生活習慣が気になる方などから利用されているイノシトール。
聞きなれない名前ですが、どのような成分なのでしょうか。
イノシトールの概要とイノシトールに期待できる効果・効能、イノシトールを摂れる食品などを解説します。
興味のある方は参考にしてください。
生活習慣が気になる方などから利用されているイノシトール。
聞きなれない名前ですが、どのような成分なのでしょうか。
イノシトールの概要とイノシトールに期待できる効果・効能、イノシトールを摂れる食品などを解説します。
興味のある方は参考にしてください。
最初に、イノシトールについて解説します。
どのような成分か把握しておきましょう。
イノシトールは、別名「イノシット」と呼ばれる水溶性のビタミン様物質です。
動物・植物のどちらにも存在します。
動物ではイノシトールあるいはイノシトールリン酸、植物ではイノシトールあるいはフィチン酸として存在します。
身近なところでは、食品添加物として使用されています。
イノシトールの結晶は無色・無臭で、口に入れると甘味を感じます。
イノシトールは、ブドウ糖を原料に生体内で生成できる糖アルコールの一種です。
生体内では、神経細胞の細胞膜に多く存在するリン脂質を構成します。
ここで重要な役割を担うと考えられています。
イノシトールはビタミンB群の仲間と考えられていました。
ビタミンの条件のひとつがヒトの体内で生成できないことです。
イノシトールは、ブドウ糖を原料にヒトの体内で生成できるので、現在ではビタミンB群の仲間と考えられていません。
ビタミンとよく似た働きをするビタミン様物質として捉えなおされています。
イノシトールには、様々な効果・効能が期待されています。
イノシトールには、脂肪の代謝を促進する働きがあります。
肝臓へ脂質が溜まるのを防ぎ、貯まった脂質を取り除くので、脂肪肝の予防に役立つといわれています。
一部では、「抗脂肪肝ビタミン」と呼ばれています。
また、LDLコレステロールを減らす働きも期待できます。
LDLコレステロールの高い状態が続くと、動脈硬化が進行しやすくなります。
このことから、動脈硬化を予防する可能性も指摘されています。
生活習慣病の予防に役立てたいビタミン様物質といえそうです。
イノシトールは、神経細胞の細胞膜に多く存在するリン脂質の構成成分です。
リン脂質は神経細胞を正常に維持する働きや神経細胞に栄養を届ける働きなどを担います。
そのため、リン脂質を構成するイノシトールは、神経機能・脳機能を正常に保つため欠かせない成分といわれています。
イノシトールの働きのひとつが神経細胞に栄養を届けることです。
イノシトールが不足すると栄養を届けられなくなります。
栄養を届けられなくなると抜け毛が増えるといわれています。
髪の毛の健康を維持するため必要な情報伝達が行えなくなるからです。
この根拠とされているのがラットを使った実験です。
意図的にイノシトールを与えなかったところ脱毛が認められたそうです。
イノシトールは髪の毛の健康維持にも関わっている可能性があります。
イノシトールは、腸の筋肉の収縮を活発にすると報告されています。
便は、腸の筋肉が収縮することなどで外へ送り出されます。
そのため、イノシトールには便秘を予防する働きも期待できるといわれています。
イノシトールと一緒に配合されていることが多い成分がコリンです。
コリンとはどのような成分なのでしょうか。
また、2つの成分にはどのような働きが期待されているのでしょうか。
コリンは、イノシトールと同じ水溶性のビタミン様物質です。
その働きからビタミンB群の仲間といわれることもあります。
コリンという名前は、豚の胆汁から抗脂肪肝因子として単利されたことに由来します。
ギリシャ語で胆汁を意味するcholeからコリンと名づけられました。
水溶性のビタミン様物質でビタミンB群と関係が深いこと、よく似た働きを期待できることから、コリンとイノシトールはサプリメントなどに一緒に配合されることが多いようです。
相互に助け合いながら効率よく働くと考えられています。
イノシトールは、多嚢胞性卵巣症候群に対し有効性が示唆されています。
多嚢胞性卵巣症候群は、若い女性の排卵障害で多く見られる状態です。
多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣の中で複数の卵胞が同時に発育し卵胞が成熟するまで時間がかかる状態です。
卵胞は発育するものの10mm程度の大きさにしかならないので、排卵がなかなか起こりません。
健康な女性の卵巣にはたくさんの卵細胞があり、卵細胞は卵胞という袋に包まれていて通常月に1つずつ成熟します。
成熟するにつれ卵胞は大きくなり、おおよそ20mm程度になったときに排卵が起こります。
イノシトールは、多嚢胞性卵巣症候群に対し有効性を示し排卵をサポートするといわれています。
コリンも妊活中の方が摂りたい成分です。
コリンが不足すると、胎児が神経管閉鎖障害を起こすリスクが高まるからです。
これらの働きが期待できるので、イノシトールとコリンは妊活サプリに一緒に配合されていることが少なくありません。
ダイエットに関連するうれしい働きも見逃せません。
イノシトールとコリンは脂肪の代謝に関わるビタミン様物質です。
体脂肪の蓄積を防ぐ働きを期待できるので、一部ではダイエットにも役立つといわれています。
イノシトールには、腸の筋肉を収縮させる働きも報告されています。
この働きは便秘の予防に役立つとされています。
代謝を悪くする頑固な便秘はダイエットの天敵です。
イノシトールとコリンは、ダイエットにうれしい組み合わせかもしれません。
イノシトールを活用したい方は、どのように摂れば良いのでしょうか。
イノシトールの摂り方を解説します。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」にイノシトールの推奨量・摂取量に関する記述はありません。
公に定められた推奨量・摂取量などはないと考えられます。
一般的に推奨されている摂取量は、1日当たり250㎎~500㎎です。
目的によっては、これより多く摂取することを勧められている場合があります。
摂取量が気になる方は参考にするとよいでしょう。
摂取のタイミングに関しても特別な決まりはありません。
食事から摂る方は食事のタイミングで、サプリメントから摂る方は好きなタイミングで摂ればよいと考えられます。
一般的に、サプリメントなどは食事と一緒に摂ると吸収率が高まるといわれています。
水溶性の成分なので気にしすぎる必要はありませんが、吸収率までこだわりたい方はこのタイミングで摂ってみてはいかがでしょうか。
妊婦さん・授乳婦さんに対する付加量は定められていません。
安全性を評価する十分なデータもありません。
そのため、妊娠中・授乳中はサプリメントから摂ることを控えたほうが良いとされています。
イノシトールを利用したい方は注意点も抑えておきましょう。
過剰摂取と欠乏の影響を解説します。
水溶性の成分なので、摂りすぎても尿と一緒に排泄されます。
基本的に、過剰摂取の心配はないと考えられています。
とはいえ、好きなだけ摂って良いわけではありません。
摂りすぎると、疲労感・頭痛・めまい・吐き気などが現れる恐れがあります。
サプリメントを利用する方は目安量を守りましょう。
体内で生成できるので、欠乏することはないと考えられています。
ただし、カフェインをたくさん摂るとイノシトールの消費量が多くなるため、不足する可能性はあるといわれています。
何かしらの症状が現れるなどはないと考えられますが、カフェインをたくさん摂る方は念のため注意しましょう。
イノシトールを利用する方は、相性の良い成分と相性のあまり良くない成分も抑えておきましょう。
イノシトールを効率よく利用できるはずです。
最も相性が良いと考えられる成分がコリンです。
ともに、脂質の代謝に関わり「抗脂肪肝ビタミン」などと呼ばれています。
妊活をサポートする点、脳の神経伝達に関わる点も共通しています。
コリンは、卵、レバー、ナッツ類などに多く含まれています。
イノシトールは広い意味でビタミンB群の仲間といわれています。
ビタミンB群は互いに助け合うため、一緒に摂ると効率よく働くとされています。
イノシトールもビタミンB群と相性が良いと考えられます。
イノシトールがリン酸と結合してできたフィチン酸とカルシウムは、相性があまり良くありません。
フィチン酸がカルシウムの吸収を妨げるからです。
サプリメントを利用する方は、フィチン酸タイプのイノシトールが配合されていないかチェックしましょう。
イノシトールそのものとカルシウムの相性は悪くありません。
イノシトールは毎日の食事から摂ることができます。
効率よく摂りたい方は、次の食品などを利用しましょう。
イノシトールを豊富に含む食品の代表がオレンジです。
100gあたり200㎎程度のイノシトールを含むといわれています。
その他のビタミンなども豊富に含むので、健康維持に活かしたい食品といえます。
同じ柑橘類のグレープフルーツもイノシトールを豊富に含みます。
100gあたりの含有量は150㎎程度といわれています。
カットするだけで食べられるので、イノシトールを摂りたい方は朝食などに利用するとよいでしょう。
芋類ではジャガイモがおすすめです。
100gあたり100㎎程度のイノシトールを含みます。
豆類のグリーンピースもイノシトールを含みます。
100gあたりの含有量は280㎎程度といわれています。
以上のほかでは、トマトがイノシトールを含みます。
含有量は100gあたり40㎎程度といわれています。
そのまま食べられる手軽さが魅力です。
サラダなどに活用してみてはいかがでしょうか。
イノシトールは、「イノシット」と呼ばれる水溶性の物質です。
「抗脂肪酸ビタミン」と呼ばれることがあります。
サプリメントを利用すれば、イノシトールを手軽に摂れるほか相性の良い成分も一緒に摂ることができます。
気になる方は、利用しやすいサプリメントを見つけてみてはいかがでしょうか。
イノシトールは体内で生成できる成分ですが、それだけでは十分ではないと考えられています。
不足する分は外から補わなくてはなりません。
食生活が乱れている方などはサプリメントを利用すると良いでしょう。
サプリメントを利用すれば、手間をかけずにイノシトールを摂ることができます。
イノシトールは次のサプリメントなどに配合されています。
知的活動成分・イノシトールと天然ポリフェノールの一種・フェルラ酸を配合したサプリメントです。
1日の目安量で400㎎のイノシトールと125㎎のフェルラ酸を摂ることができます。
専門医が監修している点、GMP認定の国内工場で製造している点、レモン風味で飲みやすい点が魅力です。
うっかりが増えた方、何かとおっくうな方、何となくぼんやりしている方などにオススメされています。
相互に助け合う8種類のビタミンB群とその働きを助けるイノシトールを一緒に配合したサプリメントです。
1日分の目安量にあたる2粒で10㎎のビタミンB1・40㎎のビタミンB2・30㎎のビタミンB6・6μgのビタミンB12・30㎎のナイアシン・400μgの葉酸・30㎎のパントテン酸・50μgのビオチンと50㎎のイノシトールを摂ることができます。
健康と美容が気になる方のほか、葉酸を配合しているので妊娠中の方にもオススメされています。
参考サイトコリンとイノシトールの効果 – 医療法人社団 満岡内科・循環器クリニック