くなる」というイメージを持ちたいものです。そんなとき役立つのが「外の視点から見た改善提案」です。

異業種・異職種で働いていたということは、既存の業界の常識にとらわれない発想ができる、ということでもあります。そういった斬新な視点からの提案ができれば、「この人は一味違う」といった印象を与えることができるでしょう。

自分が新しい仕事に「向いている」と考える根拠を伝える

異業種・異職種への転職では、「新しい仕事が自分に合わない」という可能性も高くなります。そういった「仕事と人材のミスマッチ」は採用担当者にとっても大きな不安材料のひとつです。

ですから、そうした不安が少しでも解消するよう、自分がその仕事に「向いている」と考える根拠を説明しておく必要があります。

転職理由・志望動機の伝え方

次の手順で転職理由・志望動機を伝えれば、自分の熱意をうまくPRすることができます。

今までの仕事で感じてきた疑問点や課題を伝える

「前職で働いていく中で、このような疑問を持った」、「しかし、それは前職の仕事では解決できない課題だった」、「だから、異業種・異職種への転職を志した」というふうに、順序立てて転職理由を説明しましょう。

新しい仕事で挑戦したいことを伝える

新しい仕事でチャレンジしたいことや目標を伝え、「自分を変えるために前向きな転職である」という点をPRしてください。

なぜその業種・職種でその目標が達成できるのか、理由を伝える

数ある企業の中から、なぜその転職先を選んだのかを、「前職で抱えた疑問」と「新しい仕事で達成したい目標」と関連付けながら説明しましょう。これで、一本筋の通った転職理由・志望動機が説明できるはずです。

年代によって異業種・異職種への転職の難しさは変わる?

一般には「年齢が高くなるほど、異業種・異職種への転職は難しくなる」と言われています。果たしてそれは本当でしょうか?

20代

20代の場合、そもそもビジネスマンとしての経験もまだそれほどないため、異業種・異職種への転職は「自分にあった仕事探し」と言った意味合いが強い年齢です。数年ごとに転職を繰り返すなど勤労意欲が疑われる行為がない限り、この年令での転職は難しくありません。

30代

30代になると、それまでの経験やスキルが問われるようになってきます。異業種・異職種への転職を目指すときも、「前職での経験がどのように活かされるのか」をアピールしなければいけません。よって、転職の成否は「自分の経験と転職をどううまく関連付けて説明できるか」にかかっているといえるでしょう。

40代

40代になると、もはや「自分にあった仕事を探したいから」といった理由は説得力を持たなくなります。その年齢で自分の「適職が見つかっていない」と宣言しては、能力に疑問を持たれてしまっても仕方がないからです。

40代での異業種・異職種への転職は、必然的に「キャリアアップを伴うもの」だと考えておいた方がいいでしょう。つまり、「今までの経験を活かして、より高みを目指す」という理由付けができるかどうかが重要になる、ということです。

まとめ

「異業種・異職種への転職」を目指している方に向けて、転職を成功させるためのコツについて順番にお伝えしてきました。最後にもう一度流れを振り返っておきましょう。

異業種・異職種への転職は、転職者全体に対する割合から見ると決して珍しくはありません。適切な業種・職種を選んで転職すれば、むしろ年収アップのチャンスでもあります。まずは異業種と異職種、どちらでの転職を目指すのかを決め、転職しやすい企業の絞り込みを行いましょう。

転職活動を行う際は、「前職の知見」を活かしつつ自己PRを行ってください。転職理由と志望動機を説明するときは、「転職によって今まで感じていた課題を解決し、新たな目標を達成するため」と伝えれば前向きな印象を与えられます。

年代によって、異業種・異職種への転職が持つ意味合いは変化しています。自分の年齢での転職はどういった目で見られるのか考えながら自分の考えを整理し、適切な方法で転職活動を行いましょう。あなたの転職が成功し、今までとは違う新しい自分になれることを願っています。