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銅の効果・効能とは?必要不可欠なミネラルの銅を摂取できる食品を紹介

 

私たちの健康維持に欠かせない銅。

積極的な摂取を検討している方がいるかもしれませんね。

銅には、どのような効果・効能を期待できるのでしょうか。

銅を豊富に含む食品とあわせて詳しく解説いたします。

興味のある方は、参考にしてください。

 

目次

銅とは何か?

最初に、銅の概要を解説します。

銅はどのような成分なのでしょうか。

銅とは

銅は、古くから様々な目的で活用されてきた金属です。

最近では、10円硬貨などの素材として用いられています。

私たちの身体にも存在しており、酵素の構成成分などとして活躍しています。

銅は私たちの健康維持に欠かせないミネラルです。

銅の量は?

ただし、体内に大量の銅が存在するわけではありません。

その量は、おおよそ100~150㎎程度といわれています。

わずかしか存在しないにもかかわらず健康維持に欠かせないミネラルなので、銅は微量必須ミネラルに指定されています。

体のどこに分布?吸収率は?

銅は、主に骨格筋、骨、肝臓、血液などに分布しています。

具体的には、骨格筋・骨に50%程度、肝臓に10%程度が分布しています。

銅は、タンパク質と結合して様々な酸化還元反応を触媒します。

食事などから取り入れた銅は、小腸で吸収されて肝臓へ運ばれます。

吸収率は銅の摂取量により異なります。

銅の摂取量が少ない人ほど高く、銅の摂取量が多い人ほど低いと考えられているのです。

具体的には、30~50%程度といわれています。

軟体動物の血は青い!

銅を多く含む食品として挙げられるのが、タコやイカなどの軟体動物です。

これらの動物では、銅とタンパク質が結合したヘモシアニンが人間のヘモグロビンと同じ働きをしています。

ヘモグロビンは、酸素を全身へ運びます。

ヘモグロビンとヘモシアニンでは色が異なります。

ヘモシアニンは酸素と結びつくことで青色を示します。

つまり、軟体動物の血液は青色です。

銅の効果・効能とは?

銅には、どのような効果・効能が期待できるのでしょうか。

貧血予防

銅に期待できる重要な働きのひとつが貧血の予防です。

銅には、鉄とヘモグロビンを結び付ける働きがあります。

そのため、貧血を予防するために欠かせないミネラルと考えられています。

貧血が気になる方は、鉄の摂取量だけでなく銅の摂取量も気にしたほうが良いかもしれません。

骨や髪の健康維持

銅は、コラーゲンの生成に欠かせない酵素の構成成分です。

コラーゲンは、健康な骨や血管などの維持に欠かせません。

このことから、銅は骨などの健康維持に欠かせないミネラルと考えられています。

また、銅はメラニン色素の生成に欠かせない酵素の構成成分でもあります。

メラニン色素は、黒く美しい髪の維持に欠かせません。

このことから、健康な髪の毛の維持にも欠かせないミネラルとも考えられています。

免疫力を高める

銅が欠乏すると免疫力は低下すると考えられています。

T細胞や好中球などが減少するからです。

好中球が減少する原因ははっきりと分かっていません。

いずれにせよ、免疫力が低下すると病気にかかりやすくなります。

健康を維持するため銅は重要なミネラルと考えられています。

銅は貧血予防に不可欠な存在?銅は鉄分の吸収率を上げる?!

銅の働きの中でも特に重要と考えられているのが貧血の予防です。

銅は、どのように貧血を予防するのでしょうか。

詳しく解説いたします。

貧血の原因

血液中の赤血球の数が少ない、あるいはヘモグロビンの濃度が低い状態を貧血といいます。

貧血の原因のひとつが鉄の不足です。

鉄が不足するとヘモグロビンを上手く合成できなくなるため貧血になります。

このような貧血を鉄欠乏性貧血といいます。

鉄欠乏性貧血は、月経のある女性や鉄分が不足している方などで起こりやすいとされています。

ヘモグロビンと鉄の役割

赤血球の役割は、酸素を全身の細胞に運ぶことです。

赤血球が酸素を運べるのは、細胞内にヘモグロビンが存在するからです。

ヘモグロビンは、酸素濃度の高い組織で酸素と結びつき、酸素濃度の低い組織で酸素を手放します。

酸素運搬で重要な役割を果たすのがヘモグロビンに含まれる鉄です。

これらの働きにより、赤血球は酸素を全身の細胞へ運ぶことが出来ます。

銅が鉄をサポート

貧血に深く関わっているのが赤血球に含まれるヘモグロビンです。

ヘモグロビンの合成に必要になるのが鉄です。

そのため、貧血の予防には鉄が良いといわれています。

ただし、鉄だけを摂っても貧血を予防できないことがあります。

鉄を利用するために、セルロプラスミンが必要になるからです。

セルロプラスミンは、銅を構成成分とするタンパク質です。

銅が不足しても、ヘモグロビンを合成できず鉄欠乏性貧血になることがあります。

銅も、貧血に関わる重要なミネラルです。

銅の摂り方

銅が気になる方は、どのように摂ればよいのでしょうか。

銅の摂り方を解説します。

1日の推奨量・摂取量

銅の推奨量・摂取量は、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に次のように記載されています。

銅の食事摂取基準(mg/日)
年齢 推奨量 目安量 耐容上限量 推奨量 目安量 耐容上限量
0~5カ月 0.3 0.3
6~11か月 0.3 0.3
1~2歳 0.3 0.3
3~5歳 0.4 0.4
6~7歳 0.5 0.5
8~9歳 0.6 0.5
10~11歳 0.7 0.7
12~14歳 0.8 0.8
15~17歳 1.0 0.8
18~29歳 0.9 10 0.8 10
30~49歳 1.0 10 0.8 10
50~69歳 0.9 10 0.8 10
70歳以上 0.9 10 0.7 10

摂取のタイミングは?

摂取のタイミングに関して特別な決まりはありません。

食事から摂りたい方は食事のタイミング、サプリメントから摂りたい方は好きなタイミングで摂ればよいと考えられます。

サプリメントから摂る方は、記載されている注意点などに配慮して摂取すると良いでしょう。

妊婦さんには付加量が必要

妊婦さんは1日あたり0.1㎎、授乳婦さんは1日あたり0.5㎎の付加が勧められています。

この量を20代女性・30代女性・40代女性に当てはまると妊婦さんで0.9㎎/日、授乳婦さんで1.3㎎/日になります。

妊婦さん、授乳婦さんは銅の不足に注意しましょう。

銅の注意点や副作用

銅の利用を検討している方は、注意点も確認しておきましょう。

過剰摂取と欠乏のリスクを解説します。

過剰摂取すると?

健康な方が食品から銅を摂っている場合、安全に利用できると考えられています。

何かしらの理由で過剰摂取すると、銅の急性中毒、慢性中毒を起こす恐れはあります。

急性中毒では低血圧、吐き気、嘔吐などの症状が、慢性中毒では黄疸、発熱などの症状が現れます。

基本的に、安全性の高いミネラルと考えられていますが、摂り方には注意が必要です。

サプリメントの摂りすぎや銅製の調理器具の使用などで、わずかながら過剰摂取の恐れが指摘されています。

欠乏すると?

健康な方が通常の食生活を送っていれば、銅が欠乏する可能性は低いと考えられています。

何かしらの理由で銅が欠乏すると、鉄を摂っても改善しない貧血、免疫力の低下、骨の異常などが起こります。

あるいは、筋肉緊張の低下、成長障害、脂質代謝の異常、糖代謝の異常などを生じる恐れもあります。

万が一、銅が欠乏すると、幅が広い影響が出るかもしれません。

銅と相性があまり良くない成分

銅を利用したい方は、銅とあまり相性の良くない成分も抑えておきましょう。

銅を効率よく利用できるはずです。

※ここでの相性とは銅の吸収率を考慮したもので、一緒に摂取することを否定するものではありません。

相性があまり良くない成分

食事からとった銅は、2価の銅イオンとして、あるいは十二指腸で2価から1価に還元されて吸収されます。

2価の銅イオンから吸収される経路では鉄と競合します。

そのため、吸収率を考えると、銅と鉄はあまり相性が良くないといわれています。

どちらも必要なミネラルなので、バランスを考えながら摂ることが重要です。

亜鉛

亜鉛も銅とあまり相性が良くないミネラルと考えられています。

亜鉛も吸収時に銅と競合してしまうからです。

亜鉛も重要なミネラルなので、銅を摂りたい方は亜鉛との競合に注意するとよいかもしれません。

ビタミンC

ビタミンCも銅とあまり相性が良くない成分として挙げられます。

大量摂取で、銅の濃度が低下する恐れがあるからです。

銅の不足が気になる方は、ビタミンCの大量摂取を控えましょう。

医薬品は?

銅は、一部の医薬品の作用を弱める恐れがあります。

何かしらの医薬品を服用している方は、サプリメントなどから銅を摂る前に、念のため医師に相談してください。

銅を多く含んでいる食品

銅は、身近な食品から摂ることができます。

食事から銅を摂りたい方は、次の食品などを利用すると良いでしょう。

ホタルイカ(生)

銅を多く含む食品のひとつがホタルイカ(生)です。

100gあたり3.42㎎の銅を含みます。

ホタルイカは、銅のほかにビタミンAやビタミンB12などを豊富に含みます。

酢味噌和えなどに利用すれば食べやすいはずです。

イイダコ(生)

同じ軟体動物のイイダコ(生)も豊富な銅を含みます。

100g当たりの含有量は2.96㎎です。

銅のほかでは、ビタミンB12・ビタミンEなどを豊富に含みます。

煮つけや揚げ物など様々な料理に利用できるので、銅を摂りたいときに適した食材といえます。

イカの塩辛

もちろん、イカを使った塩辛も銅が豊富です。

100g当たりの含有量は1.91㎎です。

ご飯のお供やお酒の肴になるので、他の食品に比べて摂りやすい点が魅力です。

ただし、塩分も多いので、摂りすぎには注意が必要です。

ゴマ(炒り)

ゴマも銅を豊富に含みます。

100g当たりの含有量は1.68㎎です。

振りかければ様々な料理で利用できる点はメリット、量を摂りづらい点はデメリットです。

銅の不足が心配な方は、ゴマ(炒り)を上手に活用するとよいかもしれません。

ピュアココア

以上のほかでは、ピュアココアも同を豊富に含みます。

100g当たりの含有量は3.80㎎です。

ピュアココアを利用すれば、お茶の時間などでも銅を摂ることができます。

食事から十分な銅を摂れない方はピュアココアを利用すると良いでしょう。

まとめ

銅は微量必須ミネラルです。

私たちの身体に微量しか存在しませんが、健康維持に重要な役割を果たしています。

不足すると健康に様々な影響が現れるので、食生活が乱れている方は注意しましょう。

不足が気になる方はこれらの食品を摂ると良いでしょう。

あるいは、マルチミネラルなどのサプリメントにも含まれています。

銅が不足気味の方は、何かしらの方法でしっかり摂取しましょう。