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エネルギー源として貯蔵されるグリコーゲンの効果とは?摂取できる食品を紹介!

 

私たちの生活に欠かせないグリコーゲン。

具体的に、どのような働きを期待できるのでしょうか。

ここでは、グリコーゲンに期待できる効果、グリコーゲンを摂れる食品などを解説しています。

興味のある方は参考にしてください。

 

目次

グリコーゲンとは何か?

最初に、グリコーゲンの概要を解説します。

グリコーゲンはどのような成分なのでしょうか。

グリコーゲンとは

グリコーゲンは、いくつものブドウ糖が複雑につながった多糖類です。

ブドウ糖を構成糖としますが、グリコーゲンそのものは無味無臭です。

貯蔵されている

グリコーゲンは、主に肝臓と筋肉に貯蔵されています。

筋肉の方が多くグリコーゲンを蓄えています。

体格にもよりますが、筋肉の貯蔵量は肝臓の3~4倍といわれています。

肝臓のグリコーゲン

肝臓に蓄えられているグリコーゲンは分解されてブドウ糖になり、血液に乗って身体の各組織へ届けられます。

ここで、エネルギー源として活用されます。血液中のブドウ糖濃度、すなわち血糖値を維持する役割も担っています。

筋肉に蓄えられているブドウ糖は身体を動かすエネルギー源になります。

動物性デンプン

グリコーゲンは、多くの動物の細胞でみられる多糖類です。

このことから動物デンプンと呼ばれることもあります。

人を含む動物にとって重要なエネルギー源です。

ちなみに、動物デンプンと呼ばれますが、一部の植物でも見られます。

グリコーゲンローディングって?

アスリートなどの間で広く取り入れられている食事法がグリコーゲンローディング(カーボローディング)です。

運動時間が長くなると、運動に必要なエネルギーが枯渇します。

このことに配慮して、事前にエネルギーを蓄えておく食事法をグリコーゲンローディングといいます。

グリコーゲンローディングに取り組むことで、筋肉に蓄えられているグリコーゲンを2~3倍、肝臓に蓄えられているグリコーゲンを2倍程度まで増やせるといわれています。

持久力の向上などが見込めます。

グリコーゲンローディングの方法は?

基本的な取り組み方は、トレーニングで筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンを減らしてから、高糖質の食事に切り替るだけです。

筋肉や肝臓に貯蔵されているグリコーゲンの量を減らすことで、グリコーゲン合成酵素が活性化するので多くのグリコーゲンを確保できるようになります。

実際は、試合の1週間前からトレーニングや食事の管理を行います。

厳密な管理が必要なので、興味のある方は詳しく調べてみると良いでしょう。

グリコーゲンの効果・効能は?

グリコーゲンには様々な効果・効能が期待できます。

血糖値の調節

肝臓に蓄えられているグリコーゲンは、必要に応じてブドウ糖に転換され、血液に乗って身体の各組織へ運ばれます。

血液中のブドウ糖の濃度のことを血糖値といいます。

グリコーゲンには、血糖値を調節する働きもあります。

抗疲労作用

運動で筋肉に蓄えていたグリコーゲンを消費します。

消費したグリコーゲンを効率よく補うことが疲労回復のポイントになります。

素早くグリコーゲンを補うため、運動直後に炭水化物(糖質)を摂ることが勧められています。

あわせて、筋肉の材料になるタンパク質を摂ることも勧められています。

集中力向上

脳の唯一のエネルギー源とされているのがブドウ糖です。

ブドウ糖が安定して供給されることで脳の働きは保たれます。

ブドウ糖の供給源になるグリコーゲンは、脳の働きを安定させて集中力を高めるといわれています。

エネルギーの貯蔵庫!グリコーゲンを体内で蓄える?

グリコーゲンはエネルギーの貯蔵庫として働きます。

どのように体内に蓄えられるのでしょうか。

詳しく解説します。

グリコーゲンの合成

血糖値が高くなると、過剰なグルコース(ブドウ糖)をグリコーゲンとして蓄えます。

具体的には、グリコーゲンシンターゼをはじめとした酵素の作用などで、グルコースからグルコース6-リン酸・グルコース1-リン酸・UDP-グルコースを経てグリコーゲンを合成します。

グリコーゲンの代謝

反対に、血糖値が低くなるとグリコーゲンを分解してグルコースに戻します。

具体的には、グリコーゲンホスホリラーゼという酵素が加リン酸分解を起こすことでグリコーゲン1-リン酸に分解されます。

グリコーゲン1-リン酸はホスホグルコムターゼの作用でグルコース6-リン酸に、グルコース6-リン酸はグルコース6-ホスファターゼの作用でグルコースに変わります。

肝グリコーゲンと筋グリコーゲンとして貯蔵?

食事などから摂ったブドウ糖のすべてがグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられるわけではありません。

食事から摂ったものの使い切れなかったブドウ糖をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えます。

なぜグリコーゲンとして蓄えるの?

グリコーゲンとして蓄えるメリットは、細胞のエネルギー源であるグルコースを安定的に蓄えておけることです。

エネルギーの貯蔵だけを考えると脂肪の方が効率的ですが、グリコーゲンにはすぐにブドウ糖を取り出せるメリットがあります。

グリコーゲンは、私たちのエネルギーの貯蔵庫といえます。

グリコーゲンの摂り方

続いて、グリコーゲンの摂り方を解説します。

どのように摂ればよいのでしょうか。

1日の推奨量・摂取量

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」にグルコースの推奨量や摂取量は定められていません。

代わりに炭水化物の目標量が定められているので紹介します。

炭水化物の目標量は、全世代でエネルギー必要量の50~65%とされています。

グルコースの推奨量・摂取量が気になる方は、この量を参考に炭水化物を摂るとよいかもしれません。

摂取のタイミングは?

摂取のタイミングに関して特別な決まりはありません。

食事から摂りたい方は食事のタイミングで摂ればよいと考えられます。

一般的に、摂りたいタイミングといわれているのが朝食と運動後です。

どちらも蓄えられているグリコーゲンが減りやすいタイミングとされています。

妊婦さんには付加量が必要

妊娠中・授乳中であってもグリコーゲンの付加量が必要ということはありません。

妊娠前と同じく、エネルギー必要量の50~65%の炭水化物を摂ればよいと考えられます。

グリコーゲンの注意点や副作用

グリコーゲンを利用したい方は注意点を確認しておきましょう。

過剰摂取や欠乏の影響を解説します。

過剰摂取すると?

食事などから摂った糖質は、細胞を動かすエネルギー源として活用されます。

使い切れなかった分は、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。

それでも余った分は、肝臓や脂肪細胞に中性脂肪として蓄えられます。

糖質の摂りすぎには注意が必要です。

欠乏すると?

糖質の不足が続くと、集中力の低下やイライラなどの症状が現れやすくなります。

ブドウ糖が脳の唯一のエネルギーだからです。

ブドウ糖が枯渇すると代わりに脂肪を燃焼してエネルギー源にします。

その代謝産物として産生されるのがケトン体です。

ケトン体が増えると、血液や体液が酸性に傾き、悪心・嘔吐などの症状が引き起こされます。

糖質の不足にも注意が必要です。

グリコーゲンと相性の良い成分

グリコーゲンを摂りたい方は、相性の良い成分と相性を抑えておきましょう。

効率よく利用できるはずです。

相性が良い成分

タンパク質

運動直後の栄養補給に適しているのがグリコーゲンとタンパク質です。

運動で筋肉に蓄えられていたグリコーゲンは消耗します。

運動直後にグリコーゲンを補うことで回復を助けられます。

また、運動で筋肉も損傷します。

筋肉の修復に必要なのがタンパク質です。

運動直後にグリコーゲンとタンパク質を摂ることで身体の回復を助けられます。

運動する方にとって、タンパク質はグリコーゲンと相性の良い栄養素です。

グリコーゲンを多く含んでいる食品

続いて、グリコーゲンを多く含む食品を紹介します。

効率よく摂りたい方は参考にしてください。

牡蠣

グリコーゲンを豊富に含む食品のひとつが牡蠣です。

牡蠣のうま味はグリコーゲンによりもたらされるといわれています。

単独では無味無臭のグリコーゲンですが、他の成分とあわさるとうま味が出ます。

牡蠣には、グリコーゲンのほか亜鉛やタウリン、ビタミンB12などが豊富です。

積極的に利用したい食品といえそうです。

ホタテ

同じ貝類のホタテもグリコーゲンを豊富に含みます。

グリコーゲンのほかでは、ビタミンB12・葉酸・鉄分・亜鉛・タウリンなどを含みます。

カロリーも控えめなので健康維持に活用したい食品です。

レバー

肝臓に貯蔵されているだけあって、動物のレバーもグリコーゲンを豊富に含みます。

グリコーゲンのほかでは鉄分が豊富です。

グリコーゲンと鉄分を効率よく摂れる優れた食品ですが摂りすぎはオススメできません。

脂溶性ビタミンのビタミンAを多く含むからです。

ビタミンAを摂りすぎると過剰症になる恐れがあります。

レバーを利用するときは、摂る量と間隔に気をつけましょう。

まとめ

グリコーゲンは、動物の肝臓や筋肉などに貯蔵されている多糖類です。

食事などから摂ったブドウ糖の一部がグリコーゲンとして蓄えられます。

エネルギーの貯蔵庫といえる存在なので、不足しないように注意することが重要です。

普段の食事などから、必要とされるグリコーゲンや炭水化物を補いましょう。

参考サイトランナーの健康管理(栄養編) – 東口病院