こんにちは、元看護師のnaokoです。
一括りに病院といっても、大学病院や国公立病院、民間病院など様々な病院がありますよね。
今回は大学病院と民間病院に焦点を当て、それぞれどんな特徴や違いがあるのか、まとめてみました。
こんにちは、元看護師のnaokoです。
一括りに病院といっても、大学病院や国公立病院、民間病院など様々な病院がありますよね。
今回は大学病院と民間病院に焦点を当て、それぞれどんな特徴や違いがあるのか、まとめてみました。
大学病院は、「教育・研修」「研究」「診療」といった大きな3つの役割を担っています。
大学病院は大学付属の病院であるため、教育施設としての機能を求められます。医師や研修医、看護師といった医療従事者に対し、教育を行うことが求められます。その為、他の病院や施設より、勉強会や研修会といった学習の機会が多くあり、学習する環境も整えられているようです。実際に、大学病院に勤めている同期からも、「勉強会や研修が多い」という話をよく聞きます。
大学病院では、「高度医療の推進」に伴い、最先端医療や専門的分野の研究をしています。医療に伴って、看護ケアもさらなる質の向上が求められます。そのため、より高度な技術と知識を学ぶことができ、それらを学ぶ環境が整っています。また、最新医療が整っていることから様々な症例の患者さんが、他病院では出来ない治療を受けに来たり、最終的な検査や診断を行うために訪れたりします。
大学病院は、最先端医療への取り組みだけでなく、病院としての臨床の機能をもっています。地域医療の中心として、診療に携わっています。
その他にも、大学病院で働いている同期や、周りの先輩からよく耳にするのは、看護技術や処置の多くを看護師ではなく研修医・医師が行うということです。多くの民間病院では点滴のルート確保や採血といった看護技術は、看護師が「医師の指示のもと」当たり前のように行いますよね?
しかし、大学病院では点滴や採血をはじめとする看護技術や患者の処置のほとんどを医師または研修医が行います。医師は医療や診療で侵襲や責任の大きいものを担当し、看護師は点滴の管理やバイタルサインの測定、個人に応じた行き届いた看護を行うのが主な役割のようです。このように、医師と看護師の役割分担が明確にされているのも大学病院の大きな特徴のひとつです。
民間病院は、大学病院のように規模が大きく、最新の医療や専門的な治療が行われる医療機関とは異なり、地域に密着した医療を提供しているところが多いのが特徴です。
地域密着型の民間病院では、患者様との距離が近く、深い関わり合いをもつことができるので、大きな病院にはない人間関係を築くことができ、アットホームな雰囲気で働くことができます。また、大学病院では業務が細分化されていたり、役割分担がしっかりされていますが、民間病院ではそのような事はありません。そのため、幅広い業務を任されるので、より沢山の臨床経験を積むことができます。
就職するうえで気になる給料についてです。
基本給のほかに残業代や夜勤手当、経験年数やスキル給など諸手当によって変動はありますが、民間病院の平均年収は約470万円とされています。また、東京や大阪など都会の病院は地域手当があるなどの理由から、給与が高い傾向にあります。(私が勤めていた病院では、月に約3万円の地域手当が支給されていました。)
このような手当も含め、民間病院のなかでも、都市部や地方によって給料に地域差はあるようです。
国立大学の平均年収も、約470万円とされています。大学によって給与に差はありますが、平均年収で表すと民間病院と変わらないようです。
以下は文部科学省が公開している国立大学の給与水準の統計データを上位・下位各10組ずつ表にしたものです。
1位 | 大阪大学医学部付属病院 | 555万円 |
2位 | 東京医科歯科大学医学部付属病院 | 525万円 |
3位 | 富山大学 | 521万円 |
4位 | 京都大学医学部付属病院 | 519万円 |
5位 | 九州大学病院 | 519万円 |
6位 | 東北大学病院 | 511万円 |
7位 | 東京大学医学部付属病院 | 509万円 |
8位 | 琉球大学 | 502万円 |
9位 | 島根大学 | 496万円 |
10位 | 徳島大学 | 495万円 |
33位 | 大分大学 | 442万円 |
34位 | 信州大学 | 442万円 |
35位 | 新潟大学 | 441万円 |
36位 | 旭川医科大学 | 441万円 |
37位 | 福井大学 | 440万円 |
38位 | 群馬大学 | 438万円 |
39位 | 鳥取大学 | 428万円 |
40位 | 愛媛大学 | 427万円 |
41位 | 滋賀医科大学 | 425万円 |
42位 | 山梨大学 | 424万円 |
統計からも分かるように、有名大学は平均年収が高い傾向にあり、同じ国立大学でも年収に差があるようです。
その為、大学病院と民間病院、一概にどちらの方が年収が高いとは言いがたいのが現状です。
大学病院は、主に急性期を扱っており、一般的な病院に比べると重症患者さんも多く、緊急入院も珍しくありません。また、最先端の医療を行っていることから、病棟内の勉強会や院内の研修会が多い傾向にあります。また、それらは日勤終わりに行っており、夜勤明けや休みの日でも勉強会の為に病院へ行かなければならない強制参加のものも少なくありません。その場合、時間外手当はつかないことが多いのが現状です。
民間病院も、病棟によって重症患者さんや緊急入院が多い傾向にある場合、残業が増えることもあります。もちろん、民間病院も勉強会や研修会はありますが、周りの話を聞く限り、大学病院ほど積極的ではない印象です。
気になる残業代ですが、残業代については民間病院、大学病院どちらが多いとは言い固く、病院の風潮や師長さんによって残業代がしっかりつく、つかないという差が出るようです。残業代は基本的に師長さんの許可のもとつけることができます。
師長さんが超過勤務の許可に対して厳しかったり、残業代の上限がはっきりしている所や周りの先輩がつけていないからつけにくい、など病院・病棟の雰囲気によって差がでると思います。私が以前勤めていた民間病院は、病院全体が1〜2時間といった規定の時間以上に超過勤務をつける事に対し厳しく、師長さんも超過勤務のサインに厳しかったり、周りの先輩も超過勤務の申請をしていなかった為、時間外の勉強会含め、ほぼサービス残業でした。
しかし、次に勤めた民間病院は、師長さんが超過勤務に対して「しっかりつけなさい」というスタンスだった為、時間外の勉強会も時間外としてつけてくれたり、新人の子たちも遠慮なく超過勤務をつけることができる環境でした。そのため、サービス残業はほぼないに等しかったです。大学病院も、残業代の規定が厳しい病院もありますが、しっかりつけてくれるところもあるみたいです。
待遇といえば、給料にばかり目が行きがちですが、福利厚生も重要なチェック項目です。福利厚生が充実していると、その分出費を抑えることができるのでメリットは大きいです。
※福利厚生とは、寮・社宅、家賃の補助・年金(厚生年金、共済年金、企業献金)・子育て支援・資格取得援助・社員食堂・保養所などをいいます。
大学病院の福利厚生はしっかりされているところが多く、総じてハイレベルといわれています。民間病院にも福利厚生はありますが、もっとも充実しているところで、なんとか大学病院と同じレベル、またはそこまで届かないところがほとんどのようです。その他にも、民間病院の場合経営の善し悪しで待遇に大きな差が生じるようです。
よって、福利厚生に関しては、大学病院の方が安定しており、しっかりとした待遇を受けることができるといえます。
勤務体制によって勤務時間は異なります。近年、大学病院、民間病院共に2交代制の勤務体制を取り入れているところが多いようです。もちろん、3交代のところも大学病院・民間病院共にあります。
以下は、一般的な2交代・3交代制の勤務時間です。
※病院によって差はあります。
勤務時間は、上記の勤務体制に基づき、大学病院•民間病院どちらも似たような時間となっています。ただ、大学病院は日勤終わりの勉強会などが多い傾向にある為、「勉強会も勤務のひとつ」と捉えると、必然的に大学病院の方が勤務時間は長くなります。
大学病院は一般の民間病院と比べると医師、看護師、薬剤師などスタッフの数が多く、規模も大きいです。また、民間病院に比べると、上下関係が厳しいという話もよく耳にします。こういった職場には「合う、合わない」ということがあります。病院見学などを通して病棟の平均年齢や、どういった雰囲気なのかを確認しておくことをおすすめします。
大学病院では、年齢層に偏りがあることが多いといわれています。大学病院は新人教育制度がしっかりしており、「最初の就職先は教育熱心な大学病院で」という考えから大学病院を選択したり、大学を卒業後、そのまま付属の病院へ就職する新卒者が多い傾向にあります。
しかし、新人の業務を一通り学び終える3年〜5年目になると、看護師の不足している民間病院へより良い条件を求めて転職するケースも少なくありません。その為、3年から6年上の世代になると急激にその人数が減り、そこからさらに30代に差し掛かると、また就業者数が多くなるといういびつな年齢分布になっています。
一方、民間病院で働く看護師は、卒後大学病院などの大きな病院で数年間修行を積んだ経験者が多い傾向にあります。大きな病院で必死に働いたあと、結婚や出産を機に「住みやすい病院」を求めて転職してきたという感じです。そのため、民間病院の看護師の年齢層は20代後半から50代までと幅広い年齢層の看護師が在籍しています。
私も実際に、大学病院と同じ職場環境である国立病院から民間病院へ転職した時に働いて感じたのですが、民間病院では家事や育児をこなす家庭を持ちながら働いている主婦の方が多いため、みんなどこか割り切って働いている印象です。
もちろん、患者様第一という看護には変わりありませんが、「家庭生活との両立」を大事にしているスタッフが多いです。そのため子供が体調を崩して当日欠勤という場合も「みんなお互い様」という感じで助け合ったり、休日の勉強会への強制参加という風習もありませんでした。
このように、大学病院・民間病院それぞれ年齢層に特徴がある為、自分のライフスタイルに応じて病院を選択していくのも良いと思います。
大学病院は新卒採用者が多いという特徴があります。そのため、民間病院よりも大学病院のほうが、新人研修制度が整っている傾向にあります。また、大学病院自体が教育機関の役割も担っているため、全体的に教育制度が充実しているようです。
もちろん、民間病院でもスタッフの教育に力を入れている病院は沢山ありますが、大学病院に比べると施設による教育レベルの差が大きいということがはっきりしています。
上記で述べたように、大学病院は、一般の民間病院に比べて教育制度が充実しています。また、勉強会や研修会も多くあるため、「看護師としてスキルアップをしたい」、「がん看護のスペシャリストを目指したい」など学習意欲の高い看護師が多い傾向にあります。よって、看護師としてのスキルアップを目指すには民間病院に比べ、大学病院の方が適した環境であるといえます。
また、大学病院は高度な医療設備を整えています。医療設備にともなった高度な医療により、さまざまな専門性のある症例を経験できます。専門性を深めたり、たくさんの症例を経験したければ大学病院がいいかもしれません。病院によって導入している設備も異なるため、学びたい分野がある方は、病院ごとの医療設備に着目すると良いでしょう。
大学病院、民間病院共にメリット、デメリットがそれぞれあり、人によって向き不向きがあります。実際どのようなメリット・デメリットがあり、どんな人が向いているのか?簡単にまとめてみました。
このように、それぞれ異なる特徴がある為、自分自身がどのような看護をしたいか、何を習得したいかによって、大学病院と民間病院どちらがいいか決まってくるのではないでしょうか。
同じ看護学校を卒業した同期で、有名な大学病院に勤めている子から聞いた話です。同じ新卒で1回の賞与が100万円とのことでした。もちろん、その分勉強会や研修会が多いなど業務もかなりハードだったようですが・・・。一般的な民間病院の新卒でもらえる賞与は年30万〜40万円程度が相場です(※病院によって差はあります)。
でも、それだけ賞与がもらえれば、良いモチベーションとなり、どんなに辛くても頑張って働くことができますよね!
こうしてみると、どちらの病院も一長一短です。病院を選ぶ際、大事にすべき点は「自分がどの部分に重点をおくか」だと思います。自分の学びたい看護、やりたい看護をするには、どの病院を選ぶべきか。
または自分の人生プランに適した環境で働くには、どのような病院がいいのか。
周りの話や転職サイトなど、色々な情報を元にしながら、自分に最も適した職場を選んでくださいね。
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