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看護師・准看護師の平均年収は?転職で給料アップさせる方法を紹介!

 

世間的一般的に、看護師といえば「高収入な職業」というイメージもあると思います。実際、職業を聞かれた際、看護師をしているというと「いっぱい給料もらってるんでしょ?」「高給取りだね」なんて言われることも多々あります。

では、実際のところどうなのでしょうか?私の経験と周りの給与事情も含め、看護師の皆さんは現在の給与に関してどう思っているのか検証してみます。

目次

看護師・准看護師の年収ってどれくらい?

看護師には正看護師と准看護師があります。実際現場では、行っている仕事内容に大きな違いはないのが現実ですが、平均年収には約90万円程度の差がみられます。

看護師の平均年収(男女別)

  1. 正看護師 478万円(男性:486万円、477万円)
  2. 准看護師 395万円(男性:415万円、女性393万円)

以下は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を元にした、資格別年収ランキングです。ここでは30位までしか表示していませんが、50種もの資格の中、

看護師は13位、准看護師は20位という結果でした。

<資格別年収ランキング>

  1. 医師
  2. 弁護士
  3. 公認会計士
  4. 税理士
  5. 不動産鑑定士
  6. 社会保険労務士
  7. 歯科医師
  8. 1級建築士
  9. 獣医師
  10. 技術士
  11. 診療放射線技師
  12. 薬剤師
  13. 看護師
  14. 臨床検査技師
  15. クレーン運転士
  16. 測量士
  17. 歯科技工士
  18. 理学療法士
  19. 作業療法士
  20. 准看護師
  21. ボイラー技士
  22. ケアマネージャー
  23. 歯科衛生士
  24. 栄養士
  25. 調理師
  26. ホームヘルパー
  27. 美容師
  28. 理容師
  29. 保育士
  30. 調理師見習

こうして他の職種と比べてみても、看護師の平均年収は高い方だといえます。

  年収ラボ

看護師の年齢別平均年収

先述したように、看護師の平均年収は他資格の職業と比べても高年収であることが分かりました。では年齢別の年収はどうなのか?

看護師の年齢別平均年収は20〜24歳(380万円)、25〜29歳(440万円)、30〜34歳(450万円)、35〜39歳(465万円)、40〜44歳(490万円)、45〜49歳(510万円)、50〜54歳(530万円)、55〜59歳(550万円)となっています。

参照元:看護ルー

以下は看護師の平均年収を年齢別にグラフで表したものです。年齢と共に年収も上がっていますが、看護師は賃金の上昇率が低いともいわれています。その為、グラフを見ても分かる通り年齢ごとの年収の推移は穏やかなカーブとなっています。

参照元:ナースフル

役職別の平均年収

看護師の役職(管理職)には、「看護主任(副看護師長)」、「看護師長」、「看護副部長」、「看護部長」があります。施設や病院によって多少異なりますが、大きな病院では、必ずこのような役職が存在します。これらの役職をもち昇級するにつれて、業務量や責任の重さも増えていきます。それに伴い、各役職には役職手当がつきます。もちろん、役職が上がるほど、基本給と手当の額も増えていきます。以下は役職別の平均年収です。

看護主任(副看護師長):平均年収500万程度

基本給350,882円+管理職手当26,159円

看護師長       :平均年収550万程度

基本給370,949円+管理職手当45,439円

看護部長       :平均年収600〜700万円程度

基本給427,573円+管理職手当81,307円

参照元:ジョブデポ

看護師は職場によって給料が違う!

看護師の給料は、職場によって全然違います。一概に大きい病院だから良いという訳ではなく、小さい病院やクリニックの方が給与が高い!なんてことも全然あります。看護師の給料が職場によって異なる原因は、勤務先によって基本給と各種手当の算定基準が違う為です。病院や施設によって、経営母体が異なり、経済状況も違う為、給与も異なってきます。

男性看護師と女性看護師の給料はどっちが高いの?

基本的に、「男性看護師だから給料が高い」なんていう男女差は看護師の世界では特にありません。ただ、男性看護師は精神科病棟や救命病棟で勤務することが多い傾向にあります。それらの病棟は精神的にもきつく、危険手当などの手当がつきます。そういった男性看護師が多い為、男性看護師の方が給与が高いという傾向もあります。もちろん、男性看護師だけでなく女性看護師もこういった病棟で勤務すると同じように手当はつきます。

また、大卒と専門卒(3年課程)では基本手当が異なる病院もあります。基本的に、大卒の方が基本給が1万円程度高いです。同じ病棟で働いている同期に給与明細を見せてもらった時、同じ仕事をしているのに給料に差がある、というのは正直ちょっと悲しいものがありました。

そもそも看護師の給料って高いの?一般のOLと比べてどうなの?

一般事務、営業事務、医療事務など、一般的な事務系女性OLの平均年収は305万円です。以下は各事務職の見込み平均年収です。

・秘書/受付 342万円  ・一般事務 293万円

・貿易事務 322万円   ・オペレーター 285万円

・営業事務 309万円   ・医療事務 254万円

なかでも一番勤務多い一般事務の女性OLの平均年収は293万円。となると、平均年収が478万円と言われている看護師の給料は世間的にも「高い」といえます。

参照元:日経Bp社

それでも、給料とハードさを考えると看護師はしんどい・・

看護師の年収が高いのには理由があります。看護師の仕事は3K(きつい、汚い、危険)と言われているほどハードなお仕事です。

※3Kとは、きつい、汚い、危険の頭文字Kを表しています。

  • 1つめのK「きつい」:患者さんの命を預かる責任の重いお仕事であり、長時間の勤務と 共にストレスもかかります。
  • 2つめのK「汚い」:これに関しては賛否両論と思いますが、排泄物や下の世話、血液などの取り扱いもしなければならない為、汚いともいわれています。
  • 3つめのK「危険」:血液など感染源となるものと日々接触し、感染リスクの高いお仕事でもあります。

このように、看護師のお仕事は精神的にも体力的にもハードなお仕事です。ハードな分、一般的な女性OLよりも平均年収の高いお仕事である看護師。確かに、世間的には「高収入」であるといえます。しかし、実際に働いてる看護師の皆さんは給料に関してどう感じているのでしょうか。

看護協会における「病院で働く看護職の賃金のあり方に関する考え方」では、「看護師が考える、勤務し続ける上での問題点について」の調査において、以下のような意見があげられています。

  • 「賃金(賞与含む)が低い」    53.3%、
  • 「看護業務以外の業務が多い」   44.3%、
  • 「休暇がとれない・とりづらい」   39.4%、
  • 「夜勤の身体的負担が大きい」   38.9%、
  • 「夜勤手当等の勤務手当が少ない」 34%、
  • 「時間外労働が多い」 32.7%、
  • 「看護業務の業務料が多い」 32.6%、
  • 「医療事故への不安がある」 25.1%、
  • 「責任が重い」 22.9%、
  • 「子育てと就労の両立が困難」 18.2%、
  • 「福利厚生が充実していない」 16.8%、
  • 「夜勤の勤務時間が長い」 13.0%

中でも「賃金が低い」と感じている看護師が最も多く全体の半数以上の看護師が賃金に対する不満を抱いていることが分かります。

その他にも、実際周りの看護師の友達や先輩に意見を聞いても、「仮眠を充分に取る暇もないくらい忙しいのに、夜勤手当が少ない!」、「サービス残業と時間外業務が多い」、「命を預かる責任の重い仕事なのに、給料と合ってない」「夜勤と残業代がなかったら、普通にOLと変わらない給料」など給料に対して不満の声が多いのも現状です。

私も以前勤めていた急性期の病院では、確かに安定性はあるけれど、給料と仕事のハードさが見合ってないなと感じていました。院外研修や院内研修(自己研鑽)で休日が潰れたり、5〜6時間のサービス残業は当たり前、課題や係・委員会の仕事に追われたり、勉強会の参加・勉強会の開催や資料作り、などなど時間外業務も多く、休日ですら仕事の事を考えずに休める日は少なかったです。

世間のイメージとは裏腹に、業務量と責任の重さを考えると「給料と見合っていない」と感じている看護師は多いのではないでしょうか。稀に、「この業務量であれば、給料と見合っている」と話す友人も居ます。そういった人は、美容クリニックだったり、施設や訪問看護など、病院とは異なる職場の人達が多いように感じます。私も、派遣で訪問入浴や施設で勤務した際には、業務量などから「給料と見合っている」と感じました。

参照元:日本看護協会

看護師転職で給料アップする方法

「給料と見合っていない」、「満足できていない」と感じている看護師の皆さんが多いなか、「転職先では満足のいく給料をもらいたい!」と思う人は多いのではないでしょうか。どうすれば転職で給料アップを狙えるのか、ポイントは「基本給と各種手当」です。いくつか紹介します!

手当がつく病院で勤務する

看護師の仕事は、病院によって様々な手当がつきます。地域によっては地域手当がついたり、精神科病院では危険手当がつくことも。

重心の病棟では重症手当、救命病棟では救命手当など様々な手当があります。そういった手当のつく科や病院を探して働くと手取りもアップします。他にも、応援ナースとして、地方へ応援に行くと、月4〜6万円手当をもらっていたという友達ナースも居ました。更に応援だと、寮が多いですが住居費は0円の所が多いです。本当に沢山の手当があるので、求人を探す際、意識してみるといいですね!

都市部の私立大学病院で働く

医療施設の中でも、基本給が高い傾向にあるのが、都市部にある病床数の多い私立大学病院です。私立大学病院は学校法人としての収入もある為、経営に余裕があるところが多く、基本給が高い傾向にあります。更に都市部では地域手当が約3万円程度(等級により異なります)つく為、地方の医療施設に比べると全体的に給与は高いです。都市部は給与水準が高いのと同時に、物価水準も高いという点は注意が必要です。

認定看護師、専門看護師の資格を取る

認定看護師や専門看護師の資格を取得し、その資格を要する職場で働くと、資格手当がつきます。認定看護師の資格手当は平均11,006円、専門看護師の資格手当は平均12,926円程度です。もちろん資格を取るのは勉強も必要な為大変ですし、仕事量も増えるかもしれません。しかし、専門性を高めることができる上に手当ももらえる!と考えると良いかもしれませんね。

夜勤専従として働く

夜勤で働くと、一般的にどこの病院・施設でも夜勤手当というものがつきます。夜勤手当の金額や夜勤の回数は勤務先によって異なりますが、2交代制で平均11,276円、3交代制(深夜帯)で平均5,490円、3交代制(準夜帯)で平均4,399円です。やはり、2交代制の方が1回の勤務時間が長い為、手当も多い傾向にあります。多いところでは、2交代制で一回の夜勤につき3万円の手当がつくところも!私が以前勤めていた施設では、夜勤手当が3万程度あり、夜勤を多めにいれてほしい!と希望する人も多かったです。夜勤に多く入っている人は、日勤のみ勤務している師長さんよりも手取りが良かったです。以前私も病院で夜勤専従として働いていたのですが、月9〜11回夜勤(2交代制)で手取り45〜50万/月ありました。そのかわり、身体的にはとてもキツかったですが・・・。先輩看護師の方は、夜勤専従の掛け持ちをして月100万円稼いでいる方も居ました。夜勤は生活リズムが崩れてしまったり、とてもしんどいお仕事ですが1ヶ月〜3ヶ月限定、など期間を決めたり、留学の為○○万円稼ぐ!など明確な目標があれば頑張れそうですよね。

昇級を目指す

前述したように、昇級し、役職につくと「基本給アップ+役職手当」もつく為、年収はかなりアップします。病院によっては人員不足により副師長になる為の試験を積極的に行っているところも!以前勤務していた病院では、各病棟から毎年二人試験を受ける、なんてこともありました。同期も6年目にして副師長になっていました。役職をもつことによって責任と業務も増えますが、その分給与アップも狙える為、やりがいは持てそうです。

まとめ

いかがでしたか?世間一般的に高収入と思われがちな看護師のお仕事ですが、実際に働く看護師の皆さんは、思いの他現在の給料に納得していないという現状も。

感じ方は人それぞれですし、給与の現状は実際に働いてみないと分からない!なんてこともあります。就職する前に、転職サイトなどを上手く利用し、給与の実情をしっかり確認しておくのも手ですね!より高収入を目指すなら、少し大変ではありますが、専門的な資格を取ったり、特別手当のつく職場で働くのも良いと思います。

需要の高い看護師のお仕事、少しでも多くの看護師の皆さんが納得した環境で働けますように!