「何度就職しても納得がいかず、転職を繰り返してしまう・・・」。そんな方は決して少なくはありません。こうした「転職を繰り返す人」は徐々に企業から信用されなくなり、転職が厳しくなっていく傾向があります。転職を繰り返す人が「負のスパイラル」から脱出し、自分にあった仕事を見つけ、納得して働くためにはどうしたらいいのでしょうか?
「何度就職しても納得がいかず、転職を繰り返してしまう・・・」。そんな方は決して少なくはありません。こうした「転職を繰り返す人」は徐々に企業から信用されなくなり、転職が厳しくなっていく傾向があります。転職を繰り返す人が「負のスパイラル」から脱出し、自分にあった仕事を見つけ、納得して働くためにはどうしたらいいのでしょうか?
DODA転職支援サービスの調査によると、転職回数が1回までの人の転職成功率は95.7%です。1回目までは、ほぼすべての人が転職を成功させているといえるでしょう。ところが、転職回数が2回目となると、この事情が大きく変わります。同調査による転職回数2回目の人の転職成功率は46.6%。なんと一気に半分にまで落ちてしまうのです!さらに、転職回数が3回目ともなると、成功率は14.1%まで下落してしまいます。
このように、転職を繰り返す人は採用企業からの信用を失っていくことがデータからも裏付けられたと思います。1度や2度の転職であれば、「たまたま最初の就職先が合わなかったのだろう」と、比較的甘い目で見られるでしょう。しかし、それ以上に転職を繰り返してしまうと、「環境が変わってもうまくいっていない以上、その人自身に問題があるのだろう」とみなされるようになってしまうのです。そのような「内面に問題を抱えた人」は、企業にとっては何の役にも立ちません。魅力のない人材を自ら採用しようと考える企業は、この世のどこにもないでしょう。
採用担当者の目線から見ると、転職を繰り返す人は「自己分析ができていない人」というふうに映ります。転職は、いわば自分と環境のマッチングです。自分自身をよく理解できてさえれば、あとはその自分に合った環境を探せばいいだけですから、理論上転職は成功するはずです。
それができていないということは、最初のスタートラインである「自己分析」がうまくいっていないのだろう、と考えられます。自己分析ができていないと、自分を客観視できないため、周囲との協調をうまく保つことができません。また、周囲の評価よりも自分の価値を高く考えてしまい、一緒に働く人との間に軋轢を生んでしまうこともあるでしょう。
他社とのコミュニケーションの仕方に問題を抱えた人を採用したいと考える企業はいません。自己分析ができていない人は、企業にとって「魅力のない人材」と思われてしまうのです。
自己分析ができていないと、他人から責められたとき、自分を守ろうとしてついつい理屈をこねてしまいます。たとえば、新入社員があれこれ理屈をこねて、ベテラン社員からの指摘を無視しようとしたら、周囲からどういう印象を持たれるでしょうか?「お前の意見は正論かもしれないけど、まず先輩からの指摘はおとなしく聞けよ」と思われることでしょう。人は必ずしも理屈だけで納得するわけではありません。言葉を発した人の立場や、そのときの状況などを総合的に判断して、言葉の意味や重みを推し量るものです。
コミュニケーションというものは、最初からうまくいくとは限りません。特に、話す相手の人柄をよく知るまでの間はなおさらです。だからこそ、理屈だけでなく「相手の気持ち」にも配慮して会話する必要があります。「話の筋は通ってないけど、たぶんこういうことがいいたいんだろうな。今回は自分が折れておこう」というふうに、相手を思いやる気持ちが必要です。
自己分析ができない人は、自己評価が高すぎるためにこうした事情に配慮することができません。結果として「自分は正しいことを言っているのに、受け入れてくれないのは周囲の環境が悪いからだ」と考えるようになるのです。そこから「環境さえ変えればうまくいくはずだ」という発想に至り、転職を繰り返してしまうのです。
転職できない人に共通する特徴として「飽きっぽい」という点が挙げられます。先に述べた通り、転職を繰り返す人は自己分析がうまくできていないので、悪いことをすべて周囲の環境のせいにしてしまう傾向があります。
そういう人が就職すると、最初は興味を持って入った業界や会社であっても、少しでも気に入らない点があるとそれはすべて、「環境のせい」という見方をしてしまいます。当たり前ですが、どのような仕事に悪いところもあれば、いいところもあります。それぞれを総合的に判断してこそ、その仕事に対する公平な評価が下せるといえるでしょう。
しかし、人間は、ひとつでも良くないところを見つけると、ほかの良くないところもついつい気になってしまうものです。つまり、転職を繰り返す人は「仕事のいいところに気が付きにくい」心理的な状態に陥ってしまいやすいのです。そのため、少しでも気に入らないところが見つかるとみるみる仕事への情熱を失い、飽きてしまいます。
「隣の芝生は青く見える」という言葉がありますが、自分がうまくいっていないときほど、周りの人はうまくやっているように見えてしまうものです。転職を繰り返す人には、「仕事がうまくいっていない」という自覚があります。そういうときに友人や知人から仕事の話を聞いてしまうと「あの人は仕事がうまくいっている。うらやましい」という気持ちになってしまうのです。
もちろん、「周りの人はすべて仕事がうまくいっている」などという状況はありえないのですが、自分の仕事がうまくいっていないという自覚がある分、周りがあたかも「うまくいっている」かのように見えてしまうのです。
転職を繰り返す人にとって、仕事がうまくいかない理由はすべて「環境のせい」です。ですから、ついつい「もっといい環境があるのではないか」と考えてしまいます。そうした気持ちがある水準まで高められたとき、転職という行動に出てしまうのです。
転職を繰り返す人は、いざ転職活動を始めても自分自身を見つめ直すことはありません。少しでもいい環境・条件が揃った会社を見つけることが、彼らにとっての就職活動のすべてなのです。そのため、少しでも気に入る条件に合致する就職先があったら、すぐに飛びついてしまいます。
あらゆる要望を満たす「完璧な就職先」などあるわけはありません。そのため、世の中の転職者はみな業界・企業研究を行い、就職先のメリット・デメリットを最初から理解した上で就職しています。しかし、転職を繰り返す人はこうした努力が足りないため、次第にイメージと現実のギャップに苦しむことになります。
就職先が想像と違ったとき、転職を繰り返す人は「イメージした、自分の前提が間違っていた」とは考えません。「たまたまこの業界、会社が自分のイメージと合わなかっただけ。自分の考え方事態に問題はない」と都合よく考えてしまうのです。しかし、そもそもの自己分析・業界研究が甘いのですから、どれだけ転職を繰り返しても「イメージ通りの職場」を見つけることはできません。
もし、今「転職を繰り返している自分を変えたい」と考えている方がいたら、まずは自分自身をよく見つめ直してみましょう。「なぜ転職したいのか」、「なぜ今まで転職を繰り返してしまったのか」を自分自身に問いただしてみるべきです。
具体的な方法としては、今までの勤め先と、転職した理由をすべて箇条書きでリストアップしてみてください。そして、転職することによって、それらの理由のうち、いくつが解決したか調べてみましょう。
今までの転職によって、解決している問題があるなら、それは転職がある程度うまくいっていることを示しています。逆に、ずっと解決していない問題があるなら、それが転職を繰り返してしまう大本の原因になっているのかもしれません。
転職理由のリストアップで、転職を繰り返す原因が特定できたら、いよいよ自分自身を見つめ直す段階です。ただし、今まで自己分析ができなかったのですから、急にできるようにはなりません。そんなときは他人に相談してアドバイスを貰うのがいいでしょう。
一人の相手だけに限定して相談すると、その人の主観による影響が大きくなってしまいます。なので、複数人に相談するほうがいいのですが、人数が増えすぎても考えをまとめるのが難しくなりますから、2、3人を目安に相談してみてください。わりとディープな問題ですから、家族や親友など、比較的親しい人を選んで相談しましょう。複数の人から、共通して同じアドバイスがあったなら、それは客観的に見たとき変えた方がいいポイントだということです。
以上のような手順を踏めば自己分析はうまくいくはずです。それさえできればあとは企業選びさえうまく行けば転職を成功させることができるでしょう。自己分析をちゃんとやったのと同じように、企業選びも同じだけの熱意を持って行うべきです。志望する業界や企業の特徴をしっかり調べ、自己分析の過程でチェックした「今まで転職を繰り返してしまった理由」に引っかからないような業種や転職先候補を見つけましょう。
以上のようなやり方で進めれば、今まではうまくいかなかった転職も成功させることができるはずです。しかし、今まで失敗していたわけですから、正しい取り組み方を知っても一人で取り組むのは不安な方も多いことと思います。
そのような方は、「転職エージェント」を利用するのをおすすめします。転職エージェントとは、転職活動に関するアドバイスや、求人情報の紹介など、転職活動へのあらゆるアドバイスを行ってくれるサービスのことです。転職エージェントに相談すれば、ひとりでは不安な転職活動を寄り添ってサポートしてくれるばかりでなく、自分だけでは思いつかなかったようなアイデアを提案してくれるかもしれません。
転職を繰り返してしまう人は、企業から厳しい目で見られます。特に、2回以上の転職をしている人の再転職は、決して簡単ではありません。
転職を繰り返してしまう人に共通する原因として、「自己分析ができていない」という点が挙げられます。自分自身を上手に捉えられていないがために、「環境さえ変えればうまくいく」と思い込み、転職を繰り返してしまうのです。
ですから、転職を繰り返す失敗を止めたいのなら、まずは自分自身をよく見つめ直すことです。そして、業界・業種の研究にも真面目に取り組みましょう。そうすれば、必ず転職はうまくいくはずです。ひとりで進めるのが不安な場合は、友人や知人に相談し、転職エージェントも利用しながら転職活動に取り組んでみてください。きっと、今までは気づかなかった、新しい発見があなたを待っているはずです。