MENU

ビタミンB群ナイアシンを摂取できる食品とは?ナイアシンの効果・効能を紹介

 

健康維持に活用したいナイアシン。

この成分には、どのような効果・効能を期待できるのでしょうか。

また、ナイアシンはどのような食品に含まれているのでしょうか。

これらの点と摂取時に注意したいポイントなどを解説します。

利用を検討している方は参考にしてください。

 

目次

ナイアシンとは何か?

最初に、ナイアシンの概要を解説します。

ナイアシンはどのような成分なのでしょうか。

ナイアシンとは

ナイアシンは、ニコチン酸とニコチンアミドの総称です。

植物性食品中ではニコチン酸として、動物性食品中ではニコチンアミドとして存在します。

生体内では、肝臓で必須アミノ酸のトリプトファンから合成できます。

食事などから摂ったトリプトファンの60分の1がナイアシンに転換されると考えられています。

トリプトファンは、牛乳や卵などに多く含まれています。

別名ビタミンB3

ナイアシンという名前からは想像しづらいですが、ナイアシンはビタミンB群の仲間です。

別名を、ビタミンB3といいます。水に溶けやすい特徴(水溶性のビタミン)と生体中に最も多く存在する特徴を持ちます。

生体中に最も多く存在する理由は、健康維持に重要な役割を果たすからです。

補酵素としての役割

ナイアシンは、酸化還元反応に関わる酵素の補酵素を構成します。

主な働きとされているのが、糖質や脂質の代謝をサポートすることです。

体内で必要になるエネルギーの6~7割にナイアシンが関わっているといわれています。

このほかにも、様々な酵素の働きに関わっています。

ナイアシンの効果・効能は?

ナイアシンには、どのような効果・効能を期待できるのでしょうか。

ナイアシンの効果・効能を紹介します。

粘膜や肌の健康維持

食事などから摂ったナイアシンは、NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)に変換されて、酸化還元酵素の補酵素として働きます。

NADPは、脂肪酸が合成されるときに水素を供給する働きを担うほか、ホルモンやDNAの生成にも関わっています。

細胞の再生に携わるので、ナイアシンは皮膚や粘膜の健康維持に役立つと考えられています。

血管拡張作用

ナイアシンには毛細血管を拡張して血流を良くする働きがあります。

この働きから、肩こりや頭痛、冷えの予防などに役立つといわれています。

また、肌の隅々まで栄養を届けやすくなるので、美肌の維持にも役立つといわれています。

アルコールの分解

体内に取り入れられたアルコールは、毒性のあるアセトアルデヒド、酢酸の順に酸化・分解されます。

この酸化と分解に関わるのが脱水素酵素です。

脱水素酵素が働くときに必要になるのが、ナイアシンが変換されたNADです。

つまり、ナイアシンはアルコールを分解する酵素の補酵素としても働きます。

アルコールの分解で消費するナイアシンの量は、摂取したアルコールの量に比例します。

お酒を沢山飲む方はナイアシンの補給を心がけたほうが良いかもしれません。

ダイエットサポート

ナイアシンは、脂質代謝にも関わっています。

ナイアシンには、LDLコレステロールと中性脂肪を低下させて、HDLコレステロールを上昇させる働きがあると考えられています。

脂質代謝に関わっていることから、一部ではダイエットにも役立つ可能性があるといわれています。

この目的で使用する方も少なくありません。

ナイアシンフラッシュってなに?

ナイアシンを大量に摂取するとナイアシンフラッシュを起こすことがあります。

ナイアシンフラッシュとはどのようなものなのでしょうか。

詳しく解説いたします。

ナイアシンフラッシュとは

ナイアシンを大量に摂取すると一時的に顔の紅潮や掻痒感、火照り、発赤などの症状が現れることがあります。

これをナイアシンフラッシュ、あるいはフラッシング症状などといいます。

ナイアシンフラッシュは、植物性食品に存在するニコチン酸で起こりやすく、動物性食品に存在するニコチンアミドで起こりにくいと考えられています。

ナイアシンフラッシュの効果?

ナイアシンフラッシュで生じる顔の紅潮や掻痒感などは、急激に血行循環が促されること、あるいはヒスタミンが放出されることで起こるといわれています。

これにより、血行不良により生じる肩こりや冷えなどが改善できる、ヒスタミンの血中濃度を下げてアレルギー反応を軽減できるなどといわれています。

ナイアシンフラッシュは、短くて1時間、長くても1日程度で治まると考えられています。

過剰摂取はよくない

アレルギー症状にお悩みの方からすると魅力的なナイアシンフラッシュですが、ナイアシンフラッシュを発生させるにはナイアシンを大量摂取しなくてはなりません。

ナイアシンを大量摂取すると肝機能に障害が現れるなど健康に悪影響が及ぶ恐れがあります。

また、実際に健康被害が出た事例もあります。

専門的な知識がない方がナイアシンフラッシュに取り組むことは危険です。

興味のある方は、ナイアシンフラッシュを治療に取り入れている医療機関で相談しましょう。

ナイアシンの摂り方

ナイアシンを利用したい方は、どのように摂ればよいのでしょうか。

ナイアシンの摂り方を解説します。

1日の推奨量・摂取量

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、ナイアシンの推奨量・目安量は次のように定められています。

※平均的な活動量の方の目安です。

※耐容上限量は「ニコチンアミド(ニコチン酸)」の記載となっています。

ナイアシンの食事摂取基準(mgNE/日)
年齢 男性 女性
推奨量 耐容上限量 推奨量 耐容上限量
1~2歳 5 60(15) 5 60(15)
3~5歳 7 80(20) 7 80(20)
6~7歳 9 100(30) 8 100(30)
8~9歳 11 150(35) 10 150(35)
10~11歳 13 200(45) 12 150(45)
12~14歳 15 250(60) 14 250(60)
15~17歳 16 300(75) 13 250(65)
18~29歳 15 300(80) 11 250(65)
30~49歳 15 350(85) 12 250(65)
50~69歳 14 350(80) 11 250(65)
70歳以上 13 300(75) 10 250(60)

摂取のタイミングは?

摂取のタイミグに関して特別な決まりはありません。

食事から摂りたい方は食事にタイミング、サプリメントから摂りたい方は好きなタイミングで摂ればよいと考えられます。

一般的に、水溶性の成分は1日何度かに分けて、そのうち1回は就寝前に摂ると良いといわれています。

身体に留まる時間が長くなるからです。

摂取のタイミングまでこだわりたい方は参考にすると良いでしょう。

妊婦さんには付加量が必要?

妊婦さんに付加量は定められていません。

授乳婦さんには1日あたり3㎎の付加量が定められています。

いずれの場合も、大量摂取時の安全性は十分なデータがありません。

妊娠中、授乳中の方もナイアシンの大量摂取には気をつけましょう。

ナイアシンの注意点や副作用

ナイアシンを摂取したい方は、注意点を確認しておきましょう。

過剰摂取と欠乏の影響を紹介します。

過剰摂取すると?

ナイアシンを過剰摂取すると、一時的に顔が紅潮するなどのフラッシング症状が現れる恐れがあります。

顔の紅潮は飲酒で悪化することがあるので、ナイアシンを利用したときはアルコールの摂取を控えたほうが良いといわれています。

また、ニコチンアミドを大量摂取すると、胃腸障害や肝障害、消化性潰瘍の悪化などの副作用が現れる恐れもあります。

欠乏すると?

ナイアシンが欠乏するとペラグラという病気を発症します。

主な症状は、皮膚炎・下痢・認知症(精神神経障害)です。

適切な治療を受けないと命に係わる恐れがあります。

ナイアシンの欠乏は、トウモロコシを主食としている方、ビタミンB6が欠乏している方などでおこりやすいとされています。

日本人で、ナイアシンが欠乏することは稀です。

ナイアシンと相性の良い成分とあまり良くないもの

ナイアシンを利用したい方は、相性の良い成分と相性のあまり良くないものも押させておきましょう。

ナイアシンを効率よく利用できるはずです。

相性が良い成分

ビタミンB群

ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6も脂質・糖質・タンパク質の代謝に関与しています。

ナイアシンと協力して働くので、ビタミンB群はナイアシンと相性が良いといえます。

ナイアシンを摂るときは、一緒にビタミンB群も摂りましょう。

ビタミンB1は豚肉・ウナギ、ビタミンB2はレバー・ウナギ、ビタミンB6はカツオ・バナナなどに多く含まれています。

調理法は?

ナイアシンは水に溶けやすい水溶性のビタミンです。

一方で、熱には強い特徴があります。

ナイアシンを含む食品を調理するときは、この特徴に注意しましょう。

煮込み料理などは煮汁ごと食べると、流れ出たナイアシンまで摂ることが出来ます。

相性があまり良くないもの

医薬品

ナイアシンは、いくつかの医薬薬と相互作用があると考えられています。

何かしらの医薬品を服用中でサプリメントなどからナイアシンをとりたい方は、念のため医師に相談しましょう。

糖尿病

ナイアシンは血糖値を上昇させる恐れがあります。

糖尿病の方でナイアシンを利用したい方は、血糖値の変動に注意が必要です。

糖尿病の方もナイアシンを利用する前に医師に相談してください。

ナイアシンを多く含んでいる食品

ナイアシンは身近な食品から摂ることが出来ます。

ナイアシンを多く含む食品を紹介します。

たらこ

ナイアシンを多く含む身近な食品の代表がたらこ(すけとうだら)です。

生のたらこ100gには49.5㎎のナイアシンが、焼きのたらこ100gには56.9㎎のナイアシンが含まれています。

ナイアシンを効率よく摂りたい方は、食事にたらこを取り入れると良いでしょう。

インスタントコーヒー

インスタントコーヒーもナイアシンを多く含みます。

100g当たりの含有量は47.0㎎です。食事以外のタイミングでナイアシンを摂れる点は魅力です。

食生活が乱れがちな方は、インスタントコーヒーを利用するとよいかもしれません。

かつお(生・春獲り)

生のカツオにもナイアシンは含まれています。

100g当たりの含有量は18.0㎎です。

お刺身をはじめ様々な料理に活用できるので、カツオもナイアシンを摂りやすい食品といえます。

しいたけ(乾)

キノコ類では乾燥しいたけがオススメです。

100gあたり16.8㎎のナイアシンを含みます。

ナイアシンは水溶性のビタミンなので、調理法には注意が必要です。

戻し汁を一緒に使うと流れ出た栄養を一緒に摂れるはずです。

鶏むね肉(皮つき)

以上のほかでは、鶏むね肉(皮つき)もナイアシンが豊富です。

100gあたり16.5㎎のナイアシンを含みます。

主菜に利用すればまとまった量のナイアシンを摂れます。

この点が鶏むね肉の魅力です。

まとめ

ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称です。

ビタミンB3と呼ばれることからわかる通りビタミンB群の仲間です。

酸化還元酵素の補酵素として働きます。

ナイアシンは、たらこや鶏むね肉などから摂取できます。

あるいは、サプリメントから摂ることもできます。

ナイアシンの働きを活用したい方は、いずれかの方法で積極的に摂取すると良いでしょう。