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転職で空白期間は不利になる?空白期間を理由に落とされないための対策

 

前職を辞めてから、新しい仕事に就くまでの期間のことを、転職による「空白期間」と呼びます。一般的に空白期間が長いと「転職で不利になる」と言われていますが、果たしてこれは本当でしょうか?もしそうなら、空白期間が長い人は転職活動でどのような点に注意すればいいのでしょうか?

目次

採用担当者は空白期間が長い人をどう見ている?

率直にいうと、採用担当者は転職の空白期間についてあまりいい印象を持っていません。少なくとも空白期間の存在がプラスに働くことはないと考えておいたほうがいいでしょう。むしろ、空白期間が長いほど不利に働くケースが多いといえます。

“空白期間”が否定的にとられる理由は?

採用担当者が空白期間の長い転職希望者を好まない理由は、「仕事への意欲」に疑問が生じてしまうからでしょう。多くの採用担当者は、空白期間が長い人に対して次のような印象を抱いています。

「仕事への熱意に乏しく、転職活動を真面目に行わなかったのではないか?」

「能力がないから、どの企業にも雇ってもらえなかったのではないか?」

「転職の準備をせずに退職するなど、先のことを考えて行動することができないのではないか?」

実際には、こうした純粋にマイナスの理由ではなく、やむを得ない理由で空白期間が生じてしまう方も多いはずです。しかし、そうしたことは実際にあって話してみないと採用担当者には伝わりません。単純に履歴書などの書類によって人材の評価を行う場合、空白期間の存在は否定的に捉えられてしまうことが多いと覚えておいてください。

空白期間は何ヶ月までなら許される?

ここで気になるのは、「じゃあ、何ヶ月くらいまでの空白期間なら『普通』と見なされるの?」という点でしょう。就業中の転職活動ができない会社も少なくないので、空白期間が完全に「ゼロ」にならない人は案外多いからです。実際、採用担当者も日夜、多くの転職希望者の履歴書をチェックしていますので、「一般的な転職者と比べて特に空白期間が長い」という場合でなければ、特に問題視されることはないでしょう。

一般的には、空白期間が6ヶ月(半年)を超えると、疑問に思う採用担当者が多いようです。現在、転職活動中ですでに前職を辞め、空白期間に突入してしまっている人は、6ヶ月を越えないよう注意してください。もし、すでに空白期間が6ヶ月を上回ってしまっている方は、この後ご紹介する「空白期間があっても問題ない理由」を参考にして、空白期間がある理由を採用担当者が納得できる形で説明できるように準備しておきましょう。

どんな理由なら空白期間があっても問題ないの?

資格取得のブランクなら問題ない

「資格取得のため、転職活動を中断して勉強していた」といった理由なら、一般的に空白期間中の活動としてプラスに評価されます。「自分磨きをして、前職よりもいい仕事につきたい」という気持ちが、「就労意欲が高い」として好意的に評価されるからです。

ただし、具体的に取得した資格や、その資格でどういった仕事につきたいのかといった動機について、突っ込んだ質問がくることを覚悟しておきましょう。取得難易度の低い資格を取るために何ヶ月も勉強していたり、転職希望先で活かせない資格を取っていたりすると、「空白期間の正当化のために資格を取っていた」とみなされてしまうかもしれません。そうなれば、理由付けがかえって不利に働いてしまうでしょう。

忙しくて在職中の職探しができなかった

「前職では仕事が忙しく、在職中に職探しができなかったので、退職してから職探しを始めた」といった理由付けも正当とみなされるケースが多いです。「仕事が忙しすぎた」という理由自体が転職の目的として十分なものですし、一般的に許容されるものです。

しかし、いくら職探しのためとはいえ、3ヶ月以上などあまりに長い空白期間があると不審に思われてしまうかもしれません。「長い期間をかけて転職先を厳選していた」ともいえますが、「期間中、どこも採用してくれなかった能力のない人なのではないか?」と思われてしまう可能性もあるからです。空白期間が長い場合は、どういった条件で転職先を選んでいたのか、なぜ最終的にその企業を選んだのかを明確に説明できるよう準備しておいたほうがいいでしょう。

リフレッシュのために長期休暇をとっていた

先ほどの理由とも少し関連しますが、「前職が忙しく、心身ともに疲れていてリフレッシュのための期間が必要だった」という理由付けもできます。前職で長時間労働や休日出勤などを求められていたような場合は、空白期間の理由付けとして十分なものでしょう。

とはいえ、「何もせずただダラダラ休んでいた」と思われるとマイナスに受け取られる可能性もあります。「休暇の期間を使って自分自身を見つめ直していた」、「自己分析を行っていた」といった理由付けをプラスして、採用担当者が納得できるような形で伝えられるようにするべきです。

病気などやむを得ない事情

「前職の激務などが原因で心身を病み、やむなく休んでいた」というような場合もあるでしょう。こうした「病気」を元にした空白期間も正当な理由と受け取ってもらえると思います。

可能であれば、医療機関の診断書などを示して「間違いなく病気にかかっていたこと」を証明できると万全でしょう。また、「すでに回復し、今後の仕事には問題ないこと」も合わせて示さないと、病気が原因で就労が難しいとみなされる可能性もあるので注意してください。

転職活動に真剣に取り組んでいた

「以前の職選びで失敗してしまったので、今回は失敗するまいと真剣に転職活動に取り組んでいた」といった理由付けも可能です。転職希望先からすれば「真剣な吟味の結果、自社を選んでもらえた」と受け取れるわけで、悪い気はしないはずです。

ですが、本当にそれだけ真剣に検討していたのなら、「なぜ自分がその企業に必要なのか」、採用担当者が納得できるような説明ができなくてはいけません。真面目に企業研究に取り組み、転職先の競合への優位性やブランドイメージなどを調べた上で、説得力のある説明を構築しなければいけないので、なかなかハードルの高い方法だといえます。しかし、もし成功させれば転職の成功はかなり近づくはずです。

空白期間を理由に落とされないための対策!

現在転職活動中で、「これから空白期間が生じるのが避けられない」という方や、「今まさに空白期間の真っ只中にいる」という方は、空白期間を理由に転職が失敗してしまわないか不安を感じていると思います。

最後は、空白期間を理由に採用を落とされないようにするために「空白期間中でもできる対策」をご紹介しましょう。

空白期間中の「実績」を準備する

最も良くないのは空白期間の間、「何もしていない」とみなされることです。言い換えれば、「何か仕事にとってプラスになる行動をしていればOK」ということです。

すでにご紹介した資格取得のほか、自己研鑽のために「本を読む」、適職を探すために企業分析を行うといった行動も「仕事にとってプラスになる行動」だといえるでしょう。このように空白期間中の「実績」ともいえるものを準備しておき、自分がただ無計画に休んでいたわけではないということを採用担当者に示せるよう、準備しておいてください。本を読んだり、企業分析を行ったりした結果、何がわかったか、自分がそこから何を学んだかを明確に伝えられるようにしましょう。

仕事の感覚を取り戻す努力をする

空白期間のことを聞かれるのは、ほぼ間違いなく採用面接のときです。つまり、面接で空白期間の理由を上手に説明できるかが転職の成否を分ける、ということになります。

長い間仕事をしないでいると、面接で上手に話すことができなくなっているかもしれません。そうならないよう、短期間のアルバイトや簡単な仕事の手伝いをするなどして「仕事の勘」を取り戻しておくといいでしょう。

前職への「職歴照会」をしてもらう

「職歴照会」とは、それまでどのように働いていたのか以前の職場に問い合わせを行うことです。前職で問題なく仕事をしているということが確認できれば、転職者の信用アップに繋がるので「職歴照会」は空白期間の存在による不安を打ち消すのに有効な対策となります。

転職先に職歴照会を行っても構わない旨を伝える場合は、前職にもその意向を伝え、協力を仰いでおく必要があります。

何度も転職を繰り返す人も選考に不利って本当?

定期的に転職を繰り返す、「ジョブホッパー」と呼ばれる人たちがいます。こういった人々も空白期間と同様、転職で不利になるのでしょうか?

結論から言ってしまうと、ジョブホッパーをあまり好まない採用担当者がいるのは事実です。ただし、確かな能力や実績があれば、転職を繰り返していても採用でマイナスになることはないでしょう。特に、外資系やIT業界などは転職が多い業界なので、過去の転職経歴が問題視されないケースが多いといえます。

まとめ

仕事を辞めてから次の仕事を始めるまでの「空白期間」が転職でどのように影響するかについてご説明してきました。

空白期間があると、採用担当者から「仕事への意欲」を疑われることもあります。特に一般的な基準を超える「6ヶ月以上の空白期間」がある場合は注意しましょう。

転職で空白期間をマイナス要因にしたくない場合は、空白期間の存在を正当化できる理由付けを考える必要があります。一般的には、資格取得や病気療養のほか、在職中にできなかった職探しや休養、転職先の真剣な検討などは正当な理由とみなされます。

今まさに「空白期間の最中にある」という人は、空白期間に行ったことを示す「実績」や、面接のために仕事の勘を取り戻す準備を怠りなくしておきましょう。前職への職歴照会を可能にしておくとさらに万全です。

通常、「空白期間」は転職活動において、不利に働くことはあっても有利に働くことはありません。しかし、そうした潜在的なマイナス要因をプラスに変えることができれば、転職活動でライバルの一歩先を行くことができるでしょう。