プラセンタの種類ごとに異なるメリット・デメリットや得られる効果について紹介♡
アンチエイジング効果の高いプラセンタは、健やかな美肌を目指す際に有効な手段の1つとして挙げられます。
しかし、いざプラセンタでのアンチエイジングを心掛けるにあたり、プラセンタの種類やその摂り方の多さから「どれが1番良いのかな」と迷ったり悩んだりする人は少なくありません。
こちらでは、プラセンタの種類ごとに異なるメリット・デメリットのほか、プラセンタから得られる効果などプラセンタの基本から実際に続けていく中で知っておきたい知識について分かりやすくご紹介します。
また、プラセンタの摂り方ごとの注意点や得られる効果も合わせて解説しますので、自分に合った方法を見つけるにあたっての参考にしていただけますと幸いです。
目次
プラセンタの種類と違い
「プラセンタ」と一言で言っても、原材料によって「馬プラセンタ」「羊プラセンタ」「豚プラセンタ」「ヒトプラセンタ」そして「植物性プラセンタ」「海洋性プラセンタ」の6種類に分けられます。
動物性プラセンタとそれ以外のプラセンタは別物
そもそもプラセンタとは胎盤のことを指し、一般的に美容・治療に用いられるプラセンタは胎盤から抽出されたプラセンタエキス(胎盤エキス)のことです。胎盤にはタンパク質・脂質・糖質の三大栄養素のほか、10種類ものアミノ酸、そしてビタミン類が包皮に含まれています。
特に、タンパク質の1つである成長因子は胎児の成長を促進するもので、加齢と共に衰える体の代謝や成長ホルモンを活性化させる働きがあります。自然界で成長因子が存在するのは胎盤のみです。
したがって、海洋性プラセンタや植物性プラセンタは厳密に言うとプラセンタには該当せず、プラセンタ特有の成長因子からの効果は得られませんから動物性プラセンタとは全く異なるものだと認識してくださいね。
とは言え、植物性・海洋性プラセンタだからこそ得られる効果がそれぞれにありますから、合っていると判断できた場合には選択肢として考えても良いですね。
原材料 |
効果/価格 |
安全性/品質 |
特徴 |
用途 |
馬プラセンタ |
高い |
高い |
アミノ酸含有量が豚プラセンタの1.2~1.5倍で必須アミノ酸を含む |
主にサプリメント |
高い |
血統付きの国産サラブレット |
豚プラセンタ |
普通 |
普通 |
大量に抽出・生産が可能な分、安価 |
サプリやドリンク |
安い |
ワクチンや薬剤投与の影響がないSPF豚 |
羊プラセンタ |
高い |
普通~高め |
ヒトの胎盤に近いアミノ酸組織で拒否反応が少なく、体内への浸透力も高い |
主にサプリ |
普通 |
ニュージーランドやスイスからの輸入品 |
ヒトプラセンタ |
高い |
非常に高い |
医薬品として用いられるため、取り扱いは医療機関のみ |
プラセンタ注射のみ |
治療目的の場合には保険適用可 |
日本人の胎盤のみ |
植物性プラセンタ |
低い |
― |
胎盤ではなく、植物の胎盤にあたる胎座から抽出 |
化粧品 |
普通 |
― |
海洋性プラセンタ |
低い |
― |
胎盤ではなく、魚が持つ胎盤に近い部位である卵巣膜から抽出 |
ドリンクやサプリメント |
普通 |
主に鮭 |
それぞれのプラセンタで品質や価格、そして特徴や用途が上記の表のように異なります。したがって、プラセンタを摂取する目的や予算に合った種類を選ぶことが大切になりますよ。
馬プラセンタ
馬は1年に1回1頭のみの出産を行う動物なので、妊娠期間が他の動物よりも非常に長いです。つまり、1頭を長期間に渡って集中的に育む分、プラセンタにも様々な栄養素が凝縮されていますよ。主にサプリメントやスキンケア製品に使用されています。
また、血統付きのサラブレットの場合には徹底された、飼育環境や管理のもとで育てられており、良質で活性度や安定性の高いプラセンタが抽出されます。その反面、1年に一度しか出産しないために大量生産が難しい分、価格が高いというデメリットもあります。
しかし、豚プラセンタよりもアミノ酸含有量が約1.2~1.5倍で、豚プラセンタには無いヒスチジン・フェニルアラニン・メチオニン・トリプトファンといった4種類の必須アミノ酸を含んでいるという優れた点もあります。
最近では、準必須アミノ酸(必須アミノ酸がなければ合成できない非必須アミノ酸のこと)であるチロシン・システインの2種類が馬プラセンタに含まれていることから、より多くの注目を集めています。
豚プラセンタ
豚は1年に2回そして一度に10頭前後ものたくさんの子供を産む動物なこともあり、プラセンタも多く抽出できて大量生産が可能ですから価格が安く抑えられているというメリットがあります。安価なことからサプリ・スキンケア・ドリンクなど様々なプラセンタ製品に使用されており、流通量が最も多い動物プラセンタです。
一方、一度にたくさんの子供を産み妊娠期間が馬よりも短いことから、馬と比べるとプラセンタ特有の成長因子による活性化の作用が少ないというデメリットもあります。
また、豚自体が病気にかかりやすく予防接種のワクチンや薬剤を投与される動物です。そのため、安全性を求める場合には、管理が徹底されていてワクチンや薬剤からの影響がないSPF豚から抽出されたプラセンタを選ぶ必要があります。
SPF豚から抽出されるプラセンタは、通常の豚の約3倍もの有効成分を含んでいますから、安全性のみならず得られる効果を踏まえてもSPF豚のものを選びたいですね。
羊プラセンタ
羊プラセンタの多くは、スイスやニュージーランドで伸び伸びと育った羊の胎盤を使用されており、国内ではあまり使用されていません。したがって、羊プラセンタ製品のほとんどは海外からの輸入品となっています。
国内産羊の胎盤はヒトのものに近く、特にアミノ酸の組織が非常に似ているという特徴があります。そうした特徴から、肌の赤みや発疹といった免疫反応が起こりにくく、体への浸透力が高いというメリットが得られますよ。
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ヒトプラセンタ
ヒトプラセンタは、国から認可された製薬会社と契約している日本の産婦人科から提供される日本人の胎盤が原料として使用されています。ヒトプラセンタは医薬品として製造されており使用がプラセンタ注射に限られるので、取り扱いは医療機関のみにとどまります。
また、ラエンネック(肝機能障害の治療に用いられる)とメルスモン(更年期障害の治療に用いられる)といった2種類があり、それぞれの治療を目的とした場合には保険が適用されて費用が一部負担となります。
しかし、アンチエイジングや美肌効果を目的とした場合には、保険適用外で全額負担となりますから費用が高額になります。とは言え、プラセンタ注射として直接血液に注入するので、即効性がある優れた効果が得られるというメリットがあります。
備考 植物性・海洋性プラセンタ
植物プラセンタと海洋性プラセンタは、どちらもプラセンタ由来の成長因子からの作用が得られない「プラセンタとは全く別のもの」です。しかし、それぞれに含まれるビタミン類・アミノ酸・ミネラルなどの栄養素による効果が得られますよ。
1.植物性プラセンタ
まず、植物性プラセンタは大豆やトウモロコシなどの胎座(植物での胎盤にあたる部分)から抽出された成分です。特に大豆由来のものであれば、女性ホルモンと似た作用を発揮する大豆イソフラボンを同時に得られます。
アミノ酸・ビタミン類・ミネラル類といった豊富に含まれているので、植物由来の美白や保湿といった美肌効果が得られます。成長因子によるアンチエイジング効果は得られないものの、副作用のリスクが少なく安全性に優れているというメリットがありますよ。
2.海洋性プラセンタ
海洋性プラセンタは、魚の卵を守って育てる卵巣膜という部分から使用されたもので「マリンプラセンタ」と呼ばれることもあります。海洋性プラセンタのほとんどが鮭を原料として使用しているので、「スジコの表面の薄い膜が原材料」としてイメージすれば分かりやすいですね。
動物性プラセンタと同様に多くのアミノ酸が含まれていますが、海洋性プラセンタで特筆すべき点は9種類の必須アミノ酸が全て含まれているという点です。必須アミノ酸を全て含むのは海洋性プラセンタのみで、動物性プラセンタでも全種類は含まれていません。
また、海洋性プラセンタには動物のものには無い成分「エラスチン(肌に弾力や潤いをもたらす効果がある)」が含まれていますから、美肌効果は優れていると言えます。
海洋性プラセンタからは成長因子由来のアンチエイジング効果は得られないものの、海洋性プラセンタならではの成分・それによる効果がきちんとあるのですね。
プラセンタの持つ効果効能
動物性プラセンタに含まれる成長因子には、肌内部にある線維芽細胞の活性化・成長促進によって肌そのものを若返らせたり、線維芽細胞が持つ「美容成分の生成」を促進したりする効果があります。
また、プラセンタはアミノ酸・ビタミン類・ミネラル類をはじめとした様々な栄養素に富みますから、それぞれの栄養素から得られる「抗酸化作用」「抗炎症作用」そして「血行促進作用」との相乗効果も得られますよ。
つまり、動物性プラセンタでは、肌本来を若返らせながら様々な肌の悩みを総合的に解消して美肌へとアプローチできるのです。
特にプラセンタから得られる美肌効果としては、「肌の弾力を取り戻してシワやたるみを改善する」「肌のターンオーバーを促進して効率良く肌トラブルを解消する」「抗酸化作用から老化を抑制」「メラニン生成を抑制してシミを予防する」といった嬉しいものばかり♪以下ではそれぞれの美白効果を具体的に見ていきましょう。
肌にハリや弾力を取り戻し、シワやたるみを改善
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸など、肌の潤いやハリに作用する潤い・弾力成分を生成する働きが線維芽細胞にはあります。肌の深い部分にある真皮層にこれらの成分がたっぷりあれば、潤いに満ちていてハリのある美しい肌となります。
ところが、これらのコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といったありがたい成分は、年を重ねるごとにその数が減少してしまうのです。加齢によってシワやたるみが増えたり乾燥し勝ちになったりするのは、こうした潤い・弾力成分が失われていくからなのです。
プラセンタ由来の成長因子は線維芽細胞を活性化させ、減少したコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった成分を肌の内側から増やすことが可能に!
肌の内側から弾力・潤いを増やすという成長因子からのアプローチは、当然化粧水や乳液などで外から弾力・潤い成分を肌に与えるよりもその効果・持続力ともに優れていますよ。
肌のターンオーバーを促進!肌トラブルの解消にも
そもそも肌のターンオーバーとは、古くなった皮膚組織や老廃物を外へと押し出して新しい肌細胞へと生まれ変わることをいいます。肌の新陳代謝と捉えても問題ありません。
肌を乾燥から守ったり健やかな状態を保ったり、あるいは修復・回復するうえで、この肌のターンオーバーは大変重要な役割を果たしています。裏を返せば、肌のターンオーバーが正常に行われないと、乾燥肌やニキビをはじめとした様々な肌トラブルに繋がりかねないのです。
プラセンタには細胞成長因子の働きや血行促進効果から、肌の生まれ変わりを促進する効果があります。肌が生まれ変わる際に皮膚表面に存在するメラニン色素も排出できますから、顔全体がワントーン明るくなりますよ。
また、肌の老廃物や毛穴の汚れを早く排出できるようになるので、毛穴詰まりから生じるニキビや角栓の根本的な予防にも役立ちます。抗炎症作用や肌のターンオーバー促進によって既に生じている肌トラブルの修復力も高まりますし、肌トラブルの改善・予防の両方の実現が可能!
抗酸化作用から老化を抑制
見た目年齢に直結するシミやシワなどは、紫外線ダメージのほかに活性酸素という老化の原因ともされる物質から影響を受けて多く生じます。
活性酸素とは体内で生成される物質で、その数が多くなるとメラニン生成が促進されたり、細胞を酸化させて脆くなったりします。したがって、肌細胞の老化やシミ・ソバカスを防ぐには、活性酸素の除去が欠かせません。
プラセンタには抗酸化作用(活性酸素を除去してその数を減らす作用)の強いビタミンCやビタミンEが多く含まれていますから、シミやシワといった老化による肌の変化を抑制してくれますよ。
メラニン生成を抑えてシミを予防
チロシナーゼという酵素の働きを抑制してメラニン生成を防ぐ効果があるため、プラセンタは厚生労働省から「美白成分がある」と認められています。
肌のターンオーバーを促進して既にできたメラニン色素を外へと出してしまう「排出美白」と、メラニン色素の生成を抑制する「予防美白」との2つの美白効果から肌を白く美しくできるのですね。
プラセンタの摂り方
肌そのものを若返らせながら様々な美肌効果を得られるプラセンタは、主に「サプリメント」「プラセンタドリンク」「プラセンタゼリー」「プラセンタ注射」といった4つの摂り方が存在します。
それぞれの摂り方によって「効果の持続時間」「効果の現れ方」「副作用」「かかる費用」そして「摂取のしやすさ」が大きく異なりますから、目的や予算に合った摂取方法を選ぶようにしましょう。
手軽に持続性が得られるサプリメント
プラセンタからの嬉しい効果を実感するまでには3ヶ月と時間がかかりますが、コストパフォーマンスに優れていて簡単な摂り方こそがサプリメントになります。通販で購入して始めやすいのも嬉しい点です。
プラセンタのサプリメントのほとんどがカプセルタイプで飲みやすく、忙しい人でもプラセンタを摂取するという習慣を続けやすいですよ。また、カプセルタイプのサプリメントにするにあたって余分な水分が除去されていて、プラセンタの成分が凝縮されているという点も魅力の1つです。
特に、サプリメントに記載されている成分表の1番最初に「プラセンタエキスパウダー(プラセンタを凝縮して粉末状にしたもの)」の文字があるものがオススメです。これは、原材料の表示には「含有量が多いものから順に表示しなければならない」という規定があり、「1番最初に記載されている=1番多く含まれている」の判断材料となるからです。
コストパフォーマンスに優れるサプリメントではありますが、含まれる成分や使用されているプラセンタとその含有量によって価格に大きな幅があります。価格や得たい効果や成分に合ったものを選ぶようにしましょう。
飲みやすい!簡単に即効性が得られるドリンク
サプリメントと同様、入手方法が簡単で手軽に摂取できるのがドリンクタイプのプラセンタです。多くのプラセンタドリンクは小瓶をはじめとした容器に入っているので、その分サプリメントよりも価格が高くなりますが、吸収の速さから即効性が期待できますよ。
展開されているドリンクのほとんどが飲みやすい味で続けやすくいものの、それだけ糖分や香料が多く使用されているのでカロリーが高いというデメリットも。
プラセンタの他にも美容成分・健康成分が配合されているものを選べば、相乗効果からより早く美肌効果を実感できますよ。サプリメントと同様にプラセンタの含有量や成分を入念にチェックして選ぶようにしてくださいね。
デザート感覚で美しく!プラセンタゼリー
最近ではプラセンタゼリーという方法での摂取も可能で、持ち運びが簡単なスティックタイプのものを選べばいつでもどこでもプラセンタを摂り入れられますよ。
デザート代わりとして毎日の生活の中で摂取できるというのも、スイーツ好きな人が多い女性には嬉しいですね。しかしドリンクと同様、プラセンタゼリーには糖分や香料が多く使用されていますから高カロリーなものが中心で、プラセンタ自体の含有量が少ない傾向にあります。
プラセンタの含有量が少ないもののそれだけ価格も比較的安いものが多いというメリットから、プラセンタのライトユーザーから人気を集めています。コラーゲンやビタミンなどの肌に嬉しい成分も配合されているものが多いのも魅力的ですよ。
効果だけならピカイチ!プラセンタ注射
プラセンタ注射は成分を直接体内に注入する、そしてヒトプラセンタが原材料のプラセンタ薬が用いられることから、上記のどの摂り方よりも吸収率・効果ともに非常に高いです。
しかし、プラセンタ注射から得られるのはメリットばかりではなく、「病院のみでしか受けられず保険適用外で全額費用のため費用が高額になる」「週に1~2回の注射を定期的に受ける必要があること」そして「ヒトプラセンタに含まれるタンパク質からアレルギー反応が副作用として生じることもある」といったデメリットも伴うのも事実です。
特に、注意点として「プラセンタ注射を受けた後には献血や臓器提供ができない」が挙げられます。ヒトプラセンタの製造は「HIVやC型肝炎などの検査をクリアした健康な妊婦から得た胎盤のみを使用する」「製造過程でウイルスの不活化、注射剤製造時の滅菌」などが徹底的に行われて安全です。
しかし、ヒト由来の胎盤を使用することから感染症の恐れがゼロとは言えないのが現状です。献血や臓器提供を受ける人の感染症予防を目的とし、献血や臓器提供の制限が設けられているので気を付けなければなりません。
体に直接注入するがゆえのメリット・デメリットがそれぞれに存在しますから、プラセンタ注射を受ける前にはよく考えて後悔のない判断をしてくださいね。プラセンタでのアンチエイジングを考える際にプラセンタ注射から始めるのも良いですが、「まずはサプリメントを毎日飲んでみよう」「プラセンタドリンクで嬉しい効果を得よう」と段階を踏んでプラセンタを試すことも賢い方法ですよ。
まとめ
プラセンタと一言で言っても様々な種類があり、メリットやデメリットがそれぞれで異なることが分かりました。
したがって、目的に応じた種類のプラセンタを選んだり、続けて摂取することを踏まえた価格の商品・摂取方法にしたりと「合ったプラセンタを合った方法で継続して摂取すること」が大切になりますよ。
継続して摂取すればプラセンタ由来成分「成長因子」が肌そのものを若返らせてくれますし、アミノ酸・ビタミン類・ミネラル類といった豊富な栄養素との相乗効果から確実に若々しく美しい肌になれますよ。
しかし、優れた美容効果が得られる反面、プラセンタ注射などでは受けることによって制限が生まれますし高い費用がかかります。また、サプリメントやドリンクといった商品といった比較的手軽な摂取方法でも、高品質なものであれば続けるための費用も高く付きます。
プラセンタからは優れた効果が得られるばかりではなく、様々なリスクや費用が伴うことを忘れないで下さいね。プラセンタの摂取方法や選び方で後悔しないためにも、自分に合ったものをきちんとサーチするようにしましょう。