転職したい。でも「時間がない」「今の会社の人に知られたくない」などで、転職活動に踏み切れない人がいるのではないでしょうか。そんな人に強い味方になってくれるのが転職サイトです。パソコンやスマホさえあれば、空き時間に手軽に求人の検索ができて、ボタンひとつで応募もできるという便利なサービスです。今回は、その転職サイトについてご紹介しましょう。
転職したい。でも「時間がない」「今の会社の人に知られたくない」などで、転職活動に踏み切れない人がいるのではないでしょうか。そんな人に強い味方になってくれるのが転職サイトです。パソコンやスマホさえあれば、空き時間に手軽に求人の検索ができて、ボタンひとつで応募もできるという便利なサービスです。今回は、その転職サイトについてご紹介しましょう。
転職サイトとは、「職業紹介事業」という国の認可を得た会社が、転職希望者に対してWeb上で職業紹介を行うサイトのことです。よく転職エージェントと混同させている人がいますが、これは別物です。転職エージェントには、キャリアコンサルタントと呼ばれる担当者がいて、この人を介して企業と転職希望者とのマッチングを行っていきますが、転職サイトのほうには、こうした担当者は存在しません。Web上に掲載されている求人の中から、転職希望者自身で条件に合う会社を探し、応募後も直接、その会社との間で、話を進めていかなければなりません。
今、たくさんの転職サイトが林立しています。それぞれ強み・弱みがありますので、どこでもいいと思わず、自分の目的に合った転職サイトを選びましょう。
人材サービス業界最大手のリクルートが運営していて、転職を考える人の8割以上が登録するという転職サイトの代表的存在です。DODAとともに、他から抜きんでた数の求人を有し、日本国内ほぼすべての業種・職種をカバーしているだけでなく、アフリカを含む世界5大陸からの求人があることも特徴です。スカウト機能にも定評があり、登録事項(レジュメ)をまめに更新すると、スカウト率がぐっと上がるようです。
「転職力診断テスト」をはじめとする自己診断ツールのクオリティの高さに定評のある転職サイトです。その診断結果をもとに、転職希望者の希望やキャリア・技術に合致した企業の情報を送ってきてくれるスキルマッチング機能があり、自分の知らなかったポテンシャルを見出すことができると好評です。関東地方が中心という弱点はありますが、特にIT、通信、Webエンジニアに強く、この業界で働きたい人たちから強い支持を得ています。
転職サイトとしては、リクナビNEXTと双璧をなす規模を持ち、転職希望者は必ずこのどちらか、または両方のサイトに登録しているといわれています。サイトの使いやすさ(レイアウトや検索軸など)に特化して比べると、DODAのほうがやや優位なようです。転職希望者の登録内容を見た企業から、面接確約、つまり「すぐに面接させてください」というメールが届くスカウトサービスも好評です。
年収600万円以上のハイキャリアのみを扱う転職サイトです。他の転職サイトと異なるのは、完全登録制で、登録しない限り求人元企業の詳細を見ることができません。ただし、こうした公開案件はまれで、基本的にはすべての求人元企業は非公開とし、プロのヘッドハンターによるスカウト方式で進められます。「あなたに合う求人案件はありません」とはっきり返答が来るケースもあり、厳しい反面、成功した時にはかなりのキャリアアップが期待できます。
リクナビNEXTやDODAに追いつけ追い越せと、近年頭角を現してきた総合型転職サイトです。求人数は、2トップには及びませんが、求人の8割が独自案件ということを強みにしています。Web上でも実際のキャリアコンサルタントから助言を受けているような臨場感ある「転職MYコーチ」を売りにしていて、その中でも「履歴書コーチ」は、登録者の8割が利用するという人気のサービスです。
ピタジョブを運営しているのは、人材サービス会社ではなく、システム開発会社のジャストシステムです。人材サービスの部分は、他の大手転職サイトと提携して求人数を確保し、得意なシステムの部分をいかして、スマホで手軽に登録や求人検索ができる機能を開発しました。中でも、転職希望者の希望する条件と、サイト名のとおり「ピタ」っと「ジョブ(仕事)」をマッチさせるシステムが好評で、2015年にスタートした新しい転職サイトであるにもかかわらず、登録者数を増やしています。
はたらいくは、地元志向型の若者が増えている昨今の傾向をとらえ、人材サービス大手のリクルートが、満を持して立ち上げた「地元密着型」の転職サイトです。注目に値するサービスが「せきらら求人」。これは、「営業あり」「長時間立ち仕事」など、求人元企業の厳しい部分、つまり「せきらら」な部分をサイト上に敢えて公開し、入社後のミスマッチを避けようというものです。応募まではいかないけど、気になっていますという「らいく」メッセージを、企業に送ることができるなど、ユニークなサービスを提供しています。
イーキャリアは、ソフトバンクがついに人材紹介業界に乗り込んだと話題になった転職サイトです。求人数は、まだ大手サイトにまったく及びませんが、ソフトバンクの知名度とネットワークをいかし、他にはない独自求人を増やしています。余計な飾りなどは一切排除して、効率性だけを追求したサイト機能で、現職と転職活動を両立させたい多忙なビジネスパーソンの間でファンを増やしています。
※ほとんどの転職サイトが、同系列の特化型転職サイトや転職エージェントと連携しているため、以下の求人数にはそれらの関連サイト・エージェントの数も含まれている可能性があります。
サイト名 | 求人数
(公開+非公開) |
説明 | |
1 | リクナビNEXT | 約90,000社 | 求人数は業界トップクラス。国内ほぼすべての業種・職種を網羅し、海外案件も豊富です。知名度があり、かつ福利厚生などもしっかりした企業が求人を出しています。 |
2 | @type | 約2,200社 | 関東地方中心のため、求人数は少ないですが、SEやソフトウェア開発などIT系、外資系、コンサルティング業界などの求人が充実しています。 |
3 | DODA | 約100,000社 | リクナビNEXTと肩を並べる求人数です。業種・職種も豊富で、国内全エリアをカバーしています。海外案件数については、海外出張ありも件数に含まれているようです。 |
4 | ビズリーチ | 約60,000社 | 年収600万円以上に特化した求人だけでこの件数は、見事といえるでしょう。登録をしても求人元企業名を見ることができるのはほんの一部で、ほぼすべてが非公開です。 |
5 | マイナビ転職 | 約8,000社 | 知名度の割に求人数はまだ少ないですが、リクナビNEXTやDODAにはない独自案件が8割以上というのは、注目に値します。中小企業からの求人が多いのも特徴です。 |
6 | ピタジョブ | 約20,000社 | 新しい転職サイトの割に、求人数は多く見えますが、これは、他の大手転職サイトと相乗りしているからです。 |
7 | はたらいく | 約8,500社 | 約9割がほかの転職サイトにはない独自の求人です。地元の中小企業が多く、運輸、製造、建築が4分の1を占めます。IT・Web系などの技術系ベンチャー企業の求人は少数です。 |
8 | イーキャリア | 約15,000社 | 大企業から中小・ベンチャー企業まであり、業種や職種もすべてを網羅していますが、特にIT、Webエンジニア、事務、営業系が多いようです。 |
求人数ではDODAに少し負けますが、質を含めて総合的に判断すると、リクナビNEXTが鼻の差でトップに出るでしょう。これだけの求人数にもかかわらず、求人元企業に対するネガティブコメントは極めて少なく、良質の企業がそろっていることが特徴です。というのも、この転職サイトへの掲載料はほかのサイトよりも少々高めに設定されているため、経営基盤がしっかりしている会社しか求人が出せないというのが理由のようです。
求人数では転職サイトナンバーワンです。DODAは年間約30回も転職フェアを行っていて、転職希望者にその名を広めるだけでなく、地道にクライアント(求人元企業)を開拓しています。その成果が求人数や求人の質に現れているといっていいでしょう。知名度の高い大企業から、堅実に経営する中小企業、情報系のベンチャー企業など、あらゆる層からの求人がそろっています。
年収600万円以上のハイキャリアのみに特化しているため、利用者が限られてしまいますが、対象となる人にとっては、まちがいなくおすすめの転職サイトです。プロのヘッドハンターを使った完全スカウト方式をとっているため、マッチングが成功した時には、他とは桁違いのお金が動くわけです。それだけ、経営的に体力のある企業しか求人を出せないということです。海外からのオファーもたくさんあるようですよ。
東京、神奈川などの関東地方に限られてしまいますが、このエリアで、この業種・職種で働きたい人は登録必須の転職サイトです。日本企業のIT化への動きを素早くキャッチし、この分野での求人に力を入れたことが功を奏して、企業側からもIT・WEBの求人ならば@typeという評判が定着しました。大企業からベンチャー企業まで規模の大小を問わず求人があります。
他の大手転職サイトにも海外案件はありますが、製造業や、ホテルなどの観光系が多く、また、「日本語だけでOK」など、気楽さを売りにした求人が目立ちます。でも、ビズリーチの求人は、そんな甘いものではありません。英語力は当たり前、他にも経営手腕、プレゼン力、コンサル経験など、高い実績と能力が求められますが、その分、十分な収入とポジションが保障されています。本気で海外でのチャレンジを考えている人には、ビズリーチがおすすめです。
ひと言で外資系企業といっても、(1)外国企業の子会社、(2)日本と外国の共同出資、(3)外国企業に買収された日本の企業の3種類があります。外資で働くとなると、英語が必須では?と思うかもしれませんが、特に(3)などの場合は、ほとんど日本語で事足ります。ということで、外資系企業の求人数でいうと、リクナビNEXTやDODAが多いのですが、やはり②の海外と同じ理由で、外国人社長が認めるほどのキャリアを築きたいのであれば、ビズリーチをおすすめします。
女性から強い支持を受けているのがDODAです。これは求人数や求人の質よりも、サイトの作りに要因があるようで、ひと言でいうと総合型転職サイトにあっても、女性目線を忘れていないということです。女性に特化したお役立ち情報ページを設けたり、「女性活躍中」や「ワークライフバランス重視」などのキーワードを検索軸に取り入れたりと、常に女性を念頭に入れているDODAの姿勢が、女性ファンを増やしているようです。
これはもう、求人の数だけの問題です。企業は、むしろ新卒よりも第2新卒を歓迎しています。なぜなら、「次は失敗したくない」という強い決意をもって入社してくるからです。第2新卒は対象外、などという求人元企業は、まずないでしょう。したがって、求人数が一番多いDODAには、第2新卒に対する求人も多く集まるというわけです。
大手のリクナビNEXTやDODAに追いつけと、ここ数年力をつけてきているマイナビ転職。転職サイトを成長・発展させるためにはクライアントの開拓が先決です。そのためマイナビ転職は、求人掲載料を若干低めに設定して、コストをできるだけ抑えたい中小企業からの求人を集めています。だからといって、質が悪いわけでは決してありません。企業研究や調査はきちんとされていますので、ご安心を。
この分野でのトップは、いうまでもなくビズリーチです。そういう人材に特化した転職サイトですから、まちがいありません。即戦力向けですので、これから管理職やエグゼクティブを狙いたい若手層は、残念ながら対象外です。他の会社でキャリアを積んでからビズリーチに登録するように。
この転職サイトの一番のメリットは、運営会社リクルートの知名度と信頼度の高さでしょう。初めての転職の場合、まずはこのサイトに登録したという人が圧倒的に多いです。情報量の多さや、更新の速さに関しても高評価を得ています。また、「スマホでサクサク検索できる」、「検索の選択肢がわかりやすい」などの使い勝手の良さや、「あなたが検索した企業」「転職目標月まであと○日」などの進捗管理が好評です。求人元企業からくるオファー機能に対しても、「こちらから求人情報を探さずに転職できた」などのポジティブな意見がありました。
でも、このオファー機能には賛否両論あるようです。これには、求人元企業が「この人!」と思った人に送るプライベートオファーと、条件が合った複数の人に送るオープンオファーの2種類がありますが、後者のオープンオファーに対しての不評が目立ちます。「どう考えても自分のキャリアに合わない」「何がキーワードになってこの会社からオファーが来たのかわからない」など。「的外れもいいとこ」などの辛口コメントもあります。さらに、情報が多すぎるというのも逆効果のようで、メールの多さにうんざりという意見もいくつか見られました。
リクナビNEXT同様、情報量の多さや更新の速さについては高い評価を得ています。リクナビ以上に評判が良いのが、サイトの使い勝手の良さです。特に、わかりやすいレイアウトと検索のしやすさについて、女性からのポジティブコメントが目立ちます。女性目線を忘れないということが一番でしょうが、DODAのイメージカラーであるブルー基調の色遣いは、案外女性向きなのかもしれません。また、DODAについては、「悪いところが見当たらない」という意見も複数あり、総合して合格点であることにまちがいはないでしょう。
一方で、これもリクナビNEXTと同じですが、「勘違いスカウト」が多すぎるという意見があります。やはり、一部の登録キーワードがヒットしたのでしょう、希望とはまったく違う業界や勤務地からのスカウトがくるケースが多々あるようです。さらに少々気になるのが、「ブラック企業が混じっている」という意見があるということ。堅実にクライアント開拓をしていても、100%ホワイト企業というわけにはいかないようです。
求人数は少ないのですが、評価が高い転職サイトです。業種・職種をIT・WEBに、また、エリアも首都圏に絞って、クライアント1社かける時間を増やし、良質の求人を獲得していったことが成功につながったのでしょう。「無駄な時間をかけずに、効率よく求職活動ができる」「企業情報が充実している」などの意見が見られます。さらに、@typeの売りである自己診断ツールに対するポジティブコメントが多いのはさすがです。これをしただけでも価値があったとのコメントもありました。
一方で、対象業種・職種やエリア外の人からは、辛口意見が。「すぐに不採用通知がきてあまりにも失礼」や、「自分には市場価値がないといわれた気がした」など。たまたま対象が違っただけなので、あまり気にしないほうがいいかもしれません。
今や転職サイト戦国時代といわれるほど、たくさんのサイトが誕生しています。どこがいいのかわからず、知名度が高いところや検索エンジンでトップに上がったところなどに決めてしまいがちですが、サイトによって得手不得手がありますので、よく調べてから登録しましょう。どこで(勤務地)、どんな会社で(業種)、どんな仕事(職種)をしたいのか、そして5年後、10年後はどのようになっていたいのかという目標を設定したうえで、転職サイトを決めてくださいね。