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うま味成分グルタミン酸の効果・効能とは?グルタミン酸を摂取できる食品を紹介

 

グルタミン酸は私たちの生活に身近な成分といえるかもしれません。

この成分には、どのような効果・効能を期待できるのでしょうか。

グルタミン酸に期待できる効果・効能、グルタミン酸を含む食品などを解説します。

利用を検討している方は参考にしてください。

 

目次

グルタミン酸とは何か?

最初に、グルタミン酸の概要を解説します。

グルタミン酸はどのような成分なのでしょうか。

グルタミン酸とは

グルタミン酸は、ドイツの科学者であるリット・ハウゼンが小麦に含まれるタンパク質(グルテン)から発見しました。

グルテンから発見したことにちなみグルタミン酸と名づけられたとされています。

グルタミン酸は非必須アミノ酸

グルタミン酸は、ヒトの体内で合成できる非必須アミノ酸です。

特に、脳内におおく存在し、神経情報伝達に関与しています。

このほかにも様々な働きを期待できます。

グルタミンとは違う?

グルタミン酸とよく似ているのがグルタミンです。

グルタミンは、体内でグルタミン酸とアンモニアが結合することで生じます。

グルタミンには、腸の働きをサポートする働きなどが期待できます。

よく似た名前ですが、グルタミン酸とグルタミンは異なります。

昆布のうまみ成分のグルタミン酸

リット・ハウゼンにより発見されたグルタミン酸は、1908年に池田菊苗によりうま味成分であることが発見されました。

この発見により、基本味にうま味が加えられました。

基本味とは

「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5味のこと。

基本味の5味は、味細胞により受容されます。

5味以外の味は味細胞を介しません。

GABAを生成

グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質として働きます。

反対の働き、つまり抑制性の神経伝達物質として働くのがGABAです。

GABAは、グルタミン酸からグルタミン酸脱炭素酵素により生合成されます。

正反対の働きをするグルタミン酸から作られるのです。

グルタミン酸の効果・効能は?

グルタミン酸には、様々な効果・効能を期待できます。

脳の活性化

興奮性の神経伝達物質として働くグルタミン酸は、脳を活性化するなどといわれています。

この働きから、記憶力や学習能力を高めるといわれることもあります。

ただし、ヒトでの有効性に関して十分なデータは集まっていません。

このような可能性があるととらえておくと良いでしょう。

アンモニアの解毒作用

アンモニアには、神経伝達物質や神経細胞のエネルギー生産を低下させる働きなどがあります。

グルタミン酸は、アンモニアとグルタミンを合成することでアンモニアを無毒化します。

免疫力をアップさせる

グルタミン酸には、免疫力をアップさせる働きもあるとされています。

間違いなく免疫力をアップさせるとは言えませんが、科学的に可能性は示されています。

血圧を下げる

血圧を下げる効果・効能も期待されています。

日本を含む4カ国を対象に食事に関する研究データを分析したところ、

摂取するタンパク質に占めるグルタミン酸の割合が増加すると血圧が低下する可能性が占め示されたからです。

脂肪の蓄積を抑制

動物を用いた実験で、グルタミン酸を摂取することで内臓脂肪、皮下脂肪の蓄積を抑えられたとする結果が得られています。

このことから、グルタミン酸には脂肪の蓄積を抑制する効果・効能が期待されています。

美容効果

肌の潤いは、皮脂・天然保湿因子・角質細胞間脂質により守られています。

グルタミン酸を含むアミノ酸は、天然保湿因子の約4割を占めるといわれています。

グルタミン酸は肌の潤いにも深く関わっているのです。

旨味成分の科学調味料のグルタミン酸ナトリウムって危険なの?

一部では、化学調味料のグルタミン酸ナトリウムは危険といわれています。

なぜ、このように言われるのでしょうか。

その理由と噂の真偽などを解説します。

味の素でお馴染みのグルタミン酸ナトリウムって?

グルタミン酸ナトリウムは、化学調味料に配合されている成分です。

グルタミン酸は水に溶けにくいため調味料としては適していません。

この問題点を解決するため、グルタミン酸とナトリウムを結び付けて水に溶けやすくしたものがグルタミン酸ナトリウムです。

グルタミン酸ナトリウムは危険?!

一部では、グルタミン酸ナトリウムは危険といわれています。

このように言われる理由は、ヒットした書籍でグルタミン酸ナトリウムが脳細胞に悪影響をもたらすなどと書かれたからといわれています。

あるいは、石油系から作られているから危険とする意見もあります。

本当に、グルタミン酸ナトリウムは危険なのでしょうか。

体に悪いのは噂だけ?

確かに、一般的な常識から大きく外れるほどグルタミン酸ナトリウムを摂れば、身体に悪影響は現われます。

一見、危険に思えますが、どのような成分でも摂りすぎればなにかしらの悪影響はあります。

このことが書籍で取り上げられたため、悪影響ばかり注目されていますが、

通常の食事で摂取する量で問題を起こすことはほとんどありません。

基本的には、子供も含めて安全に利用できると考えられています。

石油系の噂は?

かつては石油系から作られいたようですが、現在ではサトウキビから摂れる糖蜜やデンプンから発酵法で作られています。

この点に関しても心配する必要はないでしょう。

グルタミン酸の摂り方

グルタミン酸を利用したい方は、どのように摂れば良いのでしょうか。

グルタミン酸の摂り方を紹介します。

1日の推奨量・摂取量

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」にグルタミンの摂取量に関する記載はありません。

公に定められた推奨量や摂取量はないと考えられます。

サプリメントなどを利用したい方は、記載されている目安量に従い摂取すると良いでしょう。

食事から摂る方は、栄養バランスのとれた食事を意識すれば不足する心配はないとされています。

摂取のタイミングは?

摂取のタイミングに関しても特別な決まりはありません。

食事から摂りたい方は食事のタイミングで、サプリメントなどから摂りたい方は好きなタイミングで摂れます。

妊婦さんには付加量が必要?

妊婦さんや授乳婦さんに対する付加量は定められていません。

妊娠中、授乳中であってもグルタミン酸を意識する必要はないと考えられます。

また、この時期にグルタミン酸の濃縮物を摂取した場合の影響ははっきりわかっていません。

妊娠・授乳期間中にサプリメントなどを利用したい方は、念のため医師に相談しましょう。

グルタミン酸の注意点や副作用

グルタミン酸を摂りたい方は、注意点も確認しておきましょう。

過剰摂取と欠乏の影響を解説します。

過剰摂取すると?

グルタミン酸を過剰摂取すると、不眠様症状や精神症状などが現れる恐れがあります。

過剰摂取はサプリメントなどの間違えた利用で起こりやすいので、サプリメントなどを利用するときは目安量を守りましょう。

通常の食事で、過剰摂取することはないと考えられています。

欠乏すると?

グルタミン酸が不足すると、脳の働きが障害されるとともに疲れがたまりやすくなります。

健康的な食事をしていれば不足することはないとされているので、まずは食生活に気をつけると良いでしょう。

グルタミン酸と相性の良い成分とあまり相性が良くないもの

グルタミン酸を利用する方は、相性の良い成分と相性のあまり良くない成分も抑えておきましょう。

グルタミン酸を効率よく利用できるはずです。

相性が良い成分

DHA・EPA

グルタミン酸は、その働きから脳を活性化する、脳の代謝を促進するなどといわれています。

よく似た働きを指摘されているのがDHA・EPAです。

DHA・EPAは、脳を活性化して記憶力などを高めるといわれています。

以上の働きなどから、グルタミン酸とDHA・EPAは相性が良いといわれることがあります。

相性があまり良くないもの

医薬品

一部の医薬品の効果を弱める可能性などが指摘されています。

何かしらの医薬品を服用中でサプリメントなどからグルタミン酸を摂りたい方は、念のため医師に相談しましょう。

精神的な疾患

興奮性の神経伝達物質なので、精神的な疾患に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

あてはまる方はサプリメントなどからグルタミン酸を摂る前に医師に相談してください。

特に、躁病に影響を与える可能性が指摘されています。

グルタミン酸を多く含んでいる食品

グルタミン酸は身近な食品に含まれています。

次の食品などを利用すれば、食事からグルタミン酸を効率よく摂れます。

顆粒和風だし

身近な食品では、顆粒和風だしがグルタミン酸を豊富に含みます。

100gあたりの含有量は25000㎎です。

みそ汁などに利用すれば、効率よくグルタミン酸を補えます。

ただし、塩分の摂りすぎには注意が必要です。

凍り豆腐(乾)

凍り豆腐もグルタミン酸を豊富に含みます。

100gあたりの含有量は11000㎎です。

保存がきくので、グルタミン酸の不足が心配な方は凍り豆腐を常備しておくとよいかもしれません。

パルメザンチーズ

100gあたり9900㎎のグルタミン酸を含みます。

パルメザンチーズもグルタミン酸を摂りやすい食品といえます。

洋食にサッと振りかければ、料理にコクを出せるとともにグルタミン酸を補うことができます。

うるめイワシの丸干し

100gあたり6300㎎のグルタミン酸を含みます。

焼くだけなので調理はとても簡単です。

朝食などに利用すれば手軽にグルタミン酸を補えます。

鶏むね肉(焼)

100gあたり5800㎎のグルタミン酸を含みます。

同じ肉類では、豚ヒレ肉、牛モモ肉などもグルタミン酸を豊富に含みます。

量を摂りやすいので、グルタミン酸をしっかり摂れる食品といえます。

まとめ

グルタミン酸は、小麦粉のタンパク質から発見されたアミノ酸のひとつです。

体内で合成できることから非必須アミノ酸に分類されます。

日本では、うま味成分として広く知られています。

身近な食品に含まれているので、健康的な食生活を送っていれば基本的に不足することはありません。

グルタミン酸が気になる方は、食生活を見直すところから始めると良いでしょう。

参考サイト無添加安全論が日本人におよぼす不利益 その1 – 健康食品管理士